※本記事編集中、「奥村遊機」破産という、まさかまさかの情報が飛び込んできた。
(えむさん、だるまんさん、thanks・・・)
先日のマルホンに続いて、またも老舗メーカー倒れる、との哀しい知らせを受けて、正直ショックはデカい。
かの「ドリームX」でデジパチの楽しさを存分に知った自分にとっては、数あるメーカーの中でも、奥村モナコは特別な存在である。
そういえば、先日紹介した同社の権利物「フリークアウト」の「freak out」には、「気が動転して、パニック状態になる」との意味もあるが、今の気分は、まさにそんな感じだ。
まぁ、近いうちに、感謝や慰労の意味をこめて、奥村の名機を振り返りたいとは思うが…
今回は、コチラの記事をご覧頂きたい。一生懸命作ったんで(汗)。
フィーバークイーンII(SANKYO、新要件デジパチ・現金機)に関する50の質問
※かなり膨大な情報を詰め込んだので、誤記や勘違いが少なからず含まれるかもしれません。
もし発見した際は、「非公開コメ」でこっそり指摘して下さると、大変有難いです。
Q1:登場時期は?
⇒1993年(平成5年)6月です。同社の大ヒット機種「フィーバーキングII」(1992年、デジパチ)の後継機として、連チャンデジパチ隆盛期にデビューしました。
Q2:当時のファンの受け・評判はどうでしたか?
⇒ホールでの評判も大変よく、攻略誌アンケートでも常に上位に入る人気機種でした。しかし、デビュー4カ月後の同年秋、CR主導を目論む当局の圧力で「ダービー物語事件」が発生。以後、連チャン(現金)機への風当たりが強まります。そんなCR台頭の波に揉まれつつも、本機にはファンの心をガッツリと掴み、ホールに残り続けるだけの、強い魅力がありました。
Q3:では、例の「社会的不適合機」リストにも入ったのですか?
⇒はい。1997年(平成9年)9月に決定した「第4次撤去対象機種」にリスト入りしてしまった為、多くのホールから姿を消す要因となりました。個人的には、低確率で金のかかるCR機と比べて、いったい何処が「社会的」に「不適合」なのか、サッパリ判りませんでしたが…。
Q4:すると、1998年以降は、ほとんど本機を見かけなかったのですか?
⇒いえいえ。そんな「逆境」があっても人気は根強く、しぶとく残し続ける「みなし機設置店」も多かったですね。私自身、かつてのホーム「L店」(三共の多くのデジパチを初打ちした店)以来、長く付き合った台ですが、スロメインにシフトした2000年以降も、新宿(歌舞伎町)「トップス」(新橋店も設置)、西早稲田「みよし」(学生時代から馴染みの店)、調布(南口)「ダイヤ」、有楽町(日比谷ガード脇)「ポオル」、三軒茶屋「遊楽」、町田「バカラ」(旧ナポリ)、町田(小野路町)「出玉王福助」、多摩センター「キング」など、首都圏の様々なホールで、本機と戯れました。
もちろん、他にも、多くのみなし機設置店があった訳で、旬を過ぎてもファンから愛された、「不動の名機」といえます。
Q5:同時期に出た兄弟機はありますか?
⇒大同(現・ビスティ)の「フィーバークイーンDI」です。クイーンですから、「姉妹機」と呼んだ方がいいでしょうかね。やはりバリバリの連チャン機でしたが、図柄は「FキングII」譲りでBGMも違いました。大当り確率も、「1/242.55」と本機より少々甘かったです。大当り抽選に関しては、本機と同じく変則的な二段階抽選でした(但し、二次抽選の乱数範囲が「0~21」と、1コマ少ない)。再始動アクションも、本機と一緒でしたし。当時、新宿・中央東口の「メトロ」や歌舞伎町・東通りの「ニューメトロ」なんかでよく打ってました。確率の割に出玉も遜色なく、また、本機でお馴染みの「連チャンNGリーチ(4つ)」もなかった為、連チャン率も高めでオイシイ機種でしたね。
Q6:後継機は出ていますか?
