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FM東京「夢のひととき(林隆三)」高橋幸宏ソングブック~悪いけど君が好き(2)昆虫記(1986年10月)

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記事タイトルが、やたらと長い…(滝汗)


つい先日、30年前の1986年(昭和61年)にFM東京(現・TOKYO FM)で
オンエアされた古いラジオ番組のカセットテープ音源を「発掘」したので、
文字に起こして「レビュー」した。

(15分番組なので、それほど分量は多くない)


パチ・スロと全く無関係の記事で恐縮だが…当ブログでは、
このテの昭和回顧ネタも、「昔話」として時折アップしている。

中学、高校時分は、FM、AMに拘らず、ラジオを聴くのが好きで、
好きなミュージシャン絡みの番組があれば、ちょいちょい録音していた。
(今では、ほとんど聴かなくなったが…)

だから、このテの埋もれたカセットテープは、他にも沢山あるハズ。
発掘に成功次第、紹介していく予定である。

果たして、「需要」があるかは不明だが(汗)。




・録音日…1986年10月9日 23:15~23:30(15分)
・番組タイトル…「夢のひととき」(ラジオドラマ)
・放送局…FM東京(現・TOKYO FM)
・番組提供…ヤマト運輸
・声の出演…(故)林隆三、高橋幸宏、岡本麻弥
・挿入曲
「冬のシルエット」(高橋幸宏、1985)
「Stairs」(YMO、1981)
「昆虫記」(高橋幸宏、1985)


      





(「コンコン」というドアのノック音に続いて、
女性ナレーション(局アナ?)のタイトルコール)

「夢の、ひととき」


(番組テーマ曲、キース・ジャレット「マイ・ソング」の
ピアノとサックスによる、美麗な旋律が流れる)


(女性ナレ)
「お相手は、林隆三。
今週は、高橋幸宏ソングブック「悪いけど、君が好き」
をお送りしています。
今夜は、「昆虫記」。」



(林隆三のナレーション)
夜の中には、もう一つの夜があります。
そこには、一人で行くことは出来ません。
男と女…二人の気持ちが、運良く一つになった時、
二人は、もう一つの夜への道を、歩いているのです。


(女性ナレ)
この番組は、クロネコヤマトの宅急便でお馴染みの
ヤマト運輸の提供でお送りします。


(CM入り)

(CM明け、高橋幸宏のコメント)
こんばんは。高橋幸宏です。
えー、僕の「昆虫記」という、この曲なんですけれども、
まぁ、「昆虫記」といいますとですね、
当然、昆虫が出てくる訳でございますけれども、
何て言うのかな、昔のちょうどあの、童話の世界みたいにね、
わりと耽美的な、時間も何か、止まってしまっているようなね、
しかも、色もどちらかというと、カラーではなくて、
全体にブルーのトーンの、何かこう、
色彩の童話の世界、といったような中でね、
恋愛をする男と女を、まぁ、昆虫にたとえると…
そういう訳でございますね。
ロマンティックに行きたいと、そういった曲でございます。
だから、まぁ、男って、いつも非常に、ロマンティックな訳ですね。



~ここからラジオドラマ~


車のエンジン音。夕方の高速を疾走する、一台の車。
運転席に男(声:林隆三)、助手席に女(声:岡本麻弥)。

女「危ないわ。前を向いて運転して」
男「寝たのかな…と思って」
女「高速道路って、眠くなっちゃうわ」
男「眠っていもいいんだよ……眠らないんだね」
女「ええ…」
男「眠いのに?」
女「寝顔、見せるのイヤだから」
男「なぜ?」
女「貴方が、見たがってるから」
男「ハッハッハ…運転してんだよ、僕は」


(高橋幸宏の「冬のシルエット」が流れる)


男「西の空、みてごらん。」
女「真っ赤ね…」
男「真っ赤…」
女「戻らないの?ねぇ、戻らないの…?黙ってるのね…ズルいのね」
男「エンプティ…」
女「えっ?」
男「スタンドに寄らないと」

女「(ナレーション調)夕焼けの中に、
青い光のガソリンスタンドが、浮かび上がっている」

(車がスタンドに停車。店員(声:高橋幸宏)がくる)

店員「いらっしゃいませ…」
男「満タンにしてくれる?」
店員「はい…」

(静けさの中で、虫の音だけが聞こえる)

男「あの男…君を見てたよ」
女「そう?」
男「今も見てる。バックミラーに映ってる」
女「いやらしいのね」
男「ホントに…いやらしいね」
女「貴方が…よ」

(給油を終えた車、エンジンをかけて出発)

男「(ナレーション調)夕焼けも、夜の青さに紛れ始めている。」

女「どこまで行くの?」


(YMOの「Stairs」が流れる)


男「(ナレーション調)山道に入り、カーブを切った後に、
本当に道が続いているのか、不安になる。ヘッドライトは、
一瞬遅れて、道を照らしだす。」

女「ねぇ…どこを走ってるの?」
男「夜を走ってる」
女「どこに走ってるの?」
男「もう一つの夜…」

(車がブレーキをかけて止まる。静寂の中、
周りからは虫の音だけが聞こえてくる)

女「真っ暗ね…」
男「ああ…キミの顔が見えない」
女「タバコ、くれる?」

(ライターが開く「チン」という金属音と、
「シュボッ」という着火音)

男「君の瞳に、火が映ってる…赤い瞳だ」

(虫の音、さらに大きくなるが、「カチン」とライターを
閉じた途端、音はピタッと止んで、静寂が広がる)

女「また真っ暗…。
ねぇ、もう一つの夜って…ここなんじゃない?」


(高橋幸宏の「昆虫記」が流れる)


(曲が終わり、CM入り。残念ながら、テープはここで切れている。
確か、本編はここまでで、CM明けはエンディングだったハズ。)



※高橋幸宏ソングブック「悪いけど、君が好き」は、全5回オンエア。
今回紹介したのは、第2回の「昆虫記」。テープには、続く第3回分も
入っていたので、次回記事にて取り上げる予定。
第1回、第4回、第5回は、今回のテープには入っておらず。
他のテープで録音した可能性もあるので、今後も発掘を続ける。



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