1999年(平成11年)に岡崎産業から登場した4号機の
「グッドマン」(Aタイプ)について少々書いてみたい。
★ボーナス確率
★払い出し
・赤7・赤7・赤7/緑3・緑3・緑3…15枚+Big Bonus
・赤7・赤7・黒5/緑3・緑3・黒5…15枚+Reg Bonus
・よしお・よしお・赤7(又は黒5)…Big中のみ15枚
・ベル・ベル・ベル…10枚
・チェリー…2枚
・プラム・プラム・プラム…Replay(3+Jacin)
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1998年春、岡崎産業が旧・尚球社から社名変更した頃にデビュー
したのが、皆さんもよくご存知の元祖「スーパージャックポット」
である。4号機第1弾「ジャックポットII」の名を継承しつつも、
「第3停止後、甲高い効果音(よく「キュインキュインキュイン」
と表すが、当時の私には「パイン・パイン・パイン」と聴こえた)
+7セグでボーナス完全告知」というシンプルで斬新、なおかつ
打ち手のハートにズップリと刺さるゲーム性が大変に好評だった。
そのSJPに続いて同年秋に出た「トラッド」は、効果音+7セグの
基本演出に「7セグ再始動(3(バケ)⇒7(Big))」という新たな
特性を追加。やはり判り易いゲーム性がファンの心をガッチリ掴み、
息の長い人気機種となった。まさに「1998年」という同社にとって
節目の時期に登場した上記2機種は、記念碑的な「名機」といえよう。
その翌年、1999年春に各ホールへ出回り始めたのが本機だが、SJPや
トラッド最大のウリである後告知を踏襲。さらに、新たな演出も多く
採用した、個性溢れるマシンであった。シリーズ化に繋がったSJPや
トラッドと比べて、本機の注目度はさほど高くなかったかもしれない。
だが、ゲーム性そのものは、決してSJPやトラッドに引けを取らない、
魅力的で打ち込み甲斐のある一台だったと思う。
とりわけ、本機の存在感を増す要因として、リール図柄やパネル等に
描かれたメインキャラクター「よしお」の果たした役割は大きかった。
「グッドマン」⇒GOOD(良い)MAN(男)⇒良男⇒よしお、という
意味合いだったと思うが(というか、攻略誌などでは普通によしおと
呼んでいたが、それが正式名称なのかどうか知らない)、林家ぺーも
顔負けのド派手なピンク衣装に身を包み、左手に「3」、右手に「5」
を持ち、シルクハットに「7」を冠したエキセントリックすぎる風貌。
一度見ただけで脳裏に焼き付くほど、強烈なオーラを放った。因みに、
彼の職業は「マジシャン」という設定だったハズ。どことなく、ダウ〇
タ〇ンの浜ちゃ〇に似ていた感も…。
一方、設定1でも「1/273」というビッグ確率の高さも、特筆すべき点で
あろう。まさにSJPの「1/269」に通じる甘い数値。まぁ、その分帳尻を
合わせる如く、JACゲームの払い出し枚数は1枚少ない14枚(SJPと同じ)
に減っており、ビッグ獲得枚数もハズシを駆使して370枚程に抑えられて
いた訳だが…それでも、高確率が生み出すビッグの連打は、本機の一つの
「味」であった。設定4以上のビッグ確率が「1/241」で共通というのも
SJPを踏襲していたが、本機はバケ確率を甘めにする事で、ストレートの
大ハマリを喰らいづらい仕様となっていた。
先輩格のSJPやトラッドは、何れも「成立ゲームの第3停止後、後告知で
ボーナス察知」というのがゲーム性の根幹をなしていた。成立ゲームの
第3停止前にボーナス確定と判るケースは、鉄板二確の「リプレイ中段
テンパイ」や「スイカとリプの平行テンパイ」が停止した時ぐらい。まぁ、
「ぐらい」とは書いたが、この中段リプテンや平行テンパイはいずれも、
打っていて大いにシビれる瞬間だった。
一方の本機は、従来通り第3停止後に告知発生する他に、第1又は第2停止の
段階でボーナスの「入り」を察知する機会が少なくなかった。即ち、様々な
タイミングでボーナスを確信できた訳で、告知タイミングの「時間的幅」が
SJPやトラッドよりも広くなっていた。それと同時に、「リプハズレ=入り」
のお馴染みの特性も、しっかり引き継いでいた。まさに、「伝統と進化」を
