1988年(昭和63年)に平和から登場したハネモノ「ファクトリー」
大当りへの道は厳しいが、一旦当たれば完走率は高い…「波の荒さ」が特徴だが、平成3年の新要件・初期に多く出たインフレ大量獲得機とは一味違う、「練り込まれたゲーム性」も魅力だった。
★昭和末期の旧要件機
★賞球…オール13
★ハネ開放時間…オトシ=約0.5秒、ヘソ=約0.75秒×2
(オトシとヘソでは、ハネの開く角度も大きく異なる…後述)
★最高8ラウンド継続
★当時の設置店(実戦期間は平成2年5月~11月頃まで)
歌舞伎町「日拓III」(3円・2500発終了)、登戸「ハトヤ」(2.2円、3000発終了)
★賞球違いの兄弟機…「ファクトリー7」(賞球7&13、2チャッカーがチューリップ)
(ゲーム性)
(A)通常時
本機のヤクモノは、大別して上段・中段・下段の「三層構造」からなる。
ハネに拾われた玉は、まず平らな上段ステージに乗り、ステージ奥の左右穴(A1、A2ルート)を通って、中段に落下する。
この時、1チャッカー(オトシ)入賞時はハネ開放時間が短く、ハネの開く角度も小さい(約40度)。一方、2チャッカー(ヘソ)入賞時は、開放時間が長めで、ハネの開きも大きい(約75度)。必然的に、1チャッカーより2チャッカーの方が大当りのチャンスも大きく、ヘソの甘い台ほど打ち止め機会も多い。
次に、中段の真ん中には、屋根を思わせる傾斜付きのステージがある。上段から落下した玉は、この屋根に当った後、(1)左右に振り分けられるルート(B1,B2)、或いは(2)手前方向に転がるルート(C1、C2)の何れかをとる。
(1)(2)何れのルートを取るかは、役物入賞時の玉の勢い、上段ステージでの玉の軌道、台のクセやネカセなどによって変わる。
(1)の「左右ルート」を通った玉は、なだらかな傾斜の付いた、「POOL」と書かれた横長のスロープに入る。左右に大きく張り出したスロープは、盤面でもひときわ目立つ存在だった。
左右スロープの奥では、工作車両を思わせる、アーム付きのキャタピラが待ち構える。大当り中は、このアームがグンと伸びて、スロープ内に玉を複数貯留する。しかし、通常時はアームの恩恵を受ける事はなく、貯留もほとんど働かない(一応、チャッカー入賞でアームは伸縮するが、ほぼ意味なし)。よって、通常時、左右のスロープは単なる「ハズレゾーン」に過ぎない。
一方、(2)の「手前ルート」を通って落下した玉は、真下の「小羽根」にアプローチする。この小羽根は、下図のように「水平に近い八の字」(下降時)→「バンザイ状態」(上昇時)の上下動を、延々と繰り返している(1秒上昇・1秒下降の約2秒周期)。
落下した玉が小羽根に乗った時、小羽根が上昇した(バンザイ)状態だと、二枚の小羽根の間を縫って、その下の中央Vゾーン(「GOOD」と書かれた部分)に入賞しやすい。逆に、小羽根が下がった状態では、ほぼ確実に小羽根の外側に流れて、V両脇のハズレ穴に入ってしまう。また、小羽根が下降する途中で乗った場合も、やはりVを外す確率が高い。
小羽根のタイミングは非常にシビアで、上昇中に玉が乗った時でさえも、Vを外す事が多かった。まさに、玉と小羽根のタイミングが「ピンポイント」で合致した時に、Vを射止める事が出来たのだ。大当り中の出玉が多い代わりに、通常時のV入賞率は非常に辛かったといえる。
ただ、その分、オトシを甘めに調整する事も多く(ヘソは辛めの調整も目立ったが…)、13個戻しで玉持ちも決して悪くなかった。同じ「辛い」とはいっても、新要件初期に出たサンダードラゴンやニュートキオなどとは、投資ペースが全く違ったのだ。厳しい中にも、「遊べる」要素が数多く存在したという事である。
(B)大当り時
ヤクモノ内の小羽根は、大当り中も通常時同様、一定周期で上下動を繰り返す。
一方、左右のスロープは、単なるハズレゾーンだった通常時とは違い、がぜん重要な役割を果たす。
先述の通り、スロープ奥には、アームの付いたキャタピラ車がある。通常時、アームは縮んだ(畳んだ)状態だが、大当りすると、アームは伸び切った状態になる。
上図のように、アームが縮んだ状態(通常時)だと、アーム先端のストッパーも引っ込んでいる為、スロープ中腹にある「アウト穴」が、玉の貯留を阻む。
一方、アームが伸び切った状態で固定(大当り時)されると、先端のストッパーがアウト穴への入賞を防ぎ、ストッパー前方に玉を貯留できる(最大5個)。この貯留状態は、上段ステージ5カウントまで続く。
6カウント目の入賞を感知(入賞センサーは上段ステージ奥の穴にある)、又は10回目のハネ開閉終了で、マジックハンドよろしく左右のアームが「伸縮運動」を開始する。この時のヤクモノの玉の動きが、本機の大きな見せ場でもあった。
アームが伸縮を繰り返すと、スロープ内にあった貯留玉は、ストッパーによって中央方向にポンポンと弾き飛ばされる(但し、アームが縮んだ時、アウト穴に入り易くなる)。
貯留が複数あれば、玉は連なった状態でストッパーに弾かれ、中央に近い玉から順に外へ押し出されて、中央の小羽根に向かう機会も増える。もちろん、小羽根の上下するタイミングが、V入賞を左右する事に変わりはない。
以後は、上段ステージ奥で入賞を感知するたびに、アームは伸縮動作を繰り返す。このスロープ内の「玉突き」が、非常にアナログかつ豪快で、視覚的にも楽しかった。
この時、スロープ内の貯留が多ければ多いほど(最大5個)、アーム伸縮時に貯留玉がストッパーに押し出されて、小羽根にアプローチする頻度も増える。また、貯留が2,3個の状態でも、アームの伸縮動作で後続の玉はサイドに流れにくい為、やはり小羽根に向かうケースが増える。大当り中の貯留機能及びアームの独特な動きが、本機のV継続率を非常に良好なものにしていた。
通常はV入賞しづらいが、一度当れば完走率も高く、数回の初当りで打ち止め可能…ヤクモノ自体の面白さに加えて、こうした「適度なギャンブル性」も、本機の人気を高めた要因となった事は疑いない。さらに、チャッカー入賞時や大当り時に流れる派手な効果音(アーケードゲームのような電子音)も、打ち手の心をつかむには十分だった。本機は、間違いなく昭和末期~平成初期に活躍した「名機」の1つであろう。
(参考)
1988年8月9日付「鳥取県公報」より(新台の「検定」に関する鳥取県公安委員会告示)
(同日に検定を受けた機種)
・マルホン…クロスファイブ、クロスファイブパート2、サンルート、フットボール、ダブルクルーン
・ソフィア(西陣)…ニュー金棒くん、ニュー金棒くん11、スペースドームP-3、スーパーブラザースP-3、ザ拳法P-2
・豊丸…ドンスペシャルP10、ゴルフ、ニューミラクルチャンスP1、メモリィゴールド
・三共…フィーバーグランデII、フィーバーロイヤルVW、フィーバーロイヤルVIW
・平和…ブラボービューティII、ブラボーエンブレム、ファクトリー
・ニューギン…スーパーサイクロンIII、スーパーレスキューIII、ドラゴンII
・三洋…ワールドパニック2号W、カーニバル
・サミー工業…ビッグスピンFX(アレパチ)
・太陽電子…フル・マーク(アレパチ)
・瑞穂製作所…ファイアーバードEX(パチスロ)
ファクトリー(平和、ハネモノ)
TVチャンピオン「第1回・全国パチンコ王選手権」(1992年)データ
相変わらずの「今さら情報」だが、1992年(平成4年)5月にテレビ東京系で放映された、一般視聴者出場型バラエティ「TVチャンピオン・全国パチンコ王選手権(第1回大会)」の概要(データ)を紹介。
但し、動画自体は手元に残っていない為、さほど詳細な内容ではない。悪しからず。
※一般視聴者参加のパチンコ王選手権は第6回大会(1995年)まで。
・第3回大会(1993年4月OA)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/d6aefd6f1d6e474cbcff6e6a206c6f64
・第4回大会(1993年12月OA)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/2b7daf2ae1474c582c45da09fdb14084
1996年以降は、業界有名人参加の「パチプロ王決定戦」に形を変える。
(C)テレビ東京
★放映日
1992年(平成4年)5月28日(木)
スタジオMC…田中義剛、東ちづる、松本明子
★予選
・参加者…ハガキで応募した視聴者から抽選で選ばれた約70名
・予選会場…埼玉県大宮・JR大宮駅東口「マイニチホール」(南銀座通り商店街)
・司会進行…伊藤克信(タレント)
・対戦機種…店内のパチンコ台は全てOK。大半がデジパチを選択、ハネモノ派は少数。
※デジパチ…ブラボーキングダム(平和)、フィーバーマキシムEXIII(三共)など
※ハネモノ…スタジアム(三洋)、ビッグシューター(平和)、ニューナパームP-2(西陣)など
※スロは1.5号機「ニューペガサス」を設置していたが、ここでは対象外
・ルール…制限時間2時間。持ち玉2000発。持ち玉が尽きた時点で退場。最終的に出玉の多い上位5名が決勝進出。
・結果…半数以上が持ち玉を使い果たしてリタイヤする中、以下の5名が進出。
予選1位:T田さん(男性、東京)
予選2位:S間さん(男性、千葉)
予選3位:K崎さん(男性、東京)
予選4位:I沢さん(男性、埼玉)
予選5位:W辺さん(男性、茨城)
★決勝
・参加者…予選を勝ち抜いた上記5名
・決勝会場…大宮「マイニチホール」(予選と同じ)
・司会進行…松本明子(タレント)
・ルール…決勝は3ラウンド制。第1R、第2Rは最下位1名のみ脱落。最終3Rは3名で争う。
・第1ラウンド…釘読み対決(新要件ハネモノ「ニューナパームP2」(西陣))
マイニチホールの釘師が調整したニューナパームのシマをチェックして、特に釘の甘い5台を見抜く(台番号をフリップに記入)。各人、5台中3台は順調に当てるも、残り2台の釘調整が微妙で、出場者の判断は分かれた。結果、4人が5台中4台を正解して、第2Rに進出。残念ながら、予選トップのT田さんは5台中3台正解で敗退。
・第2ラウンド…早当て対決(新要件デジパチ「ブラボーキングダム」(平和))
各人に玉2500発を最初に支給。先に大当りさせた者から順に勝ち抜け、最後まで当らなかった1名が脱落という「ヒキ」勝負。初当り促進打法(連チャン打法ではない)を実行した人がいたかは不明。実戦では、グループ移行の数珠連機ブラキンに苦戦して、最初に支給された玉を使い果たす人が続出。予選2位のS間さん、何度も玉を「おかわり」するが、とうとう大当りを引けずに脱落。結果、最終ラウンドには、I沢さん、W辺さん、K崎さんの3名が勝ち上がる。
・第3ラウンド…出玉対決(旧要件ハネモノ「ビッグシューター」(平和))
制限時間60分の純粋な出玉勝負。シマには甘釘台も複数用意されており、釘を見る目が重要。序盤はI沢さんが好調。Vを重ねて他の2名を突き放す展開。だが、後半に入るとI沢さんの台がスランプに陥り、K崎さんとW辺さんが激しい追い上げを見せる。「パッパカパー」のファンファーレが鳴り響く中、終盤にK崎さんがグングン調子を上げ、立て続けにVを決める。結果、K崎さんが、見事初代チャンピオン(パチンコ王)の座を射止める。
・優勝賞金…50万円
※第1回大会で優勝したK崎さんは、某・パチンコ攻略誌(F)の編集部に勤務しており、優勝を契機に「チャンピオンK崎」として名を馳せた。月桂樹の王冠を被り、満面の笑みで優勝カップを担ぎ上げるラストシーンが、今も脳裏に浮かぶ…。
※ちなみに、管理人は「第4回大会」の予選に出場経験あり。詳しくはコチラ。
「TVチャンピオン・第4回全国パチンコ王選手権」(1993年)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/2b7daf2ae1474c582c45da09fdb14084
ムサシII(パイオニア、3-1号機)
今回は、1992年(平成4年)にパイオニアから登場した3-1号機「ムサシII」を振り返る。
(1992年1月・日電協公布。都内では、同年5月頃より本格設置を開始。公布から設置までやや時間があるが、これは同年4月~6月にかけて、都内はじめ首都圏で「裏モノ」対策としての「基盤改修(再封印)」作業が行われていた為(首都圏以外の地域では、6~8月頃に実施)。ただ、この時の改修の効果は「?」で、改修直後はノーマルに戻っていても、いつの間にか裏に戻されたり、機種によっては改修の前後で連チャン挙動が全く同じだったりした。)
★ムサシII、当時の首都圏設置ホール(1994年3月時点)
ビッグスター(小岩)、おおとり(神楽坂)、サンシャイン(阿佐ヶ谷)、みどり会館(目黒)、
大塚センター(大塚)、ニュースター(新橋)、ニューミヤコセンター(新宿)、みどり(蒲田)、
パチスロベニス(蒲田)、パチスロビーパル(北千住)、ミツボシ本店(自由が丘)、
ニューミツボシ(自由が丘)、PIA綱島(横浜・綱島)、JOY(千葉・浦安)など
(白パネル)
(7揃い)
(BAR揃い)
本機は、同社の2-2号機「ムサシ」(1990年)の後継機である。
初代ムサシ同様、ノーマルはあまり人気が出なかったが、いわゆる「ひっくり返った」Verが複数登場して、各地で香ばしい連チャンを見せた。
★ムサシII(REG後1G連チャンVer=ダイナマイトVer)の当時のデータ
(1992年10月の実戦サンプルより)
(御徒町某店)
7B-79B-38B-2B-142B-45B-178R-1R-1R-1R-1B-41B-93Bー
(新宿NMセンター)
116B-48B-495B-82R-1R-1R-210B-185B-129R-182B-
24R-1R-1R-84B-29B-27B-69B-3B-203B-29B-36B-
251B-14B-4R-1R-1R-9R-21R-1B-154R-145R-1R-1R-1B-
47R-1R-293R-1R-433R-1R-
※紫は1G連が始まった初当り(全てバケ)、赤は1G連した部分(1G連はREG中心だが、ビッグが絡む場合もあった)
※その後、ビッグばかりが連チャンする別Verの裏モノが出回るようになり、なかには客付きの悪い初期4号機を早々に外し、あえて3号機の裏ムサシIIを新装導入するホールも現れた。
(2-2号機・初代ムサシ)
本機と初代ムサシは、名称に加えて外観も似ていた為、しばしば混同されるケースがあった(特に、赤パネルの場合)。ここで、両者の主な「違い」を確認しよう。
★機種区分
・ムサシ・・・2-2号機
・ムサシII・・・3-1号機
★小役の集中(フルーツゲーム)
・ムサシ・・・あり(41Gの間、10枚役が約66%の確率で揃い続ける)
・ムサシII・・・なし(3号機からはフルーツ禁止)
★リーチ目
・ムサシ・・・ビッグは「MUSASHI」揃い、REGは「チェリー」がリーチ目。但し、ガセも有り。
・ムサシII・・・BR共に「MUSASHI」揃いがリーチ目(ガセ有)。チェリーは単なる小役に格下げ。
★役構成…共通
7(ビッグ)、BAR(REG)、MUSASHI(ムサシ)、ベル、プラム、オレンジ、チェリー
★リール配列…共通
★リール制御・・・共通。通常はビタ止まり制御だが、フラグ成立中はリールが大きくスベる。具体的には、成立フラグの図柄が引き込み範囲にあると、枠内に最短距離で引き込もうとする(よって、左上段にボーナス図柄が滑ってくると激アツ。中リールのスベリテンパイもアツい)。但し、フラグ成立時でも、枠内に引き込めない時はスベらない(2-1号機「スーパーセブン」のような「中リール非テンパイ時のズルスベリ」は起こらない)。
★スタートレバー、ストップボタン・・・共通
(ムサシIIのレバーとストップボタン。初代から引き継いだ、独特の縦長小判型のボタン。)
★パネルカラー
・ムサシ・・・赤、青、茶(登場当初は赤がメイン)
・ムサシII・・・白、黒、赤(登場当初は白がメイン。初代復刻型の赤は、93年~94年に出回った後期パネル)
(ムサシII・黒パネル)
(ムサシII・赤パネル)
★下パネルのロゴ
・ムサシ・・・「MUSASHI」(全て大文字表記)
・ムサシII・・・「Musashi-II」(頭文字のみ大文字表記。IIはローマ数字で表記)
★ボーナスサウンド
・ムサシ…ビッグ中はホロホロ系(謎)のオリジナルBGM。REG中は暗めの低音サウンド。
・ムサシII…ビッグ中は「クシコス・ポスト」(ヘルマン・ネッケ作曲の徒競走BGM。マルホンの旧要件デジパチ「ロータリーセブン」(1990年)にも採用)。REG時は甲高い、高砂に回帰したような電子音。
★ボーナス確率・・・小役の集中がない分、ムサシIIの方がREG確率がやや高め
・ムサシ(設定1~6の順)
1/315、1/293、1/273、1/256、1/240、1/227(BRとも同数値。比率は1:1)
・ムサシII(設定1~6の順)
B 1/315 1/293 1/273 1/256 1/241 1/224
R 1/316 1/284 1/265 1/249 1/235 1/225
★小役確率・・・メイン小役は、共に10枚役のプラムとオレンジだが、フルーツゲームがない分、ムサシIIの方が確率は良い。ムサシはメイン小役の確率が全設定共通(1/10)だが、ムサシIIは設定差あり(設定6は1/6.7、設定1は1/7.4)。
★攻略(又はゴト)の有無
・ムサシ・・・ビッグフラグ成立中の1枚掛けムサシ抜き、盤面押しによる強制ビッグ、ホッパーエラーでのコイン抜きなど攻略ネタが目立った。
・ムサシII・・・盤面押し対策も万全で、主だった攻略ネタはなし。一時期「セット打法」の噂が出たが、真相は不明。
★裏モノ・・・共に存在
・ムサシ・・・’90年の登場当初はノーマルが多かったが、その後貯金Verや上乗せVer(5連チャンVerなど)が出回る。
・ムサシII・・・92年春の当初からノーマルと裏モノ(らしき出方をする台)の双方が出回る。ただ、裏モノに関しては、初めはBR混合の弱性上乗せ(ノーマル高設定の爆発っぽい出方)が多く、次第に極端なビッグ偏向の連チャンタイプへと変わった(REG出現率の異様に低いVerも登場)。また、92年9月頃からは、「REG後にREGやビッグが1ゲーム連チャンする」という特徴を持つ露骨な裏モノが、都内はじめ各地で増殖した(御徒町某店、新宿NMセンターなど)。
こうして具体的に比較すると、両者は「似ている」と言われながらも、かなり多くの相違点がある事に気づくだろう。
ただ、「リール配列」や「制御」といった基本部分は共通で、ボーナスフラグの察知に関しても、かなり近いものがあった。
「かなり」としたのは、リールのスベリに関する部分は共通でも、リーチ目となる10枚役「MUSAHSHI」(ムサシ)の扱いが、初代と本機では大きく違うからだ。
先述の通り、「MUSASHI」揃いは、本機では「BR共通のリーチ目」となるが、初代では「ビッグ限定」のリーチ目だった。この違いを除けば、フラグ察知に関する部分は変わらない。
即ち、ムサシIIの場合も、初代ムサシと同様、ボーナス成立時の「リールのスベリ」が、フラグ察知における最大のポイントだった。
もちろん、「MUSASHI」揃いのリーチ目でボーナスに気付く場合もあったが、あまりMUSASHI揃いに頼ると、ガセった場合(通常時、「MUSASHI」は約1/344で成立)のショックが大きく、精神衛生上よろしくなかった(短い間隔で3回もMUSASHIが揃ったのに、入っていない時もあった)。
また、打ち慣れてくると、MUSASHIが揃う前に、成立プレイでのリールの異変(スベリ)で、割と容易に「入り」を察知できた。
左7付きのMUSASHI揃いは、両ボーナス共通のリーチ目(もちろん、ガセもあり)。
(配列及び制御上、左にBARが出た時は、ベル成立時を除いてビッグの可能性はない(7成立なら、上段に7をスベッて引き込む)。よって、左BAR付きのMUSASHI揃いは、バケ限定のリーチ目となる(もちろん、ガセも有り))
左に7もBARもない単独のムサシ揃いは、両ボーナス共通のリーチ目(ガセあり)。
先述した通り、本機は通常「ビタ止まり」制御だが、ボーナスフラグが立つと、引き込み範囲にあるボーナス図柄を、「最短距離」で引き込もうとする。
その為、BRのフラグ成立時は、左リール上段に「7」や「BAR」がズルッと滑ってくる。言うまでもなく、ビッグなら7が、REGならBARが滑ってくる訳だ。
この時、リール配列を見れば分かる通り、7が上段に滑ってきた時は、(1)チェリーを枠下に蹴っただけの「ガセスベリ」と、(2)7を積極的に引き込んだ「真正スベリ」の2種類がある。
(1)は頻繁に出るのでアツくもなんともないが、(2)は嬉しい「ビッグ確定」となるモノホンだ。この一瞬の「違和感」を察知した瞬間が、実に気持ちよかった。
(1)(2)の見分け方は簡単で、7が上段に滑ってきた時に、枠下に「チェリー」があるか否かを見ればよい。枠下チェリーがあれば(1)、なければビッグ。
(厳密には、「4コマスベリ」で7が上段に止まればビッグ確定。一方、「3コマスベリ」だと(1)(2)何れの可能性もアリ。)
(通常時、左上段に7がズルンと大きく滑ってきたので、反射的に枠下を覗くと…チラリとBARの黒い図柄が見える。チェリーを蹴ったガセスベリではないので、ビッグ確定。
「リールのスベリ」という動的な現象と、枠下の「チラリズム」という静的な現象の対比に、なんとも言えない「情緒」があった。)
一方、左リール上段に「BAR」が滑ってきた場合は、「チェリーを蹴る(ガセ)スベリ」のケースが無い為、その瞬間「REG確定」となる。
本機の裏モノには、初当りのREGから露骨な1ケタ連チャンを見せるVerもあり(1ゲーム連が多発するVerも存在)、「たかがバケ」とはいえないアツさがあった。まぁ、ビッグ主体で連チャンするBモノでは、あまり嬉しくない瞬間ともいえたが…。
おっと、左リールのアツさばかり語ったが、「中リールのスベリ」も忘れてはなるまい。7やBARがズルッとスベッて中リールでテンパイすると、ボーナスの期待度がグンと高まる。
もっとも頻繁に出るのが、左上段7から、中リール上段に7がスベってテンパイするケース。
この形で中リールの7がスベッてテンパイすると、「上段7と右上がりプラムのWテンパイ」となる。大概は「約1/7」で成立するプラムの方で、プラムが揃ってあっさり終了となる。だが、時折プラムがサクッと外れると、ビッグが確定するのだ。
個人的には、初代ムサシの頃から、このスベリ7テンパイからは、必ず右リールに7を直接狙って、一発で7を揃えられるようにしていた。コインロスが嫌なのは当然だが、当時は多くの機種に「貯金Ver」(ボーナスフラグを強制的に内部へ取り込み、後から一気に吐き出す裏モノ)があり、この形からみすみす「目押しミス」でビッグを貯金させるのは勿体ない、との思いがあったからだ。
まぁ、実際本機に「貯金Ver」が存在したか否かは知らないが…。初代ムサシには、明らかな貯金Verが存在したのだが、本機の場合、単なる「貯金」というよりは、「上乗せ」とも思える挙動を見せる場合が、少なくなかったからだ(ハマリが浅くても爆連したり、逆に大ハマリでショボ連だったり…)。REG後に1ゲーム連するタイプも、やはり単純な「貯金」とは異なる出方をしていたと記憶する。
