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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ムサシII(パイオニア、3-1号機)

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今回は、1992年(平成4年)にパイオニアから登場した3-1号機「ムサシII」を振り返る。

(1992年1月・日電協公布。都内では、同年5月頃より本格設置を開始。公布から設置までやや時間があるが、これは同年4月~6月にかけて、都内はじめ首都圏で「裏モノ」対策としての「基盤改修(再封印)」作業が行われていた為(首都圏以外の地域では、6~8月頃に実施)。ただ、この時の改修の効果は「?」で、改修直後はノーマルに戻っていても、いつの間にか裏に戻されたり、機種によっては改修の前後で連チャン挙動が全く同じだったりした。)

★ムサシII、当時の首都圏設置ホール(1994年3月時点)
ビッグスター(小岩)、おおとり(神楽坂)、サンシャイン(阿佐ヶ谷)、みどり会館(目黒)、
大塚センター(大塚)、ニュースター(新橋)、ニューミヤコセンター(新宿)、みどり(蒲田)、
パチスロベニス(蒲田)、パチスロビーパル(北千住)、ミツボシ本店(自由が丘)、
ニューミツボシ(自由が丘)、PIA綱島(横浜・綱島)、JOY(千葉・浦安)など





(白パネル)



(7揃い)


(BAR揃い)


本機は、同社の2-2号機「ムサシ」(1990年)の後継機である。

初代ムサシ同様、ノーマルはあまり人気が出なかったが、いわゆる「ひっくり返った」Verが複数登場して、各地で香ばしい連チャンを見せた。


★ムサシII(REG後1G連チャンVer=ダイナマイトVer)の当時のデータ
(1992年10月の実戦サンプルより)

(御徒町某店)
7B-79B-38B-2B-142B-45B-178R-1R-1R-1R-1B-41B-93Bー

(新宿NMセンター)
116B-48B-495B-82R-1R-1R-210B-185B-129R-182B-
24R-1R-1R-84B-29B-27B-69B-3B-203B-29B-36B-
251B-14B-4R-1R-1R-9R-21R-1B-154R-145R-1R-1R-1B-
47R-1R-293R-1R-433R-1R-
※紫は1G連が始まった初当り(全てバケ)、赤は1G連した部分(1G連はREG中心だが、ビッグが絡む場合もあった)

※その後、ビッグばかりが連チャンする別Verの裏モノが出回るようになり、なかには客付きの悪い初期4号機を早々に外し、あえて3号機の裏ムサシIIを新装導入するホールも現れた。







   (2-2号機・初代ムサシ)


本機と初代ムサシは、名称に加えて外観も似ていた為、しばしば混同されるケースがあった(特に、赤パネルの場合)。ここで、両者の主な「違い」を確認しよう。


★機種区分
・ムサシ・・・2-2号機
・ムサシII・・・3-1号機

★小役の集中(フルーツゲーム)
・ムサシ・・・あり(41Gの間、10枚役が約66%の確率で揃い続ける)
・ムサシII・・・なし(3号機からはフルーツ禁止)

★リーチ目
・ムサシ・・・ビッグは「MUSASHI」揃い、REGは「チェリー」がリーチ目。但し、ガセも有り。
・ムサシII・・・BR共に「MUSASHI」揃いがリーチ目(ガセ有)。チェリーは単なる小役に格下げ。

★役構成…共通
7(ビッグ)、BAR(REG)、MUSASHI(ムサシ)、ベル、プラム、オレンジ、チェリー






★リール配列…共通



★リール制御・・・共通。通常はビタ止まり制御だが、フラグ成立中はリールが大きくスベる。具体的には、成立フラグの図柄が引き込み範囲にあると、枠内に最短距離で引き込もうとする(よって、左上段にボーナス図柄が滑ってくると激アツ。中リールのスベリテンパイもアツい)。但し、フラグ成立時でも、枠内に引き込めない時はスベらない(2-1号機「スーパーセブン」のような「中リール非テンパイ時のズルスベリ」は起こらない)。

★スタートレバー、ストップボタン・・・共通


(ムサシIIのレバーとストップボタン。初代から引き継いだ、独特の縦長小判型のボタン。)

★パネルカラー
・ムサシ・・・赤、青、茶(登場当初は赤がメイン)
・ムサシII・・・白、黒、赤(登場当初は白がメイン。初代復刻型の赤は、93年~94年に出回った後期パネル)

 
      (ムサシII・黒パネル)

 
       (ムサシII・赤パネル)

★下パネルのロゴ
・ムサシ・・・「MUSASHI」(全て大文字表記)
・ムサシII・・・「Musashi-II」(頭文字のみ大文字表記。IIはローマ数字で表記)

