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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ディスクジョッキー(大一、ハネモノ)

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1989年(平成元年)に大一商会から登場した
旧要件ハネモノ「ディスクジョッキー」


★賞球:8&13
★最高8ラウンド継続
★大当り中、下段ステージ奥に1個貯留


1990年夏、小田急線・向ヶ丘遊園北口の「ニューギンザ」
(現:Ginza P-Style)で初打ち。というか、同店以外で
触った事がなく、マイナーな部類に属した台と思われる。


文字通り、「ラジオのDJ」がモチーフで、ヤクモノ内には
二人のDJが陣取る。しかし、このDJは普通の人間ではなく、
「マイクが洒落たサングラスをかけている」という、何とも
コミカルな「擬人キャラ」であった。
(盤面上部左に、DJキャラのイラストが描かれている)


ヤクモノ構造は一見シンプルだが、要所でファンを魅了する
巧みなギミックを取り入れており、玉の動きには味があった。
そういえば、当時の大一は、本機の他にも「ピーコック」や
「安全大一P1(P2)」等、ちょっと風変わりだが妙にソソる、
「まにあっく」なハネモノを数多くリリースしていた。


本機のヤクモノは、上段、下段ステージの「二層構造」。
上段ステージは手前と奥に分かれていて、手前半分は
透明プラスチックの固定式ステージ。ハネが拾った玉は、
まず上段手前に乗る仕組みだ。一方、奥側は固定でない
「可動型ステージ」だが、通常時、ハネが開いた瞬間に
可動床がパタリと縦に倒れてしまい、ステージとしての
役割はあまり果たさなかった。一方、大当りになると、
貯留解除まで可動床は倒れることなく、ステージの働きを
見せた。こうした動きの違いから、通常時と大当り中では、
上段から下段にアプローチする際の、玉のルートが異なる。
この落下ルートの違いが、本機の「肝」だったと言えよう。

また、上段ステージ奥には、下段に玉を送る縦型の回転体も
配されていた。「左端・中央・右端」に三分割された構造で、
水車のように縦回転するが、コチラは主に大当り時に活躍。


一方、下段ステージは上段と違って一枚板だったが、上から
落下した玉が手前に転がるよう、スロープ状になっている。
また、下段奥のセンターには、玉を1個のみ貯留可能な
スペースがあって、そこを起点にV方向へ向かう、小さな
レール(ガイド)もあった。但し、通常は貯留スペースの
ストッパーが出ておらず、貯留も行わない。あくまでも、
上段手前の透明ステージに乗った玉がダイレクトで落下後、
手前中央方向に転がって、Vに入れば大当りとなる。
以下、これらの動きについて、さらに説明しよう。


左右オトシ入賞で1回、ヘソで2回ハネが開閉。ハネが拾った玉は、
上段の透明ステージ上でクッション後、奥に転がってから落下。
この時、仮に最奥部まで転がれば、回転体を経由して下段奥に
運ばれる。だが、先述の通り、通常時はチャッカー入賞後に
奥の可動床がバタリと倒れてしまう為、回転体まで到達する
玉のルートは、(ほぼ)閉ざされていた。

稀に、ヤクモノに勢いよく飛び込んだり、ヤクモノ入賞の
タイミングが普段とズレたりすれば、回転体に届く場合も
あった。だが、それはレアパターン。ヤクモノに入った
玉の多くは、上段ステージ手前の透明ステージ上でいったん
クッションしてから奥に転がり、奥の可動床が倒れて空いた
空間から下段ステージ中腹に落下。さらに手前V方向へと
折り返すルートを取った。この時、馬鹿正直に下段中央に
落下するよりも、多少左右にブレてから落ちた方が、
下段の玉のアクションが変化してVに入り易かった。

一方の下段ステージは、割とシンプルで平坦な構造だ。但し、
ステージ上の玉が手前に進むように、多少「傾斜」していた。
上段から落下した玉は、下段ステージを手前に折り返して、
Vゾーン方向に転がる。Vは手前中央、その左右はハズレ穴。
角度よくステージ上を転がった玉が、Vに入れば大当りする。
なお、初当りの段階で、まだ「貯留」は絡まない。



