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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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鮭取伝説(平和、ハネモノ)

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1993年(平成5年)に平和から登場した、新要件ハネモノ「鮭取伝説」。


★賞球:7&15
★ハネ開閉時間:オトシ0.7秒 ヘソ0.7秒×2
★最高15ラウンド継続
★クルーンを用いた「アナログ連チャン」が特徴



本機のモチーフは、ズバリ「川で鮭を獲る熊」である。
(ヤクモノ上段ステージに熊。下段に(隠れた)鮭二匹)
しかし、クマが好物のシャケを捕獲するだけで「伝説」…。


これはあくまで推測だが、「鮭取」とは同時期登場のデジパチ
「綱取(物語)」のパロディ的なネーミングではないだろうか。
元々、「鮭取物語」(「竹取物語」の駄洒落的な意味もあろう)
として開発されたが、それでは、綱取物語の「二番煎じ」だと
すぐバレてしまうので、「伝説」という表現に差し替えた…。

まぁ、根拠は全くないので、無視して貰って結構である。



★当時の実戦店⇒西早稲田「みよし」(現「MIYOSHI344」)
(その他、新宿東南口「トーオー」、高田馬場「東陽会館」にも設置)


早稲田大学(西門)近くにある、老舗のパチ屋。
学生時分、授業終わり(含サボリ)によく通った。
左右に入口があり、中央が凹んだ「コの字型」の造り。
以前、その中央にタバコ屋(鳩屋敷)があったが、焼失。
93年当時、左の入口がパチ、右がスロ(山佐台のみ設置)。
本機は、その左右を結ぶ奥のフロアに、1シマ6台ほど設置。




この時期は、ハネモノの「連チャン性」が大いに注目されていて、
京楽「たぬ吉くん2」に代表される如く、「デジタルの連続性」が
大量出玉をもたらす爆裂ハネモノが、ホールで人気を誇っていた。

本機は、そうしたデジタルとは全く無縁だが、ヤクモノ下に
設けられた「一穴クルーン」が、連チャンを誘発する仕様だ。

昭和期からハネモノにも定評のあった、老舗メーカーの平和。
他社がデジタル式連チャンで騒がれた当時、老舗の矜持から、
ハネモノ本来の「アナログ的なゲーム性」を希求しながら、
多くのファンが好んだ連チャン性も強く意識したのだろう。


通常、ハネモノといえば、1チャッカー(オトシ)、2チャッカー(ヘソ)
どちらでも、入賞してハネが開いて玉を拾えば、V入賞のチャンスがある。
(機種によっては、1チャッカー経由のV入賞率が、低いものもあるが)
だが、本機はそうした普通のハネモノとは、明らかに一線を画した。

本機の場合、左右オトシを経由してVに入る可能性は、ほぼ皆無だ。
V獲得の為には、ヤクモノ真下のクルーンを介して、センターのヘソに
入れる必要があった。上の画像の黒矢印部分は、クルーンの入口と出口。
当然、入口付近の釘調整(特に風車上の二本釘)は、非常に重要だった。

左右オトシに入ると、ハネが0.7秒開放。この時、ヤクモノ下段手前の
「JUMP」と書かれた上部から、二匹の鮭が顔を出す。この「ペア鮭」は、
ヤクモノ上段から落ちた玉を、下段ステージ中央に開いたV穴へと導く
「ガイド」の役割を果たす。ガイドの助けなく、Vに入れるのは困難だ。

しかし、オトシ入賞時だと、顔を出す時間が「0.4秒」と非常に短く、
ヤクモノに入った玉が下段に到達する前に、鮭は姿を隠してしまう。
即ち、1チャッカー開放時は鮭のアシストが無く、玉がVに届かない。

但し、鮭が顔を出す「0.4秒」は、ヤクモノ下のクルーンに入り易い。
なぜなら、クルーン左右にある入口(画像の黒矢印を参照)は、通常、
玉が入らないように「フタ」がしてあるが、鮭が顔を出す瞬間だけは、
鮭と連動してフタが開く為、クルーン入賞可能な状態になるからだ。

それゆえ、本機の1チャッカーは「直接大当りを狙う」のではなく、
「クルーン入賞契機」の役割を果たす。無論、オトシ入賞時は7個、
ヤクモノなら15個の賞球があり、オトシが甘いと玉持ちもアップ。

クルーンに入った玉は、しばし回転して外に出ると、
クルーン下にある、ヘソの2チャッカーへと向かう。
ボッタ釘だと、2チャッカーをハズす調整だったりしたが、
大抵、クルーンからは高確率でヘソに入る釘にしてあった。

ゲージ上、クルーンを経由しないと、ヘソ入賞の可能性は低い。
また、多くの店がゲージ外からのヘソ入賞ルートを潰していた。
だが、時には、ゲージの隙間からヘソに飛び込む「お宝台」も存在。

