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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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フィーバーアストロンIII(三共、デジパチ)

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1992年(平成4年)にSANKYO(三共)から登場した新要件デジパチ「フィーバーアストロンIII」

★FL管(蛍光表示管、VFD)採用
★賞球…7&15
★大当り確率…1/245
★デジタル停止順…左⇒中⇒右
★大当り図柄…0~9、C、F、P、L、J(計15通り)
★最高16ラウンド継続
★出玉…約2300個
★保留玉連チャン機(強制連チャンは保留1個目で発生、保1連チャン率=20%)
★兄弟機…フィーバーアストロンII(1992年)⇒大当り確率1/225、盤面・賞球などは本機と同じ。
★当時の実戦店…向ヶ丘遊園駅北口「ニューギンザ」、高田馬場「東陽会館」など


(当時のニューギンザ)


(当時の東陽会館)      
            



★連チャンシステムなど

「保1連チャン機」として知られた本機。このタイプは、新要件初期の三共連チャンデジパチの「典型」ともいえる。大当たり終了後の保1でリーチが掛かると、まだ当ってもないのに、連チャンを確信して自分でドル箱を用意した(スカを喰らって、ガックリしたことも多いが)。

レールの上に空箱がない店では(呼び出しランプで店員が箱を持ってくる)、連チャン時のドル箱の確保に気をつかう事もあった(店員の反応が遅いホールだと特に)。シマの端で打っていると、近くに空箱が積んであるので安心だが、シマ中央だと距離がある為、保1リーチの瞬間に席を立って、猛ダッシュでシマ端の空箱を取りに行き、サッと戻ってきたりした。あの敏捷性は、チーターより上だったかもしれない(嘘)。

さて、本機の大当り判定方式は、同時発表された「フィーバーマキシムEXIII」と同じだ。

即ち、一次判定が「2/98=1/49」、二次判定が「15/75=1/5」の二段階判定方式である。トータルでの大当り確率は、1/49×1/5=1/245となる。

そして、大当り終了後の保留1個目に限り、この1次判定がフリーパスとなり、二次判定の1/5さえクリアすれば大当り=連チャンとなる。よって、保1での連チャン率は20%となる。

個人的にはダブル止まりが多く、3連まで伸びればラッキーだった。ただ、店によってはポーンと5連くらいまで伸びる事もあり、ホール毎に出方が違うのかな…なんて思った事もある。




★本機のデジタル表示(FL管)を巡る、三共の「ライバル心」或いは「怒り」(個人的な推測)



ご覧の通り、本機は蛍光表示管(FL管、VFD)を採用している(※三共初のFL管デジタル採用機)。
スケルトン調で暗闇に立体的に浮かぶ、7セグ調のデジタル表示が特徴だった。また、デジタルを取り囲む「宇宙船」や「惑星」、「月」といった派手なデザインも、打ち手の目を引いた。


平成4年(1992年)3月にホールデビューを飾った本機。同年2月に行われた三共の新台発表会で、話題の新型ドラム機「フィーバーマキシム」シリーズと同時に発表された(この時、新枠「’92ステラ枠」も発表)。

この発表会では、マキシム同様に大きな注目を集めた本機だが、実際ホールに多く設置されたのは「マキシム」の方で、本機はその陰にかくれてしまった感が強い。さらに、同年夏には「フィーバーレジェンドI」(ドラム機、ウィングアタッカー、保1連チャン)が新たに登場。コチラはマキシムを凌ぐ大人気台となった。

結局、ホール登場後の本機に派手なスポットライトが当ることはあまりなく、「地味」なまま姿を消してしまった感じだった(設置期間の極端に短いホールも…)。まさに、「不遇の名機」といえよう。


ところで、黒をバックにした7セグ調デジタル、そしてデジタル周囲のカラフルなデザイン群は、ニューギンの新要件機「スターマイン3」(1991年)のデジタル表示を思わせた。果たして、これは単なる「偶然」だろうか。


(平成3年登場、ニューギン「スターマイン3」のデジタル。コチラもFL管を使った派手な表示だった)


元々、三共のデジパチといえばドラム機が十八番(おはこ)だった。それが、旧要件末期~新要件初期になると、まず「フィーバーザウルスII」(1989年、旧)という7セグタイプが登場。次いで「フィーバーザウルスSP」(1990年、旧)、「フィーバーボルテックスII」(1990年、旧)、「フィーバーロボV」(1990年、旧)、「フィーバーチャレンジI(II)」(1991年、新)といったドットデジパチも送り出して、ドラム以外の新たな方向性を見出そうとした。しかし、本機のような「FL管(VFD)を使った、7セグ調のカラーデジタル」というのは、まだ未採用だった。

むしろ、旧要件期からFL管のカラーデジタルを積極的に使ったのは、ニューギンである。1990年(平成2年)登場の旧要件デジパチ「エキサイトワープ」がその代表格だろう。毒々しいほどカラフルな、7セグ調デジタルが話題となった。さらに、新要件期の1991年(平成3年)に入ると、同年上半期に「ジュピター」「ビーナス2」そして「スターマイン3(2)」と、「エキサイトワープの後継機」を立て続けにリリースした。これは、当時のニューギンデジパチにおける、一つの「流れ」ともいえる。

一方の三共は、’91年秋に新要件機「フィーバークリスタルI」をリリースした。同機は、※三共初の液晶デジパチ FL管デジタル採用機だったが、立体的な7セグ調のカラーデジタルは、よくみるとエキサイトワープやスターマインなど、ニューギン各機のデジタルを彷彿とさせた。しかし、FクリスタルIがデビューしたタイミングは、明らかに「スターマイン3」よりも遅かったのだ。

なぜ、ドラム機で鳴らした三共が、わざわざこのタイミングで、ニューギンの「二番煎じ」とも取れるようなデジタルを採用したのか?

