ブログを開設して、今日でちょうど「2000日」が経過。
2000日、約5年半。長いような、短いような。
まぁ、元来が飽きっぽい性格の私にしては、随分と辛抱強く
ここまで続けてこられた気もする。
ブログ開始当初から、自分の持ちうる限りの知識と情報を
供出し続け、「90年代パチンコ・パチスロ」研究の一助に
なれば…と思い、拙い文章だがあれこれと書き綴ってきた。
ただ、最近は齢四十半ばを超え、「記憶の劣化」との闘いにも
なってきている。また、パチ・スロ実戦そのものから長いこと
遠ざかった影響で、現役当時ならば「当たり前」と思っていた
事柄さえも、遠い過去の物語になりかけている。
その為か、記事でも信じられないような記載ミスや錯覚を犯す
機会が、しばしば見られるようになった。その都度、「なんで
こんな簡単なこと間違うかな…」と激しい自己嫌悪に襲われる。
(なので、ミス発見の際は非公開コメにて、そっとご指摘を…)
また、ここ最近は、ネットにおけるレトロ情報も、ブログ開設時の
5年半前とは比較できないほど、非常に充実したものになっている。
実機動画しかり、90年代レトロ番組動画しかり、基板解析サイト
しかり…である。果たして、そのような情報氾濫の状況にあって、
一個人の回顧録・備忘録に過ぎないような当ブログに、いか程の
存在価値があるのかと、自問自答することも少なくない。さらに、
近頃はレトロに絡んだ商業主義の波も押し寄せていて、幾ら詳細に
書き連ねたところで、自分には一銭の経済的利益さえ生まれない
このサイトに、ある種の虚しさを覚えたりする(完全にグチだな)。
まぁ、そんな感じで、年頭の強い決意とは裏腹に、このところは
ブログ継続の「意義」そのものを、自身に問い続ける日々が続く。
だが、ここ迄しぶとく続けてきた以上、また、こんなブログでも
楽しみにして下さる読者の方が少しでもいらっしゃる以上、己の
ネタが完全に尽きるまでは、しっかりとやり切るべきであろう。
そんな訳ですので、今後も引き続き、当ブログをご愛顧のほど
どうぞ宜しくお願い致します。
さて、随分と前置きが長くなったが、今回はこの台を振り返る。
(C)Takayoshi Inoue
1998年(平成10年)にネットから登場した
4号機「ダブルウルフVCT」
CT草創期に出回った本機。同名の漫画(井上貴良氏の描いた作品)との
タイアップ機として、98年に登場した。「クロスCT」(業界初のCT機。
コチラも井上氏とタイアップだった。赤坂の「エスパス」で打ったな…)
に次ぐ、ネットのCT機・第二弾である。
なお、パチにおいても同時期、サミーのドラム機「黄龍の耳S」(1998年)で
井上氏とのコラボを果たした。その井上氏というと、かつてヤングジャンプで
連載された「マッドブル34」を、学生時分に通学電車内で毎週楽しんでいた。
さて、「CT」といえば、無論「チャレンジ・タイム」の略称だ。一般ファンである
私の拙い理解だと、CTとは、ビッグボーナス当選時の内部抽選に当たり、ビッグ後に
全リール又は特定のリールが「無制御」となり(各リールの制御の組合わせは6通り)、
一定ゲーム間、目押しで(ボーナス及びリプレイを除いた)小役を自由に揃えられる
状態を指す。
規定では、Bタイプをベースに、最高214枚までのCT純増が許されていた。
また、CT突入率は「8/10」以下とされ(REG搭載なら「9/10」以下)、CT終了
条件は(1)BIG成立時、(2)純増上限枚数(最大214枚)到達時、(3)(最大)
150GのCT消化時とされた。実際は、この規定に基づき、各機種毎にスペックも
様々に異なっていた訳だが。
元々は、1995年に「CRパチスロ」(パチンコのCR機台頭に鑑みて出された案。
カード対応で、パチになぞらえてビッグの「確率変動」機能を搭載)なる構想が
取り沙汰され、一時は実現かと期待されたが、規定の縛り等で立ち消えとなった。
その代替案として、1996年秋にCT機の構想が大々的に報じられた後、1997年5月の
新台発表会(於:パシフィックホテル東京)で、各メーカーはCT付きの「試作機」を
自社ブースに展示(但し、展示機は全て「検定不合格」のもので、機種名もなく、
下パネルに「チャレンジタイム展示用試作機」の無機質な文字のみ書かれていた)。
そして、その発表会から半年以上経った1998年2月、ようやくネット「クロスCT」
とサミー「ウルトラマン倶楽部3」が検定を通過。そして待望のホールデビューを
飾った…という一連の経緯(長い苦労の歴史)がある。
以後、本機やエスプ(瑞穂)、チェリー12X(アルゼ)、ウルフエムX(同)、ジャパン2
(サミー)、トリプルライダー(同)、ハロウィンIIVCT(ネット)、アバロンD
