今回は、1988年(昭和63年)に※オリンピアから登場したパチスロ2-1号機、
「バニーガール」について、少々書いてみようと思う。
※オリンピアは現在、大手パチンコメーカー「平和」の完全子会社だが、
かつては独立したメーカーで、本機生産時、本社は沖縄にあった。
当時の社名は「オリンピア物産」で、沖縄本社1Fの工場から、
本土向けに本機を出荷した。翌1989年、「(株)オリンピア」に改称。
(同時期、本機の沖縄バージョンである右レバー台、「バニーガール7」も製造)
1992年、東京・台東区東上野に、新本社ビル完成。1998年、平和と業務提携。
その後、色々あって現在に至る。
(白パネル。「殿堂・上野店」にて撮影)
「初代バニー(ガール)」といえば、レトロなパチ・スロを好むファンであるならば、
大半の方がご存知であろう、まさに、昭和末期の「名機」的存在である。
自分は1990年のスロデビューだが、当時も引き続き「主戦」で活躍中だった。
下パネルの美女3人(上パネルは別の美女2人)。好みのタイプによる、
性格判断が可能(未確認)。自分は中央の娘がタイプ。
特徴的なサウンドと外観、そして奥深いゲーム性でファンの心をガッツリ掴み、
「オリンピア」の名を一気にメジャー化させた、言わずと知れた超・人気機種だ。
(洗練された赤い7図柄は、女性らしいスタイルの良さ、色気を感じさせた)
(下段7揃い…上パネルに描かれた「777」のデザインも素晴らしい)
それ故、本機に絡んだネット情報も、既に多く存在する。
(wikiにもあるし、実機の動画も多い)
当ブログがあらためて記事を作る事には、正直「今さら感」を感じていたが…
そうはいっても、私自身、現役時には本機との思い出が、色々とある。
それに、登場から30年近くも経てば、いわゆる「記憶の劣化」というヤツで、
基本的な機種情報なども、割と曖昧になりがちだ。
そこで、当ブログでまだ扱っていなかった本機について、
これを機会に、あれこれ書き連ねてみよう…と思った次第。
そんな訳だから、「まにあっく」の名前とは程遠い、基本的情報も多く含むが、
どうか、その点は御容赦願いたい。
ともかくも、本記事が、皆さんの「記憶の引き出し」を開ける、契機となれば幸いだ。
(1)音
私自身、「初代バニー」といえば、何をおいてもまず、甲高い「音」が記憶に刺さる。
「キュン、キュン、キュン」(ストップ音)⇒「ピュン、ピュン、ピュン」とも表現可
「ポワン、ポワン、ポワン」(ベット音)
「ピーピーピーピー」(ウェイト音)⇒左のインジケータが、赤から緑に上がるまで続く
「キキキキキ…」(クレジットが上がる音)
「ピュピュピュピュ…」(下皿へのコイン払出音)
(以下、繰り返し)
こんな具合だから、通常ゲームからして、賑やかな音の連続だった。
(上の「擬音」については、異論をお持ちの方もいるだろうが…)
妹分の2-2号機「スーパーバニーガール」も、私にとってかけがえのない「名機」だが、
「音のインパクト、衝撃」で言えば、軍配は明らかに「姉」の方に上がる。
REGの赤い「星」が揃うと(又はビッグ中のJACゲーム中)、まるで
「宇宙船の内部」にいるような、幻想的な電子音が流れた(「星」だけに…)。
旋律は、単調な「ドレミファソラ」の繰り返しだが、ややディレイの効いた音色は、
一種、不思議で独特なものがあり、耳に残り易かった。
そして極めつけが、「777」とビッグが揃った時の、「草競馬」の破壊的ファンファーレだ。
高確率のリーチ目が繰り返し出た後で、「鳴るぞ…」と判って構えていても、
鳴ったその瞬間に、心臓が反射的に「ドキッ」としてしまう程、インパクトは強い。
「思わず、腰が浮く」…ありきたりの表現だが、まさにそれがピッタリだった。
不意を喰らって飛び込みで鳴った時の衝撃たるや、ハンパではない。
あのファンファーレは、打ち手の心臓に、何らかの「ダメージ」を確実に与えたハズ。
(幸い、バニーのファンファーレ直後に急死、とのニュースは聞いた事がないが…)