首尾よく大当りすると、下段ステージ上(センター奥)の貯留
スペースにストッパーが働いて、1個貯留が可能になる。また、
貯留解除前は、上段奥の可動床が倒れるカラクリもないので、
手前から奥の回転体を通り、下段奥に向かうルートができる。

つまり、通常時は上段手前から直接下に落ちるルートが
メインだったのに対して、大当り中(貯留解除前)だと、
必ず回転体を経由して、下段奥⇒手前V方向へと動く。


この回転体は「左・中央・右」に3分割されていて、
左右が橙、中央がシルバーに色分けをしてあった。
上段で両脇にばらけて左右の回転体に乗った玉は、
そのまま下段奥左右から出てくる為、センターの
貯留スペースに収まりづらい(絶対乗らない訳では
ないが)。一方、中央の銀色回転体に入った場合は、
下段ステージ奥の中央から再び出てきた玉が、ほぼ
確実に貯留スペースに収まった。同じ回転体への
入賞でも、両サイドと真ん中では大違いである。

解除された貯留玉は、手前に伸びた短いレールに乗り、
安定した状態でVゾーン目指してコロコロ直進する為、
高確率で継続となった(後続に弾かれるとアウトだが、
止め打ちで対応)。貯留さえあれば、継続率は高い。

肝心の貯留解除タイミングは、ハズレ7カウント又は
ハネ12回開閉後である。解除後は、通常時と同じく、
上段ステージ奥の可動床がバタリと倒れてしまう為、
回転体を経由して下段に送られる玉のルートは、(ほぼ)
無くなってしまう。故に、パンク確率も大幅アップする。

つまり、各ラウンドで、下段奥に1個貯留するか否かが、
V継続を左右する最大の「肝」となった。但し、中央の
銀色回転体を通らないと、確実な貯留は難しい(たまに、
左右の回転体経由で、貯留に成功する事もあったが…)。

運が悪いと、ハネに拾われた玉が上段ステージ上で
立て続けに左右に逸れてしまい、両サイドの回転体
ばかりに入賞して、早いラウンドであっさりパンク
する事も多かった。無論、ハネの空振りが続いて
ヤクモノにさえ入らないと、さらに焦りは増した。
「ヤクモノに入れ、中央回転体に入れ、貯留しろ!」と、
常にジリジリ・ハラハラさせられた、大当り中の感覚。
まさに、ハネモノの「醍醐味」である。


件の「ニューギンザ」では、主にデジパチや一発台、
パチスロをよく打っていたが、資金が乏しくなると
ハネモノのシマに立入る事もままあった。手持ちの
残金1000円を百円に両替して、「これでダメなら
メシ抜き」と覚悟して、未練がましくハネモノで
勝負を挑む。これが運よく打ち止め2500個に届き、
5000円チョイにバケる事もあって、まるで天下を
取ったが如く舞い上がった。ジェットで玉を流し
カウンターで特殊景品のライタ―石をお姉ちゃんから
受け取ると、裏口から路地を伝って小さな換金所まで
出向き、勝ち金を受け取る。そのまま店へと引き返すが、
無性に腹が減っていると気づき、路地沿いの角地にある
古いラーメン屋で(ニューギンザの裏口と換金所の間に、
当時「ばんだい」という小さなラーメン屋ががあった)
「ラーメン+餃子+ライス」の祝勝会。ささやかだが、
身も心もポカポカに温まる、至福のひと時であった。
しかし、残った数千円は、調子に乗って座ってしまった
ドリームXやエキサイト麻雀などに吸い取られて終了…。
そんな感じで、大学の授業もそっちのけで途中下車して、
ホールに通う毎日だったあの日。実に愚かしい青春だが、
今となっては、古き良き思い出でしかない。


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