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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ゴッド・ギャンブラー 球五郎烈球伝(1994年、ビデオ)

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~90年代・懐かしのパチンコビデオ(Vシネマ)レビュー~

(レンタルビデオ全盛時は、普通にパチンコ作品コーナーに並んでいたが、今や、記憶の引き出しの奥に押し込まれた…そんな懐かしのパチンコ映画、Vシネマを振り返る)


※90年代・パチンコ・パチスロ映画、ビデオ作品リストはコチラ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/c10989fe8d63c8caeef76f0f7926cfc7
「1990年代に公開された、パチンコ・パチスロビデオ(映画、Vシネマ)一覧」






(C)1994/ヒーロー/白夜書房/ビッグ錠



「ゴッド・ギャンブラー 球五郎烈球伝(きゅうごろう れっきゅうでん)」

(主演:庄司哲郎、1994年9月リリース、ビデオチャンプ(VC)、オリジナルビデオ、VHS)


※球五郎は「たまごろう」ではなく、「きゅうごろう」と読む
※VHSの定価は16274円(税込)…昔は、ビデオ1本の値段が、やたら高かったよなぁ…




(あらすじ)

「深夜、閉店したパチンコ店で、全ての台がフィーバーする「事件」が発生した。事件の影には、パチンコ店のコンピューター・システムへの侵入を目論む、ゴト師組織が動いていた。侵入プログラムは未完成だが、完成すれば何千万という稼ぎになる。その情報を手に入れたヤクザ・鬼沢は、プログラムのキーマン、篠田を追い詰める。必死に逃げる篠田が転がり込んだのは、人気AV女優・由紀の家だった。そこに居候するギャンブラー・球五郎は、システムをネタにヤクザ相手に大バクチを仕掛ける…」
(ビデオパッケージより)




ホールのコンピューターをハッキングして、「特定の台だけ大当りする」裏プログラムを、パチ屋に仕掛けようと目論む、台湾ゴト師グループ。そのゴト師の退治をホール側から依頼された、地回りヤクザの「鬼沢総業」。

そして、両者の抗争に巻き込まれたのが、ゴト師軍団に雇われたプログラマー篠田と、彼がお気に入りのセクシー女優・由紀、そして由紀と同居する自称・パチプロ球五郎の3人だった。

「全台が大当りしたら、意味がない。仲間の台だけが当るプログラムを作れ」と、ゴト師からプログラムの完成を急かされ、プレッシャーに押しつぶされそうになる篠田。一方、デジパチを百発百中で大当りさせる秘技、「乱れカラクリ打ち」を持つパチンカー球五郎は、ヤクザの鬼沢からゴト師退治の協力を依頼されるが、「ゴト師は嫌いだが、ヤクザはもっと気に入らない」と断る。

そんな中、謎の若者・シゲが、ホールで球五郎にアツい視線を送る。球五郎の「秘技」に魅了されたシゲは、彼にパチンコの「弟子入り」を志願。あまりのしつこさに、球五郎は辟易する。

一方、地回りの鬼沢総業とゴト師グループの争いも、熾烈を極めた。一枚うわ手の鬼沢は、「完成したプログラムの入ったフロッピーを持っている」とゴト師軍団のリーダーを騙し、彼らがフロッピーとの引き換えに用意した3000万をせしめた上、組員総出でゴト師グループをボコボコにする。

しかし、肝心のプログラムは、まだ篠田の手にあった。鬼沢達は、篠田の居場所を突き止めるが、すんでの所で逃げられる。そこで、篠田が愛する女優の由紀を拉致して、プログラムを完成させるように篠田を脅す。由紀を救う為、監禁された組事務所で、必死にPCのキーボードを叩き続ける篠田。しかし、どうプログラムを組んでも全台が大当りしてしまい、特定の台だけをフィーバーさせる事ができない。

何とか2人を助けたい球五郎は、鬼沢に一泡吹かせようと一計を案じる。それは、必殺技の「乱れカラクリ打ち」を仲間に伝授して、鬼沢がピンポイントで指示した台に彼らを座らせ、秘技を駆使して大当りさせる、というものだ。そうすれば鬼沢も、「篠田の組んだ遠隔プログラムが成功した」と、錯覚するに違いない。

現実離れした秘技を修得させようと、弟子のシゲと床屋のオヤジ、そして覇気のないメガネ浪人生を、ビシビシ特訓する球五郎。何とか地獄の猛練習に耐えきった3名と球五郎は、鬼沢達に見破られぬよう、変装して対戦ホールに向かう。果たして、球五郎の思惑通りに事は運ぶのだろうか…。






東映「ビー・バップ・ハイスクール(94年版)」の加藤浩志役で注目された、庄司哲郎が主演。
ヒロインは、当時ビデオ(Vシネマ)や映画で引っ張りだこだった、元少女隊の安原麗子。個性派俳優の加藤賢崇も、重要な役どころで共演。その他、大杉漣、ベンガル、安岡力也(故人)、日向明子(故人)、神戸浩なども出演した。


庄司哲郎(球五郎)