一方、7が「中段」や「右上がり」にスベッてテンパイした場合は、必ず単独テンパイとなるので、「7のスベリテンパイ=ビッグ確定」となる。
また、中リールで「BAR」がスベってテンパイした場合は、以下のようになる。
(1)単独テンパイ時…REG確定(二確)
(2)BARとベルのWテンパイ時
a)上・中段のWテンパイ時は、ベルハズレでバケ確定
※適当押し時はベルこぼしの可能性もあり、右でベルが外れても確定とはならない。右リールのベルをしっかり目押しして外れた場合のみ、BAR確定となる。但し、通常時のベル確率は約「1/258」と低く、これでガセると結構悔しかった。
b)中・下段のWテンパイ時はバケ確定(二確)
仮にベル成立なら、中リール中段にベルが滑ってテンパイ(右上がりテンパイ)する。一方、この形はベルが下段まで滑っており、「BARを引き込んだスベリ」を意味するので、BAR二確目となる。
さらに、順押しではなく、「ハサミ打ち」した場合も、やはりリールのスベリがアツい点に変わりはなかった。
このように、右リールの上段又は中段にズルッと7が滑ってハサミテンパイすれば、いずれも7の単独テンパイとなり、「ビッグ確定2確目」となる。
ハサミ打ちの利点は、滑った時点でガセ(小役)の可能性がなく、しかも順押しよりビッグ成立に気付きやすい点だ。中リールには7図柄が1個しかなく、どうしても「スベリテンパイ」になりにくい。一方、右リールは7図柄が2個あるので、順押しより7を引き込みやすいのだ。
ただ、逆に「BAR」は中リール3個、右リール2個で、ハサミ打ちの方が引き込みは悪い。通常時に、順押し・ハサミ打ちのどちらを選ぶかは、個人の好みによろう。
(パイオニア「ムサシII」の項、了)
ナナシー、全回転リーチの妙
唐突だが、「ナナシーの全回転リーチ」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持つだろうか。
勿論、当ブログでナナシーといえば、1996年(平成8年)に出た「初代ナナシー」の事だ。
(豊丸・一般電役「ナナシー」 大当り確率:1/158)
甘い確率、香ばしいリーチ、大当り中の連チャンなど、私も大変好んだ思い出の一台だ。
デジタルはコインを模したもので、赤7・黄7と¥・$の4図柄からなる。
(ナナシーとは7SY、すなわち「7$¥」を意味)
※以前、こんなおちゃらけた記事を書いたこともあった。
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/03013322e78225acc4f78f91ea5563b8
(あるデジタルの叫び…豊丸「ナナシー」)
ご存じの通り、ナナシーのデジタルは上下二段の構造(上3つ・下3つ)で、上段三つ揃いで初めてリーチとなる。その後、下段で左→中とリーチが進むにつれて、大当りの期待も段階的に高まる。リーチ時のコインの回転と独特のサウンドは、なんとも言えぬ魅力があった。
厳密にいえば、下段の中デジタルまでは単なる「プレリーチ」状態に過ぎず、最後の右デジタルまで届いた時点で、ようやく「本物のリーチ」といえた。
この「6番目のデジタルまで、なかなか届かぬじれったさ」も、本機に魅力を感じた要素の1つだ。これは、旧要件期に好んだ「エキサイト123」(ニューギン・1990年登場。6ケタデジタルだが、なかなか数字が5つ揃わなかった)に通じるアツさだった。ひょっとして、ナナシーの開発者も、エキサイト123のファンだったかもしれない。
本機には、「手足リーチ」「ノーマルリーチ」「伸縮リーチ」「全回転リーチ」(信頼度の低い順に記載)と4つのリーチアクションがあり、いずれも大当りの期待が持てた。「捨てリーチなし」という、打ち手に嬉しい特色があった訳だ。もちろん、下段右に辿りつく迄が大変だったが…。なお、リーチに関する各種データは、こちらの過去記事を参照して欲しい。
特に、上段が三つ揃ってサウンドが派手に変わり、下段デジタルが揃って回り出した後、上下が一斉にシンクロ回転を始める「全回転リーチ」は、超・高確率で大当りに結び付く、アツいリーチとなっていた。全回転中は、図柄の外周が炎に包まれる為、「ファイヤーコインリーチ」などと呼ばれた。
全回転リーチの信頼度は、約97%(「98.73%」との解析データもアリ)と極めて高かった。高確率機とは思えぬ大ハマリを喰らってブルーな時、唐突にコイツが出てくれると、台に救われた気がして、テンションが一気に上がった。
とはいっても、「鉄板」ではない為、当然ながら稀に外れる事もあった。全回転で大当りを確信した矢先、下段の右デジだけがクルッと1コマ進んで外れたショックは、経験した方ならばお判りだろう。
全回転が外れるケースは、(1)大当り抽選に落選、(2)上段が3つ揃い出目を選択、(3)下段の左・中がゾロ目を選択、(4)下段右が下段中に対して「+1コマ」の出目を選択、(5)+1コマハズレ時のリーチ振り分け率「1/256」に当選、の5条件をすべて満たすと出現する。まぁ、滅多に出ないケースなのは明らかだ。
幸いというか、あいにくというか、私自身、割とナナシーは多く打っていたが、全回転を外した経験は3回程しかない。
まぁ、「一度も全回転を外したことがない」人は、それはそれで「残念」なのかも知れない。
最初に「ナナシー全回転ハズレ」を体験したのは、実は行きつけのホールではなく、1997年(平成9年)8月に旅打ちで訪れた、「金沢」のパチ屋である。
初見の店で全回転を初めて外した驚きと落胆は、今でも強く印象に残る。JR金沢駅近くの「ミリオン」(現・駅前ペリカン)という店での「事件」だった。
ただ、この時、ナナシーにはソッポを向かれたが(エキサイトジャックも打った記憶アリ)、同じ店でスロの「アラジンマスター」を打ち、何とか勝ちを収めた。
勝負終わりの夜、まだ再開発前の金沢駅近くの国道沿いにあった、「堀川ラーメン」(カウンター席のみの狭い店、既に閉店)の味も懐かしい…。
(’97年の金沢遠征時に宿泊した、パチ屋近くのホテルの勘定書)
ナナシー全回転といえば、名著「パチプロ日記」の作者、故・田山幸憲プロも、日記の中で、全回転リーチを外した経験について語った事がある。
ナナシーは、田山氏お気に入りの機種として知られ、命日である「2001年7月4日」も、まさに「ナナシー(7.4)の日」であった。
先日、当ブログに頂いたコメントの中で、田山さんにまつわるご自身の体験と共に、「田山さんとナナシー全回転ハズレ」にも触れた方がいた。
(お名前は伏せますが、あらためて、貴重なコメント有難うございました。)
コメントによれば、田山さんが日記の中か何かで、ナナシーの全回転を外したことが数回あると言っており、そのうち1回は「本郷」のパチ屋だったという。
「普段行きつけないパチ屋で、ナナシーの全回転を外した」というこのエピソードは、私の金沢・旅打ちの経験とも重なって、何となく親近感が湧く。
コメントには、本郷には「東大病院」(田山さんが治療で通入院した所)があるので、田山さんが治療の帰り、このパチ屋に寄ったのではないか、そして、そのホールは「ニューときわ」(現・アバンザ本郷)と思われる、とも書かれていた(本郷には、当時この一軒しかパチ屋がなかったとのこと)。
「田山さんとナナシー全回転ハズレ」の話は、自分も過去に読んだ記憶があった。さっそく、手元の単行本や必勝ガイドで、「確認作業」を行った。
ただ、現在所持しているパチプロ日記は、全10巻中3冊と少なく(大分昔に、愚かにも浴槽で連日読み続けて、クシャクシャにふやけて捨てたものもある…涙)、ガイドの本誌も全て揃っている訳ではなく、該当箇所を見つけられるかは、少々不安だった。
かつて、田山さんは桜新町のH店(パチーノヒノ)及び用賀のH店(日の丸用賀店)で、現金機ナナシーを有力な勝負機種とした。用賀H店で指定席の如く連日座った、ナナシーの「右カド台」(366番台)は有名だ。
この時期の日記の内容を全て確認するのは、資料不足により難しい。それでも、用賀時代の「1998年~2001年」については確実にチェックができる為、特に重点的に調べた。その結果、幸いにも、該当箇所を発見する事ができた。
田山さんの「全回転ハズレ」のエピソードは、1999年5月17日の日記に書かれている。
(もちろん、この時以外にも触れた可能性はあるが)
用賀H店で、朝イチに打ったナナシー「387番」で、投資500円目にいきなり全回転リーチが掛かったが、これがまさかの「ハズレ」。隣にいた「ガチャピン」(常連の仲間)に笑われたという話の後に、わずか数行だが、「全回転ハズレ」のくだりが出てくる。
田山さんがナナシーで全回転を外したのは、この時が通算「8回目」だったという。内訳は、桜新町H店で5回、用賀H店で2回、そして残りの1回が本郷のパチンコ店(「東大病院の帰りに立ち寄った」と、田山さん自身も書いている)。ハズレ8回については、「ナナシーはずいぶん打っているから仕方がないけど、やっぱりこれは平均よりも多いと思う」と語っている。
一応、念の為に、’99年5月17日以降の全記載分、即ち、平成13年(2001年)1月4日(田山さん最後の日記)まで目を通してみたが、その間、「ナナシーの全回転を外した」という場面は、一度も出てこなかった。
もちろん、日記以外の日にハズした可能性はあるが、少なくとも、田山さんが日記で読者に「告白」した、ナナシー全回転の生涯ハズレ回数は、「合計8回」という事になろう。
まぁ、たとえ日記の日でなくとも、仮に実戦で全回転を外したとすれば、真っ先に日記で触れたと思うので、この8回以外で、ナナシー全回転をハズした事はないようにも思える。
日記では、大当りした際の「打ちこみ玉数」と「リーチの種類」を明記するのが、田山さんの「通例」となっていた。ナナシーの場合も必ず両方書いてあって、大変に調べ易かった。
特に、ナナシーで全回転が掛かると、「アッと驚く全回転リーチ」、「心ときめく全回転リーチの快音」、「当然の如く当った」、「結果を見る前からイタダキ」、「結果を見る前から右打ちの構え」などといった、定番フレーズがよく使われた。通算で8度のハズレを経験しながら、ナナシー全回転に対する田山さんの信頼感は、最後まで揺るがなかったようだ。
そんな訳で、今回は、初代ナナシーの全回転リーチについて、色々と書いてみた。「天国」も「地獄」も味わえたあの「脳汁リーチ」に、皆さんはどういった体験をお持ちだろうか。
※参考文献…田山幸憲「パチプロ日記X」(白夜書房)
マジカルランプ(奥村、一般電役)
1995年(平成7年)に奥村から登場した一般電役「マジカルランプ」
先日過去記事を見返して、本機をまだ取り上げていなかった事に、今更ながら気付いた。
一度は記事にしたものと、てっきり思っていたのだが…「思い込み」とは恐ろしい。
★賞球…6&10
★大当り確率…1/190.3
★大当り図柄…以下(17図柄)の3つ揃い
→0~9、太陽、星、月、ランプ(左右ランプは「W図柄」で、ランプ揃いは4パターン有)
★平均出玉…2000~2400個(アタッカー脇の釘調整や、小デジの空振り等で変動)
★兄弟機(先行機)…「アラビアンナイト」(1995年、ヘソ入賞で戻りがあるタイプ)
左右デジタルの「3」と「7」は、「ランプ」とのW図柄。当然、左右テンパイはWリーチとなる。左右のWリーチ図柄がバラバラでも、中デジがランプ受けのリーチとなる。よって、ランプ揃いは計4通り※有る。内部的に大当り出目の出現率は「1/17」づつと均等だが、4種類あるランプがもっとも出易くなっている。
※ランプ揃い(4通り)…「3/ランプ・ランプ・3/ランプ」「3/ランプ・ランプ・7/ランプ」
「7/ランプ・ランプ・3/ランプ」「7/ランプ・ランプ・7/ランプ」
(内部的には、全て別出目扱い)
(別セルに描かれた女性キャラ。コスチュームが結構際どかった。)
95年の新台登場以来、様々なホールで対峙した、まさに「思い出の一台」である。
波荒のCR機が台頭した当時、CRよりも高確率の現金機を好んだ私にとって、「渡りに船」の機種といえた。ただ、ヘソが通過式(賞球なし)の為、スルー下の賞球口が締まっていると、投資ペースも速くなりがちだった。
設置も実戦機会も非常に多く、当時の対戦ホールを全て書き起こすのは不可能。ただ、要所で「記憶に刺さる」店も幾つかある。
体感器攻略のターゲットとされたのは有名だが(一般ファンの私には「無縁」の世界)、意外に設置寿命は長く、2000年以降も本機を置き続ける店が、少なからず存在した。
新台時・初打ちは、新宿・歌舞伎町コマ劇近くの「モナミ」(地下がニューペガの店)。この時は、負けこそしたが、リーチアクションなど出来の良さに触れ、「これは必ず流行る」と直感。
90年代後半~2000年初頭に多く出向いたのが、小田急・鶴川駅前の「ダイヤモンド」というホール。既にして旧台扱いだったが、そこそこ回る台も落ちていて重宝した。
2000年に旅打ちで広島に遠征した際は、広島駅南口・大洲通り沿いの「ジャンボ会館駅前店」で本機を打つ機会があり、悪運強く、その日の宿代(「ホテル川島」に宿泊)を稼いだ。
また、田園都市線・青葉台駅(田山プロ御用達「B店」(ビッグスペース青葉台)があった場所)に沖スロ「シオサイ30」(「フラミンゴ」というスロ屋に設置)を打ちに通った時期(2000年辺り)、フラミンゴ向かいの「青葉台会館」という店で何度か実戦した。
京王線沿線では、調布駅北口「リラ」や、府中駅前「チカサク」で打った。その他、「シオラー30」の香ばしいVerがあった多摩センター「シーザースパーラー」、フローズンナイツなどを長らく置いたJR成瀬駅南口「パーラーユーガ」でも対戦。今思うと、2000年前後のスロメインの時期、本機と遭遇する機会も多かった。
なかでも強く記憶に残るのは、小田急・町田駅から少々歩いた路地沿いの「スーパースター」という店での実戦だ(パチは1F。2Fスロはタンゴブラザー、ツインサーファー、エイトマンなどを設置)。ただ、「大勝ち」や「爆連」といった思い出ではなく、「本機初の1000回転オーバーハマリ」を喰らったのが、実はこの店。ヘソがメチャクチャ甘い台を見つけて、ブン回り状態で追い続けたが、延々とハマった結果、まさかの1400回転越えとなり、結局1度も当てられぬまま、脱兎の如く逃げ帰った。あれが、最初で最後の「マジカルランプ・4ケタハマリ」である。いくら確率が甘くとも「ハマる時はハマる」という事を、あらためて痛感させられた一件だ。
体感器で露骨に攻略対象とされた為、釘がガチガチに絞められた店も多かったが、なぜか自分の場合、回りの良い台に座る機会も多かった。まぁ、コンマ数ミリのストロークを極めた…なんてことは無かったと思うが(笑)
★ゲーム性(概要)
ヘソのスルーチャッカー通過で、メインデジタル始動。図柄の3つ揃いで大当り。左肩の電チューが2.8秒×2回開放(計5個以上の入賞が必要)。大当り中は右打ち不要。通常打ちで、ヘソ下の2段アタッカー連動で、出玉を増やす(上下アタッカーは5×5=計25回開放)。但し、アタッカー開放用の小デジがハズレ(-)で止まると、出玉が減る(小デジ確率は何れも599/600で、ハズレ確率は1/600と低い)。なお、大当り消化中のBGMは、「コーヒールンバ」。
大当り中もヘソ入賞でデジタルが回り、実質的な連チャンアリ。大当り序盤での連チャンは出玉が少なく、終盤だと多くなる為、連チャンのタイミングも重要。ヘソがそこそこ開いていれば、大当り中に30回前後はデジタルが回る為、連チャン率はおよそ16%程度。当然、ヘソの甘い台ほど、大当り中の連チャン率も高くなる。
なお、初当り図柄を表示する、ラッキーナンバー用の7セグが天下に付いていた。
但し、あくまで「初当り用」なので、大当り中の連チャン時は変動しない。
(LN表示の内訳)
0~9は数字をそのまま表示。
太陽→A 星→d 月→C
3とランプのWリーチからランプ揃い→L
7とランプのWリーチからランプ揃い→H
単独ランプ揃い→F
★リーチアクション(大別して9種類)
デジタル図柄は「魔法の絨毯」がモチーフで、各デジタル上には大顔の「魔人」が身構える。デジタルは下→上にスクロール。デジタル停止順は「左→右→中」。リーチの種類や状態により、魔人が様々に表情を変えるのも面白かった。中デジのみ「ブランク図柄」がある為、リーチで中デジがスクロールする際、なかなか大当り図柄に辿りつかない印象もあった。
・ノーマル…左右デジタルは変化なく、中デジは通常スクロール(信頼度:0.8%)
・クルクル…左右デジタルが、クルクルと横回転(信頼度:1%)
・クルクルSP…クルクルの発展形。途中でデジタルの動きと音が変わるとSP突入。大当りか+1コマで停止(信頼度:20.7%)
・ユラユラ…デジタルがユラユラと陽炎っぽく揺れる(信頼度:2%)
・ユラユラSP…ユラユラの発展形。途中でデジタルの動きと音が変わるとSP突入。大当りか+1コマで停止(信頼度23.8%)
・煙巻き…中デジが煙に包まれ、1コマづつ進む。大当りor-1コマで停止(信頼度:22%)
・カウントダウン…中デジが一旦停止後に再始動。高速変動→停止を繰り返し、1コマづつ大当りに近づく。最後は大当り付近でウロウロして停止。この時、+1コマから戻るパターンと、-1コマから進むパターンがある(信頼度:32%)
※さらに、カウントダウンには、中デジの魔人の頭上に、「天使の輪」がある時と無い時があった。輪があると左右デジが「伸縮」するが、輪がないと伸縮しない。
・チャンス…デジタル左右下に「チャンス」のメッセージ出現。信頼度高(信頼度:41.3%)
・お願い…デジタル下に「願いをかなえてあげましょう」のメッセージ出現。中デジの魔人が女性に変身。「アブラカダブラ チチンプイプイ」のメッセージと共に中デジが変動。信頼度は非常に高い(信頼度:58.5%)
(高信頼度の「お願いリーチ」…外すと結構ショック)
★リーチアクションの選択
大当り時は、大当り専用のリーチ選択カウンター(計13通り)からアクションを選択
ハズレ時は、+1コマハズレ、-1コマハズレ、それ以外のハズレに分けて、ハズレ専用のリーチ選択カウンター(計9通り)からアクションを選択(但し、ハズレ時は、リーチアクション、右出目停止パターン、予告の有無に、予め決まった組み合わせがある。)
★リーチ時の右デジタル停止パターン
・通常停止(右デジが普通に停止してリーチ)
・スベリ停止(右デジが一旦停止後、再始動して4コマ先で停止してリーチ)
・スロー停止(右デジが通常よりもゆっくりと停止してリーチ)
★リーチ予告…デジタル始動後、予告音&枠ランプ点滅でリーチ予告(液晶でも演出発生)
★大当り確定のリーチパターン
ハズレリーチ時は、「リーチの種類、右デジタル停止パターン、予告の有無」に、あらかじめ決められた、特定の組み合わせが存在する。
言い換えれば、それらの「ハズレ確定パターン」に当てはまらない組み合わせのリーチが出た時点で、大当り確定となる。
大当り確定のリーチは、右デジ停止パターンと予告の有無で分類すると、以下の「33通り」が該当する。
(1)右デジ通常停止時
・予告無…クルクル、ユラユラ、カウントダウン、チャンス、お願い(5通り)
・予告有…クルクル、ユラユラ、ユラユラSP、カウントダウン、チャンス、お願い(6通り)
(2)右デジスベリ停止時
・予告無…クルクル、ユラユラ、ユラユラSP、チャンス、お願い(5通り)
・予告有…クルクル、ユラユラ、クルクルSP、カウントダウン、チャンス、お願い(6通り)
(3)右デジスロー停止時
・予告無…ノーマル、クルクルSP、ユラユラSP、煙巻き(4通り)
・予告有…ノーマル、ユラユラ、クルクルSP、ユラユラSP、煙巻き、チャンス、お願い(7通り)
これらの確定パターンを覚えておくと、周囲よりも先に大当りを察知できる。さらに、
「低信頼度のノーマルでも、右スロー停止だったら大当り確定」
「ユラユラ(ノーマル)が右スロー&予告なし以外なら鉄板」
「高信頼度のチャンスとお願いは、右スロー&予告なしの場合のみガセあり」
といった、各リーチの特徴も掴む事ができた。
無論、上記33パターンに当てはまらなくとも、大当りの可能性がある事は、言うまでもない。
★大当り判定方式
大当り判定用カウンター…「0~570」の計571コマ
当選値…「7、47、97」の3つ。よって、大当り確率は3/571≒1/190.3
★リーチ判定
リーチ判定の合否も、大当り判定値を参照。
当選値…「0~50」の計51コマ。判定値がこの範囲にあると、「リーチ当選」となる。
★「連続リーチ」のカラクリ
本機には、「連続回転中、2連続でリーチが発生する」という、顕著な特徴があった。それは、本機のリーチ判定が、一風変わった方式を採用していた為だ。
まず、単発回し時(保留非点灯時)だが、チャッカー入賞時に拾った乱数(リーチ判定値)をそのまま参照して、リーチの当否を決める。これは、別段珍しくもない方法だ。
しかし、連続回転中(保留点灯時)は、現在の値ではなく、「保1」に入っている乱数値を参照して、リーチの当否を決める。いわば、リーチ判定の「先読み」である。
たとえば、保1のみ点灯した状態で、現在回転でリーチが掛かったとする。この場合、点灯中の保1には、必ずリーチ当選値(「0~50」)が入っている。したがって、追加入賞がない限り、次回転(保1消化時)も必ずリーチが掛かり、結果的に「連続リーチ」が発生する。連続リーチは単なる偶然ではなく、内部的に仕組まれた「カラクリ」だった訳だ。
また、保2まで点灯の状態で、保2エリアにリーチ当選値が入っているとする。この場合も、保留消化で保2が保1にシフトすると、保1にリーチ当選値が入る。こうなると、次回転は保1先読みでリーチが掛かり、続く保1消化時にもリーチが掛かる為、やはり「連続リーチ」が発生する。保3点灯時、保4点灯時も、理屈は同じだ。
但し、リーチの途中などでヘソに「追加入賞」があると、連続リーチが掛からない(フイになる)ケースがあった。
たとえば、保1のみ点灯した状態でリーチが掛かった場合、保1には「リーチ当選値」が入っている。しかし、リーチ中の追加入賞で保2が点灯し、その保2が「リーチでない値」(「0~50」以外)を拾うと、事情は変わってくる。この場合、保留消化で保2が保1にシフトしても、保1には「リーチでない値」が入る為、保1先読みでも「非リーチ」となり、連続リーチとはならない。即ち、入賞タイミング次第では、ヘソの追加入賞が、連続リーチ発生に影響を与えたのだ。
但し、保1に大当り値の「7」「47」が入った時は、追加入賞の影響を受けることなく、その保留を消化した時に無条件でリーチが掛かり、しかも必ず大当りする。大当り判定に合格した以上、これは当然の事である。
ここで、リーチ判定の「当選値」は、先述の通り、大当り判定カウンター(「0~571」)のうち、「0~50」の計51通りである。一方、「大当り」となる値は、「7」「47」「97」の3つ。つまり、3つの大当り値のうち、「7」と「47」の2つは、「リーチ当選値」を兼ねている訳だ。
よって、保1に「7」又は「47」が入ると、保1先読みにより、まず現在回転で「前兆」のハズレリーチが掛かった後、次回転(保1消化)のリーチで大当りする。これが、「本物」の連続リーチである。
但し、大当り値「97」が保1に入った場合、「97」はリーチ判定で「当選」とはみなされず、保1先読みでも「非リーチ」扱いとなる。すなわち、保1に「97」が入った時は、前兆のハズレリーチが掛かることなく、次回転(保1消化)で最初のリーチがかかり、そのまま大当りする。
