Quantcast
Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 378

フルーツパンチ(大一、一般電役)

$
0
0

1991年(平成3年)に大一から登場した
(旧要件)一般電役「フルーツパンチ」



(基本スペック)

・賞球:7&14
・デジタル
左と右=0~9の赤数字
中:0~9の赤&緑数字とH、F
・大当り確率:1/240
・出玉:2400個以下~4000個以上(釘調整でバラつく)
・連チャン性:アリ(保留1個目での連チャン)


(新セル)


催眠効果がありそうなデジタル回転音、リーチ時の「ピピピピー」という効果音、
華やかな大当りファンファーレ、当った瞬間バックライトが真っ赤に染まる演出、
大当り中の電チューと2回開きチューリップのリズミカルな連動、バックに流れる
ロシア民謡「コロブチカ」の軽快な旋律と、全てが打ち手を魅了。電卓の表示を
思わせる、昭和チックな7セグデジタルにも、何とも言えぬ趣があった。後の
CRエキゾチックやCRフルーツパッションなどの「原型」が、まさに此処にある。


しかし、何といっても、フルパンといえば「連チャン」に尽きるだろう。
大当り中、上段の電チューが4回目の開放を終えた後、保留ランプが点灯
していれば、メインデジタルは再び変動を開始。その連チャン率は「5/22」
(約22.7%)と、大いに期待のできる数値だった。しかも、運が良ければ、
ダブル、トリプル、4連…と出玉は伸びていく(連チャンの仕組みは後述)。


一発台やオマケチャッカー機が消えて行く中で、4000発近い出玉の期待できた
フルパンは、古くからの一発ファンにとっても魅力だった。さらに、大当り中の
連チャンまで重なれば、嫌でも人気が出るというものだ。電チューのメモリーに
「F」(最大255個の入賞を記憶)まで用意あったのは、明らかに「連チャン機」
との前提であろう。当初は関西の設置が主だったが、次第に、東京や神奈川など、
首都圏エリアでも設置は増えていく。


マイホでも人気は高く、小田急線・向ヶ丘遊園駅北口の「ニューギンザ」では、
完全なる目玉機種だった。ちょうど、景品カウンター前がフルパンのシマで、
いつ見ても、空台が出ない程の人気。その分、デジタルの回りはイマイチ
だった記憶もあるが、出玉も多いし連チャンするしで、随分お世話になった。


同じ頃、この店には権利モノ「スーパースリー」や「ニューヨーク※」(共に三洋)
なども置いてあり、大量出玉ファンにも満足のいくラインナップだった。そうそう、
一発台「ターゲット」(三共)も、新要件の初期までは、まだこの店に残っていた。
因みにスロは4シマあって、奥の2シマがリノ、手前2シマがコンチネンタルI。
どちらもバリバリに連チャンして、大いに賑わっていた事を思い出す。
(※ニューギンザは、「ニューヨーク」の後釜として「マンハッタン」も設置)


本機の解析結果が出るまでは、連チャンシステムを巡って、様々な憶測が流れた。
また、各地で「裏物」絡みの情報が出たりして、何かと話題になる事が多かった。
ともかくも、当時多くのファンを魅了した、「名機」の一つである事は疑いない。


では、ここでフルパンに関する二つの「論点」(自分がそう思うだけだが)
について、少々説明を加えたい。やや難解な話も絡んでくるが、ご辛抱を…。



(論点1)
~フルパンの連チャンについて~

フルパンの目玉である「保1連チャン」だが、他の連チャン機のような、
「保留上書き回避」や「大当り乱数へ書換」といった仕組みではない。
あくまでも「物理的要因(時間的設計)」で、あの香ばしい連チャンを
誘発しただけである。以下、その仕組みについて説明。


・本機は、始動チャッカー入賞の瞬間、大当り判定を行うのではない。
デジタルが始動開始後、左デジがスローに切り替わる直前、任意の
乱数を拾って当否の判定を行う(連続回転中であっても同じ)。

・大当り判定カウンタは「0~239」の計240コマ。

・乱数の移行速度は0.0041秒につき+1コマ。
(同社の「ランバダ」「エスケープ2」も同速度)

・大当りカウンタの周期は、240×0.0041=0.984秒。
(ランバダは4.2秒、エスケープ2は2.24秒と長め⇒体感器攻略)

