過日、「キンキン」こと愛川欽也さん逝去の報が飛び込んできた。
ここ最近、大阪・新世界の名店「ニュー三共」閉店、老舗メーカー・マルホンの倒産、そして先日の奥村遊機の破産報道と、なんとも哀しいニュースが続く。
そして、今度はキンキンまで…少年時代からTV画面を通じてお馴染みだった、自分にとっての「昭和を代表するテレビスター」。もちろん、平成の世に入っても、愛川さんの姿をテレビで見ない時期はなかった。
また、偉大なテレビマンが一人、この世を去ってしまった…。深い悲しみと共に、強い「喪失感」で一杯だ。
愛川さんといえば、昔からラジオの名DJとして有名だったが、もちろんテレビでも、数々の名物番組の司会者として、テンポよい語り口で、お茶の間を楽しませてくれた。
小学生時分に楽しみだったTBS「人生ゲーム・ハイ&ロー」(トランプのパネルを開く、すごろく風の昇進ゲーム)や、フジテレビの看板番組「なるほど!ザ・ワールド」(世界紀行とクイズ、楠田枝里子とのW司会)、そして、何といっても、テレビ東京の地域紹介・情報バラエティ「出没!アド街ック天国」(当ブログの理念と、相通ずるものを感じる番組)。
いずれも、愛川さんの才覚や人間的な魅力無くしては、決して成り立たなかった筈だ。
そうそう、日テレの「世界ビックリ大賞(木曜スペシャル)」では、超巨乳の金髪女性達がスタジオに登場すると、きまって司会の愛川さんが彼女らの豊満な胸を触り、ニコニコご満悦だった(懐)。
日テレの深夜番組「11PM」では、水曜日MCを担当。中学生時分、親が寝た時限定で、片耳イヤホンでこっそり見たクチだが(笑)、ハキハキとした軽妙な口調で、流れるように番組を進行させて、ゲスト陣とトークを繰り広げたり、時にはウンチクを垂れたりするのが、カバーガールのお色気シーンよりも強く印象に残る。
俳優としても一流で、菅原文太主演の人気映画「トラック野郎」シリーズでは、やもめのジョナサンを好演。また、テレ朝「土曜ワイド劇場」でも、西村京太郎トラベルミステリーの「亀さん」こと亀井刑事がハマリ役だった。他にも、80年代~90年代の2時間ドラマなどで、要所で登場するキーパーソンを演じる、「個性派俳優」としてならした。
声優としても大いに活躍された愛川さん。アニメ「いなかっぺ大将」の「ニャンコ先生」や、「ハクション大魔王」の「それからおじさん」など、印象に残る役の吹替を担当。また、海外映画の日本語吹き替えでも知られた。
そういえば、トラック野郎もいなかっぺ大将もハクション大魔王も、パチ(スロ)と深いつながりがあったんだった…。
さらに、多くのCMにも出演…と、まさに、マルチな才能を存分に発揮して、長い間TVシーンを支えてきた、不世出のタレントであった。
ついでだから書いておくと、芸能人を紹介する雑誌「テレビスター名鑑」では、50音順で、男性スター編の冒頭に顔が出てくるのが、いつもキンキンだった(「アイカワ キンヤ」だから、「哀川翔」よりも前)。だから、いつも「男性芸能人の代表」…みたいな印象を受けた。
あの快活なお姿を、これから画面で見られないかと思うと、なんとも寂しい限り。
愛川さん、今まで本当にお疲れ様でした。そして有難うございました。ご冥福をお祈り致します。
さて、前半は個人的な思い入れもあって、愛川さんの追悼記事を書いた。ここからは、先日の破産報道で我々を驚かせた「奥村遊機」への長年の感謝をこめて、同社のレトロ台を振り返る。
紹介するのは、コメント欄でリクエストがあったコチラの機種。
1993年(平成5年)に奥村遊機から登場したデジパチ「福の神」
★賞球…7&15
★大当り確率…1/217
★図柄…一~九の漢数字、弁財天(顔)、大黒天(顔)、福禄寿(顔)、寿、大吉、
大きな「七」(左のみ)、大きな「福」(中のみ)、大きな「神」(右のみ)
※漢数字の「七」と、左デジタルオンリーの大きな「七」は、別図柄
★大当り…各図柄の三つ揃い、若しくは「七・福・神」の大文字が並んだ形 (計15通り)
★最高16ラウンド継続、出玉は約2500個(ウィングアタッカーで、出玉やや多め)
★ノーマルデジパチ
★蛍光表示管を使った、青白いドットデジタルが特徴
(五・五・五揃い)…デジタルの漢数字は、「宝船の大きな帆に、数字が書かれている」イメージ。
数字の下にあるのは、決して「傘」ではない(笑)。
「弁財天」(弁天様)揃いを再現。ドット独特の表現に味があった。他にも、ヒゲを生やした大黒や、ツルツル長頭の福禄寿の図柄も存在。なお、大きな「七・福・神」の文字が並んだ形も大当り。
★当時の設置店(あまり多くは知らない)
都電荒川線・大塚駅前近く「ニューカワイ」など
(C)Google
「ニューカワイ」跡地…現在はOクリニック。右隣の補聴器店は、当時焼鳥屋(飲み屋)だった。