安原麗子(由紀)


加藤賢崇(篠田)


大杉漣(鬼沢)


ベンガル(ゴト師軍団リーダー)




監督は、「銀玉命!銀次郎2(3)※」(故・ジョニー大倉主演のパチンコビデオ)で監督デビューを果たした、当時若手ホープの辻裕之。その後、辻氏は数多くの映画、Vシネマの監督・脚本を務め、Vシネマ界の「主軸」として現在も活躍中。
(※原作は堂上まさ志のパチンコ漫画)



原作は、不朽の名作「釘師サブやん」の作者、ビッグ錠の「球五郎烈球伝」※。本作は、これに「ゴッド・ギャンブラー」のタイトルを冠して、オリジナルビデオ化したものである。
(※1993年12月から、白夜書房「漫画パチンカー」誌に連載)


(C)ビッグ錠、白夜書房

漫画の球五郎は、「ツンツンヘアーに太い眉、ヨレヨレのコート」という野性味タップリな容姿だったが、本作は「サーファーカットのプレイボーイ」という感じで、原作のイメージとは異なる。

ビデオ作品の本作では、球五郎が百発百中でデジパチを大当りさせる秘技、「乱れカラクリ打ち」が、随所で登場する。天釘の上で複数の玉をぶつけ合い、5、6個の玉が一列に並んで始動チャッカーに流れ込む、という荒業だ。まぁ、実際には不可能だし、仮に成功しても回りが良くなるだけで、「大当り直撃法」とはいえない筈。まぁ、フィクションだから、何でも「アリ」だろう。

なお、原作の漫画でも、「乱れカラクリ打ち」によく似た、「数珠つなぎヒネリ打ち」なる「妙技」が出てくる(単行本1巻、立て続けにチャッカーに玉を流し込み、綱取物語の地獄モードの大当り乱数を捉える、という技。これも、ハッキリ言えば非現実的だが…)。

そういえば、原作者のビッグ錠さんは、名作「釘師サブやん」でも、このテの「秘技」を数多く編み出した。「秘打・正村昇り龍」「忍球・玉ばさみ」「玉ふぶき」など…。手打ち台の漫画なので、技のバリエーションも豊富だった。




(キャスト)

・主な出演者

庄司哲郎 (パチンカー、伴 球五郎(ばん きゅうごろう))

安原麗子 (人気セクシー女優、仁科由紀)

加藤賢崇 (プログラマー、篠田幸雄)

大杉漣 (地回りヤクザ、「鬼沢総業」組長)

ベンガル (台湾ゴト師グループの総帥)

安岡力也 (おでん屋台の大将)※友情出演、2012年逝去

蛍雪二朗 (パチ屋の常連、「加山理容室」のマスター)

森厚太 (パチ屋の常連、黒縁メガネの浪人生)

津久井啓太 (球五郎に弟子入りを志願する若者、シゲ)

日向明子 (スナック「愛子」のママ、パチンコビデオ定番の「お色気」担当)※2011年逝去

神戸浩 (「パーラースエヒロ」店員(宿直))

宮崎光倫 (鬼沢の側近、垣内)⇒「ビーバップ~」繋がりのキャスティング

田辺博之 (「パチンコ林屋」オーナー、青木)

野口寛 (鬼沢総業の中年ヤクザ、赤服の男(コウジ))

伊藤康隆 (由紀が主演するセクシー映画の監督)

二家本辰巳 (スキンヘッド&ヒゲの台湾ゴト師)

外海多加子 (鬼沢総業のPCオペレーター)⇒現「外海多伽子」

サミエル・ポップエミング (マイクロチップの密売人を装った、黒人の日雇い労働者)
⇒「サミエル(サミュエル)・ポップエニング」が、正しい表記と思われる。現「サミ・ポップ」。

ホーン・チェン (ゴト師メンバー)

ジョン・チェン (ゴト師メンバー)


・その他の出演者

鍬永淳二、伊東孝太郎、甲斐純一郎、森田華子、諌元太治、近藤修一、寺岡光盛、高木慎、宅間孝行、蓮本剛、阿南敦子、クロキプロ、東京芸能アカデミー、アーバンアクターズ



(スタッフ)

監督 辻裕之

製作 末吉博彦

企画 御前順一

プロデューサー 松島富士雄 新井英夫

原作 ビッグ錠(白夜書房/漫画パチンカー)

脚本 伊藤康隆 伊藤秀裕

撮影 今泉尚亮

照明 石丸隆一

録音 土屋和之

美術 畠山和久

助監督 渡辺武

編集 島本泰司

スクリプター 岡田真理

キャスティングプロデューサー 田辺博之

製作担当 山中富雄

監督助手 麻生学 清水俊悟

撮影助手 和田泰 岡崎文保

照明助手 魚住俊哉 金子康博 原田洋明

録音助手 井上明 大畑健三郎

編集助手 澤渡基樹 渡会清美

ネガ編集 三陽編集

製作管理 小島透

アシスタントプロデューサー 佃謙介

装飾 須坂文明

小道具 城丸泉

技斗 二家元辰巳

衣装 鈴木いづみ

ヘア・メイク 西村佳苗子

ヘアメイク助手 袖木真由美

コンピューターオペレーター 海藤俊彦

選曲 山本逸美

EED 鈴木勉

MA 岩田広一

効果 脇坂隆之

スチール 石川登栂子

製作主任 中保眞典

製作進行 中三川敏樹

キャスティング助手 高橋敦子



(協力)

