1995年(平成7年)に奥村から登場した一般電役「マジカルランプ」
先日過去記事を見返して、本機をまだ取り上げていなかった事に、今更ながら気付いた。
一度は記事にしたものと、てっきり思っていたのだが…「思い込み」とは恐ろしい。
★賞球…6&10
★大当り確率…1/190.3
★大当り図柄…以下(17図柄)の3つ揃い
→0~9、太陽、星、月、ランプ(左右ランプは「W図柄」で、ランプ揃いは4パターン有)
★平均出玉…2000~2400個(アタッカー脇の釘調整や、小デジの空振り等で変動)
★兄弟機(先行機)…「アラビアンナイト」(1995年、ヘソ入賞で戻りがあるタイプ)
左右デジタルの「3」と「7」は、「ランプ」とのW図柄。当然、左右テンパイはWリーチとなる。左右のWリーチ図柄がバラバラでも、中デジがランプ受けのリーチとなる。よって、ランプ揃いは計4通り※有る。内部的に大当り出目の出現率は「1/17」づつと均等だが、4種類あるランプがもっとも出易くなっている。
※ランプ揃い(4通り)…「3/ランプ・ランプ・3/ランプ」「3/ランプ・ランプ・7/ランプ」
「7/ランプ・ランプ・3/ランプ」「7/ランプ・ランプ・7/ランプ」
(内部的には、全て別出目扱い)
(別セルに描かれた女性キャラ。コスチュームが結構際どかった。)
95年の新台登場以来、様々なホールで対峙した、まさに「思い出の一台」である。
波荒のCR機が台頭した当時、CRよりも高確率の現金機を好んだ私にとって、「渡りに船」の機種といえた。ただ、ヘソが通過式(賞球なし)の為、スルー下の賞球口が締まっていると、投資ペースも速くなりがちだった。
設置も実戦機会も非常に多く、当時の対戦ホールを全て書き起こすのは不可能。ただ、要所で「記憶に刺さる」店も幾つかある。
体感器攻略のターゲットとされたのは有名だが(一般ファンの私には「無縁」の世界)、意外に設置寿命は長く、2000年以降も本機を置き続ける店が、少なからず存在した。
新台時・初打ちは、新宿・歌舞伎町コマ劇近くの「モナミ」(地下がニューペガの店)。この時は、負けこそしたが、リーチアクションなど出来の良さに触れ、「これは必ず流行る」と直感。
90年代後半~2000年初頭に多く出向いたのが、小田急・鶴川駅前の「ダイヤモンド」というホール。既にして旧台扱いだったが、そこそこ回る台も落ちていて重宝した。
2000年に旅打ちで広島に遠征した際は、広島駅南口・大洲通り沿いの「ジャンボ会館駅前店」で本機を打つ機会があり、悪運強く、その日の宿代(「ホテル川島」に宿泊)を稼いだ。
また、田園都市線・青葉台駅(田山プロ御用達「B店」(ビッグスペース青葉台)があった場所)に沖スロ「シオサイ30」(「フラミンゴ」というスロ屋に設置)を打ちに通った時期(2000年辺り)、フラミンゴ向かいの「青葉台会館」という店で何度か実戦した。
京王線沿線では、調布駅北口「リラ」や、府中駅前「チカサク」で打った。その他、「シオラー30」の香ばしいVerがあった多摩センター「シーザースパーラー」、フローズンナイツなどを長らく置いたJR成瀬駅南口「パーラーユーガ」でも対戦。今思うと、2000年前後のスロメインの時期、本機と遭遇する機会も多かった。
なかでも強く記憶に残るのは、小田急・町田駅から少々歩いた路地沿いの「スーパースター」という店での実戦だ(パチは1F。2Fスロはタンゴブラザー、ツインサーファー、エイトマンなどを設置)。ただ、「大勝ち」や「爆連」といった思い出ではなく、「本機初の1000回転オーバーハマリ」を喰らったのが、実はこの店。ヘソがメチャクチャ甘い台を見つけて、ブン回り状態で追い続けたが、延々とハマった結果、まさかの1400回転越えとなり、結局1度も当てられぬまま、脱兎の如く逃げ帰った。あれが、最初で最後の「マジカルランプ・4ケタハマリ」である。いくら確率が甘くとも「ハマる時はハマる」という事を、あらためて痛感させられた一件だ。
体感器で露骨に攻略対象とされた為、釘がガチガチに絞められた店も多かったが、なぜか自分の場合、回りの良い台に座る機会も多かった。まぁ、コンマ数ミリのストロークを極めた…なんてことは無かったと思うが(笑)
★ゲーム性(概要)
