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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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日テレ深夜に流れた、ジブリ作品の「試験放送」(1997年)

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※今回は、パチ・スロとほぼ無縁の話なので、予めご了承願いたい。



以下は、主に自身の「備忘録」として作成した記事だが、この情報が、90年代テレビ・映画史の一助となれば幸いだ(ネット検索しても、全くといってよい程、以下の内容が出て来ないので…)。




19年前の1997年(平成9年)7月、宮崎駿監督でお馴染み、スタジオジブリの長編アニメーション映画「もののけ姫」(徳間書店)が、東宝洋画系にて公開された。

構想16年、製作3年の超大作。作り込まれたストーリーは勿論の事、個性溢れる登場人物、色彩豊かな映像美、豪華な声優陣、そしてカウンターテナー歌手・米良美一の透明感溢れる主題歌など、当時は大きな話題を呼び、興業的にも大成功を収めた(私も、地元映画館にて鑑賞)。



ところで、本作公開前の一時期、日本テレビの深夜枠で、この映画の宣伝用と思しき「試験放送」が流れた事を、皆さんはご存知だろうか?


ネット情報の少なさからすると、或いは、首都圏のみの「ローカル放映」だったのかもしれない。


「深夜」といっても、午前0時や1時といった次元ではなく、真夜中の3時半過ぎから、早朝5時頃のオープニングまでの、約1時間半。大半の人が眠りに落ちた、「忘れ去られた」時間帯である。


まぁ、当時の私は相当の「宵っ張り」だったから、90年代深夜放送とは、何かと縁が深い。


放映時期は、「もののけ姫」封切り直前の、1997年6月末~7月初頭。1日、2日の短期ではなく、3週間ほどに渡り、オンエアされていた筈だ。


但し、「毎日、必ず流れる」訳ではなく、日によって、やったりやらなかったりと、割と「神出鬼没」的なOAだった。


「今日、録画しておこうかな…」と思ってビデオをスタンバイしても、最後まで映像が流れてこないことが、結構あったのだ。




では、この深夜枠で、一体何が放映されたかというと、新作(当時)「もののけ姫」の情報に加えて、過去の全ジブリ作品(映画)を、ダイジェストで時系列順に紹介していた。


宮崎駿氏や高畑勲氏の作品、すなわち、1984年公開の「風の谷のナウシカ」(厳密には、ジブリが出来る前の作品)に始まり、1986年の「天空の城ラピュタ」、88年同時公開の「となりのトトロ」と「火垂るの墓」、89年「魔女の宅急便」、91年「おもひでぽろぽろ」、92年の「紅の豚」、94年「平成狸合戦ぽんぽこ」、そして95年公開「耳をすませば」の、計9作品である。


(C)日本テレビ/1997  (C)二馬力・徳間書店/1988
(このタイトルの後に、ダイジェスト映像などが流れた)



(C)日本テレビ/1997  (C)岡本蛍・刀根夕子・TNHG/1991
(「おもひでぽろぽろ」のワンシーン)



各作品のダイジェスト映像の他、登場する各キャラクターの初期設定やイメージボード(スケッチ)、ストーリーボード(絵コンテ)、小説用イラストなども多く紹介。「ジブリファン」ならずとも、なかなかに楽しめる内容であった。


なお、こうしたイラスト関連の画像は、主に、徳間書店「アニメージュ」の「THE ART」シリーズ(映画の原画やイラストを掲載した本)からの抜粋だった事を付け加えておく。


さらに、各映画で使われたキャッチフレーズ(例:となりのトトロ…「このへんな生きものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」)や、作画枚数、使用色数、上映時間、製作期間といった関連情報も、併せて紹介。ジブリ作品に関する「ウンチク」が、この映像を見れば、ほんの少しだけ判った。


(C)日本テレビ1997  (C)角野栄子・二馬力・徳間書店/1989
(「魔女の宅急便」の製作期間(88.4/1~89.7.17)を示すデータ)