⇒90年代でいえば、1997年(平成9年)に出た「CRフィーバークィーンJX」、現金機版「フィーバークィーンJX」、「CRフィーバーメガクィーンGP」、現金機版「フィーバーメガクィーンEX」などがありますね。リーチアクションがド派手になり、メガクイーンは図柄までも全く変わりました。いずれも、初代クイーンほど魅力は感じなかったものの、現金機は多く打っていましたね。
「クイーン」繋がりでいえば、「CRスーパーアラビアンクイーン」(現金機「スーパーアラビアンクイーン」)も、後継機の部類に入るでしょう。おっと、これは別名の「フィーバーアラビアンDX」として有名でしたね。
さらに、21世紀に入ってもリメイク版が多く出ています。
Q7:パチスロでも、同じような名前の機種が出ましたよね?
⇒2001年(平成13年)、大同(現・ビスティ)から「フィーバークイーンI」という4号機が出ています(経堂駅近くの「ミナミ」で初遭遇)。メインリール上部に「クイーンリール」と呼ばれる演出用リール(本機や後継機のドラムを再現。但し1ライン)があり、「初の6リール搭載機」で話題になりました。クイーンドラムの多彩な演出に加え、ツインビッグ方式を採用、さらにSNT(スーパーナビゲーションタイム=8枚役の押し順をナビするAT)搭載と、今思えば面白い機種でしたが、さほど人気は出ませんでした。ノーマルも爆発力はありましたが、裏〇ノも多かったですね。
Q8:賞球数は?
⇒7&15。ヘソ7個戻し、メインアタッカー15個戻しです。16ラウンドで出玉は2300個ほど。
Q9:メインデジタルの構造は?
⇒三共お馴染みのドラム機です。ステッピングモーターを使った、幅広の大きなドラムが3本。
Q10:ワープルートがありますね?
⇒はい、「三共・初のワープルート搭載機」として知られます。先輩格の「フィーバーキングII」は、ドラム両サイドからステージに玉を導く構造になっており、これを「ワープ」と呼んだ人もいますが、正式なワープとはちょっと異なりますね。
本機の場合、ドラム上部の中央穴に入った玉が、一旦姿を消した後、ステージ上に再び現れるという、正真正銘のワープが存在しました。
因みに、ステージ性能からいえば、FキングIIの方が優秀でした(クセのいい台など、新装で釘が一寸開くと回りっぱなしとなり、現状維持どころか玉増えする事さえありました)。
Q11:図柄は?
⇒大当り図柄は「赤7、JOKER、A、JACK、青7、QUEEN、FEVER、KING」の計8種類。ブランク図柄は「小さなハート(左)、スペード(中)、ダイヤ(右)」の各マークです。
Q12:モチーフは「トランプ」ですね?
⇒その通りです。機種名が「クイーン」で盤面上部には大きな王冠もあり、一応、「クイーン=女王」が主役扱いとなっています。新メラにおいては、盤面右にクイーンのイラストが描かれました。
Q13:各ドラムの図柄の数は?
⇒左・中・右ドラムともに、大当り図柄が8個、ブランク図柄が13個で、計21図柄です。
(下の配列表を参照)
Q14:ドラムの停止順は?
⇒左→右→中の順です。リーチ時、中ドラムの挙動を凝視するのがアツかったですね。
Q15:大当り有効ラインは?
→「上段、右下がり、中段、右上がり、下段」の計5ラインです。
Q16:大当りパターンは、全部で何通りですか?
⇒単純計算では、8図柄×5ライン=計40通りとなりますが、配列上「ダブルリーチ」となる組合せが3通りあるので、実際には重複を除いた「計37通り」です。
Q17:ダブルリーチのパターンは?
⇒「赤7右下がりとKING右上がり」、「赤7右上がりとJOKER右下がり」、「青7右下がりとJACK右上がり」の3パターン(下のパターン表を参照)。
Q18:リーチ出現率は?