ヘソのスルーチャッカー通過で、メインデジタル始動。図柄の3つ揃いで大当り。左肩の電チューが2.8秒×2回開放(計5個以上の入賞が必要)。大当り中は右打ち不要。通常打ちで、ヘソ下の2段アタッカー連動で、出玉を増やす(上下アタッカーは5×5=計25回開放)。但し、アタッカー開放用の小デジがハズレ(-)で止まると、出玉が減る(小デジ確率は何れも599/600で、ハズレ確率は1/600と低い)。なお、大当り消化中のBGMは、「コーヒールンバ」。
大当り中もヘソ入賞でデジタルが回り、実質的な連チャンアリ。大当り序盤での連チャンは出玉が少なく、終盤だと多くなる為、連チャンのタイミングも重要。ヘソがそこそこ開いていれば、大当り中に30回前後はデジタルが回る為、連チャン率はおよそ16%程度。当然、ヘソの甘い台ほど、大当り中の連チャン率も高くなる。
なお、初当り図柄を表示する、ラッキーナンバー用の7セグが天下に付いていた。
但し、あくまで「初当り用」なので、大当り中の連チャン時は変動しない。
(LN表示の内訳)
0~9は数字をそのまま表示。
太陽→A 星→d 月→C
3とランプのWリーチからランプ揃い→L
7とランプのWリーチからランプ揃い→H
単独ランプ揃い→F
★リーチアクション(大別して9種類)
デジタル図柄は「魔法の絨毯」がモチーフで、各デジタル上には大顔の「魔人」が身構える。デジタルは下→上にスクロール。デジタル停止順は「左→右→中」。リーチの種類や状態により、魔人が様々に表情を変えるのも面白かった。中デジのみ「ブランク図柄」がある為、リーチで中デジがスクロールする際、なかなか大当り図柄に辿りつかない印象もあった。
・ノーマル…左右デジタルは変化なく、中デジは通常スクロール(信頼度:0.8%)
・クルクル…左右デジタルが、クルクルと横回転(信頼度:1%)
・クルクルSP…クルクルの発展形。途中でデジタルの動きと音が変わるとSP突入。大当りか+1コマで停止(信頼度:20.7%)
・ユラユラ…デジタルがユラユラと陽炎っぽく揺れる(信頼度:2%)
・ユラユラSP…ユラユラの発展形。途中でデジタルの動きと音が変わるとSP突入。大当りか+1コマで停止(信頼度23.8%)
・煙巻き…中デジが煙に包まれ、1コマづつ進む。大当りor-1コマで停止(信頼度:22%)
・カウントダウン…中デジが一旦停止後に再始動。高速変動→停止を繰り返し、1コマづつ大当りに近づく。最後は大当り付近でウロウロして停止。この時、+1コマから戻るパターンと、-1コマから進むパターンがある(信頼度:32%)
※さらに、カウントダウンには、中デジの魔人の頭上に、「天使の輪」がある時と無い時があった。輪があると左右デジが「伸縮」するが、輪がないと伸縮しない。
・チャンス…デジタル左右下に「チャンス」のメッセージ出現。信頼度高(信頼度:41.3%)
・お願い…デジタル下に「願いをかなえてあげましょう」のメッセージ出現。中デジの魔人が女性に変身。「アブラカダブラ チチンプイプイ」のメッセージと共に中デジが変動。信頼度は非常に高い(信頼度:58.5%)
(高信頼度の「お願いリーチ」…外すと結構ショック)
★リーチアクションの選択
大当り時は、大当り専用のリーチ選択カウンター(計13通り)からアクションを選択
ハズレ時は、+1コマハズレ、-1コマハズレ、それ以外のハズレに分けて、ハズレ専用のリーチ選択カウンター(計9通り)からアクションを選択(但し、ハズレ時は、リーチアクション、右出目停止パターン、予告の有無に、予め決まった組み合わせがある。)
★リーチ時の右デジタル停止パターン
・通常停止(右デジが普通に停止してリーチ)
・スベリ停止(右デジが一旦停止後、再始動して4コマ先で停止してリーチ)
・スロー停止(右デジが通常よりもゆっくりと停止してリーチ)
★リーチ予告…デジタル始動後、予告音&枠ランプ点滅でリーチ予告(液晶でも演出発生)
★大当り確定のリーチパターン
ハズレリーチ時は、「リーチの種類、右デジタル停止パターン、予告の有無」に、あらかじめ決められた、特定の組み合わせが存在する。
言い換えれば、それらの「ハズレ確定パターン」に当てはまらない組み合わせのリーチが出た時点で、大当り確定となる。
大当り確定のリーチは、右デジ停止パターンと予告の有無で分類すると、以下の「33通り」が該当する。
(1)右デジ通常停止時