(パイオニア)、スロッティア(タイヨー)、フルーツトリオCT(高砂)、
クレオパトラ(オリンピア)、ピンクパンサー3(山佐)など、個性的なCT機が
立て続けに登場。特に、ECJが1999年に送り出したアステカの大ヒットで、CT機の
人気は頂点に達する。さらに、そのアステカの後継機であるワードオブライツや
デルソル2、NJCT、ディーエイチ2といったアルゼ系機種、北電子のメキシカンCT2、
ネットのフライングアイズVCT、ハロウィンSCT、そして初代マンクラの後を継いだ
ウルトラセブンファイナル(サミー)など多くのCT機が世に出回り、ファンの支持を
得た(り得なかったりした)訳だ。
やがて、RT機、AT機、ART機、ST機など新機種の台頭で、その使命を果たしたかの
如く下火になったが、90年代末~2000年代初めにかけて、CT機は4号機時代における
「一大ブーム」を作ったといえよう。とりわけ、「フラグ成立」が払い出しの大前提
だった従来のスロと比した時、フラグと無関係に目押しで払い出しが得られたCTの
ゲーム性というものが、スロの方向性自体を大きく変えた。そのCTの恩恵を得るには
一定の目押し力が求められた点も、若いスロッター達のチャレンジ精神を強く刺激。
結果、CT時代のスロは、存分に盛り上がりを見せたのだった。
またまた前置きが長くなったが、今回紹介する「ダブルウルフVCT」も、そういった
CT機のパイオニア(メーカー名ではない)として、コアなファンを虜にした一台だ。
存在自体は、かなりマイナーではあったが…。
(ボーナス確率)
(各役払い出し)
個人的には、新宿・歌舞伎町(西武新宿駅近く)の「エルニド3」にて実戦。
真向いの小さなスロ屋「スロットクラブエスパス3」のシオサイ30を堪能後、
まだ物足りぬ…とばかりに、路地向いのエルニド3にハシゴした機会も多い。
エルニド3の1Fには、本機やマンクラ、クレオパトラといったCT機が並び、
さらに一番奥のシマには、アルゼのBCタイプ(CT機ではない)「シルバー
ブレット」なんかも置いてあった(しかもよく打った)。今思えば、相当
「まにあっく」なシマではなかろうか。
この店のCT機は、クレオパトラこそ打ち込まなかったが、定番のマンクラには
好んで座ったし(靖国通りの「グリンピースタワー」3Fにも、大好きだったECJ
「ボーナスショップ」の背後にマンクラがあって、何度も実戦した記憶アリ)、
活動範囲であまり設置のなかった本機も、物珍しさも手伝って何度も対峙した。
(同じくマイナー機のクレオパトラも、しっかり打っておけば良かったと反省…)
因みに、新宿エルニド3は、3Fにもエスプ、ジャパン2、チェリー12Xといった
CT機を設置(チェリー12は「集中付きCT機」だが)。何気にラインナップの
豪華な店であった。余談だが、当時2Fに並んだビーマックスのシマで、「設定6が
ないものか」と、必死に打ち回っていたのも懐かしい(同チェーンは、低換金・
高設定多数がウリだった(次第に信憑性は落ちていった感じだが…))。
本機のボーナスはビッグのみ(先行機クロスCTにはREGも存在)。小役ゲームも
2回までと少ない(Bタイプ)。また、肝心のCTについては、全設定共通で突入率
60%となっており、クロスCTやマンクラの「1/2」よりは高い。ただ、本機との
個人的相性というかヒキは弱く、逆に6割の確率でCTを外していた感じだ。
CT当否の結果は、ビッグ終了後、リール窓右の「スピンラック(インジケータ)」
で告知される。先行機クロスCTにも付いていた抽選用ランプで、その後もネットの
CT機に引き継がれている。時計周りでランプが回転を開始後、上下左右4か所ある
停止位置のうち、上か下(「HIT」の表示)で止まればCTに当選、左右(「OUT」
表示)ならハズレとなる。表示上1/2だが、内部では先述の通り、設定差無しの
60%(3/5)である。
(リール窓右のCT抽選用ランプ「スピンラック」を図解)
上か下の「HIT」にランプが止まればCT。左か右の「OUT」
ならハズレ(上図は上のHITに停止の為、CT当選を意味)。
CTに突入すると、第1、第2リールが「引き込み制御」、第3リールが
「無制御」となって、目押しで小役(ボーナス、リプを除く)を揃える
事が可能。但し、マンクラ(99G)やアステカ(150G)とは違って
CTが最大60ゲームと短い。なるべく早めにMAXの200枚(201枚
到達でパンク)近くまでコインを増やして、現状維持に切り替える。
全図柄の直視は容易ではなかったが、本機の場合、各リールに1か所
「チェリー」が配してあり(左は2連チェリー)、チェリーを基準に
