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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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CR球界王EX(西陣、CRデジパチ)

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1994年(平成6年)に西陣から登場したCRデジパチ「CR球界王EX」
(「シーアール・きゅうかいキング・イーエックス」と読む)


★野球がモチーフ

★賞球…5&10&15
(ヘソ5個、アタッカー15個、その他10個)

★大当り確率…3段階の設定付き

・設定1:1/286 (確変中:1/81.7)
・設定2:1/303 (確変中:1/67.3)
・設定3:1/320 (確変中:1/53.3)

★最高14ラウンド継続(通常の16Rより少ない。よって、出玉も2100個と少な目)

★確率変動機能アリ
(プラス2回、ループ有。突入率、継続率は8/25=32%。)

★兄弟機等について

・先行機…球界王(現金機、1993年登場、ノーマルデジパチ)

・新セル版のリメイク機…CR三冠王EX(1996年登場、スペックは本機と全く同じ。)


ノーマル現金機「球界王」…連チャン機ではないが、大当り確率は「1/220」。
当時のノーマル機としては、それ程高くない。


盤面を刷新しただけの、新セル版・リメイク機「CR三冠王EX」



 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~



当時、「CR機」といえば、西陣の爆裂連チャンデジパチ「CR花満開」(1993年)が、
まさに「一人勝ち」ともいえる状態で、全国各地のホールをアツく「席巻」していた。

(CR機導入には、多額の設備投資が掛かる為、導入を躊躇する店もまだ多かったが、
花満の大ヒットを受けて、CR導入店が徐々に増加。)

その西陣が、さらに他社とのリードを広げる為、’94年春に満を持してリリースしたのが、
先行機「球界王」(現金機)のCR版として出た本機である。

事実、本機のデビューを受けて、ライバル各社も対抗するかのように、CRデジパチを
続々とリリースした。平和の「CR名画」や「CR黄門ちゃま2」、三洋「CRスーパーボーイ」
「CRトラベルチャンス2」、大一「CRビッグソロッター2」、SANKYO「CRFワールドI」、
奥村「CRチャンピオン2」などである。

この1994年に、業界は1つの「CR機ブーム」を迎えつつあった。花満を契機に
CR導入店も増加傾向にあったが、この年のブームによって、導入店は顕著に増加。

(なお、1992年夏にも「初期CR機」が発表されたが、あまりブームにはならず。)


こうした流れは、やはり前年(1993年)秋に勃発した「ダービー物語事件」が大きく
影響した事が明らかだ。意図的な連チャン性を有する「現金機」に圧力をかけて、
CR導入の流れを強めんとする当局の意図が、メーカー各社に波及した格好だ。


そんな訳だから、この時期、CRが普及した契機には、かなり「不純」な一面もある。だが、
実際リリースされたCR各機種には、それぞれ独特の面白味があった。私自身も、当時の
人気CR機に対峙する機会は、それなりに多かった。
(実戦のメインは、あくまでも現金機(或いはスロ)だったが)

なかでも、スペックの割に確率が比較的甘く、大ハマリの危険も少なく感じられたのが、
本機であった。ホールで常用された最低設定(設定3)でも「1/320」という値で、資金的に
限りのあった学生(当時)の私でも、追っかけ易いスペックといえた。
(なお、三洋の「トラベルチャンス2」も、確変に入りにくい分、確率はかなり甘かった)

それとは対照的に、大一が同時期に出した「CRビッグソロッター2」は、設定1でも
「1/400」、設定3に至っては「1/450」という極悪の数値で、しばしば、1000回、
いや、1500回越えという超特大のドハマリに見舞われた(3000回ハマった話も聞いた)。
かの有名な大崎一万発氏でさえ、当時、民放でOAされた某・パチンコ特番の中で、
攻略誌のネタとして本機を追った結果、なんと「7万オーバー」の爆死を喰らった程である。
(於「ピア上野」)

一方、本機の場合、そこまでキツいスランプは、あまり見せなかった。勿論、「1/320」が
為せるそれなりのハマリに捕まる事もあったが、「現金機」と見まがう程、ポンポンと続けて
初当りを引く展開も多かった。個人的にも、CR機の割に「取っ付き易い」イメージは強い。


因みに、私はもともと、新宿・歌舞伎町のセントラルロード(当時は「中央通り」)にあった、
「宇宙センター」というパチ屋で、現金機の「球界王」をよく打っていたクチである。
(同店は、後にスロ専となるが、当時はまだ、パチ・スロ併設店だった。)