・予告無…クルクル、ユラユラ、カウントダウン、チャンス、お願い(5通り)
・予告有…クルクル、ユラユラ、ユラユラSP、カウントダウン、チャンス、お願い(6通り)
(2)右デジスベリ停止時
・予告無…クルクル、ユラユラ、ユラユラSP、チャンス、お願い(5通り)
・予告有…クルクル、ユラユラ、クルクルSP、カウントダウン、チャンス、お願い(6通り)
(3)右デジスロー停止時
・予告無…ノーマル、クルクルSP、ユラユラSP、煙巻き(4通り)
・予告有…ノーマル、ユラユラ、クルクルSP、ユラユラSP、煙巻き、チャンス、お願い(7通り)
これらの確定パターンを覚えておくと、周囲よりも先に大当りを察知できる。さらに、
「低信頼度のノーマルでも、右スロー停止だったら大当り確定」
「ユラユラ(ノーマル)が右スロー&予告なし以外なら鉄板」
「高信頼度のチャンスとお願いは、右スロー&予告なしの場合のみガセあり」
といった、各リーチの特徴も掴む事ができた。
無論、上記33パターンに当てはまらなくとも、大当りの可能性がある事は、言うまでもない。
★大当り判定方式
大当り判定用カウンター…「0~570」の計571コマ
当選値…「7、47、97」の3つ。よって、大当り確率は3/571≒1/190.3
★リーチ判定
リーチ判定の合否も、大当り判定値を参照。
当選値…「0~50」の計51コマ。判定値がこの範囲にあると、「リーチ当選」となる。
★「連続リーチ」のカラクリ
本機には、「連続回転中、2連続でリーチが発生する」という、顕著な特徴があった。それは、本機のリーチ判定が、一風変わった方式を採用していた為だ。
まず、単発回し時(保留非点灯時)だが、チャッカー入賞時に拾った乱数(リーチ判定値)をそのまま参照して、リーチの当否を決める。これは、別段珍しくもない方法だ。
しかし、連続回転中(保留点灯時)は、現在の値ではなく、「保1」に入っている乱数値を参照して、リーチの当否を決める。いわば、リーチ判定の「先読み」である。
たとえば、保1のみ点灯した状態で、現在回転でリーチが掛かったとする。この場合、点灯中の保1には、必ずリーチ当選値(「0~50」)が入っている。したがって、追加入賞がない限り、次回転(保1消化時)も必ずリーチが掛かり、結果的に「連続リーチ」が発生する。連続リーチは単なる偶然ではなく、内部的に仕組まれた「カラクリ」だった訳だ。
また、保2まで点灯の状態で、保2エリアにリーチ当選値が入っているとする。この場合も、保留消化で保2が保1にシフトすると、保1にリーチ当選値が入る。こうなると、次回転は保1先読みでリーチが掛かり、続く保1消化時にもリーチが掛かる為、やはり「連続リーチ」が発生する。保3点灯時、保4点灯時も、理屈は同じだ。
但し、リーチの途中などでヘソに「追加入賞」があると、連続リーチが掛からない(フイになる)ケースがあった。
たとえば、保1のみ点灯した状態でリーチが掛かった場合、保1には「リーチ当選値」が入っている。しかし、リーチ中の追加入賞で保2が点灯し、その保2が「リーチでない値」(「0~50」以外)を拾うと、事情は変わってくる。この場合、保留消化で保2が保1にシフトしても、保1には「リーチでない値」が入る為、保1先読みでも「非リーチ」となり、連続リーチとはならない。即ち、入賞タイミング次第では、ヘソの追加入賞が、連続リーチ発生に影響を与えたのだ。
但し、保1に大当り値の「7」「47」が入った時は、追加入賞の影響を受けることなく、その保留を消化した時に無条件でリーチが掛かり、しかも必ず大当りする。大当り判定に合格した以上、これは当然の事である。
ここで、リーチ判定の「当選値」は、先述の通り、大当り判定カウンター(「0~571」)のうち、「0~50」の計51通りである。一方、「大当り」となる値は、「7」「47」「97」の3つ。つまり、3つの大当り値のうち、「7」と「47」の2つは、「リーチ当選値」を兼ねている訳だ。
よって、保1に「7」又は「47」が入ると、保1先読みにより、まず現在回転で「前兆」のハズレリーチが掛かった後、次回転(保1消化)のリーチで大当りする。これが、「本物」の連続リーチである。
但し、大当り値「97」が保1に入った場合、「97」はリーチ判定で「当選」とはみなされず、保1先読みでも「非リーチ」扱いとなる。すなわち、保1に「97」が入った時は、前兆のハズレリーチが掛かることなく、次回転(保1消化)で最初のリーチがかかり、そのまま大当りする。