併せ持った、奥行きあるゲーム性だったといえよう。
その一確や二確について具体的に書くと、左リールに「赤7・よしお・緑3」
がドーンと降臨すれば、その時点で一確(SJPやトラッドは、こうした明快な
一確目を持たない)。また、左「よしお・緑3・よしお」停止時、中リールの
中段に「よしお」が降臨する「よしおクロステンパイ」の形も二リール確定。
また、「上段リプ、中段赤7」の平行テンパイも、嬉しい二確目となる。
さらに、本機で初採用された新演出「センターチャンス機能」により、二確の
快感をより多く味わう事が可能であった。センターチャンスは、レバオン時に
効果音が鳴って、リール窓左のベットランプ(1MEDAL~3MEDALS)が点滅
する事でスタート。左リールの上部には、赤文字で「CENTER CHANCE」と
表示されており、中段左右に「CHANCE」と書かれていた。本機の左リールが
特別の意味合いを持つ示唆だったいえよう。この時、左の中段にボーナス図柄
(赤7又は緑3)が停止すれば、筐体のトップランプが全灯してチャンス継続。
さらに、第2停止の時点でランプが非消灯なら、ボーナス確定となる(同時に
「パイン・パイン・パイン!」の告知音)。即ち、第三リールが停止する前に
ボーナスを察知⇒二確の瞬間である。この時、トップランプの点灯パターンで
BRの判別も可能。三分割されたトップランプの中央が光ればBig、両サイドが
点灯すればRegである。第2リールでボーナス確定の場合、第3停止後7セグが
変動してBRの別を表示。セグが「3」か「7」で停止すればビッグ、「5」が
止まればバケだ。7セグは普通に変動⇒停止する他、一旦「5」で停止した後、
再始動するパターンも複数存在。ビッグ確定となる再始動のパターンもアリ。
一方、効果音発生時に左中段にボーナス図柄が止まらなかったり、点灯中の
トップランプが第二停止時に消えたりしても、チャンスはある。その場合も、
第3停止後に「パイン」音と共に7セグが始動すれば、問答無用でボーナス。
「最後の最後まで判らない、諦めてはいけない」。チャンス演出で打ち手を
適度に煽りながら、「捨てゲーム」無く楽しめた。但し、本機は完全後告知
なので、第3停止後に何の反応も無い場合、残念ながらボーナスは非成立。
完全告知仕様ではあるが、判り易い「リーチ目」にも味があった。先述の
一確(7・よしお・3)や二確(よしおクロス)は告知前にアツくなれたし、
リプテンハズレや、ボーナス図柄の一直線型、0枚役「よしお」の一直線型
など、何気にインパクトが大きかった。センターチャンス演出発生時限定の
一確や二確も存在するなど、打てば打つほど味わいの深さに気付かされた。
技術介入性については、通常時こそ適当打ちで問題無かったが、ビッグ中は
JAC当選で14枚しか払い出されない為、ハズシ不使用では平均350枚弱しか
取れない。一方、ハズシ駆使なら+20枚程の上乗せが望めたが、リプレイが
上段受けになると、配列上及び制御上、ハズシは不可能となっていた。但し、
中押しして、中リール中段リプレイ停止時のみ右中段に赤7をビタで狙えば、
リプを中段(or下段)受けに限定し易い。ハズシは、左のテンパイラインに
「下にリプレイの付いたよしお」狙い(切れ目の7が通り過ぎたら押す感じ)。
一方、中押しでベルが中リール中段に止まったら、左枠内に切れ目の赤7を
狙って、右適当(ベルはメイン役、10枚の払い出し)。残り9Gから順押し。
なお、15枚役とチェリーは低確率の為、狙わずともよい。
★当時の設置店
・京王線・府中駅「ターゲット」
・小田急線・相模大野駅「エンジェル」
・JR中央線・阿佐ヶ谷駅「パルコ」
など
★後継機について
グッドマンM(2000年登場)
本機の大量獲得Verとして登場(2000年のパチンコ・パチスロ産業フェアに
出展された台)。ビッグ中に15枚役の「コイン・コイン・赤7(黒5)」が
揃い易い仕様(但し、要目押し)。「3」図柄が緑からピンクへ変更となり、
通常時のメイン小役も青リンゴに。なお、Mは「ミラクル」の意味とのこと。
そういや、同社(尚球社時代)の3-1号機「ミラクル」にも、リンゴ図柄が
あったっけ…。
(岡崎産業「グッドマン」の項、了)