宇宙センターでの球界王(現金機)の戦績は、案外に良かった。相性が良かったらしく、
大ハマリに捕まった記憶も無い。「2.5円・LN制」だったが、釘の甘い台がチラホラある割に、
シマの客付きはイマイチで、フラッと午後に来て、ブン回りの「お宝台」を見つけたりした。
まさに、都心の一角にあった、オイシイ「穴場」であった。

(C)Google
(新宿「宇宙センター」跡地…現在はカラオケ屋。)


やがて、近くの「新宿日拓1号店」(西武新宿駅前)にCR版の本機が導入され、新装から
間もない頃に打ったところ、運良く確変ループに恵まれて、足下の両脇にドル箱10段くらい
積み上げた。以後、新宿日拓で本機を、そして宇宙センターで現金機の球界王を、
交互に打つ機会が増えた。

また、学校に近かった高田馬場の「日拓・高田馬場本店」でも、地下に導入された本機を
たびたび打ち、そこそこ良好な結果を出していた。

また、この店以外でも、繁華街のホールなら、最低1店舗は本機があるほど設置率は良く、
私も様々なホールで実戦した記憶が残る。

(C)Google
(現在の「新宿・日拓1号店」…同時期、平和の「CR名画」も、ここの1Fで良く打った。)

(C)Google
(「高田馬場・日拓本店」…4号機「チェリーバー」のハズシを、初めて試したのもここ。)


ただ、末期の釘のシメ方はどこも酷く、2.5円交換・無制限の店では、1000円で15回以下しか
回らないような「鬼シメ台」も転がっていた。一方、それと並行するように、新セル版の
「CR三冠王EX」も出回るようになり、一旦途絶えた客付きが、復活するケースも見られた。




おっと、かなり「前置き」が長くなってしまったが…、

以下、本機の特徴について、時には現金機との「比較」も交えつつ、説明する。



(A)機種名(読み方)について

本機(「CR球界王EX」)の読み方は、「シーアール・きゅうかいキング・イーエックス」。

漢字なので、「きゅうかいおう」と普通に読んでしまいがちだが、当時の西陣は、あえて
「キング」と読ませる事で、ありきたりなイメージからの脱却を図った模様。


当時、情報をキチンと把握している攻略誌だと、このように「キング」とフリガナを振っていた。
コチラは、94年の「パチスロ攻略マガジン」誌に掲載された、「朝一設定判別法」記事。
設定変更直後、盤面下の「VIP」ランプの点滅パターンが、通常時と変わる特徴を指摘。


因みに、現金機版「球界王」を、「きゅうかいキング」と読ませたか否かは、資料不足で不明。
ただ、現金機だけ普通の読み方…というのは、いかにも整合性がないので、コチラも
「きゅうかいキング」と読ませた可能性が高い(引き続き、調査を行う)。



(B)大当り確率について

本機は、大当り確率に3段階の「設定」が付いていた。これは、当時のCR機の特徴の一つ。
(もちろん、設定無しのCR機もあったが)

初当り確率は、設定1が「1/286」と一番高く、次いで設定2が「1/303」、最低の設定3で「1/320」。

導入当初は、比較する他のCR機が少なかった為、この確率を特段「甘い」とは
思わなかった。だが、その後、他社が類似スペックで確率の低いCR機を多く出してくると、
本機の良心的な確率が際立つようになった(その分、出玉が少ないハンディはあるが)。

一方、確率変動中は、設定1が「1/81.7」ともっとも低く、次いで設定2が「1/67.3」、
設定3が「1/53.3」と一番甘くなっていた。通常時とは、全く正反対の特徴である。

確変時の確率の設定差を利用して、「確変時にハマり易い台は設定1、すぐに当る台は
設定3」と推測する、簡易な設定判別法も存在した。

もちろん、通常時の初当り回数(確率)から設定を読む、オーソドックスな判別法もあった。
但し、データランプの無い店が大半の時代。「シマ観察」が重要だった。

先述の「盤面ランプ点滅で設定変更を判別する技」も、何も対処していない店ならば
使える事もあった。ただ、設定変更後に一旦電源を切ったり、変更後デジタルを回したり、
盤面ランプを切ってしまえば、たちまち判別は不可となる。

ただ、通常営業は大半の店が「設定3」メインだったので、シマ全体が設定3だったりすると、
こういった判別の類も、さほど意味をなさなかった。

なので、大抵は、基本通り、「クギの良し悪し」で選ぶしかなかった。まぁ、シマの出方を見て
平均設定が高い(と思しき)ホールを探し出すのも、一つのテではあったが。



(C)図柄について

大当り図柄は、数字の「0~9」(10種)と、アルファベットの「A~D」(4種)、それに絵柄の
「ヘルメット、グローブ」(2種)の、計16種類。中デジタルのみ、オールマイティ図柄の
「HIT」(ボール)と、ハズレ絵柄の「バット」がある。