★ボーナスサウンド
・ムサシ…ビッグ中はホロホロ系(謎)のオリジナルBGM。REG中は暗めの低音サウンド。
・ムサシII…ビッグ中は「クシコス・ポスト」(ヘルマン・ネッケ作曲の徒競走BGM。マルホンの旧要件デジパチ「ロータリーセブン」(1990年)にも採用)。REG時は甲高い、高砂に回帰したような電子音。

★ボーナス確率・・・小役の集中がない分、ムサシIIの方がREG確率がやや高め
・ムサシ(設定1~6の順)
1/315、1/293、1/273、1/256、1/240、1/227(BRとも同数値。比率は1:1)
 
・ムサシII(設定1~6の順)
B 1/315 1/293 1/273 1/256 1/241 1/224
R 1/316 1/284 1/265 1/249 1/235 1/225

★小役確率・・・メイン小役は、共に10枚役のプラムとオレンジだが、フルーツゲームがない分、ムサシIIの方が確率は良い。ムサシはメイン小役の確率が全設定共通(1/10)だが、ムサシIIは設定差あり(設定6は1/6.7、設定1は1/7.4)。

★攻略(又はゴト)の有無
・ムサシ・・・ビッグフラグ成立中の1枚掛けムサシ抜き、盤面押しによる強制ビッグ、ホッパーエラーでのコイン抜きなど攻略ネタが目立った。
・ムサシII・・・盤面押し対策も万全で、主だった攻略ネタはなし。一時期「セット打法」の噂が出たが、真相は不明。


★裏モノ・・・共に存在
・ムサシ・・・’90年の登場当初はノーマルが多かったが、その後貯金Verや上乗せVer(5連チャンVerなど)が出回る。
・ムサシII・・・92年春の当初からノーマルと裏モノ(らしき出方をする台)の双方が出回る。ただ、裏モノに関しては、初めはBR混合の弱性上乗せ(ノーマル高設定の爆発っぽい出方)が多く、次第に極端なビッグ偏向の連チャンタイプへと変わった(REG出現率の異様に低いVerも登場)。また、92年9月頃からは、「REG後にREGやビッグが1ゲーム連チャンする」という特徴を持つ露骨な裏モノが、都内はじめ各地で増殖した(御徒町某店、新宿NMセンターなど)。


こうして具体的に比較すると、両者は「似ている」と言われながらも、かなり多くの相違点がある事に気づくだろう。


ただ、「リール配列」や「制御」といった基本部分は共通で、ボーナスフラグの察知に関しても、かなり近いものがあった。

「かなり」としたのは、リールのスベリに関する部分は共通でも、リーチ目となる10枚役「MUSAHSHI」(ムサシ)の扱いが、初代と本機では大きく違うからだ。

先述の通り、「MUSASHI」揃いは、本機では「BR共通のリーチ目」となるが、初代では「ビッグ限定」のリーチ目だった。この違いを除けば、フラグ察知に関する部分は変わらない。


即ち、ムサシIIの場合も、初代ムサシと同様、ボーナス成立時の「リールのスベリ」が、フラグ察知における最大のポイントだった。

もちろん、「MUSASHI」揃いのリーチ目でボーナスに気付く場合もあったが、あまりMUSASHI揃いに頼ると、ガセった場合(通常時、「MUSASHI」は約1/344で成立)のショックが大きく、精神衛生上よろしくなかった(短い間隔で3回もMUSASHIが揃ったのに、入っていない時もあった)。
また、打ち慣れてくると、MUSASHIが揃う前に、成立プレイでのリールの異変(スベリ)で、割と容易に「入り」を察知できた。


左7付きのMUSASHI揃いは、両ボーナス共通のリーチ目(もちろん、ガセもあり)。


(配列及び制御上、左にBARが出た時は、ベル成立時を除いてビッグの可能性はない(7成立なら、上段に7をスベッて引き込む)。よって、左BAR付きのMUSASHI揃いは、バケ限定のリーチ目となる(もちろん、ガセも有り))


左に7もBARもない単独のムサシ揃いは、両ボーナス共通のリーチ目(ガセあり)。




先述した通り、本機は通常「ビタ止まり」制御だが、ボーナスフラグが立つと、引き込み範囲にあるボーナス図柄を、「最短距離」で引き込もうとする。
その為、BRのフラグ成立時は、左リール上段に「7」や「BAR」がズルッと滑ってくる。言うまでもなく、ビッグなら7が、REGならBARが滑ってくる訳だ。

この時、リール配列を見れば分かる通り、7が上段に滑ってきた時は、(1)チェリーを枠下に蹴っただけの「ガセスベリ」と、(2)7を積極的に引き込んだ「真正スベリ」の2種類がある。
(1)は頻繁に出るのでアツくもなんともないが、(2)は嬉しい「ビッグ確定」となるモノホンだ。この一瞬の「違和感」を察知した瞬間が、実に気持ちよかった。

