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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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CRビッキーチャンスI(SANKYO、CRアレパチ)

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1993年(平成5年)にSANKYO(三共)から登場した新要件アレパチ
「CRビッキーチャンスI」

・賞球…オール16
・大当り確率…1/480
・ループ率80%の超強力連チャン機



(コメント)

言わずと知れた、SANKYOの爆裂連チャンアレパチ。当時、「爆連アレパチ」は
藤商事と太陽電子の2トップだったが(藤…アレキング、エキサイト、アレジンetc/
太陽…スーパーアレパチ、アレパッチンDX、アレパッチン365、アレパッチンET、
モダンタイムetc)、その2強に「風穴」を開けるべく、三共が「初のCRアレパチ」
として送り込んだのが本機だ。強烈な連チャンで多くのファンが虜となり、まさに
巨大な風穴を開ける事に成功した。


なお、あまり知られていないが、本機の登場以前に、同社はマイナー現金機の
「ビッキーチャンスI」も出しており(盤面やデジタルはほぼ共通)、そのCR版と
して後発で出たのが本機だ(連チャン性は全く違う)。また、同社のアレパチに
「ビッキーマグナムI(II)」という先行機も存在したが、やはり設置は少なめ。
また、本機登場後には、ヤクモノが機関車の「CRビッキートレインII」という
個性的なアレパチも出たが、本機はとうって変わってマイルドな出方であった。


本機と対峙したのは、新宿・歌舞伎町(西武新宿駅そば)「日拓」(現エスパス)。
当時、このエリアには日拓系チェーンが併設・スロ専合わせて7軒ほどあったが、
本機を置いたのは、「横浜銀行新宿支店(JUKIビル)」や海鮮割烹「勇駒」などと
同じ並びの「3号店」。本機のシマは異様な程の「鉄火場」状態で、眼を血走らせた
オッサンや若者で絶えず盛況だった。積み上げたドル箱も印象深いが、それ以上に、
床に散乱した無数の玉(「落ちた玉などシラネ、連チャンにぶっこめば関係無し」の
空気)や使用済の大量のパッキーカードで雑然とした感じが、「いかにも」といった
シマの雰囲気を醸し出していた。因みに、この店は、やはり連チャンアレパチの定番、
藤商事「アレンジマン」(パチプロ集団「梁山泊」のターゲットになった台でもある)も
同時期に設置。コチラも負けじと鉄火場の空気ムンムンだったが、パッキーカードは
落ちていなかった。まぁ、現金機だから当然である(但し、店によっては、現金機の
シマにパッキー対応の玉貸機をつけているところも。)


当時は暇さえあればパチ屋通い、しかも勝ったり負けたりで満足のパチバカだったから、
資金にさほど余裕は無かった。だが本機と勝負する場合、それなりの軍資金がなければ
安心できない。で、私の取った策が「ハマリ台のハイエナ」だ。大当り直後に空く台が
あれば絶好のハイエナのチャンスだが、あいにくそんなユルい客は見当たらず、大抵は
ガンガン金を突っ込んで連チャンさせて、連チャン終了を確信して止める手練ればかり。
ただ、シマの挙動を見ていると、「大ハマリ後に連チャン」の光景を当たり前のように
見かけたから、やみくもに打つより、他人がタンマリ投資して諦めた後釜を狙った方が、
気分的には楽だった。そこで、同じ新宿日拓チェーンでスロの「アポロン」をハイエナ
していたのと同じ要領で、大ハマリ中の台をチェック。但し、台はすぐに空かないから、
一旦店を出てラーメン屋で飯を食ったり、ゲーセンで得意の「テトリス」をチマチマと
やったり、歌舞伎町中のパチ屋、スロ屋を歩き回ったりして時間を潰してから店に戻り、
チェックした台が空きになっていたら、すかさず座る方法をとった。当時、台上データ
ランプなど無かった時代なので、こうしたアナログな立ち回りでも、案外と奏功した。
実際、お座り1パッキーで当たる事もあったし、ある程度投資してダメなら未練なく
諦めたから、さほど大怪我する事なく付き合えた。但し、露骨にハイエナを決めたり
すると、隣でアツく現金投資中の強面オヤジに、物凄い形相で睨まれたり…。ただ、
自分のハマリ台の上皿を殴りつけて当方を威嚇する姿にも、心揺れる事はなかった。
あの時代、パチ屋でのこうした一つ一つの局面が、まさに「精神修養」の場だった。



(通常時のゲーム性)

デジタル下のヘソ入賞後、3桁のメインデジタル変動。デジタル回転時間は0.24秒と短く、
ヘソ入賞後、ほとんど時間を置かずに停止する。このデジタルに「111」「555」「777」
「999」のゾロ目が出れば、大当りで14ラウンド。「333」なら小当り2ラウンドとなる
(但し、1ラウンド16発仕様の為(⇒後述)、13発目や14発目などでデジタルが揃うと、
そのラウンドでの払い出しが受けられず、1R160発がフイになる)。デジタルが大当り、
小当りになると、ヘソ内臓の回転体が時計方向に回って、一時貯留玉は右側のVゾーンに
入って権利発生。デジタルがハズレなら回転体は反時計方向に回り、貯留玉は左サイドの
ハズレ穴へと送られる。