ヘソに入ると、ハネが0.7秒×2回開く。この時、1チャッカーと同様、
二匹の鮭がピョコンと顔を出すが、オトシ時と決定的に異なるのは、
姿を現す時間が「約2秒」と長い点。つまり、ヤクモノに入った玉が
下段に届いた時も、鮭の顔は出たままになっているのだ。その鮭が、
落下した玉をVに導く「橋渡し役」となって、高確率でVを射止めた。
即ち、ヘソ入賞後にハネが玉を拾えば、Vの期待は一気に高まった。
というか、この王道パターンしか、大当りはほぼ望めなかったが。

しかし、ヨリの悪い台は、折角クルーン経由でヘソに入っても、
ハネの空振りで絶好のチャンスを逃して、ストレスが溜まった。

なお、ヘソに入賞した時も、「鮭出現⇒クルーン入口のフタが開く」ので、
クルーン(ヘソ)に「再入賞」するチャンスだった事は、言うまでもない。




大当りすると、上段ステージの熊の手元に、玉を1個貯留。
但し、下段の鮭は顔を出さないので、各ラウンド前半は、
特にVに入り易い(継続し易い)といった事も無かった。


(熊の手元に一個貯留された状態)

ハズレ4カウント、またはハネ10回開閉後、貯留は解除される。
この時、やっと二匹の鮭が顔を出す。落下した1個の貯留玉は
鮭のアシストによってV穴に導かれる。ちゃんと貯留があれば、
継続率は高かった。貯留無しだとピンチとなるが、解除後は
鮭がずっと頭を出しているので、後続の玉にもチャンスがある。
最終ラウンドまで継続すれば、約1200個程度の出玉が望めた。
(ハズレ4カウント解除なので、それほど大量出玉とならない)
初当りがキツかった分、継続は甘めの為、途中のパンクは痛い。


さて、本機最大の「お楽しみ」は、大当り終了後にある。
それが、先述した「一穴クルーンを介した連チャン」だ。
デジタルに頼らずとも、アナログな動きで大当りが連続。
そんな香ばしいゲーム性のハネモノを送り出した平和に、
20数年越しの「賛辞」を贈りたい。

本機の連チャンシステムは、非常にシンプルである。
ヤクモノ下のクルーンは、通常フタがあり入賞不可だが、
「鮭が顔を出している間」のみ、入賞のチャンスがある。
で、大当り中の貯留解除後は、ずっと鮭が顔を出すから、
クルーンに入賞し易い状態が、ラウンド終了時まで続く。

もし、最終15ラウンドが終了する直前にクルーンに入れば、
大当り動作終了後、クルーン外に出た玉がヘソに入って、
そのハネが玉を拾えば、鮭のアシストでV入賞=連チャンとなる。
この「時間差」を利用したアナログ連こそ、大きな見せ場だった。
うまく行けば、完走⇒連チャン⇒完走を繰り返しで、短時間での
「予定終了」も可能。ツボにはまった時の爆発力は大きかった。
無論、そこでハネが空振りすれば、連チャンの好機もフイになる。


それと、最終ラウンドは、貯留解除後に鮭が顔を出す時間が長いほど、
クルーン入賞のチャンスも広がる。逆に、玉の拾いが良すぎると、すぐ
ハズレ4カウントの解除となるが、その後もヤクモノに連続入賞すれば、
ラウンド終了のタイミングが早まり、クルーンに入らないまま大当りが
終わってしまう危険性が増える。これでは、本機の醍醐味を味わえない。

これを回避すべく編み出されたのが、最終ラウンドの「止め打ち」である。
15R目は、ハズレ3カウントまで普通に打ち、3カウントで打ち出しを停止。
そのままハネの開閉を待てば、やがてハネ10回開閉による貯留解除となる。
そこで打ち出し再開すれば、ハネが18回開くまでラウンドを引っ張れるから、
チャンスタイミングを目いっぱい活かせる訳だ。この「連チャン誘発打法」、
最終Rの出玉が減るリスクはあるが、成功すればそれ以上の見返りがあった。



今思えば、本機は、他のハネモノ以上に、クギを見る力が求められた。
オトシのアキは勿論の事、ヨリの良し悪し、クルーン入口付近の調整、
さらに、ヘソ周りがボッタ調整になっていないか等…様々な角度から
釘を見極めて開放台を探す。しかも、故・田山プロが提唱したように、
「タテの比較」で釘を見比べる必要性もあった。件の「みよし」では、
ヘソ入賞後の空振り、つまり「ヨリ」に泣かされる展開が多かったと
記憶するが、正直、シマでの台選びは、かなり適当だったと思う。
もう少し台選択に注力していればと、今でも悔やまれてならない。




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