したがって、「本物」の連続リーチが発生する割合は、「大当り3回につき2回」となる訳だ。
一方、リーチ当選値(「0~50」)のうち、「7」「47」を除いた49通りが保1に入った場合、2連続でリーチが外れる「ガセ連続リーチ」となる(但し、追加入賞があった場合を除く)。
リーチ当選値の全51通り中、実に49通りがガセ連続リーチの元となる計算だ。よって、保1のみが点灯した状態で発生した連続リーチは、49/51の高確率でガセる。
逆に、保2以上が点灯した状態で連続リーチが発生した場合は、追加入賞後も連続リーチが崩れなかった可能性が考えられる為、保1のみ点灯の状態よりも、「本物」の連続リーチである可能性が高まる。
なお、上記の判定方式は、あくまでも「リーチ判定」に関するもので、「大当り判定」自体の先読みは、絶対に行われない。
★体感器攻略(TVチャンピオン)
本機の大当り判定カウンター(「0~570」の571コマ)の周期は、「1周=約1.5992107秒」。そのうち、「0~50」のまとまった範囲に、リーチ乱数が集中して配置されている。しかも、この範囲に大当り乱数「7」「47」も含まれる為、体感器で大当り付近の乱数を狙い撃つことが可能だった。
この有名な体感器ネタを地上波のTV番組で披露したのが、大崎一万発&ベンツ小林の両氏だ。1996年(平成8年)11月に放映された「TVチャンピオン、史上最強パチプロ王決定戦II」で、本機を対戦台とする「パチンコ攻略対決(早当て対決)」が行われた。ここで両氏は「止め打ち」を駆使、「約3.1秒」(カウンター周期の2倍)おきに玉を数発打つ方法で、大当り付近の乱数を狙い打ちして、リーチを連発させた(コーナー進行役の中村有志も、終始驚いていた)。結果、大崎氏が先に大当りを引き、見事に勝負を制した(この回の優勝者も大崎氏)。
因みに、この回の番組ゲストは、俳優の阿藤快。途中、大会参加者のスエイ編集長をスタジオに招き、「CR大工の源さん・設定判別法の真相」(源さんの目じりの形で、設定が判る?)をお笑い感覚で検証していた。
なお、同番組では、マジカルランプ対決で体感器を使っていた事実を完全に伏せていたが、(「この店では、通常止め打ちは禁止されています」というテロップのみ流れた)、後日発売された必勝ガイド誌の「編集部後記」にて、両氏が体感器を使用したとの言及(G・巨砲氏)があり、事の真相が明らかにされた。
★DAISUKI・パチンコ対決
1997年(平成9年)5月31日放映の深夜バラエティ「DAISUKI」パチンコ対決で、本機が登場。ゲストは女優の藤谷美紀。ロケ地は東京・西大井「バーディー(BIRDIE)」(閉店)。途中休憩では、甘味処「三好野」で、トコロテンなどを堪能。
一見パチンコとは縁遠そうな、清純派のイメージが強い藤谷だが、この回は大変ヒキが強く、1回戦のマジカルランプ、2回戦「CRくだもの畑」(サミー)、3回戦「CRサクセスストーリーSP」(平和)で全て大当りを引き、レギュラー陣を唖然とさせた。特に、マジカルランプでは、連チャンこそなかったものの、2回の大当り獲得に成功。大当り時の喜び方が地味で、終始おとなしかったのも印象深い。
一方、レギュラーの中山秀征と飯島直子は、共にツキに見放されて、一度も大当りさせることが出来ずに終わる。特に飯島は、普段「クイーン」と呼ばれる程のヒキを持ちながら、この回では美味しい所を藤谷に全部持って行かれ、若干イライラした様子が画面から伝わってきた(あくまでも個人的な感想)。
もう一人のレギュラー、松本明子は、初戦のマジカルランプでなんとか1回大当りさせて、前年放映のパチンコドラマ「グッドラック」主演の面目を保った。
(右スベリ停止・予告無しの「お願いリーチ」(鉄板アクション)から、「太陽」揃いで大当り)
※最終結果
優勝:藤谷美紀(8580発)
2位:松本明子(2294発)
中山秀征(0発)
飯島直子(0発)
今日のつぶやき
このところ、コメント欄に「機種名不明」の台の特徴が挙げられていたり、疑問や質問の類が若干増えてきた感じがする。そのまま放置するのも何だかアレなので、「自分の判る範囲」で恐縮だが、諸々の情報を提供したいと思う。
ただ、ここは「2ch」などの掲示板とは違うので、あまり細かい「論争」はして欲しくない。あくまでも「参考資料」の1つとして、サラッとお読みいただければ幸いである。
(1)ニューギンのベルト式デジパチで、リーチの「再始動」アクションが外れるモノ
→「セブンショック」(1995年、時短機)のスローリーチ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/68f4ac52f248326944c50ce2a8ed5b82
スローリーチ…リーチ2周後に、中リールの速度はそのままで、効果音が派手に変化する。この時、一旦ハズレ停止に中リールが再始動すれば、ほぼ大当り確定となるが、まれに外れる事があった(私も実際に体験済み)。
★追記(えむさん)
機種名、判明して良かったです。なるほど、ベルトではなくドラムの方でしたか。Eインカジノの二段階、外れる時は必ず大当りの前後1コマで外れましたね。あと、左・中テンパイからリーチ音なしで、いきなり3つ目が揃う「即止まり」パターンは鉄板でした。(追記ここまで)
(2)平和・2回権利物「大三元」(1994年、「雀姫物語」と共通図柄)の全回転リーチについて
→「天和リーチ」(メーカー発表のリーチ名。後に「レモン牌」などでも、この名称を採用)
天和リーチ…3つのデジタルが全て揃った状態で回転。信頼度は高いが、100%当りではない。
本機のリーチ選択で「天和リーチ」が選択される割合は、
a)大当りするリーチの30%
b)右デジタルが「+1コマ」ハズレ時の0.8%
c)右デジタルが「+2コマ~11コマ」ハズレ時の0.8%
(⇒よって、まれに大ハズレとなる事もアリ)
なお、天和リーチの信頼度は、通常時64.3%、確変時94.7%となっている。
(3)「ナナシー」(豊丸、1995年)の全回転リーチの信頼度が100%でない理由など
→これは、ネット上で色々と議論されている事もあって、本来ならあまり触れたくない(汗)。ただ、当時の感覚で回答させて貰えれば、以下のようになる。
ナナシーの全回転リーチは、大当り時に選択されるケースのみならず、一定条件下のハズレリーチ時にも選択されるように、内部でプログラムされていた。
「一定条件下」とは、簡単にいえば、下段右デジタルが下段中デジタルに対して「+1コマ」でハズれるリーチの時、「1/256」という狭き関門を通過してしまうと、全回転ハズレが出現する(言い換えれば、255/256で他のリーチを選択する為、「全回転ハズレ」は滅多に出現しない)。よって、ある意味「ヒキ」が強い結果ともいえる(全回転の信頼度は約97%)。
一方、同時期に活躍した「CR大工の源さん」(三洋)、「CRマジックボックス」(西陣)、「レモン牌」(平和)など多くの機種では、全回転リーチがハズレ時に選択されないプログラムになっており(大当り判定に合格した場合のみ選択される)、出現すれば、例外なく大当り確定となる。
また、全回転リーチではないが、「CR竜王伝説Z」(豊丸)の白黒ドラゴンフラッシュリーチや、「CRモンスターハウス」(竹屋)のゾンビ手リーチなども、やはりハズレ時に選択される可能性はなく、こちらも「鉄板」のアクションとなる。
よって、当時の機種において、「全回転リーチ」がハズれるか否かは、あくまでも各機種の内部プログラム次第といえる。
ここで、「当時の規定では、100%当るリーチの搭載が認められなかった」とする説を、ネットで散見する。正直いって、この点に関して明確に回答する事は、単なる一般ファンだった私には無理である。
ただ、当時の攻略誌等の解析資料を隅々まで読んでみても、「100%当確のリーチ禁止」云々の規定(内規)に触れた記事や説明は、全くどこにも見当たらない。個人的にも、そういった話題に触れた記憶もないので、上記の内規が存在したかについては、私自身、かなり懐疑的な見方をしている。
なお、そうした内規が存在したにも拘らず、「CR大工の源さん」のように100%当る全回転リーチがあった理由につき、「内部プログラムではハズれるよう組まれていたが、ハズレリーチ時には選択されないようになっていた」と説明するものがある。
しかし、この意見には、正直いって賛同しかねる。なぜなら、デジパチのプログラムといえば、「大当り判定合格時は、〇%で〇〇リーチを選択」、或いは「大当り判定に外れ、右デジが+1コマハズレのリーチを選択した時は、〇%で〇〇リーチを選択」といった具合に、あらかじめ大当り時とハズレ時に分けて「リーチアクションの選択条件」が組み込まれたものが多く、そういった条件も全てひっくるめて「内部プログラム」というべきであろう。したがって、「全回転ハズレがプログラムに存在するが、ハズレリーチ時に選択されない」という表現自体、そもそも矛盾しているのではないか。「このリーチは、ハズレリーチ時には選択されない」という命令内容こそ、「内部プログラム」そのものであろう。
よって、個人的な見解としては、全回転その他のリーチが100%当たるか、或いはハズれる事があるかは、あくまでも当時のメーカー・開発陣の「思惑」(ゲーム性を考慮した結果)によるものと考える。ナナシーの全回転についても、先日のコメントにあった通り、「メーカーの遊び心」で全回転ハズレをプログラムに組み込んだ可能性は、大いにあろう。
但し、90年代当時、正規のプログラムと異なる「裏モ〇」が出回った可能性もある為、本来鉄板である筈のリーチが外れた、という怪現象が起こっても不思議ではない。
なお、全回転問題を取り上げた過去の掲示板もあるので、興味ある方はご覧頂きたい。
http://salami.2ch.net/pachi/kako/991/991753352.html
※この件でコメント頂いた「読者」さんに、1つ細かいお願いで恐縮ですが、今後は出来ましたら、他サイトの「URL」をコメントに書き入れる事は、ご遠慮願いたいと思います。当ブログの開設以来のルールとして、そういったコメントは原則、「非公開」扱いとしております。今回はウィキペディアからの「引用」でしたので、例外的に公開する事と致しました。ご協力の程、よろしくお願いします。
(4)「スーパービジョンP4」(大一、1989年)は、下段ゾロ目揃いで「ハズレ」が出るか。
(デジタル停止順でいえば、「上段ハズレ」の後、下段にゾロ目が出るか)
→詳細な解析資料がなく断言できないが、恐らく、ハズレ+ゾロ目は存在するのではないか。
当時の資料をひも解いてみると、例えば、「パチマガ」の機種解説ではこうなっている。
「大当りは、表で示したように70通りで、下段の(白ヌキ以外の)数字がそろっても、トラックの文字が”ハズレ”の場合は該当しない」
(「パチンコ攻略マガジン・スペシャル1989」201P)
この文章を見る限り、上段のトラックが「ハズレ」を表示した時、下段でゾロ目の数字が揃う事を前提に説明しているように思える。
また、「デジパチ必勝ガイドVol.1」(白夜書房、1990年)には、こんな記載がある。
「奇想天外、奇妙きてれつ、トラックがぐるぐる回るという名案を採用したデジパチが、このスーパービジョンパート4だ。このトラックを走らさせるだけでも、かなりインパクトがあったが、その上、いきなり「ハズレ」表示がでるところなぞは、すごく笑えてしまう。もっとも、これが下で揃った場合は、笑ってなんていられないが。」
(同誌12P)
この説明を読むと、下段でデジタルが揃った時、トラックに「ハズレ」が出ているとシャレにならない、というニュアンスで、やはり「ハズレ+ゾロ目」を前提に書いている。
もし仮に、プログラム上「トラックにハズレが出た時、下段が偶然ゾロ目だった場合は、強制的に1コマずらして外す」という内部処理があれば、「ハズレ+ゾロ目」が出ることはない。
だが、最初に上段が「ハズレ」となった時点で、下段はいかなる出目でもハズレとする本機のゲーム性(下段より上段のデジタルが優先的扱い)になっている以上、あえて下段で「1コマずらし」処理を行う必要はない気がする。
また、この当時のデジパチは「表示上の確率」と「内部確率」が同じものが多く、中には、取得した出目乱数がそのまま当たり・ハズレに反映されて、1コマずらしの処理を持たない機種も存在した。本機も、そういった台だった可能性がある。
なお、「スーパービジョンP4」の各デジタルの図柄及び大当り出目は、以下の通り。
(各デジタルの図柄)
・上段(トラック)…大一、-0、+0、-1、+1、ハズレ(6種類)
・下段
左…0~9の数字と、「0、1」の白抜き数字(計12種類)
中…0~9の数字と、「1、2、3、4、5」の白抜き数字(計15種類)
右…0~9の数字と、「5、6、7、8、9」の白抜き数字(計15種類)
(白抜き数字は単なるハズレ図柄)
(大当り出目)
・上段に「大一」「-0」「+0」が出た時
「000」「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」「999」
(ゾロ目のみ有効。3×10=計30通り)
・上段に「-1」が出た時
「000」「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」「999」
「001」「112」「223」「334」「445」「556」「667」「778」「889」「990」
(計20通り。ゾロ目の他、出目を「-1」するとゾロ目になる組み合わせもOK(前後賞))
・上段に「+1」が出た時
「000」「111」「222」「333」「444」「555」「666」「777」「888」「999」
「009」「110」「221」「332」「443」「554」「665」「776」「887」「998」
(計20通り。ゾロ目の他、出目を「+1」すると、ゾロ目になる組み合わせでOK(前後賞))
・上段に「ハズレ」が出た時
いかなる数字の組み合わせもハズレ
よって、大当りのパターンは総計70通りとなる。
各デジタルの数は、上段6、下段左12、下段中15、下段右15なので、表示上の大当り確率は、70/(6×12×15×15)=70/16200≒1/231.43
(手元に解析データはないが、おそらく内部確率も同一と思われる)
※なお、自由が丘「ミツボシ」本店の近くの店は、ミツボシ先の信号を超えて左側にあった「プラザ自由が丘」(閉店後は「ジャンボ」)と思われます。
眼鏡屋を挟んだ右隣は「ジャンボ」、同じ通り沿いで「ジャンボ」の先の信号を超えて左側なら「プラザ自由が丘」。「並び」という事ですので、「ジャンボ」の可能性が高いと思われます。
(追記2014.11.02…ご指摘コメントを頂き、「ジャンボ」の前身が「プラザ自由が丘」と判りましたので、店舗位置を誤って記載した箇所を加筆・訂正しました。大変失礼しました。)
以前作ったコチラのマップもご参考に…
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/dda33bed65a6d7c206dd55178ff3621e
(自由が丘パチンコマップ、1994年)
パルサーXXII、パルサーXXΣの設定変更判別
パルサーXXII、パルサーXXΣ
(※日活(現NET)、1.5号機)の「設定変更判別」について
※開発製造は山佐
今更情報。。。。
パルサーXXII(1.5号機、改修用) パルサーXXΣ(1.5号機、新規導入用)
※「II」と「Σ」の違いについては、コチラの記事を参照。ネットの多数説とは「真逆」の解釈をしているが、キチンと根拠も明示してある。
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/833369127349aa7bfb9422ef45b00cd9
(パルサーXXIIとパルサーXXΣ)
(変更判別の方法)
(1)朝イチで店に出向き、本機のシマへ直行(モーニングを入れる店なら、開店前に並ぶ)。
(2)シマに着いたら、一応、全台の出目をチェックして、「リーチ目」を探す。朝一なので落ちていない場合も多いが、前日のリーチ目放置台があれば座ってみる。
(3)ここから本番。各台を見回る際、リール窓上の「ボーナスゲームランプ(LED)※」をチェックする。
(「殿堂」上野店にて撮影。大ピンボケで恐縮だが…)
※ボーナスゲームランプ(JACランプ)
山佐系でお馴染み、リール上部・横一列に並ぶ12個のLEDランプ。主に1枚掛けJACゲーム(ビッグ時は最大3回、REG時は1回)で活躍。1回のJACゲーム(最大12回)で、ランプは6個点灯(3号機まではJACの払出し回数「6回」。4号機から「8回」に増加)。
本機は、1リール停止毎にJAC抽選があり(センターラインに「XX」停止でJAC当選)、払い出し(15枚)がある度に、対応する数字のランプ(1~12)が順次点灯する。
このランプはボーナス終了後も点灯を続け、次回ボーナスまで状態は不変。よって、直近のJAC払出しパターン(12回のうち、何回目と何回目にJAC当選したか)が、一目で判る。
また、他の台をチェックする際、しばらく台から目を離してしまっても、LEDの点灯パターンに変化があれば、その間最低1回はBRが入った事が判る。
当時は、ゲーム数やボーナス回数を示すデータランプのない店が大半(シマの端っこに貼られた表に、店員が「正」の字で当日の各台ビッグ回数を書き入れたり、過去1週間の全台ビッグ回数が表に書いてあったりした)。なので、こうした「地味」な台の変化でも、立ち回りの上で参考になった。
なお、4号機「ニューパルサー」以降は、LEDランプの位置で現在の小役ゲーム数も表示するようになった。一方、山佐系の3号機以前(パルサーXXII(Σ)、プラネットII(V)、アストロライナー、ビッグパルサー、スーパープラネットなど)では、リール窓下の7セグ(払出し表示)を使って、小役ゲーム数を表示していた。
(3)本機には、設定変更(打ち変え)を行うと、新たなLED点灯パターン(12個中6個点灯)が表示される、という特徴がある。しかも、通常のJACゲームには現れない、「設定変更時のみ出る点灯パターン」というのも存在した。
(通常のJACゲームでは、JACの当選パターンが、ある程度決まっていた)
それが、以下の「8パターン」である。
朝イチのLEDランプが、上記何れかの点灯パターン(A~H)だった場合、「設定変更」若しくは同一設定への「打ち変え」が確定する。上記以外のパターンだと、JACゲームによるものか、変更によるものかは判別できない。
よって、前日閉店時のランプ状況をチェックできなくても、とりあえず朝イチで「変更確定パターン」の台を見つけたら、設定がイジられたと即座に察知できる。そして、その台が前日あまり出ていなかったと感じたら「上げ」を、逆に好調と思った場合は「下げ」を考えればいい訳だ。但し、これは「全台打ち変え」を行うホールだと意味をなさず、「万年設定」の店では使いようがない。
因みに、自分の現役時(1990年~)でいうと、本機はかなり年季の入った「旧台」扱いで、設置店もあまり多くはなかった。
たとえば、勝手知ったる新宿・歌舞伎町では、’90年秋の段階で、パチ・スロ併せて18軒のホールが営業していたが、僅か一軒、赤いゲートの一番街通りにあった小さなスロ屋「ニュープリンス」(喫茶「上高地」そば、テレクラ隣、換金所が雑居ビル屋上)だけが、「パルサーXXIIΣ」(新規導入版)をしぶとく置いていた。
但し、本機の設定(出玉)状況は芳しくなく、客付きがゼロの事も多く、とても朝から出向いて打つ気はしなかった。どの台も低設定濃厚で、朝一の変更判別など無意味にも思えた。
因みに、この店のもう一つの設置機種「バニーガール」(オリンピア2-1号機)は、客付きも出玉も割と良かった。また、’91年に「セブンボンバー」(バルテック3-1号機)がこの店に入った時は、7ボンのシマだけが妙に盛況で、他はガラガラだった事を思い出す。
しかも、私自身、旧台のパルサーXXΣよりも、当時の人気台「ビッグパルサー」(山佐2-2号機)の方が、はるかに好物だった(コチラは西武新宿駅前「日拓1号店」、歌舞伎町・さくら通り「トップス」、西早稲田「みよし」、読売ランド前駅「パチンコランド」などで、朝イチからよく打った)。よって、「XXΣ」の変更判別を使う機会は、ほとんどなかった。もう少し早く「スロデビュー」していれば、状況も変わったのだろうが…平成2年の大学入学まで、パチ・スロとは一切無縁の生活をしていたので、仕方あるまい。
「判別」といえば、スーパープラネットは、朝一がフルーツゲームからスタートすると、設定変更が濃厚だった(これを利用した立ち回りも可能)。
また、モーニングの入った台は低設定濃厚だったり、逆に、モーニングが高設定台の「シグナル」だったりと、店の特徴を掴めば、モーニングが設定そのものの判別に役立ったりした。
他にも、シンプルに閉店時の出目をチェックしたり、前日閉店時にコインを1枚入れておいたり、台の開閉部分に細いテープを貼ったり紙切れを挟んだり…と、変更/据え置きを見抜く「技」が色々あった。4号機時代になると、「朝一リールのブルリ」なんかも重宝した。ブルリといえば、2号機アニマルの「ブルリ7テンパイ」はアツかったな…判別とは関係ないが。
コスミック(平和、一般電役)
1994年(平成6年)9月に平和から登場した一般電役「コスミック」
★カラー液晶画面採用
★賞球…10&14
★大当り確率…1/132
★平均出玉…2200個(釘調整、小デジハズレ等で変化)
★図柄…1~11(数字のみ)の計11種類。星をあしらったデザインが特徴。
★連チャン…数珠つなぎ連チャンも多く、時には深くハマる事もあったが、プログラム上の「仕込み」は見当たらず。数珠連については、高確率ゆえの「自力連チャン」と思われるが…。
★兄弟機…「アトミック」(1994年)
本機より1か月ほど前に出た先行機「アトミック」(1994年8月登場)…大当り確率はコチラも1/132。但し、賞球「10&13」で出玉は約1900個程度と少なめ。デジタル画面も本機と異なり、初期新要件機「ブラボーストロングα-1」(1991年登場。兄弟機「ブラボーストロングZ」(こちらはドット機)と共に、体感器攻略を受けた事でも有名)で採用された、「反射鏡・投影式デジタル」(デジタルが浮かび上がってみえる)が特徴だった。コスミックとアトミックは設置に地域差があり、東日本はコスミック、西日本はアトミックが主流ともいわれた。
~はじめに~
「コスミックのデジタル図柄は、なぜ11種類だったのか?」
今回の記事作成に当り、日頃より貴重なレトロ動画をアップして下さる、golgogolgoさんのヨウツベ動画(平和「コスミック」)を、参考資料として拝見した(感謝)。
その際、現役時は全く意識しなかった、「なぜ、本機のデジタル図柄は『1~11』の11通りなのか」という、実に他愛もない疑問を持ったのだが…動画でデジタルを何度も観察するうちに、ある事実に気付いた。
「あれ、このデジタルって、太陽、月、そして太陽系の各惑星が、実際の順番通りに並んでいるぞ…」