また、本機はアレパチの為、1ゲーム16発打ち切るとゲームオーバーとなり、一旦
リセットされる。賞球数は一応「オール16」だが、パチンコのように入賞口に一発
入る度に賞球が得られた訳ではない、盤面最下部ナンバーポケットへの入賞により、
1~16のナンバーランプが4つ横並びで点灯して初めて「1点」獲得となり、1ゲーム
終わる毎に精算されて、「1点につき16発」が払い出される(最大10点=160発)。
玉持ちは酷く悪かった。なお、右デジに特定5図柄(数字以外)停止で、盤面左の
電チューが一瞬開放するが(入賞時は2,6番ポケット点灯)、通常、左サイドの
ポケット絡みで得点が入るケースは、ほぼ皆無だった。



(ヘソのスタートチャッカーは一時貯留式。なお、ヘソの左右には「8」の数字が
あるが、これはデジタルの当否に関わらず、ナンバーポケット8番が点灯する意味)



1~16の番号付き入賞穴=ナンバーポケット。ここに入れて「1、2、3、4」「11、12、13、14」
のように「4連続」でナンバーランプが点灯すれば、「1点」入る訳だ(5連続で2点、6連続で3点)。
最大16発打って、できるだけ多くの点を稼ぐのがアレパチの基本。但し、連チャンアレパチの場合、
大・小当りして右打ちすれば、最高点を取り易いタイプが大半。本機も同様で「11、12、13、14、
15、16」が全灯し易い。理由は3つ。1つ目は、「13、15」のポケットが元々入賞し易いゲージ
だった事(逆に、通常時の得点を防ぐ為、最初から入賞しづらいゲージになっているポケットも)。
2つ目は、盤面右スルー通過で真下の電チューが開くが、電チュー入賞で「11、12、14、16」が
全灯して、得点2倍の「2倍ランプ」も点いた事。そして3つ目は、「12、13、14、15」全灯で
「Jack Pot(ジャックポット)」となり、一気に「3点」獲得となる事だ。それ故に、大小当りで
右打ちすると、ポケット下の得点表示には最高点「F」(10点)が出易くなり、各ゲーム終了毎に、
「16発×10点=160発」が払い出されるチャンス。大当り14Rで約2000発、小当り2Rで約300発。
無論、13番に入らないなど、運悪く点数がゼロのラウンドもあった訳だが…。なお、「2~5」や
「7~10」全灯でもジャックポットとなるが、先述の通り、通常時も大当り中もこの部分に入って
払い出しがある機会は、ほとんどない。当然、ヘソも賞球はなく、デジタルが揃うまではひたすら
現金(カード)投資が続く(現金投資中、時間当たり15K以上は平気で消えた)。


なお、メインデジタルが止まる際、大当りハズレの別を問わず、右デジに2種類の止まり方があった。
全デジタル同時にビタッと停止するものと、右出目が2コマ進んで停止するパターンだ。大当りにも、
ビタの当りと2コマ進んで当る時があったから、左右ゾロ目で右デジに「大当り手前2コマ」の図柄が
見えて進んだ時は、大当り確定。逆に、一瞬「3つ揃い停止」と思いきや、右が2コマ進んでハズれる、
思わせぶりで悔しい「逆転ハズレパターン」も。



(初当り確率)

ド派手な連チャンの半面、初当りは非常にシビアだった。抽選には3段階判定方式を採用していて、
一次判定が1/6(カウンターは0~5の6コマ、当選値1)、二次判定が1/64(0~63の64コマ、当選
値1)、そして三次判定が4/5(0~4の5コマ、1以外の値で当選)。即ち、トータルの大当り確率は
1/6×1/64×4/5=4/1920=「1/480」と低い。約1/500の初当り確率は、かつてのデジタル一発台
を彷彿とさせる辛さだった。また、既述のように、通常時の払い出しはほぼ無いので、ハマり出すと
凄い勢いで財布の中身が減って行く(これを防ぐ意味で、私はハイエナ打法を好んで用いた訳だが)。
酷い時は、朝から稼働の良い台が夕方まで初当りしないなど、吸い込みの強烈さは怖い程であった。
無論、その反動が一度始まったらどこまで続くかわからない、あの過激な連チャンだった訳だが…。



(連チャン)

大当り終了後、3段階判定の二次判定(1/64)がフリーパスとなり、大当り確率は1/6×4/5=1/7.5
に大幅アップ。露骨な「1G連」も多く、或いは「1/6」もフリーパスではないかとの推測もあったが、
一次判定は行われていた。連チャンは、三次判定の「4/5」通過に失敗するまで、延々とループする。
即ち、連チャン継続率は80%で、転落率20%。8割ループの激荒スペック。5箱、10箱…とドル箱が
一気に積み上がるのも当然といえた。なお、連チャン中は、大当り確率が1/7.5にアップしていたが、
ヒキ次第では20回以上ハマる事もあったので、大当り後、数回転でヤメるのは厳禁。ただ、先述の
通り、自分のテリトリーで即ヤメする客は皆無に等しく、全てを知った上で敢然とツッ込む猛者で
溢れていた。ループ率8割といえども、引き悪だと単発やショボ連で抜けてしまう為、大ハマリ後、
何の反動も見られないまま「抜け殻」と化す客も少なくなかった。