また、左右の「3、5、7」には、小さなボールが付いていた。左右がボール付きだと、
ゾロ目でなくてもリーチになる。つまり、ボール付きは「オールマイティ図柄」だった。
よって、左右が「3・5」「3・7」「5・3」「5・7」「7・3」「7・5」でもリーチとなり、中デジに
「HIT」が止まれば大当りとなる。


因みに、現金機の「球界王」は、アルファベット図柄が「A~H」の8種と多かった。
また、ヘルメットやグローブは、単なるハズレ図柄に過ぎなかった。さらに、左デジタルの
「1」と「9」もオールマイティ図柄になっていて、オールマイティ絡みのリーチパターンが
本機より6つも多い(左右が「1・3」「1・5」「1・7」「9・3」「9・5」「9・7」でもリーチ)。


(現金機だと、こんなオールマイティの大当りパターンもあった)

つまり、現金機の大当り図柄は、「0~9」、「左右3、5、7のゾロ目で、中がHIT」、
「アルファベット8種」、「その他オールマイティ絡み(12通り)」の、計33通りもあった。
(ノーマル機の為、どの図柄も出玉は同じ。但し、「ラッキーナンバー」か否かは重要。)

一方、CR版の本機は、「0~9」、「左右3、5、7のゾロ目で、中がHIT」、「アルファベット4種」、
「その他オールマイティ絡み(6通り)」、「グローブ」「ヘルメット」の、計25通りに減った。

このうち、「1、3、5、7、9」の三つ揃いと、「左右3、5、7、中HIT」の、計8通りが確変図柄。
よって、本機の確変突入率(継続率)は、8/25(32%)となっていた。


(D)リーチアクションについて

本機のデジタル停止順は、「左⇒右⇒中」。

左右が同一図柄でリーチだが、その他、左右にボール付き図柄(3、5、7)が止まれば、
ゾロ目でなくとも「オールマイティ」のリーチがかかる。

この時、オールマイティ(ボール)絡みは必ず「ランナーリーチ」になり、
それ以外の図柄だと、必ず「ボールリーチ」が掛かる。


(a)ランナーリーチ



現金機と同様、本機の大きな特徴だったのが、このランナーリーチ。リーチ後、野球の
ダイヤモンドに画面が切り替わって、中デジのスクロールと共に、味方が次々と出塁。
この時、周回が進むにつれて、「1塁」、「1・2塁」、「満塁」と塁が埋まり、期待感を煽る。
但し、満塁だからといって、特に当り易くなる訳ではない。

但し、ランナーリーチには「ノーマル」と「SP」がある。ノーマルだと、中デジの速度は一定。
(よって、当る時はビタ止まり。)

一方、SPの場合、中デジが大当り手前に差しかかると、スローに切り替わる。こうなると、
期待度も一気にアップ。解析上のSP信頼度は※50%と、非常に高い。SPで外れる時は、
必ず大当り1コマ手前でハズれるので、これまたアツい。


※内部プログラム上、SPリーチは大当り時の1/4、1コマ手前ハズレ時の1/4で出現。
これは、どの図柄でも同じ。よって、ボールリーチのSP信頼度も、同じく1/2。

また、左右「3、5、7」ゾロ目のリーチは、中デジが「数字」でも「HIT」でも大当りする為、
実質「ダブルリーチ」だった(しかも、当る時は必ず確変)。特に、このSPリーチは、
中デジがスローに切り替わる場面が1周で2回もあった為、期待感を大きく煽って、
「脳汁」がタップリ溢れた。


(b)ボールリーチ



オールマイティが絡まない図柄が左右テンパイすると、このリーチだ。リーチ後、画面奥に
大きな白球が現れて、ボールの縦回転と共に、中デジもスクロールする。回転中は、
「頑張って!」という女性の声が、繰り返し流れる。

ボールリーチにも、やはりノーマルとSPがあり、ノーマルは中デジの速度が一定。
無論、当る時はビタ。一方、SPはランナーリーチと同様、大当りの手前でスローになる。
やはり、解析上の信頼度は50%で、ハズレは1コマ手前のみ。