もちろん、現役当時も、数字の背後にある「土星」っぽい輪をあしらった星や、太陽よろしく赤くメラメラした星などの図柄が印象的だった。「コスミック」(cosmic)の名が示す通り、「宇宙」をイメージさせる、個性的なデジタル図柄だとは思っていた。
ただ、「1~11」の各図柄が、具体的に「どの星」かという視点は、正直持っていなかった。
カラフルなデザインの惑星が、不規則に11個並んでいる…くらいの認識しかなかった訳だ。
「数字の背後に星」という配置も、星のデザインをはっきり認識しなかった一因かもしれない。
しかし、今回動画を繰り返し視聴して、図柄のデザインを何度も観察するうちに、本機のデジタルが太陽系に属する11個の星を描いたもので、しかも、太陽を起点に、実際の配置通りに並んでいることに気が付いたのだ(今更感タップリだが…)。
(「既に気付いていた」という方は、どうか暖かく見守ってほしい。当時、この事実に触れた専門誌など、ほぼ皆無だったのだから…)
すなわち、本機の各図柄と星の対応関係は、以下の如くなっている。
1:太陽 2:水星 3:金星 4:地球 5:月 6:火星
7:木星 8:土星 9:天王星 10:海王星 11:冥王星
11個の図柄を注意深く検証したところ、「1」の「太陽」から始まり、以下、「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」の各惑星が、実際の配置通り、規則正しく並んでいる。
さらに、「4」の「地球」と「6」の「火星」の間には、地球の衛星である「月」(5)がちゃんと挟まっていて、何気に芸も細かい。
また、「8」と「9」は共に、「輪っか」(リング)つきの惑星なのだが、斜めの輪(土星)と垂直の輪(天王星)という具合に、ちゃんと区別して描いている。やはり、芸が細かい。
(興味のある方は、「平和、コスミック」でYoutube検索のうえ、デジタル数字の背景に描かれた星のデザインを、じっくり観察して欲しい。それぞれの星が、キチンと描き分けられている事に気づくハズだ)。
以上の事から、平和の開発陣は、やみくもに「11通り」の図柄を本機に採用した訳ではなく、「太陽、月、及び太陽系に属する9つの惑星(計11個)」を、現実の配列通りに表すべく、あえてデジタルを11通りにした可能性が高い。
ここで、本機の兄弟機(先行機)「アトミック」も、やはりデジタルが11種類(0~9、H)だったので、本機の11通りのデジタルは、単にアトミックを引き継いだだけではないか、との指摘もあろう。
ただ、「先行機」とはいっても、両機のタイムラグは僅か「1か月」ほどしかなく、ひょっとすると両者は「同時開発」された可能性すらある。とすれば、デジタルを11種類にするアイディアは、実はコスミックの方が先で、アトミックもそれに合わせて11種類にした、とは考えられないだろうか。
いずれにせよ、コスミックのあの11図柄には、「太陽系」という明確なメッセージが込められていた訳だ。
もしも、本機の名称が「ソーラーシステム」(solar sysytem=太陽系)だったとしたら、各図柄の持つ意味にも、すぐ気付くことが出来ただろう。ただ、実際は、「アトミック」「コスミック」と、兄弟機でキレイに「韻」を踏んでいた訳で、「ソーラーシステム」というありふれたネーミングなど、「却下」濃厚だったと思われる。
ともかくも、本機登場から「20年」という年月が経った今、こうして当時の開発者の意図(?)をくみ取った事に、一種の感慨を覚える(明らかな自己満足だが…)。
もちろん、貴重な動画を上げて下さったgolgogolgoさんにも感謝したい。
おっと…デジタルの話ばかりで、ゲーム性等の説明を忘れていた。
(ゲーム性)
本機は、デジパチではなく「一般電役」に属するが、ゲーム性は非常にシンプルだった。
ヘソのスルーチャッカー通過で、メインデジタルが変動開始。デジタルの3つ揃いで大当りとなる。
デジタル確率は「1/132」と甘いが、ヘソに賞球がなく(ヘソ下方に賞球口があるが、釘のガードが堅い)、投資スピードは早くなりがちだった。
メインデジタルが揃ったら、即・右打ちに切り替えて、右肩の電チュー(カニ爪型)に5個以上入賞させる。
その後も右打ちを続けて、ヘソ右下及び盤面最下段の電チューを連動させて、出玉を稼ぐ。
但し、電チュー開放用の小デジタルに「-」が出るとハズレで、電チュー空振りで出玉ロスとなる。
小デジ当選率は1197/1200=399/400。つまり、小デジハズレ確率は3/1200=1/400。
平均出玉は2000~2200個程度(一般電役としては、やや少なめ)。但し、釘調整や小デジハズレの回数などで変動した。
(リーチアクション)
デジタル停止順は左⇒中⇒右。リーチが掛かる時は、左デジ停止後、(1)中デジが2コマ進んでリーチになる場合と、(2)中デジが大きくスベッてリーチになる場合がある。但し、これらスベリの有無で、リーチの信頼度が変わることはない。
リーチアクションには、(a)ノーマル、(b)チャンス、(c)全回転の3種類が存在。
(a)ノーマル…左・中テンパイ後、右デジがゆっくりスクロール。「1~2コマ手前で一旦停止後、再始動」(二段階アクション)及び「1コマ戻り」は大当り確定。
(b)チャンス…ノーマルから発展。リーチ後1周~1周半あたりで、デジタル上に「CHANCE」の文字が出現する。信頼度高し。1コマ戻って当るアクションあり。
(c)全回転…デジタル変動中、左・中デジが同調して回り出した後、右デジが追い付く形で、全デジタルが揃ってスクロールする。当時の人気機種「春夏秋冬」(西陣)の全回転リーチにちなんで、「春夏秋冬風リーチ」と呼ばれたりもした(平和としては、不本意だったと思うが…)。超高確率で大当りする激熱リーチだが、まれに外れることアリ。外れる時は、右デジのみ再始動後にズレて止まるが、1コマ戻って当ることもアリ。
★リーチ選択率
(大当り時) ノーマル及びチャンス…192/256(75%)、全回転…64/256(25%)
(ハズレ時) ノーマル及びチャンス…255/256(約99.61%)、全回転…1/256(約0.39%)
⇒大当り抽選で「ハズレ」を引き、さらに「1/256」の関門を突破すると「全回転ハズレ」が出現。
「ノーマル及びチャンス」を選択した場合は、さらに下記の要領で振り分けを行う。
(大当り時) ノーマル…6/11(約54.55%)、チャンス…5/11(約45.45%)
(ハズレ時) ノーマル…231/256(約90.23%)、チャンス…25/256(約9.77%)
⇒一部攻略本には「チャンスリーチは大当り確定」などと記されていたが、これは誤り。
(大当り判定方式)
1994年後半の「連チャン規制期」に出た現金機としては珍しく、「二段階判定方式」を採用。
(’93年以前、多くの連チャン機(三共など)が採用した判定方式)
・一次判定…カウンター範囲は「0~5」の計6コマ。当選値は「3」。一次当選率は1/6
・二次判定…カウンター範囲は「0~21」の計22コマ。当選値は「7」。二次当選率は1/22
よって、トータルの大当り確率は、1/6×1/22=1/132となる。
(兄弟機「アトミック」も、同様の判定方式を採用)
二段階判定の為、「一次抽選フリーパス」等による、意図的な連チャン性が疑われたものの、プログラム上の怪しい「仕込み」は、結局見つからなかった。
沖スロ4号機・実戦ホールリスト(2001年~2003年)
今回は、1990年代の話ではないのだが…
「2001年~2003年」という時期(つい最近の事だと思っていたが、もう10数年前)に、特にパイオニアの「ハイビスカス告知系」沖スロ4号機が好きで、都内・神奈川の各ホールを「巡回」していた事がある。
特に、小田急線・町田駅の路地(大和横丁)沿いにあった、「回専問屋さくら屋」(閉店)という小さなスロ屋の「シオラー30」(パイオニア)は、2002年~2003年の約2年に渡ってメイン機種となり、稼働・収支共に大変充実したものとなった(この時期はスロ歴唯一の「専業期」でもあり、かなり必死だった事を思い出す)。基本的には、この店のシオラーを中心に、連日立ち回っていた。
ただ、町田の状況が芳しくない時など、他のエリアまで足を延ばして、やはりビスカス系の沖スロ設置店を見つけると、とりあえずペシペシ触っていた。また、シオラーを打ちこむうちに、ビスカス系沖スロそのものに強い魅力を感じるようになった(もともと90年代後半に「シオサイ30」でビスカスの魅力に取り込まれたクチだが、シオラー実戦によって、いっそうその度合いが増した、という事)。まぁ、自分のスロ歴の中でも、一番の「華(花)中毒」時代だったといえる。
そんな訳で、今回、沖スロ4号機の「ブリチカ」にご執心だった頃(2001年~2003年)に訪れた、沖スロ設置店及び当時の実戦機種を一覧にした。
エリアとしては「都内、神奈川」が中心だが、当時、旅打ちで訪れた「名古屋」の店もリストに入れた。
下記リストに挙げた機種は、実際に店で打った機種で「パイオニア・ビスカス系」中心だが、ビスカス系以外の実戦機種も幾つか入っている。ただ、その店の沖スロ設置機種を「全部」打った訳ではなく、記載漏れのものも少なからずあるハズだ。
また、足繁く通ったホールと、たった一度きりの訪問で終わった店とでは、当然ながら実戦機種の数も異なる。
いうまでもなく、店によって「出方」(あえてこういう表現をする)も様々だった訳だが、爆裂云々より、「花が光る」事自体が楽しかった事もあり、初見の店でも、出方に拘らず「エイッ」と座る事が多かった。「いたって普通の出方」(あえてこういう表現をするw)をする場合でも、別に「退屈」とは思わなかった(町田のホーム自体、それ程怪しい出方はしていなかった)。
ただ、それでも「爆死」だけは怖かったので、吸い込みがキツそうな雰囲気の時は、ある程度の初期投資限度も決めていた(とはいっても、某所K店のシオラーで、バケツに入れた持ちコインの5000枚を、全部ホッパーに飲ませたこともあるが…汗)。
そんな訳で、以下はあくまでも「個人的な沖スロ訪問店リスト」だという事を、どうかご理解頂きたい。
当時の告知系では、25Φの「オアシス」「カブト」「オアーゼ」「ツイスト」「ねぇ~ねぇ~島娘」等も非常に好んだ(特にオアシス)。ただ、今回は「30Φ限定」のリストにしたので、上記25Φの各機種については、別の機会に譲りたい。
それと、この「ビスカス」中毒からしばらく後、「南国育ち30(25)」や「NEW島唄30」といった、オリンピアの「キュイン系」沖スロ4号機に深くハマった時期もある。機会があれば、その時期のリストも作成してみたい。
相変わらずの「局地ネタ」で恐縮である…。
2001年~2003年、沖スロ4号機実戦ホール&実戦機種リスト
★小田急線
小田急相模原
・パサージュ相模原(ハナハナ30、シオラー30、海神30)
相模大野
・パラッツオ(ゼット30、花伝説30、ビッグシオ30、チバリヨオキナワ30)
・ガイア(ハナハナ30)
町田
・回専問屋さくら屋(島唄30、シオラー30、ハイハイシオサイ30、ビッグシオ30、島娘30、
スロットパラダイス30)
・ガイアWEST(サザンコースト30、ハナハナ30)
・バンブー(シオラー30、花伝説30)
鶴川
・出玉王福助(シオラー30、ビッグシオ30)
多摩センター
・キング(シオラー30)
・シーザースパーラー(シオラー30)
向ヶ丘遊園
・バンバン向ヶ丘(シオサイ30、ティーダ30、ステーションシティ30、南国物語30)
・銀座ホール(キンバリー30、ハイハイシオサイ30、カリユシ30、南国物語30、スーパーリノ30、
ブルーラグーン30、海神30、ハイビ30、ビッグシオ30)
・ニューギンザ(キンバリー30、ステーションシティ30、南国物語30、ロッキー1-30、スーパーリノ30、
島唄30、空拳30)
登戸
・スロットハトヤ(ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、島唄30)
・ニューハトヤ(シオサイ30)
新宿
・エスパスタワー1100(ハイハイシオサイ30、シオラー30、ハナハナ30、ビッグシオ30、ハイビ30、
花伝説30)
・エスパス4号店(キングキャッスル30、シオラー30、ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、島唄30)
・スロットクラブ・エスパス3(シオサイ30、キングキャッスル30、ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、
シオラー30、ビッグシオ30、ハイビ30)
・マリオン(靖国通り、通称「地下スロ」)(ハイハイシオサイ30、島唄30)
・悟空1(シオラー30、ハイビ30、ビッグシオ30、チバリヨオキナワ30、シオマール30、パイジマ30)
★JR南武線
中野島
・バンバン本店(ハナハナ30、サザンコースト30、シオラー30、ニューフェニックス30)
武蔵溝ノ口
・エスパス本店(シオサイ30、ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、シオラー30、ビッグシオ30、
ハイビ30、島唄30)
・エスパス駅前店(シオサイ30、キングキャッスル30、ハナハナ30、ビッグシオ30)
・ミラージュα(ハナハナ30、ビッグシオ30、ブルーラグーン30、海人30、島唄30、ガンガン30、
花伝説30、カジマヤー30)
・キング(シオラー30、ハナハナ30、海神30)
武蔵新城
・スロットサーティー(シオラー30、ハイビ30、ビッグシオ30)
川崎
・萬両園(シオサイ30)
(※「萬両園にシオサイ設置の記憶なし」とのコメを頂いたが、様々な検証の結果、少なくとも、私が訪問した2001年の時点においては、シオサイが設置されていたとの結論に至った。この点、文末の「追記2」「追記2の追記」「追記2の追記の追記」を参照の事。)
★東横線
自由が丘
・三星(ミツボシ)本店(レキオ30、カリユシ30)
・ニュー三星(シオサイ30、海人30)
★田園都市線
青葉台
・フラミンゴ(シオサイ30、ガンガン30)
★JR横浜線
古淵
・桃太郎(シオラー30、島唄30、花伝説30)
★JR京浜東北線(JR根岸線)
関内
・プラザ(ハナハナ30、ビッグシオ30、ハイビ30)
桜木町
・ラグーン(元「大宇宙」)(ハナハナ30、島唄30、花伝説30、ダイナマイトキッズ30)
横浜(西口)
・プリンス(ハナハナ30、海人30、ビッグシオ30、カジマヤー30)
・ポパイ(島唄30、海人30、ハイハイシオサイ30、ハナハナ30)
・ベルシティ(海神30、南国物語30)
・エンディバー(ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、島唄30)
★JR山手線
高田馬場
・エスパス本店(ハナハナ30)
・エスパス2(シオサイ30、ハイハイシオサイ30)
・BBステーション(ゴールデンルーキー30)
池袋
・ファイトマン(ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、空拳30、ブルーラグーン30)
・BBステーション(ダイナマイトキッズ30、海人30)
目黒
・百万弗(ハナハナ30、ティーダ30)
・ガイア(スーパーリノ30、ハイハイシオサイ30、花伝説30、ハナハナ30、シオラー30)
渋谷
・マルハンパチンコタワー(シオラー30、ボーナスジャム30、花伝説30)
・BBステーション(海人30、琉王30、ウルマ30、島唄30、スーパーリノ30)
・エスパス渋谷(井の頭ガード)(ハイハイシオサイ30)
・スロットエスパス(井の頭ガード)(シオサイ30、ティーダ30、アラシ30、キンバリー30、ハナハナ30)
有楽町
J's Bee(島唄30、チバリヨオキナワ30、ワンバーワン30)
★JR中央線
四ツ谷
・沖すろ屋(シオラー30、ハナハナ30、海人30、海神30、南国物語30、花伝説30、乱打30、ハイビ30)
★地下鉄丸ノ内線
四谷三丁目
・ザ・リボン(シオサイ30、キンバリー30、ハイハイシオサイ30)
赤坂見附
・エスパスB館(ハイハイシオサイ30、ハイビ30、ハナハナ30、ビッグシオ30、スロットパラダイスII-30)
・ニュー赤坂(アラシ30)
★旅打ち、名古屋
名古屋(太閤口)
・ウイングレッド(シオサイ30、ハイハイシオサイ30)
・ジャンボ(シオサイ30、ハイハイシオサイ30)
・スロットピーチ(ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、キングキャッスル30、ブルーラグーン30、
ニューフェニックス30)
今池
・スタジアム1100(ハイハイシオサイ30、ハナハナ30、海人30)
・今池キング(キンバリー30、シオサイ30、ハナハナ30)
★★追記(2014.11.06. ぉぢさん さん)
コメント有難うございます。当方の横浜駅西口遠征は、2002年6月の約10日間でした(サッカーワールドカップ開催による「自粛」の影響か、ホームの町田「さくら屋」が突如出さなくなり、各地遠征の機会が増えた時期です)。
その時、「プリンス」「ベルシティ」「ポパイ」「ゼット」「キング」「エンディバー」「007」の各店を回ったのですが、沖スロを見つけたのは、今回のリストに挙げた4軒だけでした。「ビッグシオ」に関しては、まだどの店も置いていませんでした(「ハイビ」は、まだ発売前ですね)。
その後、2002年10月に、もう一度横浜西口に行きましたが、その時は「プリンス」一軒しか訪問しませんでした(その際、「ビッグシオ」と「カジマヤー」の設置を新たに確認)。
なので、2003年以降の「ポパイ」設置機種は、当方全く把握しておりません。
しかし、あの香ばしいラインナップであれば、ビッグシオとハイビを入れて当然、という感じがします。
ぉぢさんさんのご記憶通り、その時期の「ポパイ」には、両機種が設置されていたのではないでしょうか。
(さぞかし、ガツンという「出方」だったんでしょうねw)
(追記、ここまで)
★★追記2(2014.11.7. unknownさん)
コメント有難うございます。うーん、萬両園、シオサイ設置の記憶はありませんか…。確かに、普段は川崎駅界隈で打つ機会があまりなかった為、店を勘違いしているかもしれません。
(「NEW島唄30」の時期は、エナ狙いで(新川通り沿いの店・2F)足を運ぶ機会も多かったですが)
ただ、2000年代初頭、川崎駅東口を出て、バスターミナルと京急の高架を超えて、銀柳街に入る狭い路地沿いの店で、元祖シオサイを見つけて、つい反射的に座った事はよく覚えています。
(位置的に考えると、「吉兆」ではないですね。)
正直、その時は店名も意識せずに打っており、後から位置的に「萬両園」だったと判断したのですが…
unknownさんは、萬両園の事をよくご記憶でしょうから、古参のシオサイが置いてあれば、忘れる事はないですよね(存在感のある台ですから…)。という事で、私がシオサイを打ったのは別のお店だった可能性があります。もしも、萬両園があったあの界隈で、元祖シオサイを置いていた店(パチ・スロ併設店だった記憶があります)をご記憶でしたら、お教え下さい。
(追記2、ここまで)
★★追記2の追記(2014.11.7)
その後、当方が保存する過去のネット資料を捜索したところ、2001年に存在した掲示板の中に、以下のような書き込みを見つけました。
JR川崎駅周辺について語る?
1 :チェキナ名無しさん:2001/03/28(水) 11:38
タイガー、モナコ、サントロペ、等々語るがいい
(中略)
103 :チェキナ名無しさん:2001/05/04(金) 16:27
川崎で沖スロあるところ教えて下さいな。
104 :チェキナ名無しさん:2001/05/05(土) 00:13
>>103
タイガー7
ハイハイシオサイ、ロッキー、海人、ファイヤーV
万両園
シオサイ、ファイヤーV
吉兆
ロッキー、海人、南国物語、シオサイ
(中略)
294 :チェキナ名無しさん:2001/06/05(火) 14:43
萬尿園、客激減でついに沖スロ、今月いっぱいで撤去。ガメラなど導入へ。台入れ替えよりモット出さらせ。さもないとピンフ同様つぶれるぞ。
(中略)
300 :チェキナ名無しさん:2001/06/05(火) 23:20
萬尿園の沖スロコーナーにとんでもないジジイがいるぞ。70歳くらい。客が少ないことをいいことに、一人でシオサイを4,5台打っている.ドキュソ店員もこれまで相当儲けさせてもらっているせいか見てみぬフリ。俺はこいつがやっていた台で、ハイビスカスを点滅させ、こいつの悔しそうな顔を見るのだけが楽しみで、このクソ店に行っている。ちなみにこいつは、午前中から午後3時くらいまでは必ずいるはず。なぜか手には読みもしない新聞を持っている。見に行った人は感想を。
これは、いわゆる地域掲示板(2ch)の書込みの類ですが、2001年当時の萬両園に、「シオサイ(30)」と「ファイヤーV(30)」が設置されているとのネット情報が、手元に残っていました。
(「万」両園はともかく、萬「尿」園の表記はちょっとアレですが)
残念ながら、この掲示板は既にdat落ち(?)により、検索をかけてもヒットしないようです…と思ったら、「104」番目の書き込みのアンカーに、掲示板のURLがリンクしてありました。
(コチラ)
http://mimizun.com/log/2ch/pachi/985747121/#103
一応、参考資料の1つとして載せておきます。引き続き、unknownさんのご意見もお待ちしております。
(追記2の追記、ここまで)
★追記2の追記の追記(2014.11.8)
当時の行動経路、実戦店の特徴(立地、併設店だった事など)、そして掲示板書き込みなど勘案した結果、やはり2001年に川崎駅東口で「シオサイ30」を打ったのは、「萬両園」だったとの結論に至りました。
そこで、unknownさんのご記憶にない原因を、自分なりに考えてみました(間違っていたら、すみません)。
まず、コメントで列挙されている設置台の登場時期をまとめました。
・ジュリアン30(ネット)…1997年8月
・ベジタン30(パイオニア)…1997年10月
・ティーダ30(山佐)…1998年
・ダブルアップ30(ベルコ)…1998年秋
・ゴング30(ネット)…1999年9月
こうしてみると、いずれも「2000年以前に登場した機種」ですね。
一方、2001年の掲示板には、萬両園に「シオサイ30」及び「ファイアーV30」が設置されている旨の記載があります。これは、リアルタイムの川崎駅周辺のホール情報で、しかも複数の沖スロ設置店と設置機種を具体的に挙げており、個人的には「信憑性あり」と感じます(「吉兆」にシオサイがある事も、しっかり書いてありますね)。また、「萬両園でシオサイを掛け持ちする老人」の話も、描写が具体的で、やはり信用に値すると思います。
ここで、「ファイアーV30」(バンガード)は、「2000年2月」登場の台です。一方の「シオサイ30」は、ご存知の通り、ジュリアンやベジタンと同時期の「1997年11月」発売ですから、登場時期が一致しません。
という事は、萬両園にシオサイ30が導入されたのが、実はジュリアン~ゴングよりも後の「2000年以降だった」とは考えられないでしょうか?