単なる「偶然」と捉えるのは容易だが、個人的な考えでは、当時における両社の「確執」が絡んでいたのではないかと思うのだ。どういう事かというと…

旧要件期のニューギンは、7セグやドット、FL管を使ったデジパチこそ出していたが、まだ「ドラム機」とは無縁だった。本家・ドラムの三共に対する「遠慮」というものが、あったかもしれない。

それが、旧要件末期になるや、突如として「グランドエキサイトG」(1990年、トランプがモチーフ)という「ニューギン初のドラム機」で対抗してきた。しかも、直後に「エキサイトポーカー」(1991年)という新要件版まで出した程だ。さらに、「エキサイトカムカムAW」(1991年)という花札のドラム機まで登場させた。


ニューギン初のドラム機「グランドエキサイトG」(1990年、旧)


ドラムの本家・三共にしてみれば、これは自社への明らかな「挑戦」であろう。いや「挑発」といった方がよいかもしれない。

もちろん、三共に対抗してドラム機を出したメーカーは、ニューギンだけではない。マルホンも、旧要件時代に「クールセブン2」(1989年)や「スーパーターボ2」(1990年)といったドラム機を出している。

しかし、マルホンのドラム機といえば、どちらかといえば関西方面で導入される機会が多かった。一方、ニューギンと三共のドラムデジパチは、関東エリアのホールで「バッティング」するケースも、決して少なくなかった。三共とすれば、「新参者」のニューギンドラムが、自らの庭にズカズカ入り込む事を、快く思わなかった可能性もある。

そんな状況で、今度は「ケンカ」を売られた方の三共が、あえてニューギンのFL管デジパチに「似た」新機種で対抗して、逆に「一泡吹かせてやろう」と思ったとしても、別段不思議ではない。

そうした三共の強い「ライバル心」というか「怒り」が、91年秋に「F・クリスタルI」を登場させる契機になったのでは…と勘ぐってしまうのだ。これは、FクリスタルIの兄弟機「フィーバークリスタルII」(1991年、電チュー付きの確変機)も同じである。

そして、デジタル表示部をいっそう進化させ、今度はニューギンお得意のFL管自体を、三共が初めて取り入れたのが本機である。そこには、「スターマイン3」に対するいっそう強い対抗心が窺える。

ちなみに、本機と同時期には、F・クリスタルと同じデジタルを使った「フィーバーアリストI」(1992年、無制限用)も登場している。


そんな訳で、私には、旧要件末期のニューギン・ドラム機「グランドエキサイトG」に端を発する、「三共VSニューギン」の激しい「確執」が、本機のFL管デジタルに垣間見えるのだ。


まぁ、以上の話はあくまでも推測に過ぎない為、全くの「的外れ」である可能性も大いにあるが…(汗)。


ただ、こういった時代背景を考慮した上で、あれこれ妄想を展開することも、レトロパチンコの楽しみ方の1つではないだろうか。実際に、当時なにが起こっていたとしても、すでに「時効」であろう(笑)。



SANKYOパチンコBGM音源CD「ザ・パチンコ・ミュージック・フロム・SANKYO III」(1992年11月)

本機をはじめ、FマキシムEXIII、FレジェンドI、FパワフルIII、FスパークGPといった平成初期の新要件連チャン機のBGMなどを収録。ハネモノ「オロチョンパ」「OL娘」といったタイアップ物の音源もある。リミックスやメドレーなど、一風変わった音源も収録。





※追記(2014.12.16)
「Fクリスタルの表示機は、(蛍光表示管ではなく)液晶ではないか」とのご指摘がありました(GSEさん)。
うーん、手持ち資料に「VFD方式(真空放電)」と堂々と書いてあった上、デジタル表示の鮮やかさ、リーチ中の色の切り替わり方などで、これまで「FL管」と信じ切っていましたが、いわれてみれば確かに…。

ということで資料の「再検証」を行った所、必勝G誌92年4月号のFアストロンIIIの解説に、「ニューギンのエキサイトワープに搭載されていたFL管デジタルを新たに採用」と、しっかり書いてありました(大汗)。つまり、アストロンの先行機であるFクリスタルは、ご指摘通り、まだFL管は使っていない事になりますね。どうやら、以前に読んだ資料が間違っていたようです(一応、業界で名の通った方の説明でしたが…)。
また、YOUTUBEでFクリスタルIIの動画を見た感じでも、FL管にしては発光がやや弱い気もしますね。
(機種名の「クリスタル」も、文字通り「Liquid Crystal」(液晶)から取ったかもしれませんね)

よって、今後は「Fクリスタルは液晶タイプ(蛍光表示管ではない)」との説を取らせて頂きます。同時に、「三共初のFL管デジタル採用機は、フィーバーアストロンIII」とします。これに伴い、本記事の内容に関しても、適宜修正させて頂きました(過去記事の該当箇所も、追って修正します)。
GSEさん、貴重なコメント有難うございました。
(追記、ここまで)


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