Quantcast
Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 378

CR-V(西陣、ハネモノ)

$
0
0

※記事中の記載ミス、勘違い、誤記などにお気付きの方は、
「非公開コメ」と明記の上、そっとご指摘頂けると有難いです。





(問題)
「パチンコ業界初の「CR」といえば?」


…なんだ、そんなの簡単じゃん。1992年夏登場の
初期CR機「CRフラワーショップ」(京楽)でしょ?



…と思った方、残念でした。正解はコチラ。






1990年に西陣から登場した旧要件ハネモノ「CR-V」
(賞球:オール13、別名「CR-Vスペシャル」)である。
(記事タイトルを見れば、すぐお気づきだろう)


なーんて。まぁ、冒頭の問題は他愛もない冗談の類なので、
サラッと聞き流して頂いて結構だ。なお、「初のCR機」は、
冒頭挙げた「CRフラワーショップ」(他にも数機種が
同時に登場)で正解。


CR-V…新宿・歌舞伎町コマ劇向い、今はなき「オデヲン」で打った。
あの店、大きい割には、頭上の呼出しランプがヤケに小さかったな。
赤、青、黄の横長ランプがビカビカ光るタイプではなくて、小さい
黄色の裸電球がゆっくり明滅するだけの、地味で古臭い大当りランプ。
でも、昭和の「風情」が感じられた(当時、向ケ丘遊園駅北口の小店
「銀座スター」も、同じタイプの黄色いランプだったと記憶する)。


そうそう、本機には賞球違いの兄弟機もあった。賞球11個の「CR-V11」。
13個戻しの本機を「CR-Vスペシャル」、11個戻しの方を「CR-V11」と
区別して呼ばれていたっけ。但し、ヤクモノの作りは共通。


兄弟機「CR-V11」(1990年登場)


本機は、ヤクモノでクルクル動き回る「回転盤」に最大の特徴があった。
しかも、通常時と大当り時では、回転盤の動きがガラっと変わるという、
斬新な面白さがあって、西陣の発想力が好きだったな。


ヤクモノ内では、円盤型の垂直回転盤が、正面を向いてタイヤよろしく
時計方向に回転する。この回転盤には、中央に1つ、外周部に等間隔で
6つと、合計7つの「突起」が付いていた。


(CR-Vの回転盤を簡単に図解(正面から見たところ)。赤い部分が
「突起」。突起の高さは、玉の直径と同程度。盤に打たれた「釘」の
ような存在。釘とは違い、回転盤と一体型なので常時動いているが。)



ハネ開閉時間は、オトシ入賞が0.5秒、ヘソ入賞で0.5秒×2回。


ヤクモノは二層構造になっていて、ハネに拾われた玉は、まず
上段の小さなステージ(奥に「CHANGE」と書かれた扉がある)
を経由して、手前中央に開いた小穴から、下段に落ちる。


その下段では、先述の垂直回転盤が時計方向に回っており、
上段からきた玉は、回転盤の前方を通過しながら落下する。
但し、落下の途中で、盤とともに動く「突起」に弾かれて、
方向や軌道を様々に変える。そうして落下した後、下段の
手前中央にあるVゾーンに入れば、大当りとなる訳だ(Vの
両サイドはハズレ)。盤の突起がV入賞を邪魔する事もあれば、
逆に、突起のアシストでV方向に導かれる事も、多分にあった。
この不規則性こそが、本機の大きな魅力の一つだったといえる。
なお、回転盤を通って左右に逸れた玉が、下段両サイドの壁に
ぶつかって、中央に戻ってVに入る「逆転パターン」もあった。


大きな盤面に並んだ釘に当たって、不規則に跳ねていた玉が、
今度は小さなヤクモノの回転盤の突起にも弾かれて、やはり
ランダムに落下していく。その様子は、まるで「大宇宙」と
「小宇宙」の対比・相似を見ているようで、ハネモノ独特の
ロマンさえ感じた(ちょっとオーバーか)。


さて、本機を打って驚かされたのは、やはり大当りの際である。
通常、正面を向いて回る垂直回転盤が、大当りの瞬間、やおら
後方に倒れて水平気味になり(手前に傾斜があるので、完全に
水平ではない)、今度は「反時計回り」に回転を始めるのだ。
即ち、メインヤクモノが垂直状態から水平(気味)に大きく
変貌して、回転方向も逆になる訳だ。このダイナミックかつ
立体的な動きが、打つ者を驚愕させて虜にした。その動きは、
同じ西陣の一発台の「ジェットライン」や、奥村のハネモノ
「ミルキーウェイ」を彷彿とさせるものだった(回転方向は
両者とも「常に時計回り」だったが)。


また、大当りすると上段ステージにも「変化」が現れる。通常時は、
上段で「CHANGE」と書かれた扉の手前の穴から落下するのだが、
大当りを契機に、「CHANGE」扉はパタリと倒れて手前落下穴を
塞いでしまう。同時に、扉のあった背後に、新たなルートが出現。
上段では通常ルートの手前ではなく、上段奥へと続く新ルートを
通って、下段に落ちるようになだ。「CHANGE」とは、かかる
上段ステージにおける、軌道の「変化」を示唆したものだろう。
また、通常時と大当り中では、回転盤の角度や回転方向などが
大きく「CHANGE」する…そんな意味も含まれていたハズだ。