ファイアーVといえば「ひっくり返った」Verが有名ですし、それと同時期にシオサイが入ったとすれば、こちらもチューンナップされたVerという事で、「(今さらの)遅い導入」というケースも十分あり得ますよね。
ただ、私が打ったシオサイは、いかにもノーマルっぽい挙動でした。これが、「たまたま状態を引けなかった」のか、「すでにノーマルに戻された後だった」のかは、今となっては確認の術がありません。
いずれにしても、unknownさんのご記憶がない原因は、そういった「特殊な設置時期」が原因ではないかと思うのですが…これは、あくまでも「推測」に過ぎませんので、全く的外れの場合は、どうぞ御容赦下さい。
(追記2の追記の追記、ここまで)
CRチキチキドリームR(西陣、デジパチ)
1995年(平成7年)に西陣から登場したCRデジパチ「CRチキチキドリームR」
(「鳥夢」=ドリームというダジャレ。)
「CR花満開」(1993年)「CR球界王EX」(1994年)と、人気CR機種を相次いで世に送り出した西陣が、平成7年に満を持して登場させたのが本機である。
私は当時、確率の甘い現金機を中心に打っていたが、確率が厳しめのCR機の中にも、リーチアクションなどのデキがよく、「妙にあとをひく」機種というのがあった。本機も、そんな魅力を感じた台の1つで、ちょいちょい追いかけていた。
リーチになると、卵から可愛い黄色のヒヨコが出てきて、左・中・右いずれかの穴(土管)に入る。どの穴に入るかでリーチアクションも異なり、いずれのリーチもコミカルで遊び心タップリだった。
この時期のCR機は、3段階の設定付きタイプが主流で、本機も設定1~設定3で大当り確率が異なる。最も甘い設定1は1/300を切る良心的な数値だが、通常営業では「設定3だらけ」と想定してボーダー等を考えた方が無難であった。
(スペック)
★賞球…5&10&15(ヘソ5個戻し、アタッカー15個戻し)
★大当り確率
(通常時)…設定1=1/298 設定2=1/329 設定3=1/353
(確変中)…設定1=1/99.6 設定2=1/82.25 設定3=1/88.25
※確変中は「設定2」が一番当り易い。逆に、最も確変中にハマり易いのが「設定1」。一応、確変時の当り方で設定を読む方法もあるが、確率の「ムラ」に騙される場合アリ。
★大当り図柄…「1~9、ニワトリ、ヒヨコ、コイン、気球、鍵、ハート」の各三つ揃い(15通り)
(確変図柄の「1、3、5、7」は緑色、その他の数字(通常図柄)は赤色で表示)
★出玉…約2300個(最大16R継続)
★確変機能搭載
・全15図柄中、「1、3、5、7」の4図柄で当ると、プラス2回の確変に突入
⇒突入率&継続率は4/15。1/3確変2回ループのフルスペックよりも爆発力は劣る。その分、初当り確率が良く(とはいっても設定3だと「1/353」だが)、また、ツボにハマった時の出玉の伸びもなかなかだった。
★現役時の実戦店…新宿・西口「アラジン」(現存)、新宿・中央東口「メトロ」(現存)など
(90年代の新宿「アラジン」)
90年代の新宿「メトロ」
★本機の主な特徴
・カラーブラウン管画面(6インチ)搭載(西陣デジパチ初の試み)。美麗な画面表示による、多彩なデジタルアクションが特徴。
※なお、新要件機で最初にカラーブラウン管(CRTモニター)を搭載したのは、三共の「フィーバーファイターI」(1994年登場)である。
・デジタル下の始動チャッカーがヘソ一つではなく、左右「Wチャッカー」(2連チャッカー)になっていた。
Wチャッカーを採用した新要件機は、本機以前にも存在したが(エキサイトビューティー、エキサイトバトル、フルーツマシン2Aなど、ニューギンの機種に多かった)、その大半は左右のセンサーが裏で一つに繋がっていた。
一方、本機はセンサーが左右で独立しており、当初は「右のチャッカーに入ると当りにくい」とか「左に入るとリーチが多く掛かる」など、まことしやかに噂された。だが実際は、左右どちらのチャッカーに入っても、大当りやリーチに偏りは生じなかった。
なお、釘次第では、天釘狙いや右打ちの方が回る事もあって、何気にストロークの選択も重要だった。
・飽きの来ないリーチアクション
「ニワトリの産んだ卵がデジタルを止める」という通常時のアクションに加えて、リーチの多彩さや面白さも大いに際立っていた。
デジタル停止順は左⇒右⇒中で、左右テンパイすると、金の卵からヒヨコがかえり、左・中・右いずれかの穴(土管)に飛びこむ。ヒヨコの動きには愛嬌があり、また、入った穴次第でリーチが異なるのも楽しかった。
なお、各穴ごとのリーチは以下の通り。
(左穴)…「宝探しリーチ」※(海中のヒヨコが、魚に体当りされつつ左右に動き、海底の宝箱を目指す)
(中穴)…「アミダリーチ」(アミダくじの要領でヒヨコが移動。アミダの先に宝箱(常に移動)があれば大当り)
(右穴)…「レースリーチ」(4匹のヒヨコによるレース。黄色のヒヨコが勝てば大当り)
※「マリンリーチ」と呼ばれる事もあった。
各リーチにはノーマルとスーパーがあり、ノーマルは期待薄だが(但し、当る事もある)、スーパーだと大当り期待度も大きく高まる。なお、各スーパーの特徴は以下の通り。
(宝探しSP)…亀が出てきて、海底の宝箱を動かす。
(アミダSP)…通常1つの宝箱が、2つに増える。
(レースSP)…黄色いヒヨコが、スケボーに乗って一気に加速。
※もちろん、これらのSPアクションでも外れる時は外れる。
(アミダリーチ。SP時は宝箱が2つに増えるので激アツだが…やはり、外れる時は外れる。)
アミダリーチで絶妙のタイミングで宝箱に届いてハズレたり、宝探しリーチで宝箱の目前で魚に体当りされて飛ばされたり、レースリーチでゴール直前で転倒したり、断トツのトップから最後にマクられたりと、悔しさ倍増のハズレパターンもあった。
・ワープルート搭載…天下ワープ入賞口に入った玉は、デジタル下のステージに乗った後、2つの始動チャッカーにアプローチする。よって、ワープに良く飛びこむ台ほど、デジタルの回りも良い。
・ラッキーナンバーランプ搭載(1~0の10種類)。無制限主流の現在と異なり、当時は店ごと・シマごとに「継続/交換」のルールがあり、「無制限」(無定量、ノーパンク)、「確変時のみ継続可」、「完全一回交換」、「メインデジタルが7で揃えば無制限」、「3・5・7でラッキーナンバー(LN)継続、2・4・6・8で交換(アンラッキーナンバー)」など、多くのバリエーションが存在した。ラッキーナンバーランプは、こうした店のルールに対応した機能で、大当りごとにLNランプの抽選があり、何れかの数字のサイドランプが点灯する。
・大当り中は、アタッカーに入賞した全ての玉が、アタッカー下部にいったん貯留される。アタッカー下部には透明な窓があり、貯留された玉の状態が、外から見えるようになっていた。貯留が「ドバッ」と解除された時の豪快さが気持ち良かった。
・リーチによって、大当り中のストーリーが変わる。
大当り中は3つの異なるストーリーがあるが、通常時はどのリーチで当ったかによって、選択するストーリーが決まる。宝探しリーチで当ると「海底冒険(宝探し)」、レースリーチで当ると「麻雀、競馬などのギャンブルを満喫」、アミダリーチで当ると「世界一周旅行」を選択する仕組み。
・確変中の止め打ちが有効
確変中は、小デジ確率が1/14(通常時)から10/14にアップ(10倍アップ)。それほど高確率ではなく、小デジハズレも多かったが、電チュー開放時間が5.5秒(or2カウント※)と長めで、空振りしにくい。その為、確変中は、止め打ちを駆使した「節玉打法」が有効。
天下の小デジ(7セグ)に「7」が出ると電チューが開くが、小デジの動き方に、止め打ちに有利な特徴があった。
小デジは、変動開始から約7秒の高速変動後、スローに切り替わってから一周で停止する。つまり、スローになった瞬間(判読可能になった瞬間)に見えた数字が、最終停止出目となる。よって、小デジの高速変動中は打ち出しを停止して、「7」からスローに切り替わった時のみ、約2秒後に玉を5~6発打ち出せばよい。
※タイミングが良ければ、一度の電チュー開放で3個入賞することもアリ。
・確変中は、確変図柄のみリーチアクションあり。
確変中、通常図柄がテンパイしてもリーチアクションは起こらず、大当りも「即止まり」のみとなる。一方、「1、3、5、7」の確変図柄がテンパイした場合、必ずリーチアクションが発生する。
通常図柄のリーチ省略については、「時間短縮に繋がるのでよい(肯定)」「その分、確変リーチがアツくなる(肯定)」「ゲーム性が単調になり、つまらない(否定)}など、意見は様々だった。
★余談…「CRチキチキドリームR」と、1990年代ドラマ「未成年」(TBS、1995年)の意外な関係
TBSドラマ「未成年」(1995年10月~12月放映)
・脚本:野島伸司
・出演:いしだ壱成(ヒロ)、香取慎吾(デク)、反町隆史(ゴロ)、河相我聞(優等生)、北原雅樹(インポ)、桜井幸子(モカ)、遠野凪子(カー子)、浜崎あゆみ(瞳) ほか
・主題歌:「TOP OF THE WORLD」「」(カーペンターズ) 「青春の輝き」(カーペンターズ)
「イエスタデイ・ワンス・モア」(カーペンターズ)
・5人の個性的な若者達を中心に、彼らの友情や苦悩、葛藤と対立、そして男女の恋愛などを、泥臭くも赤裸々に描いた90年代の人気ドラマ。若き日のSMAP・香取慎吾の出演作としても有名。「TBS・野島三部作」の1つ。
第2話「彼女のハートにダイビング」(放映日:1995年10月20日)
90年代の野島作品では、パチンコ屋での撮影場面をピンポイントで織り交ぜる事が多かった※。本作の第2話でも、非常に短いショットだが、パチ屋のシーンが登場する。
※詳しくはコチラ
90年代ドラマとパチンコに関する考察(記事リスト)
⇒「愛という名のもとに」「この世の果て」「家なき子」の各タイトルをクリック
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/02a149a8a5ce69d9ad45ec5ef656dcd9
咥えタバコ&グラサン姿でパチンコに興じるゴロ(反町)。あいにくヒキが弱く、「おい、全然出ねぇじゃねえか!」と店員に悪態をつくが、相手にされない。すると突然、向うのシマからカメラのフラッシュを焚かれる。驚いてフラッシュの方に目をやるゴロ。ちなみに、ゴロが打っていた台は「CRエーストレイン」(西陣、1995年)と思われる。
・CRエーストレイン…「汽車が吐く煙」を、花満開チックなデジタルに仕立てたCR機。確変突入率&継続率は1/2(次回まで継続、ループ有)
フラッシュを焚いた張本人は、一緒に来ていたデク(香取)だった。コチラは、調子良くドル箱を積んでいる。
デクの様子を見に来たゴロ。19年前のシマの雰囲気が懐かしい(デクの頭上には「継続中」の札も見える)。
ゴロはおもむろにデクの隣に座ると、デクが持っていたドル箱を自分の手元にサッと引き寄せて、何食わぬ顔で打ち始める。それを怒りもせずに、笑顔で許す人の好いデク。
実は、この時デクが打っていたのが、CRチキチキドリームRだった。
一瞬ではあるが、「レースリーチ」が掛かる様子も映る。残念ながら、大当りシーンは出て来ない。
なお、本シーンのロケ地となったホールは、全くクレジットされていないので不明だが、デクの足元に積まれたドル箱を見ると、「Minami」と思しき白いロゴが見える(気がする)。
本作は、「京王線」沿線(東府中、聖蹟桜ヶ丘など)がロケ地となる事が多かった為、恐らくは、聖蹟桜ヶ丘駅近くの「パチンコミナミ」(近頃、閉店した模様…)ではないかと思われる(詳細は継続調査中)。
(CRチキチキドリームRの項、了)
いにしえの「グリンピース新宿本店」を振り返る
判る人にはわかる、昔懐かしのワンショット(ちょっとピンボケではあるが…)。
レトロパチスロファンにとって忘れ難いホール「緑豆」、すなわち新宿東南口「パチスログリンピース・新宿本店」の25年前(1989年)の姿である。外壁の色も、現在の「緑」主体ではなく、まだ白かった頃だ。
(2011年12月に撮影した、グリンピース新宿本店。)
ご存知の通り、GP新宿本店は、2000年以降も2号機、3号機の名機「コンチネンタルIII」「スーパーバニーガール」「アラジンII」「スーパープラネット」「コンチネンタルI」(計5機種)を置いた店として知られる。まさに、レトロファン「垂涎」のラインナップであった。
同店は今も営業を続けているが、2006年(平成18年)の「みなし機撤去」に伴い、上記レトロ機は全て店頭から消えた(コンチIは2004年に撤去。その他の機種は、2006年に段階的撤去)。
あの「名機との別れ@新宿」を思い返すたびに、何とも切ない気持ちになる。
さて、冒頭の画像は、そのGP新宿本店の平成初期(1989年)の姿だが、個人的には、横断歩道前のガラス(当時は自動ドア)に書かれた「PART-2」の白い文字に、どうしても目が行ってしまう。なぜなら・・・
実は、かつてのグリンピ新宿本店では、各フロアごとに「PART1」(BF)、「PART2」(1F)、「PART3」(2F)…と異なる「名称」がついていた。「PART2」というのは、地上1階フロアを指す。
しかも、1992年辺りまでは「1フロア=まるまる1機種のみ(約40台)」という、大変判り易い設置だった。
「1階、スーパーバニーガールコーナーでございます」「コンチネンタルIをご希望の方、五階へどうぞ」という感じで、まさに当時の看板に書かれた「パチスロのデパート」を地でいっていた。
(「大人のリゾート」というキャッチフレーズも、店頭に書いてあった)
もともとGP新宿本店は、1988年(昭和63年)9月の新規開業(グリンピース1号店)以来、店舗ビル内の設置フロアを段階的に増やしながら、徐々に規模を拡大してきた「歴史」を持つ。当時、店舗全体ではなく、一フロアづつ個別に営業許可を取ってきたという(但し、みなし機撤去を機に、あらためて一店舗申請を行ったとの事)。
’88年の新規オープン時は、BF、1F、2F(PART1~PART3)のたった3フロアしかなく(残りは空フロア)、設置機種も「ファイアーバード7U」と「トロピカーナ7X」(共に1.5号機)のみだったとの事(当時を知る方々の「証言」による)。’88年9月といえば、私はまだ高2でパチ・スロに縁もなく、真面目に勉学と部活に勤しんでいた頃だ。
その後、段々と時が進むにつれて、「3F」「4F」「5F」とフロア数が増えていき、店の規模は拡大した。
私がスロデビューした1990年(平成2年)の時点では、まだBF~4F(PART1~PART5)の計5フロアで、5階には設置がなかった。店の外壁には、「BF~4F」と書かれた赤いネオン看板もあった。
’90年7月の段階では、「ファイアーバード7U」「トロピカーナ7X」「スーパーセブン」「(初代)アラジン」「アニマル」の5機種を設置。初代アラジンは「白パネル」(知る人ぞ知る「GP下北沢店」も白だった)で、名物のマイクパフォーマンスは(店外まで響く絶叫は、傍の「パチスロてんとう虫」とマイク合戦の様相を呈した)、「ホワイトアラジンコーナーから、〇〇番台、ビッグボーナスおめでとうございまーす!」などとやっていた。1Fはまだスーバニが設置される前で、1.5号機ファイアーバード7Uが並んでいた。
翌1991年(平成3年)の3号機時代になると、新たに5F(PART6)が増設されて、最上階の5Fには、かの連チャン3号機「コンチネンタルI」(瑞穂)がズラッと並んだ。「地下1階、地上5階の6フロア」という、現在の店舗体制が出来上がったのが、まさにこの年である。
★参考1★
1991年(平成3年)12月の各フロア別設置一覧
5F:コンチネンタルI
4F:初代アラジン
3F:アラジンII
2F:セブンボンバー
1F:スーパーバニーガール
BF:コンチネンタルIII
★参考2★
1992年(平成4年)11月の各フロア別設置一覧
5F:コンチネンタルI
4F:デートライン銀河II
3F:アラジンII
2F:ビッグバン
1F:スーパーバニーガール
BF:コンチネンタルIII
※意外だが、当時の記録を見返すと、1992年11月の時点で「スーパープラネット」が設置されていない。確か、この直後に「遅めの導入」が行われた筈だ。当初のスープラ設置台数は、4Fの半分で約20台だったと記憶する。
笑顔でティッシュ配りをするバニーガール(石田ひかり)の背後に、「日本初パチスロのデパート」「PARTIII」「3F」「5F」といった表記が見える(1992年のNTV土曜ドラマ「悪女(わる)」より)。このシーンのロケ地が、まさにGP新宿本店の入口前だった。
やがて、3号機後半~4号機時代になると、登場機種の増加に伴い、BF~5Fの各フロアに2機種(以上)入るケースが増える。
★参考3★
1994年(平成6年)3月の各フロア別設置一覧
5F:コンチネンタルI、ニューパルサー(4号機)
4F:スーパープラネット、デートライン銀河II
3F:アラジンII
2F:サファリラリー、ソレックス(4号機)
1F:スーパーバニーガール
BF:コンチネンタルIII、トロピカーナ(4号機)
その後も、数えきれないほど多くの4号機が各フロアに設置されたが、「BF:コンチネンタルIII(橙パネル)、1F:スーパーバニーガール(黒パネル)、3F:アラジンII(赤パネル)、4F:スーパープラネット(白パネル=スターパネル)、5F:コンチネンタルI(黒パネル)」というレトロ2,3号機のスタイルは不変で、2000年以降も多くのみなし機ファンを魅了した。ただ、新台導入等に伴い、各フロアのレトロ台の数は、徐々に減らされていった。
5F…コンチネンタルI(瑞穂3-1号機) 4F…スーパープラネット(山佐3-1号機)
3F…アラジンII(サミー3-1号機) 1F…スーパーバニーガール(オリンピア2-2号機)
BF…コンチネンタルIII(メーシー3-1号機)
★参考4★
2001年(平成13年)6月の各フロア別設置一覧
5F:コンチネンタルI、ニューパルサー、大花火
4F:スーパープラネット、クランキーコンドル、インディージョーズ2、獣王
3F:アラジンII、アステカ、トリガーゾーン、ガメラ
2F:ハードボイルド、リアルボルテージ2、大花火、デカドンちゃん2、ウルトラマン倶楽部CT
1F:スーパーバニーガール、タイムクロス
BF:コンチネンタルIII、タコスロ、ドンちゃん2、ハナビ
私自身、何だかんだで一番よく座っていたのは、1Fスーバニのシマだ。中段単チェリーやズレ目見たさに、フラフラとあのシマに引き寄せられた事の、いかに多かったことか…。夜の6時ともなれば、空き台探しも一苦労なほどいつも混んだが、勝ち負け関係なしでスーバニの香ばしいゲーム性を堪能した。当然、露骨な高設定台は粘る客が多く、たまたま空きになった台で勝負しても、良い結果が出る事は少なかった。
そういえば、2000年頃だったか、たまたま朝から新宿東南口に赴いた時に、GP新宿店で「レトロ台限定の高設定イベント」というのをやっていた。で、何となく地下コンチIIIのシマに行ったら、まだ空き台が多く残っており、フラッとカド台に着席した。すると最初のビッグから、あれよあれよとボーナス&集中(セブンラッシュ)の連打となり、気がつけば、夜9時にはまさかの「万枚」を突破した(300ゲーム以上のストレートハマリゼロという展開で、最後だけ350G程回して、万枚越えのまま終了)。3号機時代、大して勝率の良くなかったコンチIIIで、2000年を過ぎた遅い時期に、「コンチIII、最初で最後の万枚」をゲットできた訳だ。
また、同じ頃には、ボス、ネギ坊、竜吉というスロマガ(当時)の3人が、GP新宿本店でレトロ対決を行った。ボスはスーバニ、ネギ坊はアラII、竜吉はコンチIIIを対戦機種に選んだが、結果はネギ坊のダントツトップだった。ボスはバケがヒキ弱だったものの、しっかり勝利を収めた。竜吉は、現役時5万ストレート負けのリベンジを狙ったが、残念ながら「返り討ち」に遭ってしまった。
対するガイド誌も、マッパチ(アニかつ、ガル憎)の2人が、新作CD「2/16384」(パチスロをコンセプトとした、異色の音楽CD)をリリースした記念として、2000年11月にGP新宿本店で対決を行っている(2名一組のチーム対決。アニかつ軍=スーバニ、ガル憎軍=コンチIで、勝負はガル憎軍の圧勝。但し、アニ氏も終盤の追い上げで見せ場を作る。)
だが、そうした状況にもやがて「変化」が訪れる。2004年(平成16年)には、まず5FのコンチネンタルIが全撤去に。さらに2006年(平成18年)、あの忌わしき「みなし機撤去」の時期には、他の4機種も段階的に撤去となり、全てのレトロ台が同店から消え去った。
(3FアラジンIIは、2006年3月12日をもって全撤去)
90年代、いわずとしれた開店前の大行列(ビルをグルッと取り囲んで、他店の入口まで伸びる程の人数)、開店直後の階段ダッシュや台の取り合い、1シマ丸ごとのモーニング(一台にビッグが掛かった瞬間、皆が競って同じシマにダッシュする光景も…)、低換金(7枚交換)ゆえの高設定営業、積み上がるドル箱の山、打ち手の理性を飛ばす大音量マイクパフォーマンスなど、香ばしい要素タップリだったGP新宿店。
そういえば、店の前には「台北飯店」という古めかしい台湾料理店があったが、あの界隈の再開発と共になくなってしまった。そうそう、かつてはグリンピの換金所も、台北飯店近くの怪しい路地にあったな…。
最大のウリだったレトロ台が消えて以降、同店には様々な営業上の苦労があったと思う。それでも、「トーオー」「太平洋」「ビッグスペース」「ロッキー」「平和」「ニューアサヒ(「トーオー」跡地で営業)」といったライバル店がバタバタと力尽きる中、新規オープンから26年経った今もなお、東南口の「シンボル」として頑張り続ける姿に、90年代の同店を知る者の一人として、心から拍手を送りたい。
