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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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違和感の正体

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前々記事前記事の続き~


それでは、例の「違和感」について種明かし。


最初の画像をアップした時は、全く反応が無かった為、
「あまり皆さんのツボじゃなかったかな」と反省したが、
「赤7揃い」の画像アップ後、続々とコメントが届いた。
やはり、皆さんの脳裏にコンチIII「777」のイメージが
強烈に刺さっていたのだろう(最初のハズレ目でピンと
来た人は90年代スロトリビア1級。ネタ元も判れば初段)。
それはともかく、ここらで「ネタバラシ」に移りたい。



件の二枚の画像だが、実は、いずれも1992年(平成4年)に
オンエアされた、ある商品のテレビCMのワンカットである。

商品名は、アサヒ缶コーヒー「J.O.」赤ラベル(ワイルドジョー)。
出演は俳優の松方弘樹(当時49歳)。CMの流れは以下の通り。




仕事帰りのサラリーマン(松方)が、とあるスロ屋で
缶コーヒー(J.O.赤ラベル)片手に、勝負の真っ最中。


だが、この日は調子が悪く、出るのはハズレ目ばかり。
なお、撮影に使用された機種だが、メーシー3-1号機
「コンチネンタルIII」(赤パネル)と、容易に判る。
(ロケ地は現在調査中)


ストレス解消で座ったハズのコンチIIIでヤラれて、
不調で顔をしかめる松方さん。「あ~、ダメだ…」
手元には、「J.O.」の空き缶の山が積みあがる。


すると、ドル箱を持ったボディコン女性が、背後の通路を通過。
その際、形の良いお尻がドンと当る。女性は「御免なさい」と
軽くあしらって立ち去る。バランスを崩した松方さん、思わず
台につんのめると、その弾みで、回転中の右リールのボタンを
止めてしまう。


すると、中段に777が揃ってビッグボーナス!
右ボタンを押してこの形が降臨…という事は、既に
「中段赤7テンパイ」の2確目で回していた事になる。
ただ、あくまでも「正規」のコンチIIIなら、の話。


これで調子が上がった松方さん、ドル箱3杯満タンの
大量メダルゲット。「女神」がくれた意外な逆転劇に、
ご満悦の様子。片手でドル3を楽々担ぐ辺り、当時
日本テレビ「松方弘樹・世界を釣る」で巨大カジキと
激闘を繰り広げていた、腕っぷしの強さが垣間見える。



J.O.赤ラベル缶を手に、「今日もウマイっす!」
とピースサインを決めて、ニンマリ笑う松方さん。
そういえば、この当時は、たった一機種のみを
ズラリと並べるスロ屋も、至る所に存在したな。


とまぁ、こんな感じである。
なかなか香ばしい内容であろう。
水前寺清子っぽいBGMもGOOD。


で、このCM中、例の「ハズレ目」と「中段7揃い」の
映像が出てくる訳だが、コンチIIIを打ち込んだ人なら、
「アレ、おかしいぞ?」と、強い違和感を覚えたハズ。


「コンチネンタルIII」(1990年、メーシー3-1号機)
A-Cタイプで、シングルボーナス集中「セブンラッシュ」が
最大の特色だが、ハマリもキツかった。緑パネルも存在。
(この画像の盤面を見れば、すでに答えは出ている…)


では、もう一度、例の場面を振り返ってみよう。


(最初は、ハズレ目出現)


(次が、中段赤7揃い)


最初のハズレ目(プラム右上がりハズレ)にせよ、
次の中段赤7にせよ、実戦で普通に出る「形」ではあるが、
各リールの「図柄の配列」に注目すると、何かおかしい。


まず一枚目のハズレ目。左上段は「箱7」(黄7)。
だが、枠上が「赤7」である事にお気づきだろうか。


コンチIIIで、左リール箱7の真上に赤7が来る事は、
配列上ありえない。配列表を見れば、一目瞭然だ。

(コンチネンタルIII、リール配列表)


ご覧のように、左リールの箱7は一つのみ(15番)。
しかも、箱7の上は赤7ではなく「BAR」である。
よって、映像の左リールは、本来の配列ではない。

なお、「左リールのチェリーは本来、全てBARの下にあるが、
映像では箱7の下がチェリーなので、違和感がある」とする
コメントも頂いたが、まさにその通りである。


同様に、中リール下段に箱7があるが、その上は「プラム」。
一方、配列表からも明らかな通り、正規の配列であれば、
中リール箱7の上は、「赤7」か「オレンジ」しかない。
よって、映像の中リール配列も変である。

さらに、右リール中段BARの下が「チェリー」だが、
本来、右のBARは1個で、BARの下は「赤7」のハズ。
なので、右リールの形も明らかにおかしい。

つまり、このハズレ目は、全リールが正規の配列と異なる。
さらに観察すると、各リールが互いに入れ替わっている
事が判る。即ち、「左端に本来の中リール」「中央に
本来の右リール」、そして「右端に本来の左リール」が、
それぞれ来ている格好だ(配列表を参照)。


それを確信できるのが、前記事で紹介した「赤7揃い」の映像。


赤7の下に箱7があるのは、本来「中リール」のみ。左にあるのは妙だ。
また、中・右の「赤7とBAR」ダブルテンパイも、どう見てもおかしい。
特に着目すべきは、上段BARの上の図柄(枠上)。中リールは「箱7」、
右は「オレンジ」が見える。これを見ても、本来の左リールが右端、
本来の右リールが中央に、それぞれ入れ替わっている事が判るハズ。

