1996年に三洋から登場した現金機・3回権利物「ニューロードスター」
以前紹介した「CRニューロードスター」(1997年)の兄弟機(先行機種)にあたる。
前にも書いたが、このシリーズは当時、現金機が2機種、CR版が2機種の計4種類が出回った。ゲーム性はそれぞれ異なるが、いずれも個性タップリでファンは多かった。
3回権利の本機は活動エリア内での設置も多く、また寿命も比較的長かった為、2000年以降のスロメインの時期にも、しばしばお世話になった。CRよりこちらの方が、実戦頻度は上だった。
※参考:1996年~1997年に出た三洋から出た「ニューロードスター」シリーズ(4種類)
・ニューロードスター (1996年、現金機・3回権利、確率=1/317)
・ニューロードスター2 (1996年、現金機・2回権利、確率=1/247)※10カウントで出玉は多め
・CRニューロードスター (1997年、CR権利物、確率=1/239、1/263、1/289)
・CRニューロードスターV (1997年、CR権利物(中デジAは1R小当り)、確率=1/119、1/131、1/141)
(基本スペック)
★カラー液晶モニタ搭載
★賞球:7&15
★大当り確率:1/317(2、3回目権利時は1/31.7と10倍アップ)
★デジタル停止順:左⇒右⇒中
★大当り図柄:「1、ベル、2、エンブレム、3、ケン、4、自由の女神、5、車、6、メリー、7」(計13種類)
※兄弟機4機種のうち、本機のみ、デジタルに数字の「1」がある。
★デジタル回転時間の短縮機能あり(保4消化:5.6秒、保3・保2消化:7.5秒、保1消化:10.1秒)
★トータル出玉:約5900個(16R、9カウントor9.5秒開放。メインアタッカーの釘調整で増減)
★大当り時は、メインデジタル上の7セグ(1ケタ)で、ラッキーナンバーを表示
★実戦店…百合ヶ丘「J-ONE」、登戸「ハトヤ」、高田馬場「日拓EO」、調布「リラ」など多数
通常時、デジタルの背景は青。背景には4種類あり、リーチが外れる度に「海」⇒「草原」⇒「岩山」(峡谷)⇒「橋」と変化する。また、2回目、3回目権利時は、背景が「夕焼け」になる。画像は夕焼け(橋)の画面。
★★モチーフ★★
まさに「アメリカン・オールディーズ」という言葉がピッタリで、液晶画面・盤面・サウンドからは、いかにも「古き良き、60年代のアメリカ」的な雰囲気が、プンプン伝わって来た。
それが証拠に、主人公の若い男女は、アメリカの古い青春映画に出てきそうな、美男・美女のカップル。また、彼らの乗る車も、これまたコテコテの古めかしいアメ車(赤いオープンカー=ロードスター)だった。
ちなみに、男女の名前は、男が「ケン」で女が「メリー」。「アメリカ」=「メリケン」=「メリーとケン」的な、シンプルな着想だったと思われる(違ったら失礼…)。
さらに、BGMについても、以下に示すが如く、「50年代~60年代」のオールディーズ・サウンドを、全面に押し出していた。いずれも、三洋らしい軽快なアレンジが加えられている。
・デジタル回転音⇒「サーフィン・サファリ(Aメロ)」(ビーチ・ボーイズ、1962年)
・デジタル大当り時⇒「ラブ・ミー・テンダー」(エルビス・プレスリー、1956年)
・大当り中1~4R⇒「サーフィン・サファリ(サビ)」(ビーチ・ボーイズ、1962年)
・大当り中5~8R⇒「ダイアナ」(ポール・アンカ、1957年)
・大当り中9~12R⇒「ロック・アラウンド・ザ・クロック」(ビル・ヘイリーと彼のコメッツ、1954年)
・大当り中13~15R⇒「あなたに愛されたいのに」(お熱いのがお好き)(マリリン・モンロー、1959年)
・大当り中16R⇒映画「エデンの東」のテーマ(レナード・ローゼンマン、1955年)
※13~15Rの「あなたに愛されたいのに」(I wanna be loved with you)では、サウンド中、モンローお馴染みの「ププッピドゥー」も表現されていた(気がする)。
★★ゲーム性★★
ヘソのスルーチャッカー通過で、メインデジタル(3ケタ)変動。デジタル大当りで、盤面センター下の権利アタッカーが5.9秒開放。3個以上入賞で、貯留3個目がアタッカー閉鎖後にV入賞して、権利発生。
(デジタルが揃ってから玉を打ち出すと、3個入賞が間に合わずパンクの恐れもあった(但し、パンクしても内部確率は10倍アップ)。図柄が停止する直前に、フライング気味で打ち出した方が安全だった。
