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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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タンブラー(京楽、一発台)

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1986年(昭和61年)に京楽から登場した一発台の名機「タンブラー」


★賞球…オール13


盤面センターに3つ縦に並んだ、回転式の「カイザーチューリップ」が特徴。いずれのチューリップも、玉が入賞するごとに上下がクルッと反転(普通のチューリップの「開閉」動作とは一線を画した)する仕組みで、躍動感があって楽しい動きだった(左右ソデにも、同じチューリップが存在)。また、大当り中の軽快でウキウキするようなBGMも、耳に心地良かった。


私は平成2年(1990年)のパチ・スロデビュー組だが、上の画像の「元祖・タンブラー」は、実戦の経験があまりない。主に打っていたのは、赤い盤面の「タンブラーA」※(元祖タンブラーのリメイク版。1987年登場)の方で、寧ろそちらを記事にしたかった。ただ、残念ながら「A」の画像が手元になく、レトロゲーセン「殿堂・蕨店」で以前撮った、「元祖」の画像をアップした次第だ。

※元祖タンブラーのセルを変え、さらに大当りチューリップ以外に入賞した時も大当り音(イントロ)が一瞬だけ鳴ると共に、盤面の電飾も点滅するようにしたのが、リメイク版「タンブラーA」。その他の構造やゲーム性は共通である。


90年当時、JR南武線の登戸駅前(前回記事で取り上げたエリア)の「いろは」という年季の入った店に、リメイク版の「A」が設置されていた(既にして年季が入っていた)。2.2円交換の4000発終了だったから、1回当てれば「約9000円」が約束された訳だ(焼肉屋裏の換金所は健在?)。

まぁ、同じ頃、都内では2.5円の5000発終了(12500円換金)や、等価で4000発終了(16000円換金)という一発台設置店もあったが、資金に余裕のないバイト学生にとっては、たとえ9000円でも、立派な「大金」だった。


この時期、2.5円交換メインの「新宿」エリアと、2.2円主体の「登戸」「向ヶ丘遊園」エリアの双方に、頻繁に通っていた。こうした換金差は、当然ながら、「釘」そのものの差となって現れた。新宿で一発台(全般)を打つ機会も少なくなかったが、「V穴に決めた」回数でいえば、遊園や登戸の方が圧倒的に多かったのだ(遊園「ニューギンザにあった三共「ターゲットI」など、たびたび「お座り百円」一発で決まった)。まぁ、新宿自体、元々シブいエリアだった事もあるが…。


在りし日の登戸「いろは」…駅前再開発で店舗は消滅。なお、後身のホールは、場所を変えて現在も営業中(「いろはビル」の建物名に、当時の名残を感じる…)。


そういえば、昔「銀玉マサやん」というパチンコ漫画が好きで、当時掲載していた「プ〇イコミック」(休刊)という漫画誌(パチンコ漫画誌ではない一般誌)を、コンビニや駅の売店でよく買っていた。その本誌だか単行本だかで、マサやんがシブ釘のタンブラーと勝負して、さんざ苦労するも、最後は見事に攻略する…といったシーンを読んだ事がある。
初期のマサやんは大の「一発台フリーク」で、本機やスーパーコンビ、ビッグウェーブといった名機との対戦も多かった(新要件初期には、コンビタイプの一般電役「メドレー」(三共)とも対峙)。あれは、やはり作者・堂上まさ志氏自身の好みが、前面に出ていたのだろう。




さて、本機のゲーム性については、今さら詳しく説明するまでもないだろう。まぁ、簡潔に言えば、盤面センターに上・中・下と回転チューリップが縦に三段並んでおり、命釘を抜けて一番上のチューリップに飛びこめば大当り。振り分け穴もなく、まさに「一発必勝タイプ」といえた。

但し、上チューリップに連続入賞して「パンク」する危険があった為、大当りと同時に、パッと右打ちに切り替える必要があった(それでも、パンクの恐れはあったが…)。


上チューリップに玉が飛びこみ、クルッと上下の向きが反転すると、それまで上チューリップの羽根が塞いでいた、中・下段チューリップへの入賞ルートが「開通」する。

後は、予定終了まで右打ちを続けるだけで、中・下段のチューリップが延々と出玉を稼ぐ。一発調整なら、右打ちでパンクする可能性は、ほぼない。チューリップに描かれた「不思議」な顔が、大当り中クルクルと反転を繰り返す様子が、実に軽快だった。
(なお、中・下段のチューリップは連動しており、中段入賞で、下段も反転する仕組み)


これは、中段チューリップを写したものだが、チューリップの構造はすべて共通。ご覧のように、羽根が下向きの時は、中央に描かれた顔が「王冠を被った、ツルツル・ヒゲモジャ・タレ目の老人(王様)」に見える。


一方、玉が入賞してチューリップが反転すると、「うっすらと笑みを浮かべた、釣り目の若者」に変わる(目の下のクマ(シワ)が、若干気になる)。これがご存知、遊び心タップリの「騙し絵」だ。

なお、本来なら、キチンとひっくり返ったチューリップの画像を出すべきだったが、画像が一枚しかない為、やむなく「上下反転画像」で代用…。)



ここで、本機の「タンブラー」という機種名と、「騙し絵チューリップ」との関係を考えてみたい。

まぁ、英語の「tumbler」の意味を調べれば、大方の予想はつくかな…という訳で、さっそく辞書を引いてみた。


tumbler(英)
1 (取っ手や足のない普通の)大コップ、タンブラー
2 転ぶ人 
3 宙返りする人、(特にとんぼ返りする)曲芸師
4 槓桿(こうかん=錠の中の回転金具)
5 起き上がりこぼし
など


一般的に、「タンブラー」といえば、容器の「タンブラーグラス」辺りがピンと来るが、本機の特性に鑑みれば、恐らく3番目の「宙返りする人」「曲芸師」といった意味が、もっとも適当ではないか。

つまり、チューリップの顔がクルクル反転する様子が、あたかも、身軽な曲芸師が連続で宙返りを決めているように見える…という事だ。

もし、そうだとすれば、やはり「身軽な曲芸師=若者」と考えるのが、自然であろう。

すなわち、この騙し絵の「正体」は、サーカスや大道芸など行う、「若いパフォーマー」ではないか。

身軽な彼(ら)が宙返りを決めた瞬間、ひっくり返った顔が、一転して「年老いた王様の表情」になる。それをお客に見せて楽しませるのが、彼(ら)の特技…という訳だ。

結局、「上向き」「下向き」どちらの顔が本当の姿かといったら、


こちらの「赤い帽子を被った若い曲芸師」が本来の姿で、



得意の宙返りで逆さになると、まるで「貫録タップリな王様の顔」に見える。このギャップこそ、彼の最大の「ウリ」だった…。

つまり、一番上のチューリップは通常「下向き」になっていて、この曲芸師は長時間、逆さ向きの状態でじっと耐え続けている。そして、打ち手がVを決めた瞬間、本来の「上向き」になって活力を取り戻し、大当り中は元気いっぱいに、得意の「宙返り」を繰り返すようになる。目の下のクマも、やはり曲芸師としての「激務」が、疲れた表情として滲み出ているのではないか。


当時の京楽開発陣が、こんなイメージや設定のもとで、本機を「タンブラー(tumbler)」と名付けたとは、考えられないだろうか?

まぁ、これはあくまでも「個人的な推測」に過ぎず、全くの的外れである可能性も、大いにあろう。


皆さんは、「タンブラー」という機種名について、どんな考えをお持ちだろうか。


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