待望のビッグをゲットして嬉しい祝福音だが、ちょっと「凶悪」な存在でもあった。
同時期、京楽のドットデジパチ「ダービー」も、当れば草競馬のファンファーレが鳴ったが、
「身体的ダメージ」のレベルでいえば、明らかに本機が「上」である。
(勿論、「ダービー」のファンファーレも大好きだった…。大当りBGMは「カルメン」)。
もし、初代バニーのブームが10年も続き、ビッグ時の「心臓ドキッ」を繰り返していたら、
今頃、心臓への度重なるダメージで早逝して、こんな呑気な懐古ブログなど、
書けなかったかもしれない。
まぁ、それは冗談として…
私にとっては、後に出た「ワイルドキャッツ」や「セブンボンバー」にも負けず劣らず、
衝撃度の強いファンファーレとして、今も心に残っている。
そんな「攻撃的」なファンファーレに続くのが、ハイテンポな「草競馬」のメロディだ。
(TBS「クイズダービー」のBGMにも使われた)
「驚き」を喰らった直後だけに、小役ゲーム中の軽快で耳慣れた旋律は、
何とも耳触りが良かった。
そういえば、草競馬のワンコーラスがちょうど終わる瞬間ジャックインさせたくて、
ジャックインゲームの第3停止ボタンのタイミングを、「音ゲー」っぽく狙ったりした。
成功すると、草競馬のメロディからジャック中サウンドへの「音の繋がり」が、
スムーズに行って気持ち良かったのだ。
因みに、4号機世代で初代バニーに縁遠い人でも、オリンピア4号機「ラスベガス」で、
中段チェリー付きビッグを出すと、約1/10でノーマルビッグがSPビッグに「昇格」。
昇格に成功すると、ファンファーレなど全てのBGMが、初代バニーの音に変わる
「プレミア」があったから、これらのサウンドに馴染みある方も多いハズだ。
(私も、現役時、ラスベガスを良く打った)。他にも、フルーツをAT(FG)で再現したり、
ズレ目を取り入れたりと、何かと初代バニー、スーバニを意識した作りだった。
そして、ビッグが終われば、「ゲームオーバー」を知らせる、甲高い電子音が鳴る。
こうなると、頭上のランプを押して、「店員リセット」を待つのが、当時の流儀であった。
こんな感じで、「音」の印象がやたら強かった本機。
他機種と比べても、基本音量が、「3~4ランク」程度は違ったハズだ。
よって、「客付き良し」のシマだと、高音けたたましい、「音の洪水」状態と化した。
店外に居ても、「あ、この店にはバニーがあるな」と、すぐ判るほどだった。
当時、小田急線・登戸駅前に「ラック」という小さなスロ屋があったが、
ある時期、初代バニーばかり入れていた事がある。
この店の前を通る度に、「キュン、キュン」「テテテテ」という例の電子音が、
中から盛んに聞こえた。これが、当時の駅前の「風物詩的」な光景だった。
そういえば、この事実を証明するに相応しい、一つの映像がある。
以前にも紹介した、コチラの「ライル動画」だ。
https://www.youtube.com/watch?v=jeMeYb_dsow
Youtubeの「90年代・神動画」投稿者、ライルさんが、1990年(平成2年)の
「上野・御徒町」界隈の夜の光景を捉えた、貴重な映像である。
この動画の3:34~4:22辺りで、バニーガールを設置するスロ屋の映像が出てくる。
ライルさんが店に近づく場面を見ると、まだ入店してもいないのに、
初代バニーの騒がしい電子音が、表通りに聞こえているのがお判りだろう。
因みに、映っているのはJR御徒町駅近く、ガード下のスロ屋「アドベンチャー」。
当時、この店は、登戸の「ラック」同様、初代バニーのみを置く「バニー専門店」だった。
(他にも、バニー専門のスロ屋は多かった)
設置台数が67台。換金率は「7枚交換」で、設置台は、全て「青パネル」のバニー。
そして、ご覧の通り、「ほぼ満席」状態。時間帯もあろうが、大変な繁盛ぶりである。
僅か1機種の設置(当時なら普通)でも、これだけの「熱気」があった事を再確認できる。
いかにも「バニー専門店」らしい喧騒だが、打ち手にとっては却って気持ち良かった。