 
(正しい赤7中段揃い(右側)と並べて比較すれば、その違いもハッキリ判る)


以上をまとめると、

各リールは、全て本来の位置と入れ替わっていて、
・左側に(本来の)中リール
・中央に(本来の)右リール
・右側に(本来の)左リール
が来ている事になる。つまり、「中・右・左」の順だ。
この点を察知した正解コメントも、複数寄せられた。


ただ、いったい何の為に「リールの入替」を行ったかについては、
正直、私もよく把握していない。もしかすると、「実在の機種を
CMに登場させると、その台の宣伝になってしまう為、「架空台」
との設定にすべく(フィクション性を高める為)、わざと配列を
入れ替えて撮影したのかもしれない。実際、赤7が揃った直後、
コインが滝の如く、ジャジャ漏れで下皿に出続ける映像もあり、
本来のコンチIIIのビッグ中の挙動(というかスロ全般の挙動)と
大きく異なるのだ。むしろ、ラスベガスなどカジノのスロットで、
ジャックポットが当選して、一気に大量コインが出てくる感じだ。
そうすると、この台は見かけこそコンチIIIだが、中身は全く別の
「フィクション台」という事になるのだろうか?


因みに、CMで私が個人的に「ツボ」なのは、この場面。


美人スロッターのヒップアタックで、ビッグな幸運を手にした松方さん。
まぁ、この女性のお尻が「ツボ」なのかと問われれば、否定はできない。
だが、それよりも、当時の「実体験」に置き換えた場合、コンチIIIでの
「体当たり攻撃」は、私にとって一種の「トラウマ」になっているのだ。


以前にも告白した話だが、当時、西武新宿駅前「日拓1号店」の
2Fに、赤パネルのコンチIIIが大量に置いてあった。私は何度も
このフロアに足を運び、ビッグ連打やセブンラッシュ目指して
勝負を繰り返した。そんなある日、運よくラッシュを引いて、
意気揚々とプレイを消化していた折、後ろの通路を通ったオッサンが、
「ドン」と背中にぶつかって来たのだ。偶然か意図的かは知らないが、
とにかく不意を突かれて腹が立った。だが、振り返ると、既にオヤジは
シマから速足で出ていく所。で、さらに腹が立ったのが、気を取り直して
回した次のプレイで、ラッシュがあっさり「パンク」してしまった事だ。
(中段プラムハズレのパンク目がいきなり出現して、大いに萎えた…)

オカルチックな話だが、オヤジのアタックがツキを持ち去ったと、
今でも思っている。以来、コンチIIIで勝負する際には、台と体を
ピッタリ密着させる姿勢をとり、通路の客と極力接触しないよう、
心掛けるようになった。まぁ、松方さんのCMとは正反対だが、
ぶつかってきたのが「若い美女」か「暑苦しいオッサン」かで、
その後の展開が大きく異なっても、無理はない(オカルト)。



それから、「コンチIIIの違和感」について、関連ネタを一つ。

1993年(平成5年)公開のVシネマ「ジャック パチスロ闇の帝王」
(製作:KSS、主演:杉本哲太、共演:生稲晃子ほか、原作は
竹書房の連載劇画)では、以下のような出目で打ち手が悔しがる
シーンが出てくる。





あらためて見返しても、「何だこれ?」と唸ってしまう。
コンチIIIファンならば説明不要だろうが、上の出目は
「順押し三枚掛け」なら、シングルorBRorラッシュ。
また、下は鉄板の2リール確定目(順押し三枚掛け)。
それが、なぜか右リールでリーチ目も作らず、普通に
ハズれてしまうという、違和感タップリな状況である。
実戦でこれが出たら、ショックでその晩は眠れないハズ。
こちらも、やはりフィクション故の「お遊び」だろうか。

余談だが、Vシネでも原作の漫画でも、「チェリー抜き」という
主役(南井彰)の必殺技(目押しで自在にチェリーを出し続ける)
が登場して、作品の「フィクション性」が見事に増幅されていた。

そういえば、このVシネにも、松方さんのCMの「オマージュ」的な
場面がある。カップルの男女(小栗雅弘、依田小夜子)が、馴染みの
スロ屋で打つシーン。持ち金ヤラレた男が、床に落ちたコインに
最後の望みをかけてリールを回すが、冴えない男を彼女がなじって、
思いきり頭をドツく。彼は思わず体勢を崩し、つんのめって顔面で
右ボタンを止めてしまう。すると、偶然にも上段に赤7が揃っており、
まさかのビッグに二人で大騒ぎ…というもの。但し、演出の担当者が、
実際、松方さんのCMから着想を得たかは不明だ。


主演の杉本哲太は、当時の雑誌インタビューにおいて
一番スロをやっていた頃、「リバティベルIII」など
ユニバーサル系の機種をよく打った、と発言している。
(目押しが容易で、7テンパイ時に派手な音が鳴るのが
緊張感があって好きだった事などを、理由に挙げている)




そんな訳で、全3回でお届けした違和感シリーズも、これにて終了。
連休中の、ちょっとした気分転換にはなっただろうか。そういえば、
このCMの主役だった松方さんは、少し前に大病を患った事が発覚。
今も、引き続き療養中との事だ。あの明るく豪放なキャラクターが、
画面を通じて見られないのは、何とも寂しい。カジキやマグロとの
対決で見せた、持ち前の「粘り」で病を克服して、また我々視聴者を
楽しませて欲しい…と願わずにはいられない。



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