そんな訳で、今回は1枚の古い画像から、「グリンピース・新宿南口本店」の歴史を、ほんの僅かだが紐解いてみた。
JR大宮駅東口・南銀座通りのパチスロマップ(1992年9月)
JR大宮駅東口・南銀座通り(南銀)のパチスロ設置機種マップ(1992年9月)
A「リオPART2」(スロットリオ)(スロ専、2フロア)
1F:アラジンII(サミー3-1)、2F:スペースバトル(日活3-1)
B「リオPART1」(併設、スロはパッキーのみ購入可)
コンチネンタルIII(メーシー3-1)
C「マイニチホール」(併設)
ニューペガサス(パル1.5号機)
D「ニュートーキョー」(併設、スロは地下)
スーパープラネット(山佐3-1)、コンチネンタルI(瑞穂3-1)、スーパーバニーガール(オリンピア2-2)
E「ミリーPART1」(併設)
ビッグパルサー(青パネル)(山佐2-2)、コンチネンタルIII
F「ミリーPART2」(スロットミリー)(スロ専)
コンチネンタルII(ユニバーサル3-2)、コンチネンタルIII、スーパーバニーガール
G「ベルサイユの薔薇(バラ)」(併設、スロは2F・パッキーのみ購入可)
ハンター(エーアイ3-1)、ドリームセブンJr.(高砂3-2)、スーパープラネット
H「スターダスト」(併設)
ワイルドキャッツ(アークテクニコ3-1)、リノ(ニイガタ電子3-1)、スペースバトル
I「西陣」(併設)
リバティベルIII(メーシー2-2)、コンチネンタルI
J「サンエー」(スロ専)
チャレンジマンAZ(尚球社2-2)、スーパーウィンクル(高砂2-2)、チャレンジマン7(尚球社3-2)、
コンチネンタルI
※1992年9月当時、埼玉県のスロット換金率は、一律「8枚交換」となっていた。
探偵ナイトスクープ「私がデザインしたパチンコ台」(1998年11月)
90年代パチンコ(関連)番組レビュー
「探偵ナイトスクープ・私がデザインしたパチンコ台」
(ABC朝日放送、1998年11月放映)
出演:上岡龍太郎(局長)、岡部まり(秘書)、福井敏雄(顧問)
長原成樹(探偵)、石田靖(探偵)、桂小枝(探偵)、北野誠(探偵)、立原啓裕(探偵)
(冒頭、スタジオから)
岡部まり「…続いての方は、東京都世田谷区にお住いの桜井明子さん(漫画家)の方からの依頼です。
~探偵ナイトスクープの皆さん、こんばんは。私は21歳の売れっ子漫画家です。先日、パチンコ屋に行くシーンを描こうとして、フッと思い出したことがあります。3,4年程前、まだ美大の予備校に通っている頃、バイトでパチンコの液晶画面のデザインをしたことがありました。『OL倶楽部』とかなんとかいうベタなヤツで、私はパチンコに全く興味がない為、すっかり忘れていたのですが、果たしてこの「OL倶楽部」は、ちゃんと市場に出回ったのか知りたいのです。私は、一回もパチンコをしたことがないばかりか、パチンコ屋さんに入った事すらありません。ぜひ、その「OL倶楽部」で、初めてのパチンコ体験をし、フィーバーを出してウホウホ言ってみたいのです。パチンコ好きの探偵さん、よろしくお願いします~」
上岡龍太郎「ほほう。不思議な、でも依頼文ですよね。まずあの、『売れっ子漫画家』て、自分で言うてるとこでね。知ってますか?桜井…明子さん、売れっ子…。」
桂小枝「作品は何ですの?」
岡部「作品は…書いてないですけれど。」
北野誠「まぁ、女性漫画て、あんま知らんもんな。」
上岡「次に、『OL倶楽部』ってパチンコの、液晶のデザインしたと。で、これ探してくれってのは判るんですが、『パチンコを体験して、フィーバー出してウホウホ言うてみたい』(スタジオ、笑い)判らんのです、依頼の趣旨がね、はい。」
長原茂樹「で、その売れっ子漫画家の当時、当時はですね、テレビゲームの背景とか、粗品のステッカーとかのデザインをしていたんですよ。だから、そのパチンコの『OL倶楽部』のデザインした時も、いうたら発注元が全然わかんないですよ。ごちゃまぜになって。」
小枝「で、地方のパチンコ屋に行くとか?」
石田靖「それで、沖縄行ったん?」(※当時、長原は番組で、やたら沖縄に出向くことが多かった)
長原「え、何でやねん!」
小枝「またかい!」
長原「今日、行ってへん!」(会場、笑)
長原「(気を取り直して)さぁ、VTRご覧ください、どうぞ。」
(VTRスタート。長原、依頼者の仕事場を訪問)
長原「さぁ、売れっ子漫画家の桜井さんの仕事場です。」
桜井「あ、はい。」
長原「ホンマに売れてるんですか?」
桜井「ハイ、売れて…自称。」
長原「自称?今、どんな作品があるんですか?」
桜井「あ、今ですか?(少女漫画誌を手に)『なかよし』なんですけど…」
長原「うん、『なかよし』」
桜井「『なかよし』の後ろの方にある、これ(巻末の読者欄(「スーパーちゃめっこクラブ」)にあるイラスト数点を指さす)」
長原「どれ…?」
桜井「これ。」
長原「これ…?」
桜井「これ。」
長原「これ…。」
桜井「このカット、私です。」
長原「このカット、えー、あなた。」
桜井「私。」
長原「このカット、あなた。」
桜井「そう、そう。」
長原「(呆れた感じで)キミ、ホンマに漫画家か?」
桜井「(苦笑)」
長原「で、その依頼文ですが…」
桜井「(当時の応募作を再現したイラストを見せて)なんか、こんなんです。」
長原「へー、こういうヤツ?」
桜井「そう、4枚くらい書いた覚えがあって。(最初のイラストは、少女漫画チックな女性の顔が描かれたタイトル画面。顔の周りをバラの花が囲んでいる)1枚目が、こう『OL倶楽部』って書いてあって。(次のイラストは、コピーの山を抱えたOLと、お茶を持ったOLが向かい合う)こっち側とこっち側から女の人が歩いてきて、で、真ん中でぶつかるっていう。最後、コケる…」
長原「でも、俺の知ってるパチンコでは、ないなぁ…」
(商店街ロケ。小田急線・下北沢駅脇の路地と思われる。)
長原「さぁてと、まずはパチンコ屋さんで聞きましょう。」
桜井「はい。」
長原「(唐突に)サングラス、持ってきた?」
桜井「な、なんで?」
長原「お前、知らんのか?」
桜井「知らん…なんで?」
長原「パチンコ屋さんに入る時は、必ず、サングラスかけなアカンねん。」
桜井「嘘やー!」
(「訳のわからない嘘で依頼者をだます長原探偵」のテロップ)
長原「ホンマ、ホンマ。」
桜井「えー、私持ってきてないですよ。」
長原「アカン、怒られるわ。キミ、退場させられるかもしらんわ。」
桜井「ウソー。」
(パチ屋に入る二人。入店したのは下北沢駅前「カレイド」と思われる。長原、男性店員にインタビュー。)
長原「(グラサン姿で)あのですね。」
店員「ハイ。」
長原「ちょっと、お尋ねしたいんですよ。」
店員「ハイ。」
長原「あのー、その昔に、3年か4年くらい前に、『OL倶楽部』というパチンコの台があったと思うんですけども…。」
店員「いや、当店では設置していなかったと思うんですよ、そのような台は。」
長原「その当時を思い出して、描いてもろたんですよ(イラストを店員に見せる)。こんな絵やねんね?」
桜井「そう。」
店員「まぁ、見る限りは、OL向けじゃないですか。」
長原「OL向け?」
店員「ええ。」
長原「あ、OLが来そうな…」
店員「ええ、(そういう)お店にあるんじゃないでしょうか?」
長原「これ、知らないという事で…」
店員「はい。」
長原「判りました。(依頼者に)そういう事や。」
桜井「あ、はい。」
長原「よそ行こう。」
桜井「(スケッチセットを手に)ちょっと、これ折角持って来たんで、スケッチだけしたいんですけど…」
長原「スケッチしたいんか?」
桜井「はい。」
(長原、依頼者の求めで、カレイド店内にてしばしパチンコ実戦。その様子をスケッチに収める依頼者。長原が打ったのは、1F設置の「CRジャマイカ」(藤商事、CR権利物)。実は、私自身、この店(カレイド下北)でジャマイカをよく打っていた。コチラの記事を参照。)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/4678f290a90ca92b45500cdfa219a122
長原「(リーチが来るも当らず、「腹立つわー」とつぶやく。結局、玉を使い果たして)えー、終わってしまいました、私。惨敗という事で。(依頼者に)出来た?どんな?」
桜井「…(描き終えたイラストを、無言で長原に見せる。パチンコを打つ後ろ姿を描いたイラスト。)」
長原「(じっとイラストを見つめて)お前、絵ヘタやな!(景品カウンターのお姉さんにイラストを見せて)これ、ヘタでしょ?」
お姉さん「…(苦笑)」
長原「これ、どう考えてもヘタでしょ?」
お姉さん「アハハ…(否定しつつも笑い)」
長原「正直に言ってください。ヘタでしょ?」
お姉さん「(笑顔でキッパリと)ハイ!」
長原「ほら、ヘタやねんて。」
桜井「違う!」
長原「な、なんで違うねんな、お前、描いたやないか?」
桜井「モデルが悪い。」
長原「なんでモデル…俺が悪いんか?」
(二人は別のパチ屋へ。今度は先程の「カレイド」から少々歩いた南口商店街の「プランタ」。)
長原「ここは、どうや?」
(女性店員、インタビューに答える。)
店員「『OL倶楽部』、前、以前にあった事はありますけど…今は置いてませんけど。」
長原「えっ、以前に置いてあった?ちょっと、ちょっと出てきてもらえますか?(店員を店外に誘う)」
長原「あった?」
店員「はい。」
長原「今は置いてないと?」
店員「今は置いてないです。」
長原「という事は…」
店員「雑誌関係の方で聞いたら、早いんじゃないでしょうかね。」
長原「雑誌?」
店員「(設置機種は)色々な業者さん(メーカー)入ってるんで。」
(「パチンコ雑誌の出版社を訪ねることにした」のテロップ)
(次に訪れたのは、攻略誌を出版する「辰巳出版」編集部。編集者・岩井さんにインタビュー。)
長原「すいません。実はね、『OL倶楽部』っていうパチンコ台って、ありませんでした?」
岩井「えーと…はい、ありましたけれども…。」
長原「そのね、中のデザイン考えたの、彼女なんですよ。」
桜井「(「どうも」という感じで軽く会釈。編集部一同、笑い」
長原「『OL倶楽部』という、そのパチンコ台があれば、やってみたいと。」
岩井「残念ながら、今はもう、ちょっと…」
長原「どうしよう…その、メーカーとか判りますかね?」
岩井「あ、はい。」
長原「どこか判ったらいいんですけどね。」
岩井「えー、ちょっと待って下さいね。今、調べてみますから…」
長原「(別の編集部員にインタビュー)すんません、アチラの方は、なんかそういう『運動』をしてはるんですか?(編集部の一角にいるヘルメット姿の中年男性を指さして)」
編集「(一同、爆笑)いやいや、そういう訳ではなくて、あのー、表紙の仕事をしている方で…」
長原「(直接その男性に向って)何で、ヘルメットなんですか?」
ヘルメット男「あ、バイク乗ってるんで。」
長原「別に、ここ、部屋では脱いでもよろしいやん。(一同、爆笑)」
ヘル「面倒くさいんですよ。」
長原「ムレまっせ。」
ヘル「もう、いまさらムレても手遅れ状態ですから。(一同、爆笑)」
長原「(気を取り直して、岩井さんに)判りました?」
岩井「判りました。大一、大一ですね。」
長原「ダイイチ…?」
岩井「はい。」
(ようやくメーカー判明。さっそく大一へ向かう)
長原「いよいよ、その『OL倶楽部』、見れるかもしれません!」
桜井「わー、やったー。」
長原「コチラ。やっとやな…。」
(大一のビルに入る二人)
長原「(応対に出た女性社員に)ちょっとお尋ねしたいんですけども、こちらの会社で、あの、『OL倶楽部』っていうパチンコの台、作ってませんでした?」
社員「あ、以前作っていたんですけども。」
長原「今、作ってないんですか?」
社員「…作ってたんですけど、(投げやり気味に)注文入んないんで…(長原&スタジオ、笑い)」
長原「絵が悪かったんちゃうか?」
桜井「いや、企画がね…(あくまで他人のせいにする依頼者)
長原「ちょ、企画て…。(社員に)どっか出荷したとか、設置されてる店ってのは、調べようって思うたら…」
社員「あ、できます(PCで現状を調べた後)一軒だけなんですけど…」
(「東京都内では一軒だけしか残っていなかった」のテロップ」)
長原「一軒?どこ?」
社員「日暮里の「ニュートーキョー」さん…」
長原「日暮里?」
(日暮里「ニュートーキョー」に向かう。既に日もとっぷり暮れて、パチ屋のネオンがよく映える。)
長原「さぁ、ということで、日暮里の『ニュートーキョー』、着きました!」
桜井「イェーイ!」
長原「はい、こちらに『OL倶楽部』があるそうなんで、行ってみよう。」
桜井「はーい。」
(「ニュートーキョー」入店。確かに、「OL倶楽部」は、小さなシマに5台だけ並んでいた。なお、同店は本機や「スーパーヤジキタ」(奥村)「パチパチスタジアム」(三共)「CRギャルズ7」(三星)なども長く設置。)
長原「(台を指さして)これ!」
桜井「これですか?」
長原「(持たせ札には「OLクラブ」と書いてある)OL倶楽部!」
桜井「ホンマや、『OLクラブ』って書いてる。」
(持たせ札には、「初回357無制限、他1回交換」や「右打ち不要」などの表記もある。長原、さっそく、液晶の表示画面と、依頼者のイラストを照らし合わせる。)
長原「あっ、お?何か…ちゃうぞ。」
(「絵が違うようだ」のテロップ)
桜井「ちゃう。」
(ここで「ニュートーキョー」の唐島さん(店長?)にインタビュー)
長原「この(台の)デザインね、彼女がね、考えたんですよ。このパチンコがしたいという事で来たんですけど、この絵(イラスト)と違うんですよ。」
唐島「ああ、違いますね。」
長原「ね?」
唐島「ええ。」
長原「でも、『OL倶楽部』って、これしかないですよね?」
唐島「そうですね。」
長原「もう一ぺん電話しよ!」
桜井「電話?」
長原「大一さんに。」
桜井「はい。」
長原「絵が違う、いうて」
(公衆電話で大一に問い合わせる。開発部の田中さんが応対。)
長原「あの、彼女が描いたね、絵じゃなかったんですよ。これは、どういう事でしょう?」
田中「えーと、もしかしたらですね、あの、大当りがかかった時に、(依頼者のイラストが)出てくるんじゃないかと、あの、ちょっと部内の中で言っている者がいるんですけども…。」
長原「はぁはぁはぁはぁ…」
田中「それ、どうでしょうね。そこまで確認できませんか?」
長原「あ、そこまで確認するんですね?ひとつ今から、頑張って大当り出るように…」
田中「頑張ってください。」
長原「うん、打ってみますわ。」
(再び、店内に戻る二人)
長原「OL倶楽部、大当り出るまで打ってみよー!」
桜井「イェーイ!」
長原「さぁ、大当りすれば、画面が変わるそうなんで。一つ、頑張ってください!」
桜井「頑張ります―!」
長原「はい、どうぞ座って下さい。」
(恐る恐るハンドルを握り、玉を打ち出す依頼者。これが、彼女にとっての「人生初打ち」であろう。長原、ブッコミを指さして、「この辺狙って」とアドバイス。)
桜井「どこに入ったらいいんですか?」
長原「(ヘソを指さして」ここ。ここ入ったら(デジタルが)回るねん。」
桜井「あー。」
長原「キミ、気合が足らんで!。」
桜井「え、気合十分なんですけど?」
(長原、気合を入れ直すべく、彼女に自分のグラサンを手渡す。それを素直にかける依頼者。)
長原「そう、ここ、ここ。お、リーチ、リーチ、リーチ。」
(日テレ「DAISUKI」よろしく、「リーチ」の赤文字が画面を横切る。しかし、ノーマルであっさりハズレ。)
長原「あー、アウト。あかん。あー。」
(長原も依頼者の隣で打つ。依頼者の台に再びリーチ。液晶にハートマーク出現の「ハートリーチ」だが、惜しくもハズレ。因みに、本機のSPリーチは右デジタルが滑ってテンパイするとアツい。)
長原「(依頼者のリーチがハズれて)なんや~!」
(と、またまた依頼者にリーチ。今度はただのノーマルリーチのようだ。すると、あっさり下段にショートヘアー(紫)のOLが揃って大当り。ノーマルリーチの信頼度は、かなり低かった筈だが…)
長原「あっ、来た!」
桜井「来た!」
長原「キタキタキタ!やったー!そのまま打っとけ、そのまま打っとけよ。」
桜井「すごい、すごい!」
(人生初の大当りに、かなり興奮している様子の依頼者。長原は下皿の玉をドル箱に落としてやる。だが、肝心の大当り画面にさしたる変化はなく、依頼者の描いたイラストが出てくる様子もない。)
長原「絵が…絵が変わんないね?」
桜井「変わらないですかね。」
長原「もういっぺん、電話で聞いてみよか?な、行こ。」
桜井「え、でも、もうちょっとしたら、多分(自分の絵が)出るから…」
長原「ほな、俺聞いてくるで。」
桜井「はい、お願いします。」
(再び、大一の田中さんに電話する長原)
長原「あの、OL倶楽部、はい、打ちました。で、あの、大当りしました。そっからね、画面が全然変わんないんですよ。」
田中「あのですね…、ちょっと調べましたら、基本的に大当りのところで(依頼者のデザインを)使ってたんですけど、『キャラクターデータ』といいまして、データの容量のですね、えー、問題がですね、発生したんですよ。要するに、容量がオーバーしてしまった。で、オーバーしてしまったもんですから、やむを得ず、その部分をカットしたという事が、先ほど調べて判ったんですが。」
長原「なるほど…。という事は、あのー、判りやすく言えば、『ボツ』ということで?」
(「開発の最終段階でボツになったらしい」のテロップ)
田中「(笑いながら)まぁ、そうですね。」
長原「…また、なんかの機会があれば、ぜひ桜井のを使ってあげて下さい(社交辞令)」
田中「そうですね、はい、判りました(社交辞令)」
長原「はい、どうもお手数おかけしました。」
(電話を切る長原)
長原「ヤツに言いにくいなぁ…でも、言わなアカンもんなぁ。じゃ、ちょっと言うてきますわ。」
(再びシマに戻ると、依頼者は手元のドル箱満タンで、しかも足元に3箱も積んでいる。明らかに「ビギナーズラック」の状態。)
長原「おるおる…。おー、頑張ってるやん。」
桜井「はい、もう、全然イイ感じですよ。」
長原「あのさ、あの君の作品さぁ…」
桜井「はい、あっ…(リーチに気を取られ過ぎて、長原の言葉はうわの空)」
(「パチンコに夢中で心ここにあらずの依頼者」のテロップ)
長原「あのー、最終選考まで残ったんやて。」
桜井「はい。」
長原「で、実際、この画面に入れとったんやて。入れると、この、容量を…(ゲホッとむせる)、オーバーして…(またむせる。ホールの喧噪や空気の中での会話は、レポーターにとっても一苦労)、駄目になってしまったんよ。」
桜井「え?」
長原「ていうか、ボツやねん。」
桜井「あぁ、あ、そうなんですか?」
長原「残念やったな。」
桜井「あ、まぁ残念なんですけど…でも、あ、あっ!(相変わらずパチンコに夢中の依頼者。液晶ではハゲ親父の上司が右上がりにテンパイして、ハートリーチ。すると、そのままオヤジが揃って大当り)オッサンや、やったー!(あまり残念な様子には見えない)」
長原「(大当りが)ついた、ついた―!大当り!」
桜井「すごーい!あ、ここに入れて…(左のミニアタッカーを指さして)」
長原「すごい、すごい。強い。」
桜井「はい、凄いですねー。」
長原「なぁ、もうちょっと、打っときぃな。」
桜井「あ、打っときますー。」
長原「な。強い!」
(「ニュートーキョー」での勝負を終えて…)
長原「しかし、残念やったな。」
桜井「はい。」
長原「採用されへんかって。」
桜井「はい。でもこれ、これ貰ったんで(両手には、景品がドッサリ入った袋。)戦利品ですー。」
長原「これ貰ったって…」
桜井「あ、貰った。私が稼いだっていうんですか。」
長原「(笑)まぁまぁまぁ…漫画家なるの?」
桜井「漫画家…ですよ、売れっ子の。」
長原「売れっ子の?」
桜井「売れっ子。」
長原「ていうか、だって、初めて来て、沢山勝てんねやから、パチプロなったほうがエエんちゃう?もっともっと。」
桜井「はーい、頑張りまーす(軽いノリ)。これ、食べますか?(袋から景品のチョコを出して)」
長原「いや、ええわ!もう帰れ、もう。」
(VTR終了)
(再びスタジオ)
長原「という事でですね、まぁ、実際彼女の作品は、採用されなかったんですけども…。メーカーさんに聞いたところでは、その時の開発した担当者が、もういなかったんで、だから細かい事まで判らなかったんですけども。まぁ、しかしですね、彼女は初めてにしては、メチャメチャ強いんですよ。普通ああいうのんて、パッと見たら「ヤラセ」ってあるじゃないですか。ないんですよ。彼女、ホンマに強いんですよ。だからもう、今漫画描かんとね、ずーっとパチンコやっとるんですよ(スタジオ、笑)」
石田「パチプロや。」
長原「パチプロやねん。(スタジオ、笑)」
上岡「(冷静に)ビギナーズラックというヤツでね、あれからのめり込んで損するんですわ。(場内、笑い)」
(CM入り)
※なお、依頼者の桜井さんは、その後「花津ハナヨ」に改名。2005年には「ビッグコミックスピリッツ」にて「CAとお呼びっ!」を執筆、連載。同作は2006年、日本テレビ系でドラマ化された(主演:観月ありさ)。単なる「自称」ではなく、まさに自他ともに認める、「本物」の売れっ子漫画家となった。
※番組で登場したパチンコ台について
「OL倶楽部」(大一、一般電役、1996年登場)
・大当り確率は1/211。賞球は6&13。
・ヘソに賞球(6個戻し)がある為、玉持ちは良い。
・カラー液晶画面を採用
・デジタル停止順は左⇒右⇒中
・大当り図柄は全9通り(OL絡みの図柄がメイン。ハゲ上司の図柄もアリ)。有効ラインは5ライン。
⇒ブランク図柄は「バラ」。ひょっとすると桜井さんのデザイン(バラに囲まれた女性)を活用した可能性も。
