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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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悟空III(三共、ハネモノ)

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1991年(平成3年)に三共から登場した新要件ハネモノ「悟空III」

★賞球…7&15
★ハネ開閉時間…オトシ0.4秒、ヘソ0.6秒×2
★大当り中は最大2個貯留
★最高15ラウンド継続
★平均出玉…約1100個(継続率は良かった)
★当時の実戦店…新宿・西口(大ガード前)「ニューミヤコセンター」(閉店)


(当時のニューミヤコ(夜のネオン)…すぐ先の「歌舞伎町」界隈には、イチゲンからボッタクる気満々のホールも少なくなかった。だが、大ガード交差点の老舗ニューミヤコは、割と良心的な営業だった印象が強い。客層も広く、オッチャン・オバチャンの常連も多かった。朝の開店前には、ジグマプロと思しき連中も並んだ。入口は狭いが店内は案外と広く、店奥の景品陳列コーナーは、コンビニに負けない豊富な品揃えだった。1995年前後に閉店し、跡地には近代的な「新宿カレイドビル」が建った。)


★兄弟機…ヘソが「電チュー」タイプの2機種が存在。賞球数は、共に本機と同じ「7&15」。
・悟空II(1991年)⇒左右オトシに入賞しても、直接ハネは開かない。オトシ入賞で、センター電チュー(2チャッカー)が2回開く。したがって、ハネ開放は常に「2回」。
・悟空SP(1991年)⇒役物両脇のスルー通過で、2ケタ小デジタル変動。奇数のゾロ目で、センター電チュー(2チャッカー)が開放。オトシは通常の1チャッカー。


   (悟空SP…電チュー確率は1/20)





本機は、文字通り「孫悟空」をモチーフにしたハネモノである。

因みに、旧要件後期の1989年(平成元年)、三洋から「孫悟空」というハネモノが出ている。


(三洋「孫悟空」…8R継続、賞球オール13。通常時、ヤクモノ奥で上下動を繰り返す、如意棒を持った悟空が特徴。)



平成3年(新要件黎明期)の三共ハネモノといえば、やはり、大量獲得タイプの「サンダードラゴンGP」が有名だろう。しかし、実はそれ以外にも、多種多様な新台を送り出していた。ザッと挙げるだけでも…

(1991年登場の三共・新要件ハネモノ)

道路工事GP、ロボくん(I、II、GP)、マッドボーイ(GP、SP)、ナイトドラゴンGP、サンダードラゴン(GP、EX)、大明神GPII、ガンコおやじII、名人会(GPA、SPII)、悟空(II、III、SP)、ポンキッドGPII、スパークマンIII

などなど


当時のハネモノらしく、役物のモチーフは「オリジナル」と「アリもの」(パ〇リとはいわない…)に分かれる。本機(孫悟空)や「名人会」(染之助・染太郎)、そして「スパークマンIII」(スーパーマン)は、「アリもの」の典型だろう。「ガンコおやじ」のちゃぶ台オヤジも、「巨〇の星」の星一徹テイストが多分に含まれる。まぁ、他にも、サンダードラゴンの役物が「メカゴ〇ラ」に見えた人もいるかもしれない。



それはともかく、なぜ三共がこの時期、「孫悟空モノ」で勝負したのかは不明だ。ただ、盤面デザインを見ると、その理由がうっすら判る。


(ヘソ付近には、当時の人気漫画&アニメ「ドラゴンボ〇ル」を彷彿とさせる「例の玉」が…。「DBといえば悟空」的な発想だったのかもしれない(未確認)。まぁ、もっと露骨なモノでは、西陣の旧要件ハネモノ「ザ・拳法」のヤクモノキャラは、DBの「ク〇リン」としか思えなかったが…。




本機の特筆すべき特徴としては、まず、一種独特の動きを見せた「ハネ」が挙げられよう。

通常のハネ開閉とは少々異なり、河川にかかる「可動橋」(跳橋)が、パカッと垂直に起き上がるような動きだった。


通常時、役物の「フタ」をする水平なハネが、チャッカー入賞で垂直に持ち上がる。当時、メーカーはこのハネを「悟空ウィング」と命名した。

「ガバッ」という真新しいハネの動きは、見た目こそ珍しかったが、実際打ってみると特段玉を拾い易い感じもなかった。寄り釘の調整のみならず、ハネの開閉時間、開放角、元ゲージなども関係しているだろう。



では次に、ヤクモノ内部に目を移そう。



センターヤクモノは、上・中・下段の「三層構造」からなる。

また、ヤクモノ奥には、主役の「悟空」キャラが鎮座する、小さな「扉」も存在した。

ハネに拾われた玉は、まず透明な上段ステージに乗る。ステージ中央の突起により、玉はいったん左右に散りやすいが、ステージ左右にも突起があって、散った玉を中央に寄せ返す役割を果たした。