また、映像のバックでは、各作品のテーマ曲(例「魔女の宅急便」…荒井由美「優しさにつつまれたなら」)が常に流れていた。ジブリ映画はどれも名曲揃いで、非常に耳心地が良かった。


それぞれの映画の紹介時間は、「4~6分」程度と短め。

ナウシカが終わるとラピュタ、ラピュタの後は一旦「もののけ姫」の宣伝が入る(米良美一の主題歌をバックに映像が流れる)。それが終わると「トトロ」、次が「魔女の宅急便」。再び「もののけ姫」を挟んだら、さらに「おもひで」⇒「紅の豚」⇒「もののけ」⇒「ぽんぽこ」⇒「耳をすませば」という具合に、時系列順に作品の映像は続く。


こんな感じで、新作「もののけ姫」を中心に、全てのジブリ映画を「ダイジェスト+原画紹介」の形で、延々と流し続けたのだ。


(C)日本テレビ/1997  (C)二馬力 TNGD/1997
(この深夜枠の主たる目的は、やはり97年7月12日公開「もののけ姫」の宣伝だろう。ダイジェスト映像の他、仕事場で「もののけ」のセル画描きに追われる、スタッフの様子なども紹介)



しかも、95年の「耳をすませば」が終わると、再び84年の「ナウシカ」に戻るので、映像は「エンドレス」状態。これが、午前3時半頃から、「ハトのOP映像」が出る午前5時までの間、ひたすら続いた。


さらに、こうしたジブリ映画の合間には、やはりジブリの作品「そらいろのたね」(優しい少年と、一寸ワガママな小ギツネのファンタジー)も併せて放映(3話分)。同作は、もともと絵本だったが、93年の日テレ開局40周年記念に、ジブリが「アニメ版」を製作(宮崎駿氏が監督を務めた)。


(C)日本テレビ/1997  (C)中川季枝子、大村百合子、スタジオジブリ
(アニメ版「そらいろのたね」…バックで流れる、ホンワカしたBGMも好きだった)




それにしても、あらためて内容を振り返ってみると、当時はボーッと画面を見ていただけだが、単なる深夜の「試験放送」にしては、あまりに「贅沢」すぎる映像だと思う。いい時代だったねぇ…。


こんな感じで、19年前の一時期、いわば「日テレ・深夜ジブリ枠」的な、贅沢極まりない映像が、ひっそりと流れていたのだが…


既存のネット情報は、私が調べた限り、「皆無」である。まさか、「私しか覚えていない」という訳ではないと思うが…。


「夢でも、見てたんじゃないか」と突っ込まれそうだが、当時の録画が手元にあるので、間違いない。





因みに、なぜこの映像が「試験放送」と判ったかといえば、画面の右上に日テレのマスコットキャラ「なんだろう」が時計回りに動いていて、胴体に「TEST」の文字がくっきり書かれていたからだ。

(C)日本テレビ
画面右上の「なんだろう」は、右向き時は普通だが…


(C)日本テレビ
クルリと回って左を向くと、試験放送を思わせる「TEST」の文字が現れる。映像が流れる間、ずっとこのキャラが、右上でクルクルと回り続けていた。


因みに、この「なんだろう」も、’93年の日テレ開局40周年に、宮崎駿監督がデザインしたキャラ。当初は「1年限定」の使用予定も、予想外の人気で、そのまま使い続けた経緯がある。正体不明の「謎」キャラだが、正面が「豚っ鼻」なのが、意外性があって面白い。





まぁ、当方が提供できる情報は、こんなところだろうか…。

今回は、パチ・スロと一切無関係な話題に終始した。だが、これも、大好きな「90年代史」の一幕という事で、どうかご理解頂きたい。

それと、こんな古い深夜のマイナー(?)映像を録った当時の自分を、一寸だけ褒めてやりたい。


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