・リーチは「ノーマル」の他、「花びら」「ハート」「ガンバレ」「天使」とSPが4種類。SPは右デジがスベってテンパイすると期待度高し。「ハート」「ガンバレ」は、周回が多くなるほど期待度アップ。
・メインデジタルが揃ったら、デジタル左脇の権利用ミニアタッカー(電チュー)に2個入賞させる。
(ミニアタッカーは計2回開放。1回につき1個づつ入賞させる)
・大当り中は右打ち不要。ヘソ下のアタッカー連動で出玉を増やす(出玉は約2300個)。
・大当り中もメインデジタルが回るので、ダブル・トリプル(それ以上)も可能。
・しかも、ダブル時は、連チャンのタイミングに拘らず、まるまる2回分の出玉を得られる親切設計。
⇒同社の先行機「リアルゴール2」(一般電役、1995年)の特徴を引き継いでいる。
(ダブル時に出玉ロスが起こらない理由)
通常の一般電役は、デジタルが揃ったら権利用アタッカー(電チュー)に5個入れて、親アタッカー(出玉獲得用)の保留4つを満タンにして、親アタッカーを計5回開放させる(さらに子アタッカー、孫アタッカーの連動で出玉を増やしていく)。
この仕組みだと、親アタッカーの保留が多く点灯した状態で連チャンすると、残った保留の分はまるまるロスとなる。よって、大当り発生の直後よりも、終了間際でダブった方が、出玉的には断然「得」となる。
一方、本機はデジタル当選後、権利用ミニアタッカーに2個入賞させればOK。にも拘らず、親アタッカーには、他機種同様、保留ランプが4つ備わっている。つまり、大当り中は、親アタッカーの保1のみ点灯して、保留に3個分の「余裕(空き)」が生まれる。
よって、大当り中に速攻ダブルが来ても、親アタッカーの保2と保3が点灯する為、出玉ロスは起こらない。さらに、ダブル時でも保4に空きがある為、速攻トリプルが来ても、最低2.5回分の出玉が保証される。
但し、権利用アタッカー1個当りの出玉が、約1200個と多い。よって、メインデジタル当選後、ミニアタッカーに確実に2個入れないと、出玉は一気に半減する(他機種よりも被害がデカい)。特に、本機はメインデジタルが揃ってから、ミニアタッカー開放までの時間が短い為、玉切れには注意が必要だった。
フロンティアGP(奥村、デジパチ)
1993年(平成5年)に奥村から登場した新要件デジパチ「フロンティアGP」
★ドットデジパチ
★賞球…7&15
★大当り確率…1/240
(大当り判定カウンターは「0~239」の240コマ、大当り値は「3」)
★大当り図柄…JK、A、2、3、4、5、6、7、8、9、0、ダイヤ、スペード、ハート、クラブ (全15通り)
★最高16ラウンド継続
★出玉…約2300個
★保留玉連チャン機⇒強制連チャンは「保2」で発生。保連率:12.5%(自力連を除く)
★当時の実戦店
・小田急線・向ヶ丘遊園駅南口「プラザ」(⇒「ハトヤ」⇒閉店)
・新宿西口・大ガード「ニューミヤコセンター」(閉店。跡地は「カレイド新宿」として営業)
・新宿・歌舞伎町、あずま通り「ニューメトロ」(閉店。跡地は現在、岩盤浴店に。)
★兄弟機
先行機…「フロンティアDX」「フロンティアSP」(1992年)
後続機…「フロンティアSP-AA」(1993年)
・フロンティアDX(1992年)…大当り確率1/205のノーマル機(弱性連チャン機との説もアリ)。賞球6&12の無制限仕様。
・フロンティアSP-AA(1993年)…大当り確率1/240の(小デジ)確変機。賞球は7&15。「3」か「7」で当ると、プラス2回の小デジ確変に突入。確変中の止打ちで出玉アップ可。保3連チャン機との情報もあり。
(詳細調査中)
奥村の新要件初期(1991年~1992年)のドットデジパチというと、旧要件時代の流れを汲む「3タイプ」に大別することができる。すなわち、
(1)「ドリームX」「ドリームW」タイプの「小サイズのシンプルなドット」
(2)「ローリングセブン」「マーブルX」タイプの「大サイズのシンプルなドット」
(3)「ビルボード」タイプの「ツブの細かいドット」
の3つである。
(ドリームX、1988年) (ローリング7-3、1990年)
(ビルボード、1989年)
(1)には「ドリームEX」「ドリームZ」「ニュードリーム(GX)」など、(2)には「マーブルDX」「パラダイス(シリーズ)」「ミリオンX」「ミリオンクイーン」など、(3)には「リバティ」シリーズなどがある。また、(2)には「ドリームジャンボ(2)」(4ケタドット)や「ドリームランデブー」(変則4ケタドット)といった「亜流」も存在した。
(3)については、旧要件「ビルボード」が「ドリームX」の陰であまり注目されなかったのに対し、新要件に入って「リバティ」(I、II、III)が大きな人気を得た事で、一気に存在感を増す事となった。
そして、’93年に出た本機のドット表示は、まさに「ビルボード⇒リバティ」の系統に属する。
ちなみに、本機と同タイプのドットを使った機種には、兄弟機(DX、SP、SP-AA)の他、奥村初のCRデジパチ「CRエンペラー」(1993年)や、権利物「アトラス(3)」(1993年)などがある。
本機の図柄のモチーフは「トランプ」で、ハートやスペードといったマークの図柄が目を引いた。
デジタル両脇には「ワープルート」(入口に「IN」と表示)があり、さらにデジタルの真下には「垂直回転体」が付いていた。
左右のワープに入った玉は、デジタル下を通ってヘソチャッカーにアプローチするが、ヘソ上部(中デジの真下)には、ハネモノ「スーパーブラザース」を彷彿とさせる、縦型回転体が付いていた。この回転体は手前に常時回転しており、一部に「磁石」が仕込まれていた。
本機のカタログにも、「チャンスに直撃。新機能、回転ショック。磁石付回転体の前回りアクション」という謳い文句が載っていた。
ワープから落下した玉が、回転体の磁石にタイミング良く吸いつくと、高確率でヘソに入賞するようになっていた(磁力は割と強い)。当然、ワープ入口の釘も重要なチェックポイントとなった。
さらに、ヘソには「電チュー」まで付いていた。左右の肩チャッカー通過で、メインデジタル上の2ケタ小デジが変動。ここにゾロ目が出ると「小当り」となり、電チューが「0.5秒×5回」の開放を行う。
一度の小当りで電チューが「5回」も開く為、いうまでもなく、肩の甘い台ほどデジタルも良く回った。小デジの当選確率は1/10と高い。ただ、店によっては、肩をガチガチに締める所もあった。
メインデジタル下の磁石付き・タテ型回転体と、電チュー付きのヘソチャッカー
デジタル停止順は、「左⇒中⇒右」。リーチはノーマルとロングの2種類。大抵は一周を過ぎた辺りまでで止まるが(ノーマル)、二周目に入った後、大当り図柄付近までリーチが伸びる(ロング)とチャンスで、大当りか前後1コマでしか停止しないアツいパターンとなる(停止直前に右デジが超スローになって焦らしたと記憶)。リーチ時の独特な高音BGMも特徴だった。
肝心の連チャンについては、当時の奥村としては珍しく(新要件初期はノーマル機が主流、あったとしても連チャン率1ケタの「弱性連チャン機」が大半)、明確な「保留玉連チャン」が仕込まれていた。
本機の場合、大当り16ラウンド終了後、2個目の保留エリアを書き換える「上書き方式」で、連チャンは保2で発生した(自力連除く)。大当り乱数への書き換え率は「1/8」(12.5%)。ただ、低めの初当り確率(1/240)から考えると、それほど高い連チャン率ではない。
回転体の周期(一周=約2.25秒)や、電チュー開放タイミングを狙った「連チャン促進打法」も試されたが、結局、誰が打っても連チャン率が同じ「たそがれ連チャン機」と結論づけられた。
ただ、連チャン率はともかくとして、本機の登場をきっかけに、奥村からは「ナンパ大作戦」「ドリームグランプリ(2)」「フォーカス(2)」(いずれも1993年)といった、露骨な保留連機が立て続けに出たのも事実。ある意味、本機は奥村デジパチの「流れ」を変えた一台ともいえよう。
ちなみに、本機の大当り図柄決定カウンターの周期は、「1周(15コマ)=9秒」と長い。この特性を利用して、体感器や時計等を使った「ラッキーナンバー狙い」も可能だったという。但し、単発打ちで初当りさせるなどして、大当りのポイントを把握する必要もあったとのこと。
キタノユ777(北の湯777)(北電子、4号機)
この所めっきり寒くなって、「温泉恋しい季節の到来」という事で、今回振り返るのはコチラの機種。
キタノユ777(北電子4号機、1999年登場)
(同筐体で、確率甘めの「キタノユ7」もある。コチラは「低換金用」で、本機が「高価交換用」か。先に登場したのが「7」の方だった記憶アリ)
文字通り、「温泉」をモチーフにした機種だ。そういえば、この年(1999年)には、山佐から「河童の湯7R」、そしてテクノコーシンからも「温泉天国」がリリースされている。スロ業界で、ちょっとした「温泉ブーム」が起きた年だった。
当時、東横線・自由が丘駅の「三光」(閉店、跡地は現在「P・GRACE」)とか、小田急線・相模大野駅前の「パラッツオ」(閉店、跡地は現在「ベルシティ」)なんかで、チョイチョイ打っていた。
「カトチャンランプ」をペカッと光らせたり、ビッグ確定の「遅れ」を堪能したりと、勝ち負け抜きでよく遊ばせて貰った。それでも、いかにも北電子のAタイプらしく、小気味よいボーナスの連打も味わった。
社名の一部である「北」を機種名に織り込んだ本機は、筐体デザインの「遊び心」が特徴だった。下パネルの銭湯っぽい壁画(富士に松)や、女性の艶っぽい後姿にも風情があった。
また、下パネルには、これまた銭湯でおなじみの「地元商店の宣伝用看板」なんかも描いてあった。デザインが小さいので、あまり注目されなかったが、よく見ると「岸不動産」「RV・外車専門 並木自動車」「BARBAR サキノ※」「杉田産婦人科医院」「川崎商会」「季節料理 なるみ」といった怪しげな看板が、女性の背後にズラリと並ぶ。おそらくは、開発スタッフや関係者の名字を取ったものだろう。
※正しくは「BARBER」だが、スロなので、あえて「BAR-BAR」にしたのだろう(好意的解釈)。
一方、リール窓に目を転じると、窓上部には「大・幸・運」の大きな文字が。また、リール右サイドのランプ類の表示も、実にユーモアたっぷりだった。GAMEOVERは「おしまい」、WAITは「ちょっとまって」、リプレイは「もう一度」、払い出し表示は「お勘定」、クレジット表示は「まだあるわ」、そして投入口は「めだるをいれてね」といった具合である。
また、ストップランプの表示も一風変わっていた。各リールともに、STOPではなく「止め」と表示されており、さらに、左には「泉質 強幸運泉」、中には「効能 開運、招福」、右には「成分 金銀含有」の併記もあった。これを見て、11PMの「温泉紹介ギャル」を思い出した人は、オッサン確定である(笑)。
そして、上パネル左の説明書は、時代劇っぽく「御定書(おさだめがき)」となっていた。但し、書いてあるのは「BIG CHANCEはBONUS GAMEを3回行うか30ゲーム行うと終了します。BONUS GAMEは12ゲーム行うか8回当たって終了します」という、4号機のボーナスゲームに関するごく普通の説明だ。
★ボーナス確率
本機は「セブンライン」を採用しており、全設定でビッグボーナス確率が甘めに設定されていた。
(但し、確率違いの「キタノユ7」と比較すると、ビッグ確率は少々抑え気味。)
BIG BONUS
設定1:1/287
設定2:1/273
設定3:1/256
設定4:1/248
設定5:1/237
設定6:1/221
REG BONUS
設定1:1/910
設定2:1/910
設定3:1/862
設定4:1/862
設定5:1/819
設定6:1/819
※参考…「キタノユ7」のビッグ確率(設定1⇒6の順)
1/277、1/264、1/252、1/241、1/234、1/215
(REG確率は「777」と同じ)
★役構成
BIG BONUS(15枚)
ビッグは2図柄を採用。7は「逆さになった女性が、温泉から両足を出した」形(デザインの妙)。
REG BONUS(15枚)
のれんチックな黒い「ゆ」は、右リールのみ存在。「ゆ」が右上段停止で、ボーナス確定(後述)。
小役、リプレイ
左上:チェリー(2枚)⇒さくらんぼが手拭を頭に乗せて、お湯に浸かっている。何とも愛嬌がある。
左下:イス(通常時10枚、ビッグ中6枚)⇒銭湯でよく見かける、プラスチックの椅子。
左下:風呂桶(0枚)⇒こちらも銭湯でお馴染みのプラスチックの桶。中には「ケロ〇〇※」の文字。
右下:Tバック(リプレイ)⇒女性のお尻を模しているが、セクシーというよりコミカル(個人的感想)。
※「ケロヨン」や「ケロリン」は実在する名称なので、あえて後半を読みづらくしたと思われる。
★セブンライン機
先述の通り、本機はセブンラインを採用(北電子初のセブンライン機「ビッグフット7」に次ぐ第二弾)。
通常の5ラインに加えて、「中・中・上」と「中・中・下」(エクストラライン)に図柄が揃っても、払い出しあり。
当然、ビッグ図柄が上の形で並んでも有効。この2つのEXラインも、ビッグフット7を引き継いだもの。
★告知機能
(1)定番の告知ランプ
本機は「完全・後告知タイプ」で、ボーナス成立ゲームの第3リール停止後、ストップボタンから指を離した瞬間に、リール左の「告知ランプ」(チャンスランプ)が必ずペカッと光る。
告知ランプに描かれたキャラは、カトチャン似の「チョビひげ・メガネオヤジ(頭に手拭)」で、「あつ~いよ~ん」のメッセージにも味わいがあった。
なお、光る部分はオヤジの「丸メガネ」で、実はこのメガネ、「GO」の英文字を模している(ジャグラー等の「GOGO」ランプを意識したデザイン)。
ちなみに、左リールはボーナス図柄の配置が偏っており、ボーナス成立時に「7」や「北の湯」を引き込まないケースも少なくなかった。また、各リールの制御も一種独特で、一見何の変哲のない出目でも、あっさりペカったりして面白かった。
(2)スタート音の「遅れ」
完全告知ではあったが、ランプ告知前にボーナス成立を察知できる「遅れ」機能(レバーオン時、スタート音が一瞬遅れる)も搭載していた。
遅れは、ビッグ成立ゲーム(限定)の1/4(25%)で発生する(⇒75%は遅れない)。
遅れの「程度」は、かなりハッキリしていたと記憶する。
(3)ボーナステンパイ音鳴らず(無音テンパイ)
通常時(ボーナス非成立時)、ボーナス図柄の「7」や「北の湯」がテンパイすると、「バフフッ」という感じで、テンパイ音が鳴りやすかった。逆に、ボーナス成立時及び成立後はテンパイ音が鳴りにくい。
よって、テンパイ音なしでボーナス図柄がテンパイすると(無音テンパイ)、ボーナス期待が高まる。
なお、テンパイ音発生率は、以下の通り。
通常時…音発生=7/8(87.5%)、無音=1/8(12.5%)
成立中…音発生=1/8(12.5%)、無音=7/8(87.5%)
※ボーナス非成立時も1/8で無音を選択するので、無音テンパイは「確定」ではない。
※「テンパイ音が鳴らない(無音)」方をアツくした理由は、成立後にテンパイ音がよく鳴ると、目押しが苦手の人がテンパイ音を鳴らしまくって、周囲の視線を浴びて恥ずかしい思いをするから、とのこと。
北電子のファンは高年齢層も多かったので、開発陣も、あえてこういった選択をしたのだろう。
★主なリーチ目
(完全後告知だが、一確目やリプレイハズレ目など、ゲーム性の幅を広げるリーチ目が幾つも存在)
左「イス・北の湯・7」(イ・キ・ナ)は1リール確定(北電子初の試み)。但し、この一確目を積極的に引き込む制御はない。なお、「イ・キ・ナ」は「粋な」に通じるとの説あり(未確認)。
右上段「ゆ」も、左・中不問の順押し確定目。こちらは、4コマ以内なら最大限に引き込む制御あり。
北電子お得意の「ボーナス図柄の一直線」も、確実なリーチ目となる。図柄の組合せやラインは不問(エクストラライン揃いも有効)。右リールは「ゆ」(黒のれん)も有効で、さらに右は「チェリー」も代用図柄となる
(但し、チェリーは「2連チェリーの上側」のみ有効で、その他のチェリーはNG)。
ボーナス図柄とリプレイのWテンパイハズレ=鉄板
左中段チェリー…成立後のリーチ目(ペカった後に出るので、あまり意味なし)
★リプレイハズシ
配列及び制御上、ハズシは可能。
「中⇒右」適当打ちで、リプレイがテンパイしたら、以下の要領で外す。
但し、効果はそれ程大きくないので(プラス10枚程度)、適当打ちでも、さほど問題なし。
・上段テンパイ…左上段に切れ目近くの7を狙う(要ビタ押し)。
・中段テンパイ…左枠内~枠下に北の湯を狙う。
・下段テンパイ…左枠内~枠下に北の湯を狙う。
・右下がりテンパイ…左枠内~枠下に北の湯を狙う(「中・中・上」のEXラインは、リプレイを外せる)。
・右上がりテンパイ…ハズシ不可(「中・中・下」のEXラインは、リプレイを外せない)。
・6枚役(イス)テンパイ⇒左テンパイラインに切れ目のイスを狙う(「北の湯」の1コマ上にある)。
※パンクは痛いので、残り14ゲームから順押し・適当打ちに戻す。
パチンコ物語・裏ワザ大勝負!!(1992年)
懐かしのパチンコVシネマレビュー
「パチンコ物語 裏ワザ大勝負!!」(1992年)
老舗のパチンコホール「春日」と、チェーン店を拡大し躍進を続ける企業「清水」は宿命のライバル。
「清水」の次なる目標はレジャービル建設だが、その予定地で営業する「春日」が目障りで仕方ない。
一方、「春日」の一人息子・慎二と、「清水」の娘・理恵は、親同士の抗争とは裏腹に次第に惹かれていく。
そんなある日、「春日」の女社長は心労から倒れてしまい、慎二はそれまでの夢を捨て店を継ぐ決意をする。だが、「清水」の陰謀は、慎二の意外なところにまで伸びていた…。
激化するパチンコ・ビジネス。過当競争激しい東京を舞台に、ついに裏ロムまで登場しての究極の乗取り合戦が展開される。
1992年12月21日レンタル開始(VHS)
★発売:ケイエスエス(KSS)/ビデオチャンプ
★販売:日本ソフトシステム
★メインキャスト
榊原 利彦(元「幕末塾」)…春日 慎二(大学院生、母は「サンライズ春日」オーナー)
福田 浩子(「cotton」)…清水 理恵(慎二の幼なじみ、女子大生。父は「清水チェーン」オーナー)
冨士 眞奈美…春日 加寿子(パチンコ「サンライズ春日」オーナー、慎二の母)
山田 吾一(故人)…清水 一郎(大手パチンコチェーン「清水」オーナー、理恵の父)
鈴木 ヒロミツ(故人)…赤間(「サンライズ春日」店長)
小沢 仁志…時田(「清水チェーン」開発部長)
粟津 號(故人)…真壁(闇の卸問屋。店長・赤間の引き抜き工作に一枚かむ。)
福田 健次…立花(パチンコメーカー「西陣」営業担当。慎二を色々とサポート。)
間部 洋一(原作者、特別出演)…玉本(パチンコ店経営セミナー講師)
立野 しのぶ…ミキ(ナイトクラブの美人ホステス。店長・赤間を誘惑。)
小沢仁志 榊原利彦
ヒロインの福田浩子(当時、アイドルユニット「Cotton」メンバー)
★その他のキャスト
片岡祐太、大海渡歩、天野香織、内藤さおい、浅岡陽子、成瀬文枝、みやけ充、代哲弥、林田河童、
大谷松吉、アンヌマレイ、はたいみちこ、岩本崇規、東みゆき、大島司
★スタッフ
原作:間部洋一
監督:村田忍
脚本:山本優
企画:末吉博彦
製作:須崎一夫、水谷務(ケイエスエス)
製作:シネウェーブ
プロデューサー:尾川匠、玉盛正陽
撮影:内田清美
照明:井上幸男
美術:亀岡紀
音楽:JET-DAN
録音:武進
編集:神谷信武
記録:松隈理恵
助監督:菅原和利
製作担当:丸山昌夫
撮影助手:山本英夫、安田圭
照明助手:町田修一、平良昌才、野田友行
録音助手:清水和法、伊藤裕規
監督助手:佐伯英二、五十嵐康展
小道具:柳沢正貴
美粧:山上綾子
衣装:代田恵美子
演技事務:名須川伸吾
選曲:山川繁
効果:橋本正二
整音:関谷行雄
編集助手:中川毅彦、平野猛夫
ネガ編集:大橋まさみ
助手:加藤佳恵
VTR編集:鈴木勉
スチール:西本敦夫
製作進行:大和田晃
製作主任:中村秀康
★撮影協力
パチンコサンライズ(ひばりヶ丘駅)、柏・丸金会館(柏駅西口)、パチンコBIGグループ(ひばりヶ丘駅)
西陣、ソフィア、三洋物産、丸幸商会
★衣装協力
St.Mark’s、Bus、B Parkton、アクトスリー
★協力
日本コダック、東京現像所、光映新社、ライトユニオン、山崎美術、
イトナガオフィス、東宝コスチューム、映広
本作は、互いに「商売敵」の関係にあるパチ屋の息子と娘が、親同士のいがみ合いにもめげず、強く惹かれあっていくという、いわば「パチンコ版・ロミオとジュリエット」的なストーリーが中心になっている。そこへ、地元密着型の老舗と、同じ地域でチェーン展開する大型店との熾烈な対決、という図式が重なる。
亡き夫のあとを継ぎ、女手一つでパチンコ店「サンライズ春日」を切り盛りする、女社長・春日加寿子(冨士)。そこへ、チェーン展開で勢力を伸ばす「清水」のオーナー・清水一郎(山田)が、買収話を加寿子に持ちかけるが、男勝りの加寿子は全く応じない。
そんな時、大学院に通う加寿子の一人息子、慎二(榊原)が、ふらりと店に戻ってくる。慎二は、がんじがらめの研究生活が自分の性分に合わず、パチンコ店の経営に興味がある事を母に告げる。だが、息子を学者にするのが夢だった加寿子は、納得いかない。
慎二は、そんな自分の新たな夢を、幼なじみの理恵(福田)に告げる。同じパチンコ屋の子供で、慎二に淡い好意を抱く理恵は、慎二を応援するといって励ます。だが、慎二の母・加寿子は、大切な息子がライバル店の娘と付き合うのを、快く思わない。そんな心労がたたって、加寿子は突然倒れて入院する。慎二は、体調の悪い母の姿を見て、ますますホール経営への思いを強くする。また、加寿子も、自分のあとを継ぐ決心をした慎二の心情を、ようやく理解する。