スコルピオン

三井企画(株)

白夜書房

マシン商会(中古パチンコ機販売)

パーラースエヒロ(PART1)
⇒「東京都足立区千住町8-5-24」という架空の住所設定だが、実際は「京王線・稲城駅前」。

パーラームネオカ(埼玉、本川越)

オムロン・マイクロシステムズ

青龍門(用賀の台湾料理店)⇒「パチンコ台を設置する台湾居酒屋」で有名だった(閉店)

ガレリア・プロパ 日本コダック 大晃商会 アスカロケサービス日本映機 ユニバーサル照明

東京衣装 東映化学工業


(製作)

ヒーロー


(制作)

エクセレントフィルム


(制作協力)

映広


(発売)

ヒーロー/ビデオチャンプ(VC)


(販売)

タキコーポレーション




★劇中で登場する、主なパチンコ台

綱取物語(平和)、フィーバーガールズI(三共)、フィーバークイーンII(三共)、
フィーバーフェスティバルI(三共)、フィーバーパワフルIII(三共)、
エキサイトジャック2(ニューギン)



★ロケ地となったパチンコ店について

エンディング(スタッフロール)でクレジットされているのは、「パーラースエヒロ」と「パーラームネオカ」の2店舗のみ。だが、実際はもう一店、JR船橋駅前にあった非クレジットのパチ屋も、実戦シーンの重要なロケ地であった。



京王線・稲城駅前の「パーラースエヒロPART1」(閉店)。真夜中にハッキングされて、全台が大当り状態となり、全ての基板を破壊されて閉店に追い込まれた、悲劇のホールとして登場。



JR船橋駅(京成船橋駅)そば、西武百貨店向い、「パチンコ林屋」(NEW HAYASHIYA)。
スタッフロールに名前が出ていない店がコチラ。馴染みだった「スエヒロ」がハッキングの被害で閉店した後、球五郎、床屋、受験生が、新たなネグラにしたパチ屋がここだ。地回りヤクザ「鬼沢総業」が仕切る。球五郎が秘技「乱れカラクリ打ち」を披露して、綱取物語で起死回生の連チャンをさせたのも、この店である。

なお、実際の「パチンコ林屋」は、その後閉店となり、跡地は「金馬車船橋店」⇒「パラッツォ船橋店パート3」と変遷。そのパラッツォも既にクローズ。

因みに、本作では「林屋」周辺のロケも敢行。球五郎が、弟子入りを懇願するシゲに追い回されるシーンは、再開発前の京成船橋駅前の裏路地が舞台。また、京成線が高架化される前の踏切も映っていて、歴史資料的な価値も高い。



西武新宿線・本川越駅前の「パーラームネオカ」(閉店)。球五郎と鬼沢総業が、最後の「戦い」を繰り広げたパチ屋。事務所の鬼沢は、傍の篠田に特定の三台が大当りするよう指示。その台番号を、店内の手下に無線で伝えると、球五郎もそれを傍受する。ブロックサインで仲間に台番を教えると、着席した仲間達が「乱れからくり打ち」を駆使して、見事大当りさせる)。

因みに、この店は1992年に「パチンコ必勝マガジン」誌が、高設定のパチスロで出玉を競う「読者ドル箱大会」を開いた会場でもある(当時の対戦台は、コンチIとコンチIII)。参加された方はいらっしゃるだろうか。

なお、本作では、パチスロのシマにコンチIIIと初期4号機「オリエンタルII」が映っており、設置状況の「変遷」も確認できる。




それから、パチ屋ではないが、「パチンコ台を設置する居酒屋」として当時注目された、世田谷・用賀の「青龍門」(閉店)という台湾料理店が、ゴト師と篠田が落ち合う場所として登場。

この店は、部屋の壁一面にデジパチが並び、定時になると全台が一斉に大当りする、派手な演出でお馴染みだった。デジパチのラインナップは時期によって異なるが、ロケ当時は銀座の「サーカス」(電チューとジャンケン小デジが特徴)をズラッと置いていた。


ゴト師軍団の催促に怯える篠田の背後に、ロケ地「青龍門」の壁に埋め込まれた、銀座「サーカス」の盤面が僅かに見える。


また、本作には出てこないが、当時の「青龍門」には、「世界最小のパチンコ」「枯山水」「盤面が無数のデジタルで埋め尽くされたデジパチ」など、幾つものオリジナル台がオブジェとして飾られていた。さらに、店の入口がカラクリ扉だったり、トイレに変な顔の人形が飾られたりと、何かと遊び心タップリの居酒屋だった(学生時代、しばしば先輩に連れていかれた店)。


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