大塚は、(当時としては)高換金エリアで、2.5円主流の都内にあって、3円(以上)が大半。その分、釘はシブく感じられたが、たまによく回る「お宝台」も転がっていた。大学の授業終わりに、荒川線の始発に乗り込み、このエリアまでのんびり出向いた事を思い出す。
※当時、大塚駅周辺で営業していたホール…ニューカワイ(3円)、ひょうたん島(3円)、タイガー(等価)、ヒロキ(3円)、大塚センター(3円)、ロビー(3円)、ワイワイ(2.5円)
→もともと高換金だったエリアに、「ワイワイ」(2.5円)が後発で参入。
やはり「福の神」=「七福神」がモチーフだけあって、盤面全体がめでたいムード一色だった。
同時期、三洋の一般電役「宝船」や、藤商事の「えびすV(III)」「七福神」など、七福神繋がりの先行機種を、しばしばホールで見かけた。いずれも連チャン機として知られていたが、本機は時期的に「冒険」しづらい時期だった事もあって、穏やかなノーマル機だった。なお、本機登場から約1年後、平和から「ブラボー七福神」(1995年)という(小デジ)確変デジパチも登場。
「祝」と書かれたスタートチャッカー。不調時には「呪」に見えた(笑)。
その下のメインアタッカーにも、縁起物の「水引(寿)」がデザインされている。当時の奥村にしては珍しく、三共「フィーバーレジェンドI」を思わせる「ウィング式」で、大当りすると左右ハネが倒れて水平に拡がった。玉を拾い易い仕様で、アタッカー周りの釘次第では、2500個以上出る事も。
Vゾーンは1個入賞でフタが閉じるタイプだが、連続で2、3個入る事もあった。「Vに2個入ると、連チャンするかも?」と思った事もあるが、単なるオカルトに過ぎなかった(笑)。
大当りラウンド表示は、「1ラウンド」「2ラウンド」ではなく、「1福」「2福」「3福」…と表示。ラウンド中、デジタルの背景には「富士山」や「鷹」「ナス」「亀」などが登場。
なお、大当り中はデジタル表示部を取り囲む枠が、黄色に光る。蛍光管表示のの青白いドットと、派手な黄色のコントラストが印象的。
★リーチアクション
デジタルは「左→中→右」の順に停止する。左デジタル停止後、たいてい中デジは「2コマ」進んで停止するので、直前にリーチ予測も可能。
但し、たまに中デジが「3コマ」進む事もあった。変則パターンで期待を持たせたが、別段、大当り信頼度が上がった訳ではない。
リーチは、ノーマル、ノーマル再始動、ロング、ロング戻りの4種類。
・ノーマル…左・中テンパイ後、右が速度を落としてスクロール。大抵は1周以内(6~8コマ程度)ですぐに停止する。ハズレ濃厚だが、たまにビタ止まりで当る事もアリ。
・ノーマル再始動…ノーマルで数コマ進んで大外れ…と思ったら、二段階でスルスルッと動いて大当りする「鉄板」アクション。ノーマルからの当りは、この再始動がメイン。
・ロング…右デジが2周目に入る(リーチ開始から7、8コマ進んだ)辺りで、音楽が派手に変化すればロング確定。ただ、ロングに発展しても、2,3コマ進んですぐハズれてしまう事が多い。その「鬼門」さえ超えれば、大当りか前後1コマでしか止まらないのでアツい。本機はロング発展率が高いのが特徴だったが、その分信頼度も低め。やはり「鬼門」突破が肝だった。
・ロング戻り…大当り図柄の付近までロングが伸びて、1コマ過ぎてハズレ…と思いきや、ピョイッと戻って当る。大当り確定。
※デジタル両脇には、緑色に点灯するドットランプが、縦に5つづつ並ぶ。このランプは、リーチ中に右図柄の位置を示すもので、リーチ図柄から2コマ遠ざかるごとに、下からランプが1個点灯。大当り図柄の6コマ手前から、全灯状態が続く。リーチを盛り上げる演出用のランプ。
(このランプが全灯時のみ2段階発展との説もあったが、実際どうだったかは記憶が曖昧…)
★後継機…「スーパー福の神」(1995年登場)
→図柄表示はウリ二つだが、こちらは時短デジパチ(大当り確率1/247)。
「三三三」「七七七」「七福神」の3種類で、かつ、右デジが「白抜き図柄」(右デジの「三」「七」「神」は、黒抜きと白抜きの2種類アリ)で当ると、時短突入(突入率3/18)。
以後は「二、三、四、六、七、八、七福神(右は黒抜き)」のハズレ7図柄で当るまで、時短は継続(継続率11/18)。
夢幻伝説タイプの「入り易く、抜けにくい」ゲーム性がウリだった。
★福の神…当時の広告より
ちょうど、奥村が本機をイチオシしていた頃の広告が、偶然手元にあった。
奥村遊機さん、本当に有難うございました。モナコは私の中で永遠に不滅です。
不朽のVシネ「パチンコ・グラフィティ」(主演・布川敏和、1992年)で、パチ屋「船橋センター」の常連客だった曽根の爺さん(鈴木清順)が、養老院に行く前日、長年通ったパチ屋に感謝を込めて、「今まで楽しませてくれて、ありがとうよ」と、店員の布川クンにつぶやくシーンが重なりますよ。