上段奥から落下した玉は、下段奥から折り返すように手前へと転がる。
水平気味に倒れて反時計回りに動く回転盤の奥側にアプローチした後、
盤上の7個の突起をかいくぐるようにして、手前V方向へと向かうのだ。
無論、通常時と同様、玉は突起に弾かれて不規則に動くので、最後に
手前中央Vに収まるか、V両脇のハズレ穴に落ちるかは予想できない。
なお、Vの両サイドには小突起もあって、ハズレ穴に逃げそうな玉を
V方向に戻す(アシスト)ケースも、稀にあった。また、下段に落ちた
玉は、大半が回転盤の上を通って手前に向かうが、時には盤に乗らず、
盤の縁に沿って弧を描くように、手前に転がってくるケースもあった。


ハズレ4カウント後、ヤクモノの動きは変化。反時計回りに回り続けていた
回転盤が、「回転」⇒「一旦停止」の断続パターンに変わる。それと同時に、
倒れていた状態で上段手前の小穴を塞いでいた「CHANGE」扉も、一転して
「開閉動作」を行うようになる。上段を通る際、扉が倒れていれば今までと
同様に「奥」のルートから落ちるし、逆に扉が起き上がった状態ならば、
通常時と同様、「手前」から下段に落ちる。即ち、上段⇒下段へと向かう
ルートが、ハズレ4カウント後からは2通りに増える。これも、「CHANGE」
の一環といえよう。


特に、回転盤が停止している時は、外周の突起2本が丁度Vゾーンの正面に
来て止まるので、盤上の玉を手前Vへと導く「ガイド」の役割を果たした。
回転盤が止まっている一瞬こそ、V継続の大きなチャンスとなった訳だ。

また、上段ステージに着目した場合、ラウンド前半と同様に上段奥ルートで
落下すると、下段で盤と突起の「関門」が控えているから、ハズレも増える。
一方、CHANGE扉が動いて、通常時と同様に手前穴から下段に落ちると、
回転盤の前方に落下する為、回転盤に邪魔されずVに飛び込み易くなる。
このように、扉の開閉タイミング次第でV継続チャンスが生まれる点も、
本機の大きな特性といえた。


但し、回転盤には台ごとの「クセ」もあって、盤が止まった瞬間に、
二本の突起がピッタリ真正面に来ないで、少しズレた状態で停止する
「性悪台」も存在。これだと、折角の突起がVに導くガイドにならず、
Vを逸らす機会が増えてしまう。こうした「トラップ」を見抜くのも、
ハネモノを攻略するうえで、ポイントの一つだった。



件の新宿オデヲンは、場所柄、さほど甘釘で営業していた訳ではない。
ただ、低投資で「遊べる」台なら、そこそこ転がっていた記憶も残る。
本機は、初当りもある程度甘く、継続率も良好な部類に入る。条件と
しては、悪くなかったと思う(よく鳴くクセに寄りがサッパリな台は
ストレスがたまったが…)。当時、始めたばかりのバイト料が頼りで、
財布の中身も不安定だった私にとって、ある程度の投資で付き合える
本機のようなハネモノは、有難い存在であった。朝から晩まで打って、
見返りがたった1000発しかなくても、「安銭でパチを長時間打てる」
というだけで、無条件に嬉しかった。それが例え「ショボ勝ち」でも、
「勝って」家に帰れるというだけで、さらに気分は高揚したものだ。




しかし、今にして思えば、本機の「CR-V」という一風変わった
ネーミングの裏には、どういう意図が隠されていたのだろうか?


無論、当時の機種名には、抽象的で特段の意味を持たぬものもある。
だが、特にハネモノにおいては、機種名が台そのものの特性を明示、
暗示するケースが、決して少なくない。本機の場合も、何か特別な
意味が込められていたのでは、と今更ながらに疑問が生じる。


因みに、カード対応機「CR」の意味については、「Card Reader」
の略称、というのが一般的である(当初は「CaRd」の略とされた)。
ただ、CR機の話が大っぴらに世に出たのは、新要件時代の1992年。
一方、本機デビューの1990年夏といえば、まだ旧要件の頃である。
パッキーカードなどのプリペイドカードこそ存在したが、「CR機」
という名称それ自体や、それに関する具体的な構想などは、まだ
表に出ていなかったハズである。その時期、西陣がCR機を念頭に
本機をネーミングしたとは、正直考えづらい。


ならば、ヤクモノの特性に照らし合わせたらどうか。例えば、回転体は
「円運動」が特徴。英訳すれば「Circle」「Circular」「Circulate」
などが当てはまる。同様に、「回転体」や「回転」を英語で表記すれば、
「Rotator」「Rotation」或いは「Revolution(革命ではないよ)」
などが相当するだろう。「Round」なども円を意味するから、繋がりが
あるのかも…。こうした英語の頭文字を取って、「CR」と命名された
可能性はないだろうか。(「V」はVictory、Vゾーンの意味だろう)。

ひょっとすると、通常時と大当り中で回転体の動き(回転方向や角度)が
「変化」する特性を意味する、「Change Rotation」を略したのかも
しれない(「CHANGE」の文字は、ヤクモノにもあったし)。


因みに、全く同一の名称として、ホンダ四輪車の名称である「CR-V」
が思い浮かぶが、同車が世に出たのは「1995年」の話。本機よりも
5年も後の話なので、関係はないだろう(むしろ、ホンダの開発者が
本機のファンだった…?)。





(西陣「CR-V」の項、了)




Viewing all articles
Browse latest Browse all 378

Trending Articles