・拾った乱数が「1」で大当り。他はハズレ(大当り確率1/240)。

・デジタルは「左⇒右⇒中」の順に停止。左右ゾロ目でリーチ。

・デジタル停止処理、大当り中のチューリップ動作の処理などを、
内部の「タイムカウンタ」(1コマ=0.0041秒が単位)が管理。
(各デジタルを何秒回す、電チュー何秒開放といった挙動を制御)

・このタイムカウンタと大当りカウンタは、いずれも
移行速度が「1コマ=0.0041秒」で同調関係にある。

・以下は、各動作の処理における時間的特徴。
(デジタル始動⇒リーチ発生⇒大当り(消化)⇒連チャンの
流れを、タイムカウンタで見た場合の動き)

(1)「デジタル始動から、乱数取得(左デジがスローになる直前)まで」の
間隔は、常に一定。タイムカウンタで表すと、「1314コマ(5.3874秒)」。

(2)「乱数取得から、右出目停止まで」の間隔も、常に一定(400コマ)。

(3)「リーチ発生時の中デジタル回転時間」は不定。中デジは22図柄あり、
リーチが掛かった瞬間、中デジがどの図柄でスタートするかで、大当り図柄で
最終停止するまでの回転時間も、22通りに変化する。

(4)「中デジ停止(大当り)から、(大当り中の)保1デジタル始動」の
間隔は、常に一定。全デジタルが揃った直後の「待機時間」(37コマ)に、
大当りの各動作(7249コマ)を加えた、計7286コマ(≒29.9秒)となる。

(5)「保1デジタル始動から、乱数取得まで」の間隔も、常に一定。
((1)と同じで、1314コマ)


・繰り返すが、「大当り」とは、240コマ(0~239)の範囲の
大当り判定カウンタで、大当り値「1」を拾った事を意味する。

・大当りカウンタとタイムカウンタは、移行速度が「0.0041秒」で
ピッタリ重なる。ここで、上記(2)~(5)のタイムカウンタ上の
合計コマ数が「240(コマ)」の倍数ならば、(2)の乱数取得時に
大当り値「1」を引いている以上、(5)の乱数取得時も同じ周期で
「1」を拾う事になる。これが保1連のカラクリである。

・だが問題なのは、(2)(4)(5)の合計が不変でも(計9000コマ)、
(3)の「中デジ回転時間」が、毎回一定でない点だ。先述の通り、初当りの
リーチ発生時、中デジのスタート図柄は22通りある。よって、大当り図柄で
停止するまでの時間も、計22パターンと大きくバラつくのだ。

・ここで、リーチ発生後の中デジは「19~40コマ※」の範囲で進むが、
そのうち、移行コマ数が「22、26、30、34、38コマ※」の何れかで
あった場合、(2)~(5)のタイムカウンタ合計は、何れもキッチリ
「240の倍数」になる。デジタル回転時間や、大当り中の電チュー開放時間
など、全て連チャンに繋がるよう、巧みに計算された設計である。

※この場合の「コマ」は、「図柄1つ分」を意味する。
(タイムカウンタのコマ数(0.0041秒刻み)とは違う)
リーチアクション中は、中デジが1図柄動くのに、タイムカウンタでは
「60コマ」の時間(=0.246秒)を要する。実際は「22×60=1320コマ」
「26×60=1560コマ」「30×60=1800コマ」…という具合になるが、
こうした各値に(2)(4)(5)の合計「9000」を足すと、ピッタリ
「240」で割り切れる値となって出てくるのだ。

(例)
・1320+9000=10320 10320÷240=43 あまり0
(ちょうど大当り周期「43周」分の時間)
・1560+9000=10560 10560÷240=44 あまり0
(ちょうど大当り周期「44周」分の時間)
以下同じ。

連チャン確定となる、リーチ発生時(初当り)の
中デジタル移行コマ(図柄)数(計5パターン)

・22コマ…ちょうど1周で停止
・26コマ…1周+4コマで停止
・30コマ…1周+8コマで停止
・34コマ…1周+12コマで停止
・38コマ…1周+16コマで停止


リーチ時、中デジの移行パターンは、「19~40コマ」の全22通り。
そのうち、連チャンが確定するパターンは上記の5つ。よって、
連チャン率は5/22=約22.3%となる。但し、事前(大当り中、
保1消化開始の予定時間前)の保留点灯が必須であることは、
言うまでもない。


で、この中出目移行コマ数を、リーチ図柄から見て逆算したのが、
当時、各攻略誌に掲載された「リーチ時の中出目一覧表」である。


★リーチ時の中出目一覧表
(連チャンが確定する、中デジのスタート図柄)
・左側の数字→リーチ図柄
・右側の数字→リーチの瞬間の中出目
・赤文字=赤デジ、緑文字=緑デジ

