1992年(平成4年)に豊丸から登場した新要件権利物「パチキング」
★賞球・・・7&15
★電チュー、回転盤、7セグを使った3クッションタイプ(7セグはラウンド数を決定)
★連チャン性・・・アリ(大半は、大当り終了後1回転での連チャン)
前回紹介したザ・ローリングアドベンチャーもかなりのマイナーだったが、コチラも正直マイナー機だった。機種名「パチキング」は、当時の藤商事の人気アレパチ「アレキング」を意識したようにも思えた。
私自身、新宿東口のスタジオアルタ裏にあった「モナコ」でしか、本機を打った事がない。その「モナコ」でも、半年ほどで姿を消したと記憶。ゲーム性は十分楽しめただけに、もう少し生き延びてくれても良かった気がするが・・・。
当時の豊丸からは、本機や「ビッグウェンズデー」(お馴染みの爆連機、時間で連チャン管理)、「クーベルタン」(3回権利)など、「電チュー、水平回転盤、7セグ」を組み合わせた権利物や一般電役が幾つも登場した。なお、本機登場の翌年にデビューした一般電役「ヤングマン」(1993年、連チャン機)は、「電チュー、3穴クルーン(コンビタイプ)、7セグ」を搭載。
(ゲーム性)
(1)左下のスルーチャッカーA通過で、天下の電チューBが0.3秒開放。チャンスは短め。
(2)Bに拾われた玉は、真下のセンター役物Cに入り、約6秒周期で回り続ける(時計回り)、6穴水平回転盤にアプローチする(ニューギンの「ダブルエース」と同タイプ)。V穴は1つで、残りはハズレ。この手の6穴回転体は、「ダウンタウン2」「ビッグウェンズデー」「クーベルタン」そして本機と、当時の豊丸の「流行り」でもあった。
(3)うまく回転盤のV穴に入ると※、2桁の7セグデジタルDが変動を開始する。
※V穴入賞率は、同じ6穴回転体の「ビッグウェンズデー」よりも、本機の方が低い(クセにもよるが、1/7~1/10程度)。その理由は、(a)「ダウンタウン2」と同様、V穴の周りをガードする突起が付いており入賞しづらく、しかも(b)構造上、V穴が正面付近に回って来た時しか、V入賞のチャンスがなかったからだ(一方のビッグウェンズデーはV穴を囲むガードがなく、また、Vがどの位置でも入賞する可能性があった)。
(4)Dに「33」又は「77」が出れば大当り(16ラウンド)。「11」「55」「77」なら中当り(5ラウンド)。その他の数字は全て小当り(1ラウンド)となる。ハズレはなく、V穴に入れば小当り以上が確定。
⇒内部確率(振り分け率)⇒大当り・・・2/50、中当り・・・3/50、小当り・・・45/50
(5)権利発生後は右打ち。右上の回転体Eと、右下の電チュー式アタッカーFの連動で、出玉を増やす。アタッカーF(10カウント付)は玉の拾いがイマイチで、大当り時は16Rだが約2000発。中当りは5Rで約600発、小当りなら1Rで約120発。なお、小当りと中当りは、通常時の玉持ちに大きく貢献した。
(連チャン)
資料不足で詳細なシステムは不明のままだが(今後も調査を継続)、実戦上、本機は大当り後のデジタル1回転目に、再び「33」「77」が出て大当りが連チャンするのが、顕著な特徴だった。もちろん、V穴に入らないとデジタルは回らない為、その「1回転」に手間取る事もあった。平均で3~4連程度の、どちらかといえば「穏やかな」連チャンだったが、ツボにハマれば7連、8連と伸びる事も(逆に、単発終了のケースも少なくなかった)。果たして、内部的にはどうなっていたのだろうか?
(止め打ち攻略)
ストップボタンによる「止め打ち」が有効だった一発タイプの2回権利物「ダウンタウン2」と同様、本機も止打ちを駆使した「回転盤のV穴狙い」が可能だった。
本機の構造上、回転盤に玉が落ちた時に、V穴が手前付近にいなければ、V穴入賞は厳しい。つまり、電チューが拾った玉が「ノーチャンス」となるタイミングが存在した。その間の「無駄玉」を無くそう、という訳である。
回転盤の周期は「1周=約6秒」だが、V穴が「11時~3時」にいる時のみ玉を打ち出して、それ以外は打ち出しを停止する。これで大幅な節玉になり、初期投資を半減できた。但し、初当りに時間が掛かる事が多く、それなりの辛抱強さも必要とされた。
↧
パチキング(豊丸、権利物)
↧