⇒各ドラムの図柄は21個ですから、左右停止パターンの総数は、21×21=441通り。
一方、左右テンパイとなる組合せは、ダブルリーチの重複を除いた37通りです。
よって、表面上のリーチ確率は、37/441≒1/11.92となります。内部数値も同じです。
Q19:大当り判定方式は?
⇒二段階抽選方式を採用しています。他機種とはちょっと違った、独特の手法でしたが…。
Q20:どのような二段階抽選ですか?
⇒当時の二段階抽選といえば、出目カウンタやリーチカウンタとは独立した、専用の大当りカウンタ(大・小)を2つ使って、当否の判定を行うのが主流でした。この場合、当否はチャッカー入賞時に決まっていて、、その結果として、大当りとなるリーチやハズレリーチがセットされるにすぎません。つまり、「リーチが掛かったから惜しい」という仕組みには、なっていなかったのです。
一方、本機では独特な方法で抽選を行っており、二段階に決定される停止出目が、そのまま大当り判定に繋がる仕様でした。
Q21:二段階について、もっと具体的に教えて下さい。
⇒一次抽選は、左・中・右ドラムに対応する出目乱数A・B・C(カウンタ範囲は、いずれも「0~20」の21コマで、図柄の数と同じ)を使って、各ドラムの次回停止図柄を決めます。この時、左右がテンパイ(リーチ)となる形になれば、「一次通過」となります。
一方、二次抽選では、リーチ専用の中出目カウンタD(中出目テーブル)を使って、中ドラムの停止図柄を決定します。結果、テンパイラインに同じ図柄が3つ並べば、「二次当選」=大当りと判定します。
つまり、一次で「左右出目」、二次で「中出目」を決めるだけですが、こうした出目決定が、そのまま二段階の大当り判定にもなっていたのです。当時の新要件機では、珍しい方式でした。
Q22:リーチが掛かれば、本当に惜しかったのですね?
⇒その通りです。リーチは「一次抽選パス」を意味します。大当りに一歩近づいた状態を、実際に目で確認できたのですから、他機種よりも期待が持てました。
旧要件機「ブラボーエクシード」(平和、デジパチ)も二段階判定方式を採っていて、やはり「一次通過=リーチ」だった為、リーチが掛かると他機種以上にアツくなれました。
Q23:乱数A(左)、C(右)が同じ値を拾うと、リーチが掛かるのですか?
⇒いいえ、違います。出目決定用の乱数A(左)、B(中)、C(右)の値は、停止図柄をダイレクトで指定するのではなく、前回出目に数値を加算して、次回停止出目を決める「係数」にすぎません。
たとえば、左ドラム中段に「赤7」が止まったとします。ここで、チャッカー入賞時に拾った乱数A(左)が「5」だったとすると、次回転の左ドラム中段には、赤7の「5コマ」上の「A」が止まります。
これは、右出目(C)も同じですから、たとえAとCが同じ値でも、それは単に「前回左右出目に、同じ数を加える」に過ぎず、必ずリーチになるとは限りません。もちろん、前回の停止形いかんでは、同じ値を足した結果、リーチが掛かることもあります。
まぁ、係数が決まれば、停止図柄も自動的に決まる訳で、結果的に「図柄を指定」していることになりますね。但し、あくまでも「前回出目」が基準で、そこにA、Cを加算した結果、「たまたま」リーチになった場合、「リーチ=一次当選」となる訳です。
係数を加算して次回出目を決める手法は、デジパチでは割と「古臭い」やり方でした(同社の旧要件機「フィーバーレクサスV」(1989年)も、前回出目に係数を加えて次回出目を決定。それが3つ揃いなら、即「大当り」と判定していました)。
但し、新要件以降は、「まず大当り判定に合格」⇒「その後、大当り出目を選択」(不合格ならハズレ出目を表示)といった流れをとる場合が多く、決定出目そのものが当否を決める手法は、「原点回帰」という感じもしましたね。
Q24:一次抽選の当選率は?
⇒一次抽選は「リーチが掛かれば当選」です。停止パターン総数441通りに対し、左右テンパイとなる組合せは37通りなので、リーチ発生率は37/441≒1/11.92となり、これが一次当選率となります。
Q25:二次抽選の方法は?
