ドラマ「やまとなでしこ」(フジテレビ、月9枠)
・放映期間
2000年(平成12年)10月~12月(全11回)
・脚本
中園ミホ、相沢友子
・企画
石原隆
・演出
若松節朗、平野眞
・出演
松嶋菜々子、堤真一、矢田亜希子、西村雅彦、筧利夫、
東幹久、森口瑤子、須藤理彩、相島一之、市毛良枝 ほか
・主題歌
MISIA「Everything」
・平均視聴率
26.4%
本作は、2000年(平成12年)にオンエアされたドラマの為、厳密には
「90年代ドラマ(とパチンコ)」の範疇ではない。しかし、個人的には、
随所に「90年代テイストの残り香」が、色濃く漂う作品だと思っている。
(客室乗務員を、CAではなく「スチュワーデス」「スッチー」と呼んだり)
主人公、松嶋菜々子の魅力が存分に出ており、相手役、堤真一の存在感も絶大。
脇を固める面々も、西村雅彦、筧利夫、森口瑤子、市毛良枝など、実力派揃いだ。
ラブコメディという軽いスタンスながらも、ドラマ全体の完成度は、非常に高かった。
矢田亜希子も可愛かったな…。
後に起きた共演者の不祥事で、地上波での再放映は難しいといわれるが、
DVDやCS放送などを通じて、多くの方に見て頂きたい名作ドラマである。
(あらすじ)
幼少期のトラウマから「貧乏」を何より忌み嫌う、美人スチュワーデスの桜子(松嶋)。
自分を幸せにするのは「お金だけ」と信じてやまず、玉の輿を狙って、暇さえあれば
合コン通い。付いた仇名は「合コンの女王」。その場その場で、気に入った金持ちの
男が見つかると、持ち前の美貌と、巧みな言動で手玉に取る。
合コン用の洋服に給料の大半を費やす彼女は、その高飛車な態度とは裏腹に、
安アパートで即席麺を啜る毎日。もちろん、そんな姿は男たちに見せられない。
目下、大病院の御曹司、東十条(東)が本命だが、もっと好条件の男が現れれば、
乗り換える気は満々。
ちょっと「歪んだ」価値観の桜子だが、欧介(堤)という男性との出会いを通じて、
お金よりも「人を愛する心」の方が大切な事に、徐々に気付きはじめる。欧介は、
数学者の人生に挫折して、父の死を機に実家の魚屋で働く、純朴で弱気な青年。
ある時、欧介は、合コンで桜子と出会うが、かつてフラれた恋人と瓜二つだった為、
彼女に好意を抱く。最初は、合コンをセッティングした友人の頼みで、身分を「医者」と
偽って桜子と付き合うが、嘘がバレた途端、酷く嫌われてしまう。それでも、彼女を
諦めきれない欧介。一方の桜子も、一度はフッておきながらも、どこか他の男性とは
違う魅力を欧介に感じていた。
一方、その欧介に桜子を取られる事を恐れてライバル心を燃やす、ボンボン息子の
東十条。惚れた弱みで桜子にはめっぽう甘く、彼女の言葉なら何でも信じてしまう、
超のつくお人よしだ。
その後、桜子と欧介は、事ある毎に衝突し、誤解し、強がり、嘘をつき、葛藤して
すれ違いを続けるが、お互い気付かぬうちに、惹かれあっていく。だが、桜子の
拝金主義的なトラウマは根深く、なかなか欧介に本心を出せない。また、欧介も、
過去の失恋をひきずっていて、素直な気持ちを桜子に伝えきれずにいた。
そんな中、桜子の後輩である若葉(矢田)が、欧介の純朴さに強く惹かれる。
二つの奇妙な三角関係が絡み合う中、桜子と欧介の恋の行方は、果たして…?