因みに、SPは大当り時の「1/4」で出現するから、「3/4」はノーマルのまま「ビタ」で当る。



(E)サウンド(BGM)について

デジタル回転中サウンドは、野球応援歌の定番である、「ダッシュ慶応」を彷彿とさせた。

大当りの瞬間は、コチラも野球の応援でお馴染み、「進軍ラッパ」(軍隊の「速歩行進」)を
応援風にアレンジした、華やかなファンファーレが流れる。

また、大当り中のメロディは、山本リンダの「狙い撃ち」を思わせる、耳慣れたサウンド。

因みに、この「狙い撃ち」は、中日ドラゴンズの応援ソングとしても有名。かつては、外国人
選手、ゲーリーの定番だった(ゲーリーゲーリー、ホームラン)。元々は、同チーム所属の
石井昭男選手の応援歌として採用されたもの。

大当たり後は、「カッセカッセ、モットモット」と、女性の甲高い自動音声が、繰り返し流れる。



(F)確変について

大当り全25通りのうち、特定の8パターンで大当りすると、確変に突入。
(「1、3、5、7、9のゾロ目」、又は「左右「357」のゾロ目で、中デジのみHIT」)

確変に入ると、「プラス2回」の大当りが確定。さらに、確変中に確変で当れば、
そこから2回の大当りが約束される。

この「フルスペック」に近い(1/3よりわずかに低い)仕様が、平均連チャン「4.63回」という
爆発力をもたらした。

確変中の大当り確率は、1/81.7(設定1)、1/67.3(設定2)、1/53.3(設定1)。
(高設定ほど当りにくい仕様)

また、確変中の小デジ当選率は、「10/11」と高い(通常時の「1/11」から10倍アップ)。

液晶右下の小さな2ケタデジタル(野球のカウント表示をイメージ)が小デジとなっていて、
「3-3」が出ると小当りで、電チューが約2秒開放。この時、電チュー開放に合わせて
止め打ちを行うと、持ち玉の大幅節約になった。手順は、小デジ変動後に止め打ちして、
台枠ランプが3回光ったら数発打ち出す…の繰り返し。

なお、確変中は、「リーチアクション」が一部省略される仕様だった。ノーマルリーチは
全カットされるので、ノーマルで当る時はいきなり揃う。

確変中、リーチが掛かる条件は、「確変大当り」又は「確変リーチが1コマ手前でハズれる」
場合に限られた。よって、確変時のリーチは非常にアツかった。



(G)故・田山幸憲プロと、本機との関わりについて

不朽の名作「パチプロ日記」で知られる、故・田山幸憲プロが、東京・桜新町の「H店」
(パチーノヒノ桜新町店)をネグラとした時代に、もっとも打ち込んだCR機が本機である。

それまでの田山さんは、どの店でも「現金機」だけを打っていた。まぁ、ネグラにCR機が
無かった事もあるのだが…。

⇒池袋「S店」(山楽)には、田山さんが去った後、「CR花満開」が入った。また、溝の口
「B店」(P.S.ビッグトップ)は、CR機未設置のまま、あえなく閉店となった。

一方、桜新町H店は、メインの設置機種がCR機であった。否応なしにCRとの「対峙」を
求められた田山プロ。その日記中、頻繁に対戦機種として登場したのが、本機であった。

元々、溝の口B店をネグラとしていた頃、常連のノッポ君達に会う為、桜新町まで足を
伸ばした日に、H店で本機と対面したのが「なれ初め」であった。この時の田山さんは、
回りのいい台(1000円で29回)を見つけて、3万オーバー勝ちの好結果を得る。

以後、本機は、溝の口B店が予告よりも大幅に早く閉店となり、桜新町にネグラを
移した田山さんにとって、まさに「メイン機種」の1つとなった。

総じて、本機と対戦した時の田山さんの戦績は「良好」。確変のヒキも良かった。

その後、この店で、同じ西陣「CR撃墜王」を打った時には、元々「4/19」と突入率が低い
確変に、「確率以上に嫌われた」田山さんだが、それとは大違い。確変ループを絡めて
大勝ちするケースも、かなり目立った。
(なお、本機は、H店での設置期間も長かったが、末期は「シメシメルック」と化す)

ある時、本機を実戦中、「全然知らない」「かなりのべっぴんさん」の読者(女性)が来て、
「熊本名産の太刀魚」を差し入れして田山さんが喜ぶという、心が和む場面もあった。

ただ、その直後、右目に黒い物体が飛ぶ、いわゆる「飛蚊症」の症状で憂鬱になったのも、
同じ日の出来事だった。なお、この日、田山さんは9万近い大勝ちを飾る。


因みに、田山プロをモデルにしたVシネマ「田山幸憲のパチプロ日記」(1997年、KSS)で、
斉木しげる演じる田山さんが、新たなネグラで球界王を打つシーンが何度か出てくる。

但し、あの作品で斉木さんが打ったのは、本機ではなく、現金機「球界王」の方であった。
(ロケ地は埼玉・東松山市「マリオン」)


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