⇒二次抽選では、リーチ専用の中出目乱数D(出目テーブル)により、中ドラムの最終停止図柄を決定します。
乱数Dは「0~22」の23通りあって、リーチ図柄(8通り)とテンパイライン(5通り)に応じて、計40個の停止図柄が用意されています。つまり、「23×40=920」のテーブルが存在する訳です。
テーブルを参照して、テンパイラインに大当り図柄が止まることが決まれば、同一図柄の三つ揃いが確定して、「二次当選=大当り」と判定されます。
Q26:「中出目テーブル」とは、どんなものですか?
⇒以下の表を参考にして頂ければと思います。
Q27:テーブルの説明をお願いします。
⇒横軸は「中出目決定用の乱数D」で、「0~22」の計23列です。一方、縦軸は「リーチ図柄とテンパイライン」を表し、8図柄×5ラインの計40列です。すなわち、テーブルは「23×40=920個」の値を含み、いずれも中ドラムの最終停止図柄を表します。
具体的には、チャッカー入賞時に拾ったDの値(連続回転中は保留エリアに格納)をチェックして、リーチ図柄とテンパイラインに応じて、テーブルの数値(停止図柄に対応)を参照します。
ここで、テーブルの値は、中ドラムの「中段」に停止する図柄を意味します。なお、数値と図柄の関係は、以下の配列表の中ドラム(No.0~20)を参照。
たとえば、「赤7の上段リーチ」がかかった場合(テーブル最上段)、二次抽選で「D=0」を拾うと、中ドラムの中段に「20番」の図柄=「赤7の1コマ下のブランク」が止まります。必然的に、中ドラムの上段には「赤7」が止まるので、「赤7上段揃い(大当り)」となります。
Q28:テーブルの赤枠で囲った部分は?
⇒中出目が停止した結果、同一図柄の3つ揃い(二次当選)が成立する箇所です。もはや一目瞭然ですが、「D=0」の時、テンパイラインに大当り図柄が停止し易いテーブルになっています。
よって、大半は「D=0」で二次当選ですが(「D=1~21」はハズレ)、「特定の4パターン」では、「D=0」で大当りとはなりません。
Q29:特定の4パターンとは?
⇒テーブルを見れば判りますが、「JOKERの右上がり」「Aの上段」「JACKの右下がり」「FEVERの下段」の4つのリーチは、「D=0」だと、テンパイラインに当り図柄が揃いません。
いずれも、「D=0」は「プラス1コマ」でリーチがハズれます。なお、これら4パターンは、「D=21」の時に大当りとなります(21番テーブルの赤枠を参照)。
Q30:では縦軸の紫色で囲った部分は?
⇒「ダブルリーチ」となるケースです。たとえば、一次抽選で「赤7右下がりとKING右上がり」のWリーチだった場合、二次抽選で選択すべきテーブルが2つダブってしまいますが※、この場合は均等に1/2の振り分けで、「赤7」「KING」いずれかのテーブルを選択します。
まず、「赤7右下がり」テーブルを選んだ場合、「D=0」なら、中ドラムの中段に赤7(0番)が止まり、赤7が右下がりに揃います。さらに、「D=19」でも、中ドラムの中段にKING(19番)が止まり、KINGが右上がりに揃います。
次に、もう一方の「KING右上がり」テーブルを選択した場合、「D=0」でKING(19番)が、「D=2」で赤7(0番)が中ドラムの中段に止まって、どららの値でも大当りとなります。
つまり、ダブルリーチ時は、二次当選する乱数が「2個」存在するのです。
(他のWリーチでも同じ)
なお、「赤7とKING」のダブルリーチにおいて、「赤7(右下がり)」の方が揃うケースを考えると、
(1)「赤7の右下がりテーブル」を選択して、「D=0」を拾った場合
(2)「KINGの右上がりテーブル」を選択して、「D=19」を拾った場合
と、2通りの異なる当選パターンがあるので、注意が必要です(他のWリーチでも同じ)。
Q31:ダブルリーチは、シングルよりも二次当選のチャンスが2倍だったのですね。
⇒その通りです。本来大当りとなる「D=0」の他に、「D=19」(「D=2」)でも当りとなる為、ダブルリーチの二次当選率は2/23です。
一方、シングルリーチの場合、大半が「D=0」のみ当りで、残りはハズレ。特定の4パターンのみ「D=21」で当り(残りはハズレ)となります。いずれにしても、二次当選率は1/23となります。
Q32:これらを踏まえた、トータルの大当り確率はどうなりますか?