上段から落下した玉は、真下にある透明な中段ステージにアプローチする。こちらも中央に突起があり(左右はない)、上段以上に玉は左右にバラケ易い。「左右にバラける=下段ステージでハズれ易い」ので、当時の新要件機らしく、この突起はV入賞率を下げる「仕掛け」といえた。

一方、下段ステージでは、低い半円柱状の箱(お立ち台のような造り)が待ち構える。箱の表面には龍が描かれ、側面はラーメン丼の「四角い渦巻模様」で、いかにも中華風デザインだった。

メーカーは、この怪しい箱を「ワンダーボックス」と命名した。なお、当時の某「F」誌は、仰々しい見た目から「棺桶」と呼んでいた。

ワンダーボックスは、通常閉じた状態だが、始動チャッカー入賞後と大当り中は、手前側が20度ほど開くようになっていた(上の画像は開いた状態のもの)。この独特なアクションが、V入賞の手助けとなった。

開閉の動きを真上から見ると、こんな感じだった(バルタン星人のハサミにも見えた…)。




ヤクモノ上段⇒中段と来た玉が、ステージの障害(突起)を乗り越えて中央ルートから下段に落ちると、パカッと開いたワンダーボックスの間に落ちて、下段ステージを真っ直ぐ手前に転がる。こうなれば、手前中央Vゾーンに入賞し易い。だが、中段で左右に散ってしまうと、ワンダーボックスの上に乗ったり、内側の縁に当ったりして、V両脇にハズれる確率が高い。やはり「中央ルート」がVへの鍵だが、左右に流れた玉でも、そのままヤクモノの壁にぶつかり、絶妙な「反射」でVに飛びこむケースもあった。


なお、ヤクモノ奥にある「扉」(悟空がいる部分)は、通常閉じた状態で(当然、悟空の姿も見えない)、大当りするとパカッと開く(この扉が「貯留装置」になる⇒後述)。但し、通常時でも1チャッカー入賞時のみ、ハネ開閉直後に扉が一瞬だけ開く(2チャッカーでは開かない)。タイミングよく扉の中に入った玉は、下段ステージ奥に直行して、ワンダーボックスの付け根から手前に直進する為、Vを射止め易い(但し、チャンスは一瞬)。

      
通常時の扉(閉鎖時)。扉上部には「三共」の文字。この奥に悟空が隠れている。     


扉が開くと、悟空が姿を現す。この扉が開くのは、主に大当り時。




首尾よく大当りすると、ヤクモノ奥の小さな扉が開き、愛嬌タップリな悟空キャラが出現する。

大当り中は、扉の中に最大「2個」の貯留を行う。ちょうど、悟空の両手に2つの玉が収まる感じだ。

この時、ハネの開閉に合わせて、下段のワンダーボックスもパカパカと開閉を繰り返す。このアシストのお蔭で、貯留玉以外でもVに決まる事があった。

扉に貯留するには、上段ステージ中央からヤクモノ奥にアプローチする必要があった(左右に散ると、扉に入らない)。その為、常に2個貯留できるとは限らず、1個の貯留で解除する事も少なくなかった。


ヤクモノ7カウント後、又はハネ14回開閉後に、貯留は解除。この時、扉の中で「ストッパー」の役割を果たしていた悟空が、奥にスライド移動して(引っ込んで)、体でせき止めていた貯留玉を下に落とす。

解除された玉は、ヤクモノ裏から下段奥に転がり、左右に割れたワンダーボックスの付け根から再び現れた後、下段ステージの中央を通って手前Vゾーンに向かう。この時、ワンダーボックスは開いたままで、貯留が1個でもVに入り易かった。なお、安心なはずの2個貯留でも、解除後に貯留玉同士が「玉突き」してVを外す、まさかのハズレパターンもたまに起こった。但し、運悪く貯留がVを外しても、ワンダーボックスは引き続き左右に割れたまま停止している為、後続の玉がV入賞するチャンスは残っていた。


さらに本機には、当時の三共ハネモノらしく、大当り中「ダブル」がかかる事もあった。18回目のハネ開閉時にヤクモノに入賞して、その直後に始動チャッカーに入ると、ヤクモノ内に残っていた玉がVに入って、初回に戻るというものだ。但し、これは「偶然の産物」であり、止打ち等で意図的に狙うのは難しかった。



なお、今現在において、本機の実機動画をyoutube等にアップされている方はいない。「動く本機を見たい」という方は、1992年(平成4年)公開のVシネマ「パチンコグラフィティ」(主演・布川敏和)のOPタイトル映像で、本機の大当り画面がチラッと一瞬だけ映るので(数回のショット有り)、興味ある方はアマゾン等でご購入を…。


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