さて、本作では、第8話「やさしいウソ」において、パチンコ店でのシーンが登場する。
心労で倒れた欧介の母、富士子(市毛)から、「欧介は、お金で買えない、たった一つの
大切なもので、貴方を幸せにしてくれる」と告げられた桜子。その大切なものが「何か」を
知りたい桜子は、欧介と行動を共にする事で、答えを見つけようとする。図らずも、
桜子から「デート」を申し込まれた欧介は、彼女を場末の居酒屋やパチンコ屋、
バッティングセンターといった、馴染みの場所へ連れて行く。
どれも、金持ちとは無縁の地味なスポットだが、生まれて初めての体験に、桜子は
意外にも「地味デート」を楽しむ。その後、二人して桜子のアパートに戻ると、そこへ
彼女の「本命」、婚約者の東十条が現れる。婚前の浮気を勘ぐられて、絶体絶命の
ピンチを迎えた桜子。すると、欧介はとっさに機転を利かせ、巧みなウソの弁明をして、
東十条を納得させて、桜子の窮地を救う。
(C)フジテレビ
桜子(左)をパチ屋に誘った欧介。二人並んで打つが、自分の台はサッパリ。あっさり
玉を使い果たす。「さあ、帰りましょう」と隣を見ると、桜子の台がビギナーズラックで
大当り。上皿から玉が次々と溢れて、初心者の桜子はパニックに。この時、
玉のこぼれ方が「発射装置」を使って、勢いよく玉を噴射させていて、いかにも
ラブコメらしい、コミカルな演出になっている。
ドラマ「GTO」では、パチンコ好きの教師、冬月あずさ役で「CRモンスターハウス」を
一人で打っていた松嶋だが、本作では「パチンコ未経験」という設定。
桜子が大当りした瞬間。潜望鏡風のデジタル画面と、液晶のマリンちゃんから、
1995年(平成7年)夏に登場した、初代「ギンパラ」シリーズの台と判る。
ただ、当時、ギンパラはスペックの異なる4種類の台が出回っていたから、
その何れかか「判別」する必要はあろう。
台間の玉貸機を見れば、CRでなく現金機と判るが、その現金機にも3種類ある。
「CRギンギラパラダイス」(CR権利物、1/2ループ)
「ギンギラパラダイス」(現金機、3回権利、6000発仕様)、
「ギンギラパラダイス2」(現金機、2回権利、4000発仕様)
「ギンギラパラダイスV」(現金機、3回権利、8R/16Rのラウンド振分。2400~5800個)
上の接写画像でどの台かピンとくれば、「90年代パチンコ検定3級」(笑)
では、答え合わせ。
CRギンギラパラダイス(CR機)…1/2確変ループ。
賞球…5&10&15
大当り確率は3段階の設定付
設定1:1/223、設定2:1/241、設定3:1/257
3回権利のギンギラパラダイス(現金機)
賞球…7&15、出玉6000発
大当り確率:1/323
2回権利のギンギラパラダイス2(現金機)
賞球7&15、出玉4000発
大当り確率:1/247
変則3回権利、ギンギラパラダイスV(現金機)
賞球6&13
権利発生後、7セグで8R(L)or16R(H)の振り分け(1/2で振り分け)。
出玉2400~5800個(8Rばかりだと出玉少)
大当り確率:1/239
デジタル周りのデザイン(放射状ライン)を見れば、撮影で使われた台が、
2回権利「ギンギラパラダイス2」である事は、もはや一目瞭然であろう。
2000年にロケが行われたドラマで、95年リリースの台を使う辺りも、
やはり古き良き「90年代テイスト」を感じさせる。
(C)フジテレビ
上皿から溢れて床に落ちた玉を、慌ててドル箱にかき集める欧介。
この時、桜子に「この台、もう一度当りますからね」と話しかけていて、
2回権利の「ギンギラパラダイス2」である事を暗示している。
(C)フジテレビ
大きなゴリラのぬいぐるみなど、沢山の景品をゲットして、店を出る二人。
ロケ店のクレジットは無いが、頭上のネオンから、店名が「ラッキー7」だと判る。
当時、同名のホールは複数あったが、確か、この昭和チックな緑のネオンは、
かつて、JR目黒駅の近くにあった「ラッキー7」ではないか(閉店後、跡地には
「ガイア目黒店」がオープン)。ただ、確証がないので、今後も調査を続ける。