⇒一次当選率は「リーチ発生率」と同じですから、シンプルに37/441。
一方、二次当選率はシングルリーチとダブルリーチで異なります。シングルリーチは、二次当選率が1/23で出現率(振り分け率)が34/37。一方のWリーチは、二次当選率が2/23で、出現率(振り分け率)は3/37です。
すなわち、シングル・ダブルの両者を合算した二次当選率は、(1/23×34/37)+(2/23×3/37)=34/851+6/851=40/851となります。
つまり、本機の大当り確率を算出すると、
37/441(一次)×40/851(二次)=1/253.575となる訳です。
よく使われる「1/254」という本機の大当り確率は、この数値を簡略化したものです。
Q33:ハズレ出目の決定方法は、どうなっていますか?
⇒やはり、チャッカー入賞時に拾った出目乱数A(左)、B(中)、C(右)の値(係数)を、各ドラムの前回出目に加算して、次回停止出目を決定します。
(A、B、Cはいずれも「0~20」の21コマ)
この時、左右テンパイなら二次抽選(乱数Dによる中出目判定)に移りますが、バラケ目(非リーチハズレ目)の時は、前回出目にA・B・Cの値をそれぞれ加えたものを、そのままハズレ目として表示するだけです。
すなわち、中出目決定においては、リーチが掛かれば「乱数D」、非リーチならば「乱数B」を、それぞれ参照する事になります。
Q34:ハズレリーチ時の中出目は、どうやって決定するのですか?
⇒二次抽選ですから、乱数Dとリーチパターンに基く「出目テーブル」を参照して決定します。
この時、「D=5」なら3周目(BGMが切り替わる所)に5コマ進んでハズレ、「D=10」なら10コマ進んでハズレ…というように、Dの値が3周目の移行コマ数になる事がほとんどです。但し、以下のような例外もあります。
・D=1→3周目の1コマ目では止まらず(最低2コマ移行)、22コマ進んで「+1コマハズレ」
・D=21→21コマ進むと大当りになってしまう為、22コマ進んで「+1コマハズレ」
・D=22→「D=20」と同じく、3周目は20コマ進んで「-1コマハズレ」
・D=0→大半のリーチが大当りの為、基本的に21コマ進む。但し、2コマ目で当る例外もある。さらに、再始動を含めれば移行コマ数は様々。
Q35:リーチ時の中デジタルの動きに、特徴はありますか?
⇒左右図柄がテンパイすると、中デジタルは、やや速度を落としてスクロール。3周目に入るまでリーチは終わりません。3周目に入った瞬間、さらに音楽が変わって次第に高音となり、最後までジリジリした雰囲気を醸し出します。3周目突入後の中ドラム移行コマ数は、最少2コマ、最大22コマ(1周プラス1コマ、再始動分を除く)です。「ビタ止まり」で大当りする場合は、基本的に21コマ進んで当ります(WリーチのJOKERのみ、2コマ進んで当る→後述)。
また、シングルリーチとダブルリーチでは、2周目までリーチサウンドが異なるのも特徴です
(3周目は共通)。
Q36:左右ドラムの動きから、リーチ予測ができると聞きましたが?
→その通りです。回転中の左右ドラムの位置関係(ズレ、間隔)を把握して、リーチの有無を大方予想できました。右ドラムは、左ドラム停止後5コマ滑って停止する為、左右の回転が巧く同調していて、左に対して右が5コマ上にズレて回っていれば、リーチの可能性が高まります。但し、JOKERは他の図柄と比べて左右の配置が特殊なので、多くの図柄が同調している場合でも、リーチにはなりません(当然、逆のことも言えます)。回転中のドラムを読むのは、パチスロの目押しにも通じて面白かったですね(特に、大当り後の保留消化時は)。
Q37:中ドラムの大当り停止パターンは、全部で幾つありますか?