目押しすれば、難易度も下がる。なぜなら、各リールのチェリーのみ
「赤く光っていた」から。別に、赤い蛍光塗料が塗られていた訳では
なく、チェリー図柄のみが「透過式」になっていて、リール奥で赤く
光るランプが、チェリーの隙間から透けて見えた為である。この方式は、
同時期に設置された、同じネットの「サハラ」(時系列上、大量獲得タイプの
元祖とされるが、獲得枚数はA-400に毛の生えた程度)でも採用されており、
目押しのアシストに一役も二役も買った(元々、同社「トリップデビルV」の
BARが発端だが、アチラは配列上見づらかった)。よって、本機のCT中は、
各リールにチェリーを狙うのが基本。CT消化の手順には「順押し」と
「逆押し」があるが、今回は「逆押し手順」を紹介する。
(1)CT中、コイン増加を狙う時
(a)右リール下段or枠下にチェリー狙い
(b)中リール枠内にチェリー狙い
⇒引き込み制御で、8枚役と12枚役が上段受けWテンパイ。
(c)左リール中・下段に2連チェリーをビタ
⇒成功すれば、12枚と2連チェリー(6枚)の複合で15枚。
1コマ遅くても、8枚と角チェリー(4枚)の複合で12枚。
1コマ早いと、2連チェリーの6枚のみ。
(2)CT中、現状維持を狙う時
(a)及び(b)は(1)と同じ
⇒8枚と12枚の上段受けWテンパイ。
(c)左リール上段に赤7をビタ
⇒テンパイラインに赤7を狙えば、8枚も12枚もチェリーも外せる。
なお、CT消化中の獲得枚数は、リール窓右下にあるZ型ランプ(スピン
ラックの真下に配置)で把握。25枚刻みで、緑と赤のランプが上から
下に順次点灯して、打ち手に知らせる仕様だった。
CT枚数表示ランプ(図解)
CT中は、ランプ下段の右から2番目の緑ランプ(175枚以上)が
点灯するまで、上記の15枚獲得手順(1)をひたすら行う。そして、
緑ランプが点灯したら、現状維持手順の(2)に切り替える。後は、
緑ランプ消灯で(1)、点灯で(2)と繰り返せばOK。完璧な手順
ではないが、目押しの負担は少ない。CTが残り6Gになったら、
手順(1)で15枚を連続獲得。201枚以上取ってCTを終了させる。
因みに、CTの残りゲーム数は、リール窓上部の小さな「7セグデジタル」
で表示される為、一目で把握できる。因みに、この7セグが、レバーオン後に
銃声と共に消灯すれば、ビッグ成立=CT連チャン確定となる。この時、成立
ゲームはCT制御のままなので、15枚を1回取ってから次Gでビッグを揃える。
(リプレイハズシ)
ビッグ中のメインは8枚役(取りこぼし無し)。12枚役もたまに揃う
(左のみ取りこぼしアリ)。ハズシはビタだが、一定の効果があった。
CT中と同様に、各リールで「光るチェリー」を目安にすれば判り易い。
1回目の小役ゲームは、順押しで左にチェリー狙い。中・右は適当押しでも
12枚役の取りこぼしは無い。
2回目に入ったら、残り10ゲームまでハズシ実行。「中⇒右⇒左」の順で。
まず、中リール中段にチェリーを狙う。そのまま停止なら、右を適当打ち。
中・右で8枚がテンパイしたら、左枠上or上段に赤7を狙って、8枚ゲット。
一方、中・右でリプレイが下段テンパイしたら、左のテンパイラインに
2連チェリー下の12枚をビタでハズす。難しいが、赤く光るチェリーを
基準にした、タイミング押しも可能だ。
最初に押した中リールが1コマスベった場合、右を適当打ち。中・右で
12枚が上段にテンパイしたら、左はチェリーを目安に12枚狙い。一方、
中・右でリプレイテンパイなら、テンパイラインに2連チェリー下の12枚を
ビタ押し。残り10Gからは、順押し・左12枚狙いに戻す(2連チェリーを
目安に)。
(リーチ目)
0枚役揃いでチャンスとなったが、ラインによっては普通にガセる。但し、
中段と右下がりの0枚揃いは鉄板目(0枚が左右で挟んだ形でもアツい)。
ビッグ図柄の一直線や山佐型もリーチ目を作るが、やはり鉄板ではない。
右上がりの「赤7・WOLF・WOLF」とか、中段「赤7・赤7・WOLF」、
「赤7下段テンパイ⇒右上段WOLF」は鉄板。「左上段WOLF⇒右上段
WOLF」のハサミ目でも入り。また、変則的な形では、左に「上段WOLF、
下段赤7」が止まって、右の中段にWOLFが停止した「ズレ目」も入り。
なお、赤7付きのリプレイが右上がりに揃ったら、成立後のリーチ目だ。
(ネット「ダブルウルフVCT」の項、了)
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ダブルウルフVCT(ネット、4号機)
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