台とアツく対峙する若い客の様子からも、それが判るだろう。
ディスコ調の派手なライティングも、打ち手のテンションを異様に盛り上げている。
だが、これは、あくまでも「繁盛店」に限っての事である。
たとえバニーがズラリと並んでいても、肝心の客が全くいなければ、
何とも静かな、「お通夜」状態になってしまう事は、言うまでもない。
当時、マイホだった新宿・歌舞伎町でも、ちょうど、そんな感じの店があった。
具体的な店名を挙げるのが、ちょっと憚られるが…もう時効なので、構わないだろう。
中央通り(現・センターロード)で、派手なネオンを掲げた「パチンコ747」(地下)と、
歌舞伎町一番街(喫茶「上高地」隣り)の小さなスロ専、「ニュープリンス」である。
この二店舗は、「末期状態」の1992年頃まで初代バニーを置いていたが、
ハッキリ言って、末期はシマに寄りつく者も皆無で、「閑古鳥状態」であった。
ここで一人寂しくバニーを打つと、自分の台のストップ音が、シマや店中に鳴り響く。
この状況では、「騒々しい」というよりも、一種の「虚しさ」や「無常観」さえ漂った。
一方、同じ歌舞伎町でも、西武新宿駅前「日拓1号店」2Fのバニーは、割と出していた。
しかも、4シマある中で、ランダムに1シマだけを、固めて出した時期がある。
設定師の「クセ」だろうが、ある台が出始めると、同じシマに客が集まる傾向があった。
なので、同じバニーでも、コチラのシマは騒がしいが、他のシマはヒッソリ…。
この店では、そんな特徴的な実戦風景が、一時期、垣間見られた。
つまりは、店の状況で、バニーが発する音の「趣」も、ガラリと変わったのである。
おっと、「音」の記載で、かなりの分量を割いてしまった…。
これでは、最後まで行きつく前に、当方のエネルギーが切れてしまう。
ただ、本機で一番強調したいのが、「音」に関する部分であった。
ここからは、出来るだけ「ほどほど」の分量にとどめて、先に進みたい。
(2)モーニング
優先すべき情報は他にも多くあるが、私にとって初代バニーとは、
「初めてモーニングを取った」という、思い出深い存在である。
その店だが、小田急線・向ヶ丘遊園駅北口の「銀座ホール」。
実は、初代バニーと記念すべき「初遭遇」を果たしたのも、この店であった。
銀座ホールは、名称を(GINZA S-style)と変えて現在も営業中。
但し、上下2フロアある今とは違って、当時はまだ1階しかなかった。
メインストリート(区役所通り)側は、デジパチ、ハネモノ、一発台などが並ぶ。
一方、駐車場側の裏口に回ると、スロットと一発台のシマがあって、
スロットシマには、初代バニー(白パネ)と、リバティベルIII(青パネ)があった。
因みに、景品カウンターも、スロットシマの前にあった。
当時、この店は、スロの客寄せで「モーニング」サービスがあり、設置台の幾つかに、
予めビッグボーナスを仕込んでいた。それを狙いに、毎朝、裏口前に行列ができた。
当時、学生だった私は、最寄り駅から各駅停車で向ヶ丘遊園まで出ると、
そこで急行に乗り換えて、終点の新宿まで出る通学ルートをとっていた。
だが、遊園のホームに降りた時、一種の「引力」にやられてしまうと、
そのまま改札を出て、駅周辺のパチ屋にシケ込み、講義をサボる…
なんて愚行を、頻繁にやっていた。
(遊園に限らず、登戸や下北沢など、数々の途中の駅で引っかかった)
それが、ちょうど朝の開店前だと、そのまま、モーニングの列に加わったりもした。
同時期、自分の最寄り駅に近いパチ屋「L」のスロは、ビッグパルサーと
初代アラジンだったが、モーニングが入る事は、ほぼ無かった(新装時、稀に入れた)。
コチラは駅前にパチ屋一軒だったので、「殿様商売」の感覚だったのだろう。
ある時、いつも通り「銀座ホール」のモーニングに並び、たまたまバニーに陣取ったら、
その台にモーニングが入っていた。これが、私の「初モーニング」となる。