⇒大当り時の中ドラム停止パターンは、内部的に以下の5つです。
(1)3周目に21コマ進み、ビタ止まりで当る(再始動なし)。
(2)2コマ上(19コマ)で一旦停止後、再始動で2コマ進んで当る。
(3)1コマ上(20コマ)で一旦停止後、再始動で1コマ進んで当る。
(4)1コマ下(22コマ)で一旦停止後、再始動で約1周(20コマ)回って当る。
(5)1コマ下(22コマ)で一旦停止後(完全には止まらない)、1コマ戻って当る。
※カッコ内のコマ数は、3周目突入後の中ドラム移行コマ数
(5)の「戻り」パターンは、先輩格「フィーバーキングII」で「超プレミア、幻のアクション」と噂になりましたが、実際には「非搭載」でした(ガセネタに振り回された…)。しかし、本機ではしっかり備わっており、この動きを待ちわびたキングファンからも絶賛されました。便宜上、「1コマ下」としましたが、厳密には半コマほど下でしたね。
なお、FキングIIでは、「2コマ下で一旦停止後、1周回って当る」再始動パターンもありましたが、本機では採用されていません。
Q38:各停止パターンの選択率は?
⇒大当りが決まると、「中ドラム停止演出カウンタ」の値を参照します。カウンタは「0~6」の7コマで、振り分けは(1)のビタ止まりが3/7(約42.86%)ともっとも高く、(2)~(5)の再始動が各1/7(14.28%)となっています。
Q39:いわゆる「レア停止」の大当りについて、教えて下さい。
⇒レア停止で有名なのが、「赤7右上がりとJOKER右下がり」のダブルリーチで、3周目に2コマ進んでJOKERがビタっといきなり当る、「ショート停止」のパターンですね。
これは、リーチ時の中ドラムの独特な動きと、元々のドラム配列が原因です。
本機のダブルリーチでは、3周目に突入(音楽が変わる)する起点が、必ず「赤7」又は「青7」になっていました。もう一方の図柄(KING、JOKER、JACK)から突入する事はありません。
上記のダブルリーチが「JOKERの右下がり」で当る場合に、中ドラムの停止パターンが(1)「ビタ止まり」を選択したとします。3周目の起点は常に「赤7」なので、通常のビタ止まり(3周目21コマ進行)だと、JOKERをテンパイライン(中ドラム中段)に止めるには、赤7が3周目突入後「23コマ目」となって、最大移行コマ数「22コマ」をオーバーしてしまいます。その為、3周目の2コマでいきなり「ビタ停止」して当るという、レアパターンが選ばれる訳です。
同様に、中ドラムの停止パターンが(4)「1コマ下で停止→1周」、(5)「1コマ下で停止→戻り」だった場合も、一旦停止の箇所が3周目突入の起点(赤7)から「24コマ目」となって、やはり最大移行コマ数22コマをオーバーします。そこで、3周目に突入後して3コマで、いきなりJOKERがプラス1コマで一旦停止して、そこからクイッと戻ったり、1周回ったりというレアな動きを見せたのです。特に、ここからの1コマ戻りは、かなり忙しい動きでした。
一方、(2)の「1コマ手前→再始動」を選択した場合、3周目突入直後に一旦停止させると、最少移行コマ数の「2コマ」より少ない1コマで一旦停止となる為、矛盾が生じます。また、(3)の「2コマ手前」を選択した場合も、3周目突入の瞬間(0コマ目)に一旦停止する、という矛盾が起こります。よって、これらの停止パターン選択時は、通常通り3周目のギリギリ(20コマ)まで進み、そこから再始動が発生する訳です。
なお、(3)の「2コマ手前で一旦停止」のケースでは、「いったん赤7が揃うが、再始動で2コマ上のJOKERがスベって当る」という、LN制ホールでは嬉しくない「格下げ」パターンとなります。
逆に、「赤7とKING」のダブルリーチでは、一旦キングが揃ってから、2コマ上の赤7が滑って当ることもあります。こちらは、嬉しい「格上げ」パターンでした。同様に、青7とJACKのWリーチでも、JACKから青7に昇格する事がありました。
Q40:ドラム上部の「ラッキーナンバーランプ」ですが、各数字の出現率は均等ですか?
