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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ファクトリー(平和、ハネモノ)

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1988年(昭和63年)に平和から登場したハネモノ「ファクトリー」

大当りへの道は厳しいが、一旦当たれば完走率は高い…「波の荒さ」が特徴だが、平成3年の新要件・初期に多く出たインフレ大量獲得機とは一味違う、「練り込まれたゲーム性」も魅力だった。

★昭和末期の旧要件機
★賞球…オール13
★ハネ開放時間…オトシ=約0.5秒、ヘソ=約0.75秒×2
(オトシとヘソでは、ハネの開く角度も大きく異なる…後述)
★最高8ラウンド継続
★当時の設置店(実戦期間は平成2年5月~11月頃まで)
歌舞伎町「日拓III」(3円・2500発終了)、登戸「ハトヤ」(2.2円、3000発終了)
★賞球違いの兄弟機…「ファクトリー7」(賞球7&13、2チャッカーがチューリップ)



(ゲーム性)

(A)通常時



本機のヤクモノは、大別して上段・中段・下段の「三層構造」からなる。

ハネに拾われた玉は、まず平らな上段ステージに乗り、ステージ奥の左右穴(A1、A2ルート)を通って、中段に落下する。

この時、1チャッカー(オトシ)入賞時はハネ開放時間が短く、ハネの開く角度も小さい(約40度)。一方、2チャッカー(ヘソ)入賞時は、開放時間が長めで、ハネの開きも大きい(約75度)。必然的に、1チャッカーより2チャッカーの方が大当りのチャンスも大きく、ヘソの甘い台ほど打ち止め機会も多い。


次に、中段の真ん中には、屋根を思わせる傾斜付きのステージがある。上段から落下した玉は、この屋根に当った後、(1)左右に振り分けられるルート(B1,B2)、或いは(2)手前方向に転がるルート(C1、C2)の何れかをとる。

(1)(2)何れのルートを取るかは、役物入賞時の玉の勢い、上段ステージでの玉の軌道、台のクセやネカセなどによって変わる。

(1)の「左右ルート」を通った玉は、なだらかな傾斜の付いた、「POOL」と書かれた横長のスロープに入る。左右に大きく張り出したスロープは、盤面でもひときわ目立つ存在だった。



左右スロープの奥では、工作車両を思わせる、アーム付きのキャタピラが待ち構える。大当り中は、このアームがグンと伸びて、スロープ内に玉を複数貯留する。しかし、通常時はアームの恩恵を受ける事はなく、貯留もほとんど働かない(一応、チャッカー入賞でアームは伸縮するが、ほぼ意味なし)。よって、通常時、左右のスロープは単なる「ハズレゾーン」に過ぎない。

一方、(2)の「手前ルート」を通って落下した玉は、真下の「小羽根」にアプローチする。この小羽根は、下図のように「水平に近い八の字」(下降時)→「バンザイ状態」(上昇時)の上下動を、延々と繰り返している(1秒上昇・1秒下降の約2秒周期)。


落下した玉が小羽根に乗った時、小羽根が上昇した(バンザイ)状態だと、二枚の小羽根の間を縫って、その下の中央Vゾーン(「GOOD」と書かれた部分)に入賞しやすい。逆に、小羽根が下がった状態では、ほぼ確実に小羽根の外側に流れて、V両脇のハズレ穴に入ってしまう。また、小羽根が下降する途中で乗った場合も、やはりVを外す確率が高い。

小羽根のタイミングは非常にシビアで、上昇中に玉が乗った時でさえも、Vを外す事が多かった。まさに、玉と小羽根のタイミングが「ピンポイント」で合致した時に、Vを射止める事が出来たのだ。大当り中の出玉が多い代わりに、通常時のV入賞率は非常に辛かったといえる。

ただ、その分、オトシを甘めに調整する事も多く(ヘソは辛めの調整も目立ったが…)、13個戻しで玉持ちも決して悪くなかった。同じ「辛い」とはいっても、新要件初期に出たサンダードラゴンやニュートキオなどとは、投資ペースが全く違ったのだ。厳しい中にも、「遊べる」要素が数多く存在したという事である。