(因みに、この店はスロのシマの照明が暗くて、リールライトに赤7が映えた)
店によっては、一台目がダメなら隣、それがダメなら次と、「カニ歩き」でモーニングを
探す事もできたが、当時の銀座ホールは並びが多く、スロは朝から満席に近かった。
それに、店員チェックが割と厳しく、コイン3枚で隣に移動するのも難しかった。
だから、最初に座った台がダメだと、諦めて退店する事も多かった。
そんな状況で、自分の台にモーニングが入っていると、一寸した優越感もあった。
ただ、「午前11時まで、ジェットカウンターに流せない」という嫌なルールにより、
モーニングを引いた後も、そのまま打ち続けないといけなかった。
(台放置で時間待ちなどすれば、店員呼び出し後に、片づけられるのがオチ)
結果、そのまま360枚が呑まれてチョン…というパターンも、割と多かった。
余談だが、この店がモーニング台に高設定を入れる感じはなかった。
(近くにあった2つの系列店(ニューギンザ、スター)でも、同じ印象を受けた)
だから、「モーニング⇒即ノマレ」の展開も、ごく普通の事と捉えていた。
(寧ろ、モーニングの入らなかった台を追って、高設定を探す立ち回りも出来た)
ともかくも、都内・神奈川のあちこちでモーニング並びをした自分にとって、
「生涯初のモーニング」が本機だった事は、今も記憶に刺さる。
(3)筐体カラー
「白、青、赤」の3色が存在。当時、自分のテリトリーでは「白パネル」が多かった。
青パネルもちょいちょい見かけたが、赤パネル設置店の記憶が弱い。
(大阪の「ローズガーデン」に飾られていた「展示台」は、赤パネル)
(白パネル)
(青パネル) (赤パネル)
(4)ボーナス確率
機種情報の「基本」だから、入れない訳にはいくまい。
ご存知の通り、本機は「Aタイプ」であるが、
2号機ならではの「小役の集中」(フルーツゲーム)も搭載。
Big Reg
設定1 1/346.2 1/381.4
設定2 1/312.5 1/346.2
設定3 1/296.1 1/326.1
設定4 1/267.9 1/296.1
設定5 1/247.3 1/274.4
設定6 1/236.9 1/236.9
★小役の集中(フルーツ)当選率
設定1~5=1/225.2 設定6=1/155.3
(註)
小役の集中には、ロング継続の「60G集中」と、短い「5G集中」がある。
どちらを引くかは、内部状態(天国/地獄)毎の振り分け(設定差アリ)次第。
詳しくは後述。天国時は「60G」を引き易く、地獄だと「5G」を引き易い。
(5)払い出し表
ビッグは「赤7」。REGは「星」。
15枚のベルと青リンゴは別フラグ。
8枚のプラムとオレンジも別フラグ。メイン小役はプラム。オレンジはあまり出ない。
チェリーは2連チェリーが6枚、単チェリーが2枚。
「プラム」と「(カド)2連チェリー」は共通フラグ(8枚)。よって、2連チェリーも良く出る。
(5)リーチ目、ズレ目
当時、バニーを打ちに通った店の中には、いわゆる「リーチ目表」を貼る所もあった。
件の「銀座ホール」にも貼ってあった訳だが、全て「BR成立後のリーチ目」だった。
以下は、その時のリーチ目表を、記憶と資料を頼りに再現したもの。
(便宜上、番号を振ってある)
初心者時代は、割とこの表を頼りにして、本機を打った記憶がある。
だが、形によっては「ガセる」事もあったし、、実戦時は成立前のフラグ察知が
大切だったから、これだけでは不十分だった。
まず、左上の①。チェリー付き7の右下がりテンパイは、
通常時(単チェ成立時)も出るので、100%のリーチ目ではない。
但し、ボーナスフラグ成立後は、単チェ確率がアップする為、
ビッグの場合、この形が頻繁に出るようになる。
特に、中リールの7がスベッて右下がりテンパイした場合、
ビッグ成立の可能性が極めて高い。
なお、以上の理屈は、下の②についても同様である。
③のチェリー付き中段ベルは、超・高確率でビッグが入っている。
左上段が星なら、バケが入っている。
