Youtube 90年代動画紹介(21)
私が「神」と崇める、Youtube・90年代動画投稿者のライルさん(Mr.Lyle Hiroshi Saxon)。
そのレトロで貴重な映像を、ちょっと「まにあっく」な観点で考察するコーナー。
今回は、コチラの動画を取り上げさせて頂いた。
https://www.youtube.com/watch?v=7c0_u7ulLM0
1990年(平成2年)7月、「新宿~新大久保~高田馬場」のルートを、
ビデオカメラを持ったライルさんが、ひたすら歩く…という映像である。
賞味「30分」の映像だが、見る人が見れば、郷愁と感動で、時を忘れて見入ってしまうハズ。
この時期、歌舞伎町や高田馬場のパチ屋、スロ屋に入り浸りだった私も、その一人だ。
途中の新大久保も、大学のサークルの友人のアパートがあったから、打ち合わせで出向いては、
帰りに「サンキン」「日拓ヤマテ」「ダイシン」「山水林」といった、大久保通りのパチ屋でよく遊んだ。
もちろん、映像では今と変わらない光景も残るが、細かく見れば見るほど、26年前と今では、
あまりに変化が大きい事を再確認する。当時を知らない人だと、逆に「新鮮さ」さえ感じるだろう。
それにしても、駅にして2駅分…徒歩だと結構な距離である。7月の暑い盛り、カメラ片手に
ロングウォーキングさえ厭わないライルさん。その強い好奇心と情熱には、ただ驚くばかり。
また、「ネット時代の到来」さえ予測しているかのような行動には、「先見の明」を感じる。
そういえば、私自身、学生だった同時期、高田馬場~新宿をテクテク歩いた事が、幾度かある。
普段、都バス(早稲田⇒新宿駅西口)でよく使う「明治通り」の直線距離を、気分転換がてら、
歩いてみようと思い立ったのだ。決して、パチでやられて、バス賃を使い切った訳ではない(汗)。
大いに疲れたとはいえ、バスからの目線とは違った発見も多く、有意義なウォーキングだった。
ライブハウス「日清パワーステーション」の入った日清ビルをしみじみと眺めたり、攻略誌で有名な
「辰巳出版」の新宿本社ビル(当時、明治通り沿いに存在)を、じっくり観察したり…。1F入口脇の
ショーウィンドウに、新刊本や雑誌が地味に飾ってあったのを、今も覚えている。
さて、この動画でライルさんが通ったルートを挙げれば、まず「新宿駅西口・地上出口」に始まり、
お馴染みの「西口・しょんべん横丁」を通り抜けると、JRの大ガードをくぐって「靖国通り」に出る。
それから、赤いゲートの「歌舞伎町一番街」に入り、その奥の「新宿コマ劇前」へと進み、さらに
奥の「歌舞伎花道通り」に出ると、キャバレー「日の丸」のある路地から、広い「職安通り」に出る。
職安通りを渡ると、大久保通りに続く、細い路地(ホテル街)に入る。この路地を抜けてから、
「大久保通り」⇒「百人町の路地」⇒「新大久保駅前」と、移動を重ねるライルさん。
その後、「新大久保駅前の路地(商店街)」から、「西戸山タワーホームズ」「西戸山公園」などを
通って、JRの線路沿いから、高田馬場駅を目指す。
ラストは、「ビッグボックス」の裏手からバスロータリーに出て、高田馬場駅に到着…という具合だ。
まぁ、前置きがあまり長くても仕方ないので、後は、映像の本編をじっくりご覧頂きたい。
https://www.youtube.com/watch?v=7c0_u7ulLM0
なお、以下の補足的情報も、何かのご参考に。
★0:00~0:51
新宿駅西口、地上出口
(京王デパート前の「靴磨き」が懐かしい)
★0:52~2:06
しょんべん横丁(西口・思い出横丁)
(うなぎ屋「うな丸」の角を入って、パチンコ「ジャンボ」換金所、かめや(立ち食いそば)、若月、
岐阜屋、三角、かわち、ふじしん(全てラーメン屋)の脇を通る。横丁の出口には、牛丼「牛若家」。
★2:07~3:02
JR大ガード下⇒靖国通り
★3:03~4:01
歌舞伎町一番街
(入口ゲートの隣のビルには、「インドネシアラヤ」(民族料理店)の懐かしい看板。
3:14…ゲーセン「イエストロン」⇒元「パチンコメトロ」(現・メトロビル)。
3:36…ゲーセン入口に「野球拳」のビデオゲーム。当時、定番のエロゲーであった。
3:49…喫茶「上高地」のオレンジの看板。