(モーニング)

電源立ち上げ時の内部特典はないが、店側の「仕込み」でモーニングを入れることが可能。手順は
ヘソに玉を乗せた状態で電源投入。これで電源オンと同時にデジタルが回り出し、「000」で停止。
大当りではないが、内部的に大当り終了状態になっていた。この仕込みの有無を外から判断すべく、
ヘソの回転体の飾りランプの点滅パターンが他の台とズレているものを探す…という技も存在。但し、
朝一の行列や台取りが激しく、しかも入口からシマが見えない状況では、それを探す余裕も無かった。



(大・小当り毎に160発余計に獲る打法)

大当り中は、右打ちでナンバーポケット「11~16」が6連続で点灯して「F」(10点)が出易いが、
それを可能にする重要な存在が、盤面右上にある「OPEN」と書かれたスルーチャッカーと、その
真下にある「2倍」電チューだった。



ご覧のように、電チューには「11、12、14、16」の数字と「2倍」の表示が。大当り中、右打ちで
電チュー上の「OPEN」スルーチャッカーを通過すると、通過の約3秒後に電チューが開放。ここに
玉が入ると、ナンバーポケット「11、12,14、16」が全灯する。一方、13と15には元々入り易く、
右打ちで「11~16」が全灯して、最高点の「F(10点)」が出易くなっていた。


この電チューの特性、即ち、藤商事や太陽電子の連チャンアレパチと違って、スルー通過から
電チュー開放まで約3秒という長い「間」があった事を生かした技が、大当りや小当りの度に
160発づつ出玉を稼ぐ方法である。攻略誌の読者投稿で大々的に発表されたから、ご記憶の
方も多いだろう。


その約3秒の「タイムラグ」以外にも、本機は一種独特な挙動を見せた。それは、大当り中、
毎ラウンド必ず16発をフルに打つ事は出来ず、ナンバーポケットの「11~16」が全灯して
「F」が出た瞬間、玉の打ち出しがシャットダウンされて、ラウンドがリセットされたのだ。
ゲーム消化をスムーズにする意味だったと思うが、この特徴が「160発抜き」を可能にする
要因になっていた。


例えば、10発打った時点で「F」が出れば、そのラウンドは直ちに終了。残り玉が6発あっても
次ゲームに強制移行した。かかる特性を用いて、最終14ラウンドは電チューに玉を入れるより
前に、入り易い「13」「15」に入れておき、両方点灯後に電チューに入賞させる。電チューは
1個入賞で閉じる仕様だが、電チューに1個入賞⇒電チュー閉鎖の瞬間、「11~16」が全灯して
即「F」獲得となり、ラウンドは打ち切られる。この時、電チューが閉じた瞬間にスルーを通過
していれば、通過3秒後に電チューが開く。しかも、ラウンド打ち切り処理によるラウンド間の
「間」が絶妙で、実際電チューが開くのは、次のラウンドに移行した直後であった。こうなれば、
新たなラウンドも右打ちで、開いた電チューに玉を入れて、さらに13、15の点灯も成功すれば、
「F」獲得で出玉を160発(1R分)増える。14Rの大当りが15R、2R小当りは3Rに増えた訳だ。
但し、玉を打ちっ放しでは先に電チューに入れてしまう恐れもあり、単発打ちで電チュー入賞を
防ぐ方法が効果的だった(単発打ちでスルーを通過しても、約3秒打ち出さないだけで、電チュー
入賞は容易に防げた)。なお、先に電チューの方に玉が入って「11、12、14、16」全灯、後から
13と15を狙う格好になっても、その13や15に入球して「F」が出た瞬間スルーを通過していれば、
やはりその3秒後(次ラウンドの頭)に電チューが開くから、同様に160発増やす事は可能である。
また、「13or15待ち(11、12、14、16が付いている)状態)」で電チューも開いている場合は、
単発打ちで電チュー入賞を避けつつ対象ポケットに入賞させれば、次ゲームの頭に再び電チューが
開くので、やはり160発増やすチャンスとなった。元来連チャンし易い本機では、こうした小技を
積み重ねるだけで、勝機も一段と強まる。160発を抜くと連チャン終了…なんて意地悪な仕掛けも
無かったので、積極的に狙える技だった。まぁ、「爆連させれば屁でもない」の風情で、ひたすら
打ちっ放しの客も多かった訳だが…(打ちっ放し全開でも、160発余計に取れるケースはあった)。


結局、その荒くれぶりが仇となり、後に「社会的不適合機」の烙印を押されてしまったが、かの
シンプルでアツいゲーム性は、多くのパチンコファンの願望に見事なまでに「適合」していた。
当時、不適合機のレッテルを貼られた名機は多いが、それは恥ではなく寧ろ「勲章」だと思う。


(SANKYO「CRビッキーチャンスI」の項、了) 


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