1995年(平成7年)に高尾から登場したCRデジパチ
「CR星占い2」について、少々回顧したい。
★星占い(星座)がモチーフ
★賞球:5&15
★大当り確率:1/383(確変中は1/55)
★カラー液晶画面搭載
★デジタル停止順:左⇒中⇒右
★図柄
・左・中デジ:1~12(星座)、星付き3、星付き7
・右デジ:1~12(星座)、星無し3、星無し7、星
(各デジタルには、ハズレ図柄が1つアリ)
★最高16R継続
★出玉:約2400発
★確変突入率:1/3(2回ループ)
(平均継続回数:4.75回)
高尾のカラー液晶デジパチ第1弾といえば、1994年~95年にかけてリリースされた
「スーパーベビー」シリーズ(現金機「スーパーベビー」(1994年)、CR機「CR
スーパーベビー2」(1995年))が思い出される。コミカルで愛らしい赤ちゃんが
主役の台は、明確に女性ファンを意識していた。その後続シリーズで登場したのが、
今回紹介する「CR星占い2」である(正確に言えば、現金機の「星占い」が先発で、
現金機に遅れてデビューしたのがCR版の本機。なお、現金機には「星占いDX」と
いう兄弟機も存在した)。やはり女性が好きな「星占い」「星座」がモチーフの、
何ともメルヘン全開だった液晶マシン。だが、乙女チックなその外観とは裏腹に、
フルスペック機ならではの爆発力と波の荒さがウリであった。また、確変中には
止打ちで出玉が増える「技」も利いた。しかし、その完成度の高さに比べると、
当初はある程度出回ったものの、その後は今イチ設置が伸び悩んだ。さらには、
同時期、主力各社が次々と類似スペックの爆裂CR機を送り出した事もあって、
次第に存在感が薄れていった感じだ。ある意味で、登場タイミングの悪かった
「悲運の一台」ではあるまいか。
本機の図柄について説明すれば、1~12の図柄は対応する月の「星座」に因んだ
キャラクターの絵柄だった。「1」は「水がめを持った女性」(1月⇒水がめ座)、
「2」は「人魚」(2月⇒うお座)、「3」は「羊と女性」(3月⇒おひつじ座)、
「4」なら「牛」(4月⇒おうし座)…といった具合である。どれも可愛らしい
アニメ調のデザインで、「スーパーベビー」同様、若い女性ファンにアピール
していた。
また、これら12星座図柄以外にも、左、中デジには「星付き3」「星付き7」の
2図柄(星座の3、7とは別図柄)が用意されていた。西陣「球界王」シリーズの
「数字とボールの図柄」を彷彿とさせるW図柄で、リーチの組合わせが多くなる。
「3・3」「7・7」のテンパイでリーチとなるのは勿論、左に「3」、中に「7」と
並んでも、「星のテンパイ」でリーチ扱いとなる。一方、右デジには「星無しの3」
「星無しの7」「星図柄」が配されており、「3・3」のリーチは右デジが「3」でも
「星」でも大当り。これは「7・7」も同様で、どちらも実質的にはダブルリーチだ。
無論、「7・3」「3・7」の変則リーチなら、右に星が止まれば大当り。
これら「星付き3」「星付き7」絡みで大当りした場合、+2回の確変に突入する
(確変ループ有)。具体的にいえば、
「3・3・3」
「7・7・7」
「3・3・星」
「7・7・星」
「3・7・星」
「7・3・星」
の6パターンで当れば、確変となる仕組みだった。全18通りの組合わせの内、
6図柄が確変だから、突入率(継続率)は1/3。いわゆるフルスペック仕様で、
ツボにハマった時の爆裂度は特筆すべきものがあった。CRスーパーベビー2の
確変突入率は2/15(2回ループ)だったので、後続機で一気にパワーアップを
果たした格好だ。その分、大当り確率は1/256(CRスーパーベビー2)から
1/383と大きく低下した訳だが…。
リーチパターンは大別して4つ。(1)左⇒中とテンパイして、右デジが低速気味に
スクロールする「ノーマルリーチ」。(2)ノーマルで一旦停止後、右デジが再び
動き出して超スローで進む「再始動リーチ」、(3)ノーマル途中で右デジに星が
出現、各図柄と星が交互に反転しながら落下していく「星降るリーチ」。そして
(4)ノーマルの途中でBGMが変わり、「ラッキーチャンス」の表示と星占いの
メッセージ(星マーク付き)が出現する「占いリーチ」である。どのパターンも
当る可能性があるが、期待できたのは「星降る」「占い」の2つ。特に、後者は
星マークの数(3~5個出現)によって大当り期待度が変化、5個なら超高確率で
大当りした。なお、どのリーチも、1コマズレでハズれた後、高速で再始動する
二段階(1周)パターンがあって、この場合は鉄板。他にも1コマ戻りで大当り、
リーチアクション無しでのビタ揃いなど、右デジの多彩な動きが魅力であった。
確変中は大当り確率が1/383⇒1/55にアップする為、ハマらずに次の大当りを
獲得可能。また、確変中は小デジの当選率も通常の1/11⇒1/1.1に10倍アップ
するので、頻繁に電チューが開く。さらに、電チューには入賞個数制限がなく、
規定時間(4秒)以内なら、いくら飛び込んでも電チューは閉じない。適当に
打っても玉増えが期待できた上に、キッチリと止め打ちすれば、さらなる出玉
増加に繋がった。労力を惜しまずに小技を使う者にとっては、有難い電チュー
性能といえた。なお、止め打ちのタイミングをはかる場合、盤面風車ランプの
点滅回数を数えて数発打ち出す手順が、実戦的かつ効果的だった。
本機はフルスペックのCR機だが、同シリーズの現金機も複数登場している。
CRよりも先に出たのが、現金機「星占い」。大当り確率1/205のノーマル
タイプで、W図柄が無い代わりに、各デジタルに単独の「星図柄」が存在。
また、現金機には「星占いDX」という後発の兄弟機も。星占いより確率が
僅かに低い1/210で、やはり単独の星図柄が存在。DXは「3」「7」「星」の
リーチで外れたり、12星座の図柄でリーチが掛かって、右デジに「3」「7」
「星」の何れかが止まって外れたりすると、「小当り」扱いでアタッカーが
0.4秒開く。ただ、開放時間が短すぎるので、ノーマル機と大差なかった。
高尾「星占い」(1995)
高尾「星占いDX」(1995)
一方のCR機では、本機に続いて(兄弟機ではないが)「CRあっちむいてほい2」
(確変突入7/15)や「CRレディースナイパー2」(確変突入1/3)などの液晶
デジパチが同社から登場。さらに1996年初頭には、本機のリメイク版である
「CR夢」もデビューした。ただ、SANKYO(「CRFダウンタウン劇場」etc)、
平和(「CR RYU-OH」etc)、三洋(「CR大工の源さん」)など、同時期に
出回った他社の人気台に押されて、人気は今一つに終わった。
高尾「CR夢」(1996年)
内部スペックは本機と同じ
(高尾「CR星占い2」の項、了)