3:55…エビ通りにあった、個室喫茶「ハニー」、ファッションヘルス「ワンダラー」の看板。
4:00…パチスロ「ニュープリンス」※の回転ネオン(「新装大開店」)が、一瞬だけ映る。
※ニュープリンスは、’90年当時、一番街に唯一存在したスロ屋(パチ屋も含めて)。
小店だが、1.5号機「パルサーXXΣ」(日活)を置く貴重な店だった(客はガラガラ)。
このビルの屋上には、怪しげな、掘立小屋風の換金所が存在。
★4:02~5:37
新宿コマ劇場(既に解体、跡地は「新宿東宝ビル」)周辺の光景
(「Koma Stadium」の古い看板。この時は、「吉幾三・特別公演」の真っ只中。
オバちゃんの大行列が、この界隈の名物だった。
コマ向いのデカいパチ屋は、今はなき「オデヲン」。
5:07で、オデヲン店内の「係員の方、60番台、60番台、開放願います」の自動音声が、外に響く。
当時、コマ周辺には「ラスベガス」「モナミ」「ニューセブン」「747」「コスモ」など、パチ屋が多く点在。
(これらは全て閉店。シンボルのコマ劇さえ、今は無い。)
新宿プラザ劇場で「バックトゥザフューチャー3」、新宿東急で「天と地と」、ミラノ座で
「デイズオブサンダー」など、当時の映画の封切り看板も、途中で映る。
★5:38~6:43
歌舞伎花道通り⇒ホテル街の路地⇒職安通り。
(キャバレー「日の丸」「ロンドン」、焼肉「千山閣」、鮮魚「舟藤」、バッティングセンター、
ゴルフ練習場などが映る。)
★6:44~8:07
職安通りと大久保通りを結ぶ、細い路地(ホテル街)
(「ホテル上高地」「OZORA」「ホテル松下」など。路地では、ちょっとした渋滞が。)
★8:08~9:39
大久保通り
8:06、8:24…パチンコ「ダイシンPart1」(現・グランパ大久保)の建物が、チラッと見える。
8:27~9:07…全龍寺(海亀山)の境内。
9:10…パチンコ「山水林」(現・山水林ビル)の店内。奥村のデジパチ「ドリームX」一色。
9:37…有線のスピーカーから、「魔法じかけの~」という女性の歌声が、一瞬聴こえる。
これは、当時、NHKで夕方にOAされた、アニメ「パラソルヘンべえ」(藤子不二雄A)の
メインテーマ、「Magical Mystery Boy/マジカル ミステリー ボーイ」(歌:ピクルス)の
ワンフレーズだ。同アニメのエンディング、「夢で逢いましょう」(歌:ピクルス)も個人的に名曲)
★9:40~14:48
メインの大久保通りから一本入った、百人町の裏路地を撮影。
(ラブホテル多数。西武新宿線、山手線のガード下、線路横の小道なども映る。
14:39…新大久保駅前のパチ屋「サンキン」(後にUSA⇒エルドラド。現在は韓流百貨店)の
赤い看板がチラッと見える。この看板は、当時、山手線の中からもハッキリ見えた。)
★14:49~17:22
大久保通りに戻り、新大久保駅前に出てから、道路向かいのパチンコ「日拓ヤマテ」
(現・エスパス低貸専門)脇の路地(商店街)に入って、馬場方面へ移動。
14:54~15:02…「ヤマテ」。
15:19…「パチンコ」の看板もヤマテ。
16:04…線路脇にあった、「ロッテチョコレート」の大看板。
16:46...「小島屋のアイスクリーム」、「東京法経学院」の小さな看板
16:58…商店街の「北野酒店」と、隣の明治牛乳の販売店が映る。
★17:23~ラスト
新大久保~JR高田馬場駅。
路地を抜けて、西戸山タワーホームズ※(17:29~)、新栄保育園(18:06)、公務員・西戸山住宅
(18:45)の脇を通った後、JRの線路沿いから高田馬場駅を目指す。
20:32…西戸山中学校横の道路で、昼寝で駐車する多くの車列に遭遇。右翼の街宣車の姿も。
その後、線路脇をひたすら歩き、JR高田馬場駅の戸山口ガードをくぐって、線路の反対側に渡る。
そして、駅前の「ビッグボックス」裏手から、駅前ロータリー⇒高田馬場駅(早稲田口)へと至る。
※「西戸山タワーホームズ」(高層ビル、マンション)は、1989年(平成元年)竣工。ここでは、
完成まもない同ビルの姿を確認できるので、建築学的にも、貴重な資料映像である。
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