④、⑤の「中段チェリー付き星」のベルハズレ目も、ほぼボーナス。但し、バケ。
右下、⑥の「中段プラム」は、ほぼビッグ確定。但し、出現率は高くない。
左上段に星があると、ほぼバケ確定。
概していえば、ボーナス成立後は、「中段に小役が揃い易い」制御に変わる。
なので、上記リーチ目以外でも、「中段オレンジ」や「中段リンゴ」がリーチ目になった。
(一部、例外アリ)
ただ、上記リーチ目を覚えるのみでは、立ち回る上で「十分」とはいえなかった。
(払い出しのある形で放置する客など、ほとんどいない)
こうした「払い出しのある目」よりは、むしろ「ズレ目」の存在が大きかった。
簡単に言うと、ズレ目とは、「左⇒中」又は「左⇒右」とリールを止めた場合、
何の図柄もテンパイしていない状態を指す。その他の変則押しも含めれば、
第二リール停止時、何もテンパイしていない事。
本機は、ボーナス非成立時、何らかの図柄を第2リールでテンパイさせようとする、
いわゆる「テンパイ制御」が働く。
テンパイ図柄には「優先順位」があって、BR>15枚>8枚の順でテンパイ。
(例えば、青リンゴよりプラムを優先テンパイさせた形は、ボーナスのチャンス)
一方、ボーナスが成立すると、この制御が崩れて「ズレ目」が頻繁に出る。
つまり、「払い出しアリの目」よりも、ズレ目によってボーナスを察知し易かった。
ここで、典型的なズレ目を紹介しよう。
順押しでテンパイする筈の(4コマの引き込み範囲にある)図柄が中リールでズレれば、
ボーナスの期待度が大幅アップ。右下は、「ハサミ打ち」の典型的ズレ目。
但し、ズレ目出現時は、あくまでも「期待度アップ」に過ぎず、
ズレ目が出たからと言って、100%ボーナス成立(鉄板)ではなかった。
即ち、本機には「ガセズレ目」も存在する。
ガセズレ目の要因は、「引き込みの悪い小役の取りこぼし」である。
(妹分のスーバニにも、小役こぼしによるガセズレ目が存在)
では、本機では、どの小役を取りこぼす可能性があったのか。
今さらだが、リール配列を見ながら、あらためて検証してみよう。
既述の通り、本機の小役は、単チェリー(2枚)、連チェリー(6枚)、
プラム(8枚)、オレンジ(8枚)、青リンゴ(15枚)、ベル(15枚)の計6種類。
「プラム」と「オレンジ」、「青リンゴ」と「ベル」は、払い出しが同じだが、別フラグ。
「プラム」と「(カド)連チェリー」は共通フラグで、8枚の払い出し。これがメイン小役。
まず、「単チェリー」(2枚)について。左リールのチェリーは「2つ」(3番、13番)。
よって、適当押しでは左で取りこぼす可能性アリ。
「プラム」(8枚)も左に「2つ」。適当押しでは左で引き込まない事がある。
(中・右リールのプラムこぼしは無し)
但し、左でプラムをこぼす位置でも、配列上、必ずチェリーを引き込める。
プラムとカド連チェリーは共通フラグ(8枚)だから、左の取りこぼしは無い。
また、中リールのチェリー引き込みは100%なので、左にカドチェリーが停止して、
中リールで連チェリーをこぼす可能性は無い。
また、左でカドチェリーをこぼす位置でも、配列上、必ず「プラム」を引き込める。
つまり、
共通フラグ(8枚)成立時は、左をどこで押しても、プラムか連チェリーが取れる。
一方、プラムと別フラグの「オレンジ」(8枚)は、左リールが3~5コマおきに「5つ」。
配列も均等で、左での取りこぼしは無い。
中リールには「1つ」しかないから、適当押しだと中はこぼし易い。
右リールは、ほぼ3コマおき(1か所のみ4コマおき)にあるから、こぼしは無い。
15枚の「ベル」は左に「2つ」のみ。どちらも、下にチェリーが付いている。
リーチ目となる「中段チェリー」を嫌う制御も絡んで、左での取りこぼしアリ。
中・右リールは、こぼしが無い。
同じく15枚(別フラグ)の「青リンゴ」は、左リールに「5つ」。だが、配列の偏りと、
チェリーを嫌う制御で、左に取りこぼしポイントあり。
中リールには「1つ」だけで、中は取りこぼし易い。