ヘソには賞球がなく、投資スピードは早かった。一応、ヘソ出口(盤面左下)の下に賞球口があり、三角釘でガードされていたが、ここが甘い調整なら投資は抑えられた(但し、ガッツリ締める店も多数…)。
ヘソチャッカーへのアプローチは、(1)ギンパラ譲りの「ワープゾーン」経由でステージから手前に転がるパターンと、(2)左右両サイドから直接ヘソに寄るパターンがあった。
権利中は右打ちで消化。右上・回転体と右下・メインアタッカーの連動で、出玉を稼ぐ(16R、9C)。
2,3回目権利時は、デジタル確率が10倍アップ。出玉は、普通に2,3回目が来れば、約5900個(アタッカー上の調整次第で、かなり変化する)。
しかし、2,3回目が「普通に」来ない事もあるから怖かった。もう17年前になるが、高田馬場・早稲田通り沿いの「日拓EO」という店で、前日に3万くらい勝って次の日も気分よく狙ったら、この日も見事1000円以内でお座り一発の当りが来た。頭の中は既に「連勝気分」だったが、2回目権利時に1/31.7とは思えぬほどデジタルがサッパリ当らず、おまけにヘソがシブくて回りも悪く、持ち玉はどんどん減っていった。結局、1回目の玉は全部飲まれてしまい、まさかの現金買い足しでやっと2回目が来た。「今度は大丈夫だろう」と思ったら、再び権利中にハマってしまい、3回目までに持ち玉を半分減らしてしまった。結局、3回権利後の出玉は3000発そこそこで、「二匹目のドジョウはいなかった…」と、ガックリうなだれて店を出た(チョイ勝ちではあったが…)。
一方、百合ヶ丘「J-ONE」は比較的相性も良く、店の左端に本機を一列、比較的長く置いていたので、実戦機会は多かった。無制限で釘はソコソコだったものの、確率「1/317」のハズが数珠連チャンのように100回以内でポンポン当り、あれよあれよという間に4万発近く出た事もあった。その日は、店の上階の洋食屋でハンバーグステーキを食らい、同フロアの中古CD屋で、好みのCDやらゲームソフトやらPS用のジョイスティックコントローラーやらを、大量に買い込んだのを思い出す(パチンコ・パチスロ絡みのゲームソフトも多数買ったな…今度、天井裏を捜索してみようか)。
★★リーチアクション★★
「ノーマル」「スターダスト(SP)」「竜巻(SP)」の3種類が存在。当時は、リーチをかなり凝った機種も多く、シンプルな本機のリーチを、「物足りない」とする評価もあった。しかし、個人的には、サッパリ当らぬ「捨てリーチ」が山程あるよりも、これ位シンプルな方が、むしろアツいとさえ思っていた。
そういえば、デジタル回転中、左右デジタルの間隔(ズレ)を見ながら、「これはリーチが掛かりそうだ」「これはダメだ」と、ある程度の予測ができたのも面白かった。
また、いくら回してもリーチすら来ない「ハズレ目の羅列」となる事が結構あって、「不調時は、リーチ確率が落ちる」と、オカルト的な発想にとらわれたりもした(笑)。
ノーマル(信頼度:0.96%)
背景はそのままで、中デジタルがクルクルと横回転。大当り図柄が近づくと、リーチ音が甲高く変わる。低信頼度で期待こそ出来ないが、意外なところで当ってくれたりして、結構ドキリとさせられた。
スターダスト(信頼度:20.58%)
ノーマルリーチ発生から8.4秒後(横回転で2周進んだ後)、背景が宇宙(黒)に切り替わり、中デジが縦(上⇒下)にスクロール。大当り又は―2~+1コマで停止となるアツいアクション。ただ、これは外れるのがデフォだったので、「当ればいいな」とは思うが、外れても諦めはつく。
竜巻(信頼度:60.20%(前) or 66.85%(後))
やはりノーマルから8.4秒経って、背景が黒い宇宙に切り替わる。スターダストとは違って、コチラは中デジが大当り図柄の前後で、交互に裏⇔表と横回転してジリジリさせた。中デジ上部では小さな星がクルクルと輪を描いて回っていた。これがゲキアツの「竜巻リーチ」で、約6割で大当りに繋がった。
中デジの動きには「大当り図柄⇔1コマ前をウロウロ」、「大当り図柄⇔1コマ後をウロウロ」の2パターンあり、前者は信頼度60.20%、後者は信頼度66.85%と、1コマ後の方が信頼度は高かった。
この竜巻を連続で外したりすると、コチラは諦めがつかず、モヤモヤが募って勝てない気がしたな…。