いいえ、0~9のLNランプには、意図的な出現率の「偏り」がありました。これは、専用のLNカウンタで決定します。カウンタ値は「0~99」の計100コマで、振り分け率は以下の通りです。
「0、1」が出やすく、「3、5」が出にくいのが特徴でした。
0⇒15/100(15%) 1⇒15/100(15%) 2⇒10/100(10%) 3⇒5/10(5.0%)
4⇒10/100(10%) 5⇒5/100(5.0%) 6⇒10/100(10%) 7⇒10/100(10%)
8⇒10/100(10%) 9⇒10/100(10%)
Q41:セル(メラ)違いのクイーンは、LNランプの並びが微妙に違いましたが…?
⇒はい、本機が大ヒットして新セル(メラ)を登場させるに当り、ある問題点がありました。それが、上述した「LNの偏り」です。当時は、多くのホールで「LN制」を採用しており、LNランプが「3、5、7」で継続、他の数字(例えば2、4、6、8)なら交換といったルールも一般的でした。
その為、「3、5」の出現率が低いと、持ち玉交換のケースが増えて、客離れの一因となる危険性がありました(ボッタクリ店では大歓迎でしたが…)。
そこで、新セル導入に際して、不利なLN振分け率を改善する為、セルの方のLNランプの並びを、一部変更したのです。
旧セル(メラ)では、左から「0、1、2、3・・・9」と並んでいたのを、新セル(メラ)では左から「1、2、3、4・・・0」の配置に変えました。
但し、ランプの点灯パターンそのものは変わらないので、結果的に、振り分け率は以下の如く変わりました。
1⇒15%、2⇒15%、3⇒10%、4⇒5.0%、5⇒10%、6⇒5%、7=10%、8=10%、
9=10%、0=10%
この変更で、7と同じくLNに指定される事の多い「3、5」の出現率が、5%から10%に倍増。逆に、アンラッキーナンバーになりがちな偶数「4」の出現率が、10%から5%に下がりました。「0」についても、15%から10%に下がりました。但し、「2」は10%から15%に上がっています。
全体的には、客を呼びたい店にとって使い易く、打ち手にも有利な数値に変わった訳です。これが、新メラの大きな利点と言えるでしょう。
Q42:ところで、本機は連チャン機ですよね?
⇒はい、大当たり終了後、保留玉での強い連チャン性が大きな特色でした。
Q43:連チャンパターンの特徴を教えて下さい。
⇒保留玉1~4個目全てにおいて、連チャン発生のチャンスがあります。
なお、実戦データから「数珠繋ぎ連チャン」も疑われましたが、解析では、「数珠連機」と認めるに足る確証は得られませんでした。但し、いまだに数珠連を信じて疑わない人もいるようです。
Q44:保留玉連チャンの「カラクリ」は一体?
⇒まず、保留エリアの特徴からお話しすると、始動チャッカー入賞時、空きの保留エリアには、(1)「各ドラムの出目を決める乱数A・B・C」の値、(2)「リーチ時の中出目用乱数D」の値、という具合に、2種類のデータが格納されます。もちろん、前者が一次判定用、後者が二次判定用ですね。
保留エリアは4つ(現在回転中を含めると5つ)あるので、保留満タン時は全エリアに2つのデータが書き込まれています。そして、大当たり終了は、保留消化毎に両データの再読み込みを行い、大当り(連チャン)の判定を行う訳です。
本機で「大当り」と判定される為には、一次、二次双方の抽選をパスする必要がありますが、実は、大当り終了後の「ある」タイミングで、保1~保4に格納されていた二次判定乱数(D)の値を、全部まとめて「D=0」に書き換える、アヤシイ処理が行われていたのです。
上書きが成功すると、保1~保4の二次判定部分の全エリアが、「D=0」に書き換えられます。こうなれば、中出目テーブルの大半が「大当り」となるので、保留連チャンが発生します。一次抽選(リーチ発生)さえ通過していれば、上書き成功で「ほぼ」大当りが確定する訳です。
Q45:「ほぼ」とは?書換え成功でリーチを引いても、外れる事があったのですか?