また、右も1か所、こぼしポイントあり(右の18~4番が、8コマ離れている)。
こう見ると、8枚役の「共通フラグ」(プラム/カド連チェリー)以外の全小役が、
どこかのリールで取りこぼす可能性を有する。
必然的に、「ガセズレ目」の出現率も、それなりに高くなっているのだ。
あえて、こういう配列にする事で、ズレ目によるゲーム性を高めた、ともいえる。
また、上記配列を見れば、順押しよりも、ハサミ打ちの方が、ズレ目の信頼度が
高い事も判る。ただ、当時の自分は、経験不足もあったが、初代バニーでは
ごく普通に順押しする機会が多かった。
(妹分のスーバニでは、明らかに「ハサミ打ち派」へシフトしたが…)
先程の「ライル動画」を確認すると、やはり大半の客が、順押しで遊技している。
特に、中リールは配列上、「オレンジ」と「青リンゴ」を引き込みづらい。
ただ、通常時のオレンジ確率は1/200で、青リンゴも1/1000と激低だから、
コボシによるガセズレ目を意識する必要は、あまり無いようにも思えるが…
実は、青リンゴの確率には、本機ならではの「カラクリ」がある。
メインの8枚役のヒキが悪かったり、ベル・単チェ・オレンジをこぼしたりして、
小役カウンターが一定値まで達すると、通常1/1000だった青リンゴの確率が、
「約42%」の数値まで上昇する。いわば、「小役払い出しの救済機能」である。
青リンゴの確率アップは、小役カウンターが一定値を切るまでの間、ずっと続く。
つまり、展開によっては、「高確率状態」を暫くキープする事もあったのだ。
この時、適当押しだと、「約42%」の高確率で青リンゴが頻繁に成立しても、
左・中でこぼしまくって、ガセズレ目が連発し易くなる。
特に、上記検証で明らかな通り、青リンゴは、全リールに「こぼしポイント」がある。
結果、リンゴこぼしのガセズレ目が頻発したのを、ボーナスのズレ目と勘違いして、
自然とアツくなる…という訳だ。全くもって、「よくできた台」である。
因みに、単チェリーは、ボーナス成立中、青リンゴと同様に「確率アップ」が起こる。
BR成立時は、小役カウンター値がグンと加算される仕様で、その結果、
カウンターが一定値を超えると、通常1/37のハズの単チェ確率が、
約1/1.64(61%)にアップ。普段出にくい「下段単チェリー付き7テンパイ」も、
頻出するようになる。
ゆえに、連続してチェリー付きの7テンが出れば、ビッグの期待が大。
但し、単チェは通常時にも出るので(1/37)、チェリー付7が右下がりにテンパっても、
スベってテンパイしていないと、只の単チェでガセることもあった。
それから、本機は「REG終了直後、青リンゴが揃い易い」という特徴を持つが、
これも、ボーナス成立中の確率アップ(カウンター値への加算)が成せる業である。
つまり、小役カウンター値が大幅に上がったままREGを揃えると、
REG終了後もカウンター値は高いままとなって、青リンゴが「42%」で抽選される、
高確率状態になっている。だから、バケ後は青リンゴが揃い易い訳だ。
但し、ビッグ終了後だと、小役カウンター値は初期値にリセットされてしまう為、
リンゴ高確状態とはならない。
あくまでも、ボーナス後のリンゴは、バケのみの「特典」である。
(6)小役の集中(フルーツゲーム)
本機の大きな特徴の一つが、2号機特有の「小役の集中」(フルーツゲーム)である。
(妹分のスーバニにも引き継がれた)
フルーツに入ると、メイン小役の「8枚役」(プラム/カド連チェリー共通)の確率が、
1/8.7から3/4(75%)にアップ。連続して、これらの8枚役が揃うようになる。
但し、フルーツには「60ゲーム継続」と「5ゲーム継続」の2種類があって、
後者の場合、純増は平均15枚程度で、ほとんどコインは増えない。
(それでも、投資節約には貢献)
一方、60G継続だと、「約180枚」のコイン増加が見込めた(8枚役のヒキで増減)。
両ボーナスの出玉の波に、さらに一味加える、絶妙な役であった。