(B)大当り時

ヤクモノ内の小羽根は、大当り中も通常時同様、一定周期で上下動を繰り返す。

一方、左右のスロープは、単なるハズレゾーンだった通常時とは違い、がぜん重要な役割を果たす。

先述の通り、スロープ奥には、アームの付いたキャタピラ車がある。通常時、アームは縮んだ(畳んだ)状態だが、大当りすると、アームは伸び切った状態になる。




上図のように、アームが縮んだ状態(通常時)だと、アーム先端のストッパーも引っ込んでいる為、スロープ中腹にある「アウト穴」が、玉の貯留を阻む。
一方、アームが伸び切った状態で固定(大当り時)されると、先端のストッパーがアウト穴への入賞を防ぎ、ストッパー前方に玉を貯留できる(最大5個)。この貯留状態は、上段ステージ5カウントまで続く。

6カウント目の入賞を感知(入賞センサーは上段ステージ奥の穴にある)、又は10回目のハネ開閉終了で、マジックハンドよろしく左右のアームが「伸縮運動」を開始する。この時のヤクモノの玉の動きが、本機の大きな見せ場でもあった。

アームが伸縮を繰り返すと、スロープ内にあった貯留玉は、ストッパーによって中央方向にポンポンと弾き飛ばされる(但し、アームが縮んだ時、アウト穴に入り易くなる)。

貯留が複数あれば、玉は連なった状態でストッパーに弾かれ、中央に近い玉から順に外へ押し出されて、中央の小羽根に向かう機会も増える。もちろん、小羽根の上下するタイミングが、V入賞を左右する事に変わりはない。

以後は、上段ステージ奥で入賞を感知するたびに、アームは伸縮動作を繰り返す。このスロープ内の「玉突き」が、非常にアナログかつ豪快で、視覚的にも楽しかった。

この時、スロープ内の貯留が多ければ多いほど(最大5個)、アーム伸縮時に貯留玉がストッパーに押し出されて、小羽根にアプローチする頻度も増える。また、貯留が2,3個の状態でも、アームの伸縮動作で後続の玉はサイドに流れにくい為、やはり小羽根に向かうケースが増える。大当り中の貯留機能及びアームの独特な動きが、本機のV継続率を非常に良好なものにしていた。


通常はV入賞しづらいが、一度当れば完走率も高く、数回の初当りで打ち止め可能…ヤクモノ自体の面白さに加えて、こうした「適度なギャンブル性」も、本機の人気を高めた要因となった事は疑いない。さらに、チャッカー入賞時や大当り時に流れる派手な効果音(アーケードゲームのような電子音)も、打ち手の心をつかむには十分だった。本機は、間違いなく昭和末期~平成初期に活躍した「名機」の1つであろう。



(参考)
1988年8月9日付「鳥取県公報」より(新台の「検定」に関する鳥取県公安委員会告示)

(同日に検定を受けた機種)

・マルホン…クロスファイブ、クロスファイブパート2、サンルート、フットボール、ダブルクルーン
・ソフィア(西陣)…ニュー金棒くん、ニュー金棒くん11、スペースドームP-3、スーパーブラザースP-3、ザ拳法P-2
・豊丸…ドンスペシャルP10、ゴルフ、ニューミラクルチャンスP1、メモリィゴールド
・三共…フィーバーグランデII、フィーバーロイヤルVW、フィーバーロイヤルVIW
・平和…ブラボービューティII、ブラボーエンブレム、ファクトリー
・ニューギン…スーパーサイクロンIII、スーパーレスキューIII、ドラゴンII
・三洋…ワールドパニック2号W、カーニバル
・サミー工業…ビッグスピンFX(アレパチ)
・太陽電子…フル・マーク(アレパチ)
・瑞穂製作所…ファイアーバードEX(パチスロ)


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