したがって、「本物」の連続リーチが発生する割合は、「大当り3回につき2回」となる訳だ。
一方、リーチ当選値(「0~50」)のうち、「7」「47」を除いた49通りが保1に入った場合、2連続でリーチが外れる「ガセ連続リーチ」となる(但し、追加入賞があった場合を除く)。
リーチ当選値の全51通り中、実に49通りがガセ連続リーチの元となる計算だ。よって、保1のみが点灯した状態で発生した連続リーチは、49/51の高確率でガセる。
逆に、保2以上が点灯した状態で連続リーチが発生した場合は、追加入賞後も連続リーチが崩れなかった可能性が考えられる為、保1のみ点灯の状態よりも、「本物」の連続リーチである可能性が高まる。
なお、上記の判定方式は、あくまでも「リーチ判定」に関するもので、「大当り判定」自体の先読みは、絶対に行われない。
★体感器攻略(TVチャンピオン)
本機の大当り判定カウンター(「0~570」の571コマ)の周期は、「1周=約1.5992107秒」。そのうち、「0~50」のまとまった範囲に、リーチ乱数が集中して配置されている。しかも、この範囲に大当り乱数「7」「47」も含まれる為、体感器で大当り付近の乱数を狙い撃つことが可能だった。
この有名な体感器ネタを地上波のTV番組で披露したのが、大崎一万発&ベンツ小林の両氏だ。1996年(平成8年)11月に放映された「TVチャンピオン、史上最強パチプロ王決定戦II」で、本機を対戦台とする「パチンコ攻略対決(早当て対決)」が行われた。ここで両氏は「止め打ち」を駆使、「約3.1秒」(カウンター周期の2倍)おきに玉を数発打つ方法で、大当り付近の乱数を狙い打ちして、リーチを連発させた(コーナー進行役の中村有志も、終始驚いていた)。結果、大崎氏が先に大当りを引き、見事に勝負を制した(この回の優勝者も大崎氏)。
因みに、この回の番組ゲストは、俳優の阿藤快。途中、大会参加者のスエイ編集長をスタジオに招き、「CR大工の源さん・設定判別法の真相」(源さんの目じりの形で、設定が判る?)をお笑い感覚で検証していた。
なお、同番組では、マジカルランプ対決で体感器を使っていた事実を完全に伏せていたが、(「この店では、通常止め打ちは禁止されています」というテロップのみ流れた)、後日発売された必勝ガイド誌の「編集部後記」にて、両氏が体感器を使用したとの言及(G・巨砲氏)があり、事の真相が明らかにされた。
★DAISUKI・パチンコ対決
1997年(平成9年)5月31日放映の深夜バラエティ「DAISUKI」パチンコ対決で、本機が登場。ゲストは女優の藤谷美紀。ロケ地は東京・西大井「バーディー(BIRDIE)」(閉店)。途中休憩では、甘味処「三好野」で、トコロテンなどを堪能。
一見パチンコとは縁遠そうな、清純派のイメージが強い藤谷だが、この回は大変ヒキが強く、1回戦のマジカルランプ、2回戦「CRくだもの畑」(サミー)、3回戦「CRサクセスストーリーSP」(平和)で全て大当りを引き、レギュラー陣を唖然とさせた。特に、マジカルランプでは、連チャンこそなかったものの、2回の大当り獲得に成功。大当り時の喜び方が地味で、終始おとなしかったのも印象深い。
一方、レギュラーの中山秀征と飯島直子は、共にツキに見放されて、一度も大当りさせることが出来ずに終わる。特に飯島は、普段「クイーン」と呼ばれる程のヒキを持ちながら、この回では美味しい所を藤谷に全部持って行かれ、若干イライラした様子が画面から伝わってきた(あくまでも個人的な感想)。
もう一人のレギュラー、松本明子は、初戦のマジカルランプでなんとか1回大当りさせて、前年放映のパチンコドラマ「グッドラック」主演の面目を保った。
(右スベリ停止・予告無しの「お願いリーチ」(鉄板アクション)から、「太陽」揃いで大当り)
※最終結果
優勝:藤谷美紀(8580発)
2位:松本明子(2294発)
中山秀征(0発)
飯島直子(0発)
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マジカルランプ(奥村、一般電役)
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