一気には増えないものの、ジワジワ下皿に貯まる展開が、安心で心地良かった。
フルーツ当選率は、設定1~5が「1/225.2」、設定6のみ「1/155.3」と高い。
両ボーナスの出現率と共に、フルーツの回数で設定6を読む事も可能だった。
では、60ゲームと5ゲームの振り分けは、一体どうなっていたのか。
これは、内部の「滞在モード」によって、大きく異なる。
本機には、フルーツゲーム判定用の内部モードが、2つある。
これを「天国モード/地獄モード」とすると、天国中は60Gを、
地獄中は5Gを選択し易い仕様になっている。
では、「モード切替」の継機は何か。切替抽選は、毎プレイ必ず行われたが、
天国/地獄のどちらも、現在の滞在モードから移行しづらい特徴があった。
天国滞在中は、毎ゲーム「1.85%」の確率で、地獄モードに転落。
(ゲーム数を重ねれば、自力転落も大いにアリ)
一方、地獄滞在時のモードアップは、毎G「0.01%」(1/10000)という超・低確率。
(ほぼ、自力モードアップは無理)
但し、ビッグ終了後は、必ず「天国モードスタート」となるので、
ビッグ直後のフルーツは、60ゲームを選択し易い特徴があった。
但し、設定差もあり、天国時は設定1~5が90%、設定6が70%で60Gを選択。
(残る「10%or30%」を引いてしまえば、5Gで終わる)
設定6は、天国中でも3割の確率で「5G」を引く。これも、設定判別の要素となった。
同様に、地獄モード滞在時も、5G/60Gの振り分け率には設定差が存在。
設定1~4が90%、設定5が85%、設定6が75%で5Gを選択する。
高設定ほど、地獄時の5Gを回避し易い。やはり、設定看破の材料になった。
つまり、ビッグ後は、回せば回すほど地獄転落が濃厚となり、5G集中を引き易い。
一方、ビッグ後は天国確定でも、地獄滞在時とは違って、「1.85%」の現実的な値で、
毎ゲーム転落抽選がある。やはり、ある程度回せば、地獄モードに転落し易い。
要するに、本機では「地獄モード」にいる時間が、非常に多かった訳だ。
唯一の救いは、ビッグ後必ず天国に上がっている事だが、低設定だと
ビッグそのものが引けずに、天国に上がる契機も減ってしまう。
まぁ、そんな状況ではあったが、実戦時に面白かったのは、ビッグ後、
さほどハマっていない状況で、8枚役が続けて揃った瞬間であろう。
プラム(連チェ)が2回続いた程度でも、割とドキドキしたものだ。
3連続しようものなら、期待度&テンションはさらにアップ。
(自力3連のケースも、稀にあったが…)
そして、フルーツ当選を確信したら、最初の8枚役から6ゲーム目が、
まさに「運命の瞬間」だった。ここで、プラムや連チェが落ちれば、
60G当選の可能性が飛躍的にアップするからだ。
それゆえ、6G目にプラム(連チェ)が落ちた高揚感は、結構なものがあった。
しかし、その6G目が「自力プラム」の場合もあり、スカされたショックはデカかった。
まぁ、天国滞在時でも、薄い確率で5Gを引く事はあったし、ビッグ終了後、
数Pで薄い「1.85%」を引いて、速攻で地獄に落ちるケースもあったから、
常に、油断は出来なかった(あまりにも天国時の5Gが多いと、設定6を疑った)。
ところで、フルーツゲーム中にボーナスを引いた場合、一体どうなるか。
バケであれば、終了後、フルーツが「復活」するから、問題はない。
問題は、「ビッグ」の場合である。
ご存知の方も多いだろうが、フルーツの途中でビッグを揃えてしまうと、
残りのフルーツゲームは、全て「フイ」になってしまう。
特に、フルーツ前半で飛び込みのビッグを喰らうと、かなり勿体ない。
これを避けるべく、フルーツ中にビッグが入ったのを確認したら、
残りのフルーツを全消化してから、ビッグを揃える「小技(中技)」があった。
「フルーツ完走」の手順は、割と単純だ。
フルーツ中、ビッグ成立を察知したら(払い出しアリのリーチ目などで)、
左リール上段に、「下段チェリー付きの7」を狙う。