(1)(2)の見分け方は簡単で、7が上段に滑ってきた時に、枠下に「チェリー」があるか否かを見ればよい。枠下チェリーがあれば(1)、なければビッグ。
(厳密には、「4コマスベリ」で7が上段に止まればビッグ確定。一方、「3コマスベリ」だと(1)(2)何れの可能性もアリ。)



(通常時、左上段に7がズルンと大きく滑ってきたので、反射的に枠下を覗くと…チラリとBARの黒い図柄が見える。チェリーを蹴ったガセスベリではないので、ビッグ確定。
「リールのスベリ」という動的な現象と、枠下の「チラリズム」という静的な現象の対比に、なんとも言えない「情緒」があった。)

一方、左リール上段に「BAR」が滑ってきた場合は、「チェリーを蹴る(ガセ)スベリ」のケースが無い為、その瞬間「REG確定」となる。




本機の裏モノには、初当りのREGから露骨な1ケタ連チャンを見せるVerもあり(1ゲーム連が多発するVerも存在)、「たかがバケ」とはいえないアツさがあった。まぁ、ビッグ主体で連チャンするBモノでは、あまり嬉しくない瞬間ともいえたが…。


おっと、左リールのアツさばかり語ったが、「中リールのスベリ」も忘れてはなるまい。7やBARがズルッとスベッて中リールでテンパイすると、ボーナスの期待度がグンと高まる。

もっとも頻繁に出るのが、左上段7から、中リール上段に7がスベってテンパイするケース。



この形で中リールの7がスベッてテンパイすると、「上段7と右上がりプラムのWテンパイ」となる。大概は「約1/7」で成立するプラムの方で、プラムが揃ってあっさり終了となる。だが、時折プラムがサクッと外れると、ビッグが確定するのだ。

個人的には、初代ムサシの頃から、このスベリ7テンパイからは、必ず右リールに7を直接狙って、一発で7を揃えられるようにしていた。コインロスが嫌なのは当然だが、当時は多くの機種に「貯金Ver」(ボーナスフラグを強制的に内部へ取り込み、後から一気に吐き出す裏モノ)があり、この形からみすみす「目押しミス」でビッグを貯金させるのは勿体ない、との思いがあったからだ。

まぁ、実際本機に「貯金Ver」が存在したか否かは知らないが…。初代ムサシには、明らかな貯金Verが存在したのだが、本機の場合、単なる「貯金」というよりは、「上乗せ」とも思える挙動を見せる場合が、少なくなかったからだ(ハマリが浅くても爆連したり、逆に大ハマリでショボ連だったり…)。REG後に1ゲーム連するタイプも、やはり単純な「貯金」とは異なる出方をしていたと記憶する。



一方、7が「中段」や「右上がり」にスベッてテンパイした場合は、必ず単独テンパイとなるので、「7のスベリテンパイ=ビッグ確定」となる。

 



また、中リールで「BAR」がスベってテンパイした場合は、以下のようになる。
(1)単独テンパイ時…REG確定(二確)


(2)BARとベルのWテンパイ時
a)上・中段のWテンパイ時は、ベルハズレでバケ確定

※適当押し時はベルこぼしの可能性もあり、右でベルが外れても確定とはならない。右リールのベルをしっかり目押しして外れた場合のみ、BAR確定となる。但し、通常時のベル確率は約「1/258」と低く、これでガセると結構悔しかった。

b)中・下段のWテンパイ時はバケ確定(二確)

仮にベル成立なら、中リール中段にベルが滑ってテンパイ(右上がりテンパイ)する。一方、この形はベルが下段まで滑っており、「BARを引き込んだスベリ」を意味するので、BAR二確目となる。




さらに、順押しではなく、「ハサミ打ち」した場合も、やはりリールのスベリがアツい点に変わりはなかった。

 
             


このように、右リールの上段又は中段にズルッと7が滑ってハサミテンパイすれば、いずれも7の単独テンパイとなり、「ビッグ確定2確目」となる。

ハサミ打ちの利点は、滑った時点でガセ(小役)の可能性がなく、しかも順押しよりビッグ成立に気付きやすい点だ。中リールには7図柄が1個しかなく、どうしても「スベリテンパイ」になりにくい。一方、右リールは7図柄が2個あるので、順押しより7を引き込みやすいのだ。

ただ、逆に「BAR」は中リール3個、右リール2個で、ハサミ打ちの方が引き込みは悪い。通常時に、順押し・ハサミ打ちのどちらを選ぶかは、個人の好みによろう。



(パイオニア「ムサシII」の項、了)


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