0…0,2,4,6,8

1…1,3,5,7,9

2…0,2,4,6,8

3…0,H,3,6,8

4…1,2,4,7,9

5…0,H,3,5,8

6…1,2,4,6,9

7…0,H,3,5,7

8…1,2,4,6,8

9…H,3,5,7,9


初当りのリーチで、中デジが上の各出目から回転を始めれば、
(保留点灯を条件に)連チャンが確定。この早見表を財布に
入れたり、丸暗記したりしたフルパンフリークも多かったハズ。
リーチの瞬間の中出目は、一瞬だが案外ハッキリと見えるから、
慣れれば、判別もわりと容易。


中には、「連チャンか否かのドキドキ感が減るから、出目は読まない」
と考えるファンもいた。ただ、連チャン確定パターンで保留無点灯だと、
何としても点灯の必要に駆られた訳で、中出目の先読みさえ出来れば、
対策を取ることも可能だった(出玉をある程度犠牲にして、大当り中、
通常ストロークに戻して保留ランプ点灯を狙うなど)。


~まとめ~
フルーツパンチの連チャンは、初当りで乱数を拾うタイミングから、
大当り中、保1消化で再び乱数を拾う迄の時間を、大当りカウンタの
周期(240コマ、一周0.984秒)の「倍数」となる時間(コマ数)に
なるよう、各挙動のタイムカウンタが設定してあって、保1消化時に
タイミングよく大当り値を拾う事で発生。この際、初当り(リーチ)時の
中出目回転時間が、連チャンか否かの重要ポイントとなる。この場合に、
どの図柄のリーチも中出目回転時間は22パターンに分かれるが、そのうち
特定の5パターンならば、保1連発生。よって、連チャン率は5/22≒22.7%。
無論、保留ゼロのままでは無効。




(論点2)
連続回転を240回キープすると、必ず大当りする理由 

フルパンには、「連続回転を240回キープすれば、必ず大当りする」という、
「天井」チックな面白い特徴もある。これには、単純だが奥深い理由が存在。

大当りカウンタとタイムカウンタが「同調」していることは、先述した。
加えて、連続回転中は、デジタル始動⇒次のデジタル始動までの時間が、
リーチが発生した場合を除き、常に一定である。つまり、この条件では、
絶えず「同じ間隔」で、大当り抽選が行われる事になる。
(乱数取得タイミングは、常に「左デジがスローになる直前」なので、
保留が点灯したタイミングは、取得する乱数に何ら影響を与えない)

具体的には、

・デジタル始動→乱数取得(タイムカウンタでは1314コマ)
・乱数取得→右出目停止(400コマ)
・右出目停止(非テンパイ)→中出目停止(440コマ)
・全デジタル停止後の待機時間(277コマ)

となっており、タイムカウンタの合計は「2431コマ≒9.97秒」。

つまり、連続回転中(リーチ無しが条件)は、ひたすら「2431コマ間隔」で
大当り抽選が行われる。ここで、「2400」は大当りカウンタ「240コマ」の
倍数で大当り周期と同調するから、余った「31」がハズレ時の「実質的な
移行コマ数」となる。即ち、非リーチのハズレ出目が続く限り、次の回転で
拾う乱数は、前回拾った乱数値に「31」を加えた値となる訳だ。

フルパンの大当りカウンタは「0~239」の240コマだが、240コマ周期で、
0から数字を31ずつ順に足していくと、実は一度も同じ乱数値を取らない。
31、62、93、124、155…(240を超えたら0に戻る)と計算して行くと、
0~239の各値が重複せず、全て1回づつ出現。つまり、どんなにハマっても、
240回転目まで回せば、必ず大当り乱数「1」にぶつかるようになっていた。
無論、1回転目に拾った最初の乱数次第では、240回より早く当る事もある。
以前、リバティベルIVの「5G連の謎」を解説した際も、同じような数値
(素数の「31」)が出てきたと記憶する。


但し、この「連続回転天井」、途中でリーチがかかってしまうと、
大当り判定の間隔がその瞬間にズレてしまう為、アウトとなる。
しかし、当時のフルパンの釘で、連続回転を240回キープするのは
至難の業だった訳で、現実的に見れば、天井の恩恵に預かる事など、
ほぼ無かったのだが…そのカラクリだけでも、明らかにしておきたい。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 378

Trending Articles