そのまま「7・ベル・チェリー」が止まったら、順押しで中リール上段に7を狙う。
すると、「赤7とチェリーの平行テンパイ」の形で止まる。
この形になったら、右リールの7さえ外せば、連チェリー(8枚)の払い出しがある。
(7を狙うと、そのまま揃ってしまう)
よって、右リールは、「赤7が通過した直後」のタイミングで止めれば良い。
その後は、左・中で連チェリーが出なくなるまで、上記の手順を続ければOK。
(下図を参照)
※説明不要とは思うが、上記フルーツ完走法の要領は、妹分のスーバニにも使えた。
但し、手順は全く異なる。スーバニの場合、左下段にプラム付きのSUPERが止まったら、
「ハサミ打ち」にして、右リールはSUPERが通り過ぎた直後に止める。
結果、左右中段にプラムがテンパイしたら、8枚役が成立していれば、
中適当押しでも、勝手にプラムが中段に揃ってくれる。
(7)連チャン
本機に、露骨な「裏〇ノ」が出回ったという印象は無い(地域によってはあったかも…)。
ただ、それまでマッタリとした出方のバニーが、いきなりのBR連打で豹変する展開を、
現役時は幾度も味わった。これに60Gフルーツが絡めば、あっという間に
ドル箱満タン、それ以上出てしまう事も多かった。
逆に、好調でタップリ溜まっていたコインが、いきなりハマリ⇒バケの連発で、
全ノマレの「撃沈」を喰らう事もあって、ノーマルとされた割に「波荒」の印象も残る。
要は、「出たらヤメれば良い」だけだが、普段のゲーム性が面白いだけに、
ついつい打ち続けてしまう、独特の「魔力」があったと思う。
「魔力」といえば、1992年(平成4年)に民放で深夜放映されたドキュメンタリー
「コインの魔力777」で、初代バニーを打つ女性スロッターの姿があった。
ややふくよかな、メガネのアラサー女性が、東京・成増「成増会館」でバニーを打ち、
割といい感じで出ていた(タイトル場面でも、バニーの7揃いの映像が使われた)。
ただ、彼女の立ち回りは、正直、かなり「ウザい」印象だった。
ビッグが揃った瞬間、「やった~!」と叫び、台を放置したまま走り去ったり、
仲間がいるシマにしょっちゅう顔を出しては、空き台に陣取って会話をしたり、
カメラにピースサインしてみたり、下皿から足下の大箱にコインをジャラジャラ
音を立てて落しとたりと、「近くにいたら、煩わしい事この上なし」であった。
その日、彼女は大箱2つ(4000枚越え)の大勝ちを飾った。
確かに、自分の記憶でも、ウザイ客ほど、よく勝っていたものである。
(8)ホントの「バニーガール」がいた、バニー専門店
先程も書いたが、当時は本機のみ置く、「バニーガール専門店」も多かった。
そんな中、本機のみを置き、さらに「本物のバニーガール」が出迎えるという、
男性スロッターなら誰もが喜びそうな、名物スロ屋も存在した。
東京・浅草の公園本通りにあった、「浅草国際(ゲームセンター)パート3」である。
閉店後、シャッターが降りたままずっと残っていた、「浅草国際P3」跡地
(2011年撮影。その後、このビルは取り壊しとなり、現在はコインパーキングに)
この過激なスロ屋は、女優だった美人店長をはじめ、「全従業員が若い女性」という、
大きなウリがあった。シマを回る店員達は、黒や豹柄のボディコン姿である。
必然的に、店内は、噂を聞いて集まった、「下心タップリの男性客」で溢れた。
さらに、景品カウンターには、本物のバニーガール姿の女性もいて(金髪女性もいた)、
まさに、「バニーガール専門店」の名に違わぬ様子が、大きな話題になった。
(系列店(P1、P2)にも、設置台は違うが、バニー姿のカウンター嬢がいた)
「浅草国際P3」で、初代バニー(白パネル)を打つ、バニーガール店員(白)
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バニーガール(オリンピア、2号機)
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