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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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マーダー(藤商事、アレパチ)

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1990年(平成2年)に藤商事から出たアレパチ「マーダー」


今思えば、かなり「物騒」な機種名である。今、本機を取り上げるのは、正直「不謹慎」な気もする。

ただ、刃傷沙汰が連日のように起こる今、「自粛・自粛」と気を遣ってばかりでは、この台をアップする機会など、永遠に来ないだろう。そこで、思い切って記事作成に至った次第。批判は甘んじて受ける。


本機は、初心者~毛が生えた程度の頃、新宿歌舞伎町(西武新宿駅前)の「日拓1号店」(名前を変えて現存)というホールで打った。アレパチとはいっても、この店では完全に「一発台」の調整がされており、一度大当りすれば、自動的に4000発(3円交換で12000円)が手に入る仕様になっていた。

当時は、あまり資金に余裕がなく、途中でタネ銭が尽きてご帰還…のパターンも多かったが、運よく小さなデジタルが3つ揃うと、大いに高揚して右打ち全開⇒予定終了のコースを堪能した。店員が「終りです」とやってくると、ずしりと重いドル箱を担ぎ上げて、ジェットカウンターで自ら玉を流し、景品カウンターで特殊景品(大=プラスチックケースにゴルフのマーカーが2個入ったもの、小=ライター石(フリンツ))に替える。そして、裏路地の階段(「ラーメン坂内」と「TV麻雀道場・貴族」の間)を降りた先の怪しい地下換金所で、学生にとっては「大金」の12000円也を受け取った。胡散臭くも懐かしい平成初期の思い出である。




現在の「新宿日拓1号店」=「エスパス日拓・西武新宿駅前店」。

平成2年当時は、外壁に「パチンコ」の赤い横書きのネオンが出ていた。今は知らないが、当時は1Fがパチ、2Fがスロだった。

1Fは、ブラボーエクシード(平和)やドリームX(奥村)といったデジパチ、キャラバン(マルホン)、ベータ(ニューギン)などの一発台、そして羽根モノのビッグシューターIII(平和)といった、誠に香ばしいラインナップになっていた。

一方の2Fも、センチュリー21(瑞穂)、リバティベルIV(ユニバーサル)、トロピカーナA(メーシー)、ビッグパルサー(山佐)、バニーガール(オリンピア)といった2号機が並んでいた。立地上、客付も良好で、夜7時ともなると、どのシマも満席となり、空き台探しが大変だった。

また、現在の画像では確認できなかったが、90年当時は、1Fの自動ドア横に大型のTVモニタを幾つも重ねて、外から見えるように並べてあった。土・日はここで競馬中継を流していて、モニター前では観戦の人だかりができた(あれは、客寄せも兼ねていた筈)。そういえば、換金所があった路地の10円ポーカー店は、入口に「只今、店内にて競馬実況中」の看板を出して、客寄せしていた。
ただ、私は当時さほど競馬に興味がなく、馬といえば専らデジパチの「ダービー」(京楽)だった(笑)。

なお、新宿日拓以外では、向ヶ丘遊園の「スター」にも置いてあった。但し、ここは私にとって「シャトル21」の実戦がメインで、本機を実戦したことはない。




さて、本機の遊技方法は、アレパチ本来のマッタリしたゲーム性こそ備わっていたが、当時ホールに設置されていたのは、大半が「一発」調整されたものだった。



(メインデジタルとクルーン)


天下には、3ケタの小さな赤い7セグデジタル。その下に、コンビタイプの3つ穴クルーン役物※。

※同社の同じ3つ穴クルーンタイプ「コメット」(アレパチ)と同じ役物を使用。また、既にお気づきとは思うが、このクルーン役物、大同の一発台「アルファローズ」と同タイプである(但し、アルファローズは手前が大当り穴だが、本機は奥に入らないとダメ)。


盤面下には、アレパチ独特の「ナンバーポケット」(1~16)があり、ここに入賞すると、数字下の赤ランプが点灯。この時、「1、2、3、4」のように4連続で並ぶと、得点が1点入る(5連続で2点、6つだと3点)。また、「5、6、7、8」或いは「9、10、11、12」の位置が点灯すると、「ジャックポット」で一気に3点入る。さらに、ヘソの「2倍」チャッカー通過で、得点は2倍になる。1ゲームで計16発打ち、獲得した得点分の賞球が最後に払い出される(1点=16発。1ゲーム最高10点(「F」)=160発)。16発打つごとにリセット⇒再開となるが、ゲームの途中で「精算ボタン」を押すと、その時点でリセットされる。