⇒先程も書きましたが、中出目テーブルによれば、全リーチパターン中、特定の4パターンは「D=0」でも大当りしません(「D=21」で当り)。これら4パターンは、「D=0」だと、中ドラムが3周目に22コマ進んで、「プラス1コマ」のハズレリーチとなります。よって、上書きが成功していても、大当りとはなりません。逆に、せっかく「D=21」の大当り値を引いていたのに、上書きで「D=0」に書き換えられると、単なるハズレに逆変換されてしまうこともあります。
Q46:乱数上書きのタイミングは?
⇒大当り終了後のデジタルが再び回る直前…盤面ランプの「特殊点滅処理」を行う瞬間が、書換の契機といわれています。本機の挙動を観察すればわかりますが、大当り後、4つの保留を消化する間のみ、盤面のランプ点滅が普段と異なります。
Q47:ランプの点滅が普段と異なる?
はい。具体的には(1)台枠左右上部のランプが、保4消化終了まで赤くピカピカと光り続けます。
また、(2)ドラムを囲む「飾り枠ランプ」の点滅パターンも特殊です。通常は、「ドラム始動で飾りランプが緑点滅⇒リーチ時は緑から赤に切り替わって点滅(テンパイラインをナビ)⇒ドラム停止で飾りランプも消灯⇒ドラム始動で緑点滅⇒」を繰り返します。しかし、大当り後の保留消化中に限っては、飾りランプが切れ目なく「緑点滅」を続けるのです。途中でリーチがかかっても、緑点滅が続くので、赤と緑が交互(同時)に点滅します。さらに、ドラム停止時も、緑ランプは点滅を続けたままです。これは、大当り後の保留消化4回転のみに見られる、特殊な現象です(むろん、連チャン期待の「演出」ですが)。
そして、大当り終了後のデジタル始動直前、この「ランプ点滅処理」を行う瞬間に、全保留エリアに格納されていた二次判定用Dのデータが上書きされて、「D=0」に書き換えられるというのが、本機の連チャンの「カラクリ」だったのです。
Q48:他に、上書き条件はあるのですか?
いえ、基本的には、大当り後の上記タイミングで、保留玉が1個でも点灯していれば、その保留は上書きの対象となります。また、途中でパンクした場合も、連チャンの可能性は十分あります。
Q49:大当り後の上書きは、必ず起こりますか?
⇒いえ、「必ず」ではありません。実機を使ったデータでは、「約75%」の確率で書換えが発生しています。この数値を「標準」とすれば、大当り4回に1回は、上書きされないことになります。
せっかく、NG4パターン以外でリーチが掛かったのに、あっさり外れてしまった場合は、上書きの失敗を意味します。特に、ダブルリーチはNGリーチを否定する為、これが保留消化時に外れると心底ガックリ来ました。
因みに、「ホールによって連チャン率が異なる」、とするデータも、一時期あがった事があります。また、「ROMの製造時期で連チャン率が左右される」という話も出ました。ただ、このテの話は胡散臭い場合も多く、ハッキリ実証された訳ではありません。
Q50:一次抽選のデータ(左右出目乱数A・Cの値)は、書き換えられないのですか?
⇒はい。一次抽選に関しては、完全に「自力」です。大当り後の保留消化時も、通常時と同様に、乱数A(左)とC(右)の値を前回出目に加算した結果、「たまたま」リーチとなった場合に限り、一次通過となります(リーチ発生率=1/11.92)。
まさに、この部分は打ち手の「ヒキ」に左右されましたね。
まぁ、他にも、書きたいことは山ほどありますが…字数の関係もあるので、この辺で失礼します。
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