センターのクルーン役物に入賞した玉は、皿の上をしばし回った後、3つ穴の何れかに入る。穴は手前が1個で、奥が2つ。手前穴は単なるハズレで、そのまま役物外に落下となる。一方、左右奥の何れかに入ると、天下のデジタルが変動。シャトル21と同様、奥は大当り穴ではなく、単なるデジタル始動チャッカーに過ぎない。なお、奥穴への入賞率は、クルーン周辺釘のほか、台のネカセ等によっても変わる。


デジタルは、左・中・右いずれも「0~9」の数字のみで、各数字の三つ揃い(000~999)で大当り。小当りや中当りはない。左・中テンパイでリーチが掛かると、独特のテンパイ音(ピュイ)が鳴ったと記憶する。なお、奥の左右穴に入ると、ナンバーポケット「6」「8」が点灯。

因みに、デジタル確率は、表面上10/10×10×10=1/100となっていて、内部確率も全く同じ。



デジタルが揃うと、盤面左右のチューリップが開放。左のチューリップに入賞すると、ナンバーポケット「2、4、7」が点灯する。ゲージ上、「5、6、8」は入賞し易いが、「7」には入りにくく、左チューリップ入賞で、「5、6、7、8」全灯(ジャックポット=3点)となり易い。但し、左チューリップは1個入賞で閉じる。

一方、右チューリップ入賞時は、ナンバーポケット「10、13、15」が点灯。ゲージ上、「9、11、12」は入賞し易いが、「10」は入りにくく、右チューリップ入賞で「9、10、11、12」全灯(ジャックポット)となり易い。右チューリップも1個入賞で閉じる。


一発台調整の場合、左チューリップは無調整なので入賞により閉じるが、右のチューリップは玉が入って閉じないよう、周りの釘でガッツリとガードされていた。

この状態で大当りして右打ちすると、開放した右チューリップの左先端に玉が当たり、玉の流れが内向きに変わる。その為、通常入りにくいナンバーポケット「10」へ頻繁に飛びこむので、容易にジャックポット(3点)獲得となる。さらに、ヘソの「2倍チャッカー」にもポンポン入るので、「3×2=6点」で出玉を稼ぎやすくなる。その後は、右打ちで店の定めた予定数(新宿・日拓1号店は4000発)まで玉を出す。


因みに、同じ藤商事のアレパチ(アレンジボール)「シャトル21」では、デジタルが揃って大当りした直後、再びクルーン奥入賞でデジタルが回ると、無情の「パンク」となった(精算ボタンで、ある程度回避可能)。私も、シャトル21で初めて大当りした時に、御多分に漏れずパンクさせた経験を持つ。

一方、本機の場合、デジタルが揃ってチューリップがいったん開けば、再びデジタルが回ってもチューリップは閉鎖しない為、シャトル21のようなパンクはない。

因みに、店側が釘調整を失敗すると、大当りしていないのに、右打ちで10番に入ってジャックポット連発となり、延々と出玉が増える「お宝」のケースもあった。


デジタルの「連チャン性」に関しては、あからさまな連チャンの経験こそないが、もともと「1/100」と高確率な為、自力で数珠っぽく当るケースもあった。その分、クルーンに飛びこみ辛い調整も多かったが…。
また、自分の知る限り、デジタル確率をアップさせる攻略の類も、無かったように思う。


なお、旧要件末期の藤商事アレパチでは、名機「シャトル21」の知名度が群を抜いて高かった事は、当ブログをご覧の方なら、よくご存知だろう。

実は、同時期の藤商事は、本機をはじめ、コメット、ダブルアタック、7UP-1、スーパーイーグルI、プラズマX、キャッツアイなど、一発台仕様のアレパチを多く出していた。しかし人気・知名度においては、いずれもシャトルに及ばない。それだけ、シャトルの存在感が大きかった訳だ。

もちろん、上記のアレパチ各機も、決して不出来だった訳ではなく、コアなファンも少なからず存在した。

ただ、同じ頃、ライバルメーカーの太陽電子(現・タイヨーエレック)には、ワイワイワイ、タックル2世、クラッシュ、パラダイス、サンビートなど、攻略や小技の効くアレパチが多かった。一方、藤商事にはそうした類の機種が少なかったので、その分、記憶に残り辛かった点も否めない。


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