一方、「清水」のオーナーである一郎は、ヤリ手の開発部長・時田(小沢)に、普段から頼り切っていた。時田は、実力はあるが卑怯なやり口も厭わぬ性格で、強引な手法で店舗の拡大を図る男。だが、めまぐるしい業界の変化に付いていくのがやっとの一郎は、「時田なしでは、店の経営も成り立たない」と大きな信頼を寄せ、挙句に娘の理恵を時田と婚約させようとする。時田の存在を日頃からよく思わない理恵は、激しく父に抗議する。
そんな中、チェーン展開に邪魔な「春日」を乗っ取るべく、時田は、「春日」の雇われ店長・赤間(鈴木)を抱き込む強引な作戦に出る。カネと女に目のない赤間は、時田の仕掛けた裏金工作やお色気作戦にまんまとハマり、あっけなく敵側へと堕ちる。
頼りにしていた店長が密かに寝返った事で、母に代わって慎二が切り盛りする「春日」の経営は苦しくなる。だが、好意を抱く慎二を助けようと、理恵は、ライバル店の娘にも拘らず、時田の企む内部情報を慎二にリークする。だが、それがかえって仇となり、春日の客離れはさらに進んでしまう。そこで、慎二は離れた客を取り戻そうと、大規模な「新装開店」を計画する。
そして最後は、「春日」の新装計画を巡って、卑劣な妨害工作を企む時田(絶対に当らない裏ロムを仕込んで、決定的な客離れを狙う)と、何とか新装にこぎつけて店を立て直そうとする慎二の間で、壮絶な戦いが繰り広げられる。
※対抗する店の台に裏ROMを仕込んで、営業を妨害しようとする手口は、実は1996年放映の日テレドラマ「グッドラック」(主演:松本明子)でも使われている。同作の第9話「裏切りの新装開店」では、鈴子(松本)の経営するホール「飛鳥球殿」が新装用に発注した台が、「黒部興産」(飛鳥球殿を乗っ取ろうとする、悪徳不動産会社)の妨害で、直前に裏ROMを全台仕込まれて、設置できなくなってしまう。苦慮した挙句、鈴子は古い台のまま新装を行い、「新台はありませんが、台やイスはピカピカに磨きました。お昼ご飯やお茶やお菓子も無料サービスします。」と客に訴えたが、ほとんどの客は「騙された!」と怒って帰ってしまう。途方に暮れる鈴子だったが、古い常連客だけは店に残り、鈴子の心情を慮ってオンボロ新装に付き合う。そんな常連たちの温情に、涙を流して感謝する鈴子だった…。
さて、話を本作に戻すが、実は面白い事に、ロケで使われた2つのパチンコ店は、実際に「孤軍奮闘する老舗」と、「同じ地元で幅を利かせる大型チェーン」という関係にあった。
加寿子がオーナーの「サンライズ春日」は、西武池袋線・ひばりヶ丘駅北口「サンライズ」(閉店)がロケ地である。一方、ライバルの「清水チェーン」も、当時、同じひばりヶ丘駅周辺でチェーン展開していた「BIG」がロケ地であった。
ストーリーにリアリティを加味すべく、あえて「ひばりヶ丘」をロケ地に選んだ可能性も考えられよう。
(ひばりヶ丘駅・北口「サンライズ」) 東京都西東京市(当時は保谷市)ひばりが丘北3-6
※すでに跡地はコーポに様変わりしており、当時の面影は残っていない。
90年代には、ひばりヶ丘エリアで幅を利かせたチェーン店「BIG」。駅周辺のあちらこちらに「BIG4」「BIG5」「BIG8」といった系列店を展開していた。残念ながら、同駅に「BIG」名義の店舗は現存しない
(跡地が別のパチ屋になったケースはあるが…)。
その他、慎二と理恵が2人仲良くパチンコを打つシーンでは、千葉県・JR柏駅西口「柏・丸金会館」がロケ地として使われた。
柏駅西口「柏・丸金会館」…時代は少し後になるが、’90年代後半にスロマガの名物企画「オール設定バトル」や「パチスロ軍団・キングコングバトル」(BOSS、竜吉、ネギ坊が出玉を競う)でもよく使われた店。
余談…作品中に垣間見える、’92年当時の「香ばしい」雰囲気
「サンライズ(春日)」編
・正面・自動ドア付近に、三共「フィーバーマキシム(シリーズ)」のポスター(外国人女性)が貼ってある。
・シマの映像では、平和の保留連チャン機「麻雀物語」がズラッと並んだ姿が見える。
・麻雀物語で大当り中の客の頭上に、「続行」と書かれた連続遊技用の札(プレート)が刺さっている。
・三共「フィーバーレジェンドI」のシマは、全台、頭上に「無制限」の札が縦に刺してあり、大当りすると店員が札を横にする(このシマは「全台無制限」と思われる)。
・奥村・確変デジパチ「ドリームエクセレント(EX)」(朝一127回転後と大当り後がオイシイ)の姿が見える。
・台と台の間には、100円を投入して筒を押し上げるタイプの玉貸機がある。
・シマの端にお札の両替機があり、その上に800個入りの小さなドル箱が乗っていて、箱の中に「スタート」「無制限」などのプレートが入っている。
・新装開店の風景で、サンバイザーを付けたハイレグ水着のキャンペンガールが入口にズラッと並び、客に粗品を手渡している。
・新装の店内カットでは、以下の機種の映像が映る。
西陣「花らんまん(ルーキーVX)」(デジパチ)
西陣「ルーキーVXP-2」(デジパチ)
西陣「タキシード」(一般電役)
三共「フィーバースパークCX」(デジパチ)
西陣「水着でパンチP-2」(ハネモノ)
三洋「サーカスIII」(ハネモノ)
・新装の店員マイクパフォーマンス「本日は、当サンライズ春日の新装初日にご来場頂きまして、誠に…」
・景品カウンターに、玉数計数用のジェットカウンター。大当りを終えた客が、次々とドル箱を抱えてカウンターにやってきては、自分でジェットにザザッと流して、「ピッ」とボタンを押してカードを出している。
「柏・丸金会館」編
・デジパチでは西陣「花鳥風月」、ハネモノでは西陣「デジマル」が登場。
「上野訪問」編
(慎二と理恵が、新装開店用の台を選ぶ為、東上野のメーカー街「パチンコ村」を訪問する場面)
・最初に訪れた三洋のショールーム入口には、「三洋号新型機 展示中」の立看板が見える。
・三洋ショールーム…「ペンギンハウスII」「バンバンバン」「ミラージュ」等、92年登場のデジパチが並ぶ。
・西陣ショールーム…「花鳥風月」「花らんまん」(共にデジパチ)、「ビヨヨンマンJr.」(ハネモノ)、アルファキング7(権利物)が並ぶ。
「パチンコ経営セミナー」編
(ホール経営のノウハウを知らない慎二が、セミナーに参加する場面。原作・間部氏が講師役で出演)
・教室の外には「遊技産業経営専門高等学校」の看板が見える。これは、当時実在したパチンコ店向けの経営スクール(現存するかは不明…)。また、本作には登場しないが、当時は久恵多勝利氏(クエタ先生)が主宰する「パチンコ専門高等技術学院」(パチンコファン向けのスクール)や、釘師・内藤由紀雄氏が主宰する「全国遊技場経営釘調整専門学院」(店長・釘師養成)といった「パチンコスクール」が各地に存在。
※90年代Vシネマ「パチンコ物語」シリーズの歴代作(映画・ビデオ)
・パチンコ物語(1990年、古尾谷雅人)
・二代目パチンコ物語・一発勝負必勝篇(1991年、美木良介)
・パチンコ物語・裏ワザ大勝負!!(1992年、榊原利彦)
・新パチンコ物語・マル秘デジパチ攻略法(1993年、風見しんご)
・パチンコ物語番外篇・パチスロ一攫千金(1993年、勝俣州和)
・新パチンコ物語・パチプロVS伝説の釘師(1993年、西川弘志)
・元祖パチンコ物語・温泉珍道中(1994年、新藤栄作)
・新パチンコ物語・壊滅!闇のゴト師軍団(1994年、西川弘志)
・元祖パチンコ物語・駅前戦争(1994年、財津一郎)
※1990年代に公開されたパチンコ映画、Vシネマ一覧
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/c10989fe8d63c8caeef76f0f7926cfc7
スパイラルI(三共、権利物)
1990年(平成2年)に三共から登場した旧要件権利物「スパイラルI」
一発台的なアツさと、ハネモノチックなアナログのゲーム性が相まって、難敵ではあったが、妙に病み付きになる台だった。大当りのBGMが、デパート屋上の100円乗り物(固定式のヤツ)っぽいメルヘンチックなサウンドだったのも印象深い(当り付きジュース自販機にも、似たサウンドのモノがあった)。
’90年夏(旧要件末期)から’91年夏(新要件初期)の約1年、新宿や渋谷のホールで対峙した。「2.5円/1回交換」というルールで打った筈だが、釘はそれ程甘くなかった…というか、釘以上に「役物」の厳しさを痛感させられた事を思い出す。
★賞球…7&13
★3回権利…8ラウンド×3回で、合計出玉は約2500発(大量出玉の新要件3回権利とは別物)
★当時の実戦店
「ラスベガス」(新宿歌舞伎町・旧コマ劇向い)、「オデヲン」(同)、渋谷「タイガー」(井の頭線ガード下)
(当時の歌舞伎町ラスベガス…旧・噴水広場に面した店。跡地は現在ゲーセン「プレイランドカーニバル」)
(当時の歌舞伎町オデヲン…コマ劇の真正面にあったパチ屋。正面看板の「PARLOR」を店名と勘違いする人もいた。跡地はオリパサ⇒マルハン。)
(当時の渋谷タイガー…三共の台のみ置く、アンテナ店的な存在だった。スロは非設置。後に移転(同じガード下だが、井の頭線西口方向に平行移動)⇒完全閉店。)
※その他、京王線・千歳烏山駅北口の「サンシャイン」にも設置。
★本機のゲーム性
役物入賞→上段三つ穴ステージ入賞→下段プレート→役物奥の回転体到達→V穴入賞と、複数の関門を突破する必要があった。4000発以上の大量出玉が望める一発台より遊びやすいといえたが、それでも大当り獲得への道のりは険しかった。以下、ゲーム性を概説。
・盤面左の命釘を抜けた玉は、真上からセンター役物に入賞。役物入口の上部には、ユラユラと振り子のように揺れる二本の「クラゲ」もあった。
・役物に入賞した玉は、まず上段の「三つ穴ステージ」にアプローチする(穴は手前が2つ、奥が1つ)。
・三つ穴の何れかに入った玉は、その下にある左右プレート(銀色のハネ状ステージ。当時、メーカーは「ウィングプレート」と命名)に落下。
・手前穴から落下した場合、このプレートの両サイド(外側)に流されて、ハズレになり易い。一方、奥の穴から落ちると、左右プレートの間にある中央の「ミゾ」に乗り、役物奥の「縦型回転体」(最終関門)へと向うチャンスが増える。但し、役物の構造上、奥穴よりも手前の2穴に入り易い上、奥穴に入っても普通に外れる事もあって、奥の回転体には容易に到達しない。
・また、台の「ネカセ」やヤクモノの「クセ」によって、回転体への到達率も大きく変わる。特に、ウィングプレートが左右対称でなく、左右の高さに「ズレ」があると、プレート間のミゾに乗りづらくなり、到達率も下がってしまう。
・役物奥の縦型(垂直)回転体は、一定周期で時計方向に回り続けている。回転体には6穴があり、2つある赤い穴に入れば大当りで(2/6)、その他の穴はハズレ(4/6)。プレートのミゾを伝って回転体に到達する玉と、回転体の下段に来た赤穴の周期がピッタリ合えば、V入賞のチャンス。
・但し、回転体のハズレ穴に入っても、「敗者復活」的な面白い動きがみられた。回転体(ハズレ穴)によって上部に持ち上げられた玉は、再び上段の三つ穴ステージへと戻され、下段のウィングプレートに再アプローチする。一粒で二度オイシイ(うまくいけば三度以上)、「グリコ」のような回転体のサービスであった。
・権利発生後は右打ち(通常打ちでは、役物V再入賞による「パンク」の危険あり。ゲージ上、右サイドからはヤクモノ入賞しない)。右のオトシ(OPEN)チャッカー入賞で、センター役物下のハネ(アタッカー)が、約9.5秒又は9カウントまで開く。1回の権利は計8ラウンド。アタッカーは玉を拾い易く、10個入賞も可。
・オトシチャッカーには複数入賞を記憶する「メモリー」機能があるが、チャッカーに多くの玉が入り、フルメモリー状態となった後に入賞すると、その時点でメモリーは無効(ゼロ)となり、次ラウンドで終了してしまう(ラウンドロス)。一応、オトシの命釘の真上には、連続入賞防止用の「二本釘」が縦に打ってあるが、調整次第では立て続けにオトシに入る事もある。
・1回目権利終了後は通常打ちに戻して、再び回転体のV穴(赤穴)に入賞させる。但し、通常時とは異なり、2回目権利以降は、停止していた下段左右のプレートが「上下動」を繰り返す動きに変わる。
・このアシスト機能により、三つ穴から落下した玉はプレートに乗って奥の回転体に到達し易くなり、V穴入賞率も大幅アップする。3回目の権利時も同じ要領で、合計の出玉は約2500発。但し、2,3回目の権利獲得に手間取ると、出玉は削られてしまう。
・なお、権利獲得時、回転体V穴に連続で入賞してしまうと、1回分の権利がまるまるフイになるので、注意が必要だった(運の要素も強いが、役物入賞時に即・止打ちするなどして、ある程度の対処可)。
コンチネンタルIII(メーシー、3-1号機) ~リーチ目回顧~
1990年(平成2年)にメーシーから登場した3-1号機「コンチネンタルIII」
(画像はオレンジパネル)
同時期登場の兄弟機「コンチネンタルI」(1990年、瑞穂3-1号機)と共に、ユニバ系3号機の代表格として活躍した、平成初期の「名機」である(共に’90年暮れから’91年初頭に本格設置を開始)。
コンチIはビッグとレギュラーのみの「純Aタイプ」だったが、本機はシングルボーナスの集中「セブンラッシュ」を搭載する「A-Cタイプ」として、各地で人気を博した。
洗練された筐体に図柄、シンプルかつ味わい深いリーチ目、そして一撃の爆発力を備えた荒いゲーム性と、多くのスロットファンを虜にした「魅惑のマシン」。
かくいう自分も、当時は新宿(日拓チェーン、モナミ、ラスベガス、ジャンボ、グリンピース本店、てんとう虫、平和、太平洋、メトロ、NASA)、高田馬場(国際センター、日拓)、向ヶ丘遊園(銀座ホール)といった馴染みのエリアで、嫌というほどに本機を打ち込んだ。勝ったり負けたりでトータルは負け越した筈だが、「遊技を楽しむ」という点では、文句なしで満足感を味わった、非常に思い出深い一台だ。もちろん、過去記事でも取り上げている。
コンチIIIの魅力は数々あれど、ユニバ系2-2号機「リバティベルIII、IV」「センチュリー21」から引き継いだ「シンプルな7テンパイのリーチ目(2リール確定)」に、シングルボーナスの「箱7」図柄を新たに加えて、「7と箱7の一直線形」をリーチ目の基本線とする事で、一層ゲーム性に厚みが加わった。
(もちろん、2号機時代の「7テンリーチ目」も、シンプルかつアツい魅力が詰まっていた)
特に本機は、ビッグ、レギュラー、シングル集中いずれのボーナスも低確率で、「リーチ目に巡り合うのが一苦労」という台だった。それだけに、プレイ中、突如「入り目」が降臨した時の期待感、高揚感、そして興奮は、他機種に比べて大きかった。
※参考:コンチネンタルIIIのボーナス確率
BIG REG 集中 集中パンク
設定1 1/410 1/410 1/3682 1/300
設定2 1/410 1/410 1/2048 1/300
設定3 1/410 1/410 1/1387 1/300
設定4 1/410 1/410 1/1024 1/300
設定5 1/410 1/410 1/798 1/300
設定6 1/410 1/410 1/676 1/300
そんな訳で、今回は我々90年代スロッターの心を存分にアツくしてくれた、名機コンチIIIのリーチ目達を振り返りたい。シンプルでいて奥深い…そんな「入り目」の数々を取り上げる。
(もちろん、今回紹介するもの以外にも、確実なリーチ目が存在するかもしれない)。
★ホールに貼られた「リーチ目シール」
あの当時、コンチIIIのシマで、こんな感じのリーチ目表(シール)が、各台の手元や頭上に貼ってあったのをご記憶だろうか。
残念ながら、シールの現物は手元にないので、過去の資料をベースに、ペイント機能等を使って再現した。「完璧再現」とまではいかないが、割と雰囲気は出ているのではないか。
「ビッグか?7ラッシュか?」とはいいつつも、当然ながらバケの可能性もあった。
なお、「今が狙いのリーチ目」という文言の意味は、当時から気になっていたが、今もよく判らない。
’91年春、小田急・向ヶ丘遊園駅北口の「銀座ホール」というパチ屋の新装時に、このリーチ目表と初めて遭遇した事を、はっきり覚えている(朝イチでコンチIIIのシマに陣取り、開店の合図を静かに待つ間、手元のシールを興味津々で眺めていた…)。因みに、同店がこの時に導入したのは、「緑パネル」の方だった。
以後も、連日のように通学時の「途中下車」を決め込み、モーニング狙いでこの店の裏口に並んだ(同時期には、「リバティベルIII」と「バニーガール」も設置)。
(コンチIIIの緑パネル…この時期の3号機は「パネルの色によって出方が異なる」などともいわれたが、ノーマルに関してはハッキリ言って「ガセ」。ただ、当時は「裏モノ」全盛期であり、機種によっては、特定色のパネルが「爆裂連チャン機」と化すことがあったのも事実だ。「青パネルのコンチIIは爆連する」という噂も、一時期流れた事がある。
ご存知のように、本機のリーチ目は「7・箱7の一直線形」が基本。ただ、特定の出目を除き、1回のリーチ目のみでビッグ、レギュラー、セブンラッシュを判別するのは難しい(そこが本機の面白いところだった)。また、セブンラッシュ継続中は、リーチ目が「集中継続目」の役割も果たした。
それでは早速、本機のリーチ目を、左リールの停止形ごとに分けて確認してみよう。
(註)
・以下のリーチ目表は「3枚掛け・順押し」が前提
・リーチ目表の下にある「カッコ書き」の意味は、次の通り。
「BR集」…ビッグ、レギュラー、集中共通のリーチ目
「BR」…ビッグ、レギュラー共通のリーチ目
「B集」…ビッグ、集中共通のリーチ目
「B確」…ビッグ確定のリーチ目
「R確」…レギュラー確定のリーチ目
(リール配列表)
(1)左上段に「赤7」が停止した形
(a)上段「7・7・箱7」揃い…大抵は右リール下段に箱7が止まってシングル※だが、こうなれば鉄板。
※(シングルは「箱7の三つ揃い、又は7・箱7・箱7」)
(BR集)
(b)上段7テン(スベリ限定、二確)…もしシングルなら、「箱7」が上段にスベッてテンパイする。赤7を積極的に上段に引き込んだ時点で、ボーナス確定。右リール上段は、必ず7(ビッグ揃い)か箱7(一直線形)が止まる。
(BR集)
(c)上段「7・箱7」テンパイ(スベリ限定、シングルハズレ目)…大抵はシングルが揃うが、稀に外れてビックリする。中リールは、7付きの箱7でも、単独の箱7でもOK。
(BR集)
(d)7の右下がりテンパイ(二確)…右リール下段は、必ず7(ビッグ揃い)か箱7(一直線目)が止まる。
(BR集)
(e)「7・箱7」の右下がりテンパイ(シングルハズレ目)
(BR集)
(2)左中段に「赤7」が停止した形(全て二確)
(a)中段7テンパイ(二確)…右・中段は必ず7(ビッグ揃い)か箱7(一直線)が停止。
(BR集)
(b)「7・箱7」の中段テンパイ(二確。シングルは中段に揃わない。)
(BR集)
(c)上段BARテンパイ(二確)…BARがテンパイしているが、BAR確定ではない。
(BR集)
(d)右下がりBARテンパイ…悔しい「REG確定目」。但し、中リールをこの形で目押しして、BARが枠下に逃げて7が中段テンパイすれば、嬉しい「ビッグ又はラッシュ確定」パターン。そのまま右に7を狙い、揃えばビッグ、外れればラッシュ。
(R確)
(3)左下段に「赤7」が停止した形
(a)右上がり「7・7・箱7」&下段「7・箱7・7」のダブルライン…リール窓を7・箱7が埋め尽くす、贅沢な形。ただ、実際は何れか1ラインでも有効で、配列上、この形が出るに過ぎない(こうした豪華な目が出る配列にしたのは、開発者の意図だろう)。右上段に7を狙ってこの形になった場合は、バケorラッシュ。
(BR集)
(b)右上がり7テンパイ(スベリ限定、二確)…この左→中のテンパイは、通常なら「ハズレ濃厚目」だが、スベリテンパイでボーナス鉄板の二確目となる。
(BR集)
(c)右上がり「7・箱7」テンパイ(スベリ限定、シングルハズレ目)…制御&配列上、中リールは「単独の箱7」に限定される(「7付きの箱7」だと、必ずシングルが揃う)。
(BR集)
(d)下段「7・7・箱7」揃い
(BR集)
(e)下段「7・箱7・7」揃い(中リールは単独の箱7)…もしREGなら、中リール中段にBARがスベッてくる。この形はREGを否定。なお、中リールが7付き箱7の場合は、上記(3)(a)の「BR集共通目」。
(B集)
(f)右上がり「7・箱7・7」揃い…この形、中リールの箱7の上が7だとシングルの可能性しかないが、「単独の箱7」ならリーチ目降臨のチャンス。
(BR集)
(g)中段BARテンパイ(スベリ限定、二確)…ビタ停止テンパイは無効だが、スベればボーナス確定。
(BR集)
(4)左上段に「箱7」が停止した形
(a)上段箱7テンパイ(スベリ限定、シングルハズレ目)…まずは中リール枠上に7があるケース。中リールが4コマスベッた時のみ、リーチ目出現の可能性有り。スベリ3コマ以下だと、シングル確定(ボーナス成立中は、箱7より赤7を優先テンパイさせる制御)。
(b)上段箱7テンパイ(スベリ限定、シングルハズレ目)…コチラは、スベリコマ数に拘らず、中がスベった時点でシングルハズレ目となる。但し、中がビタで停止した時は、単なるハズレの可能性が強い。なぜなら、フラグ非成立時は通常「中段プラムテンパイ」の制御が働くが、左上段箱7から、中リール上段に単独の箱7をビタ押しすると、中段にプラムを引き込めず、「上段箱7テンパイ」をそのまま止める制御になるからだ。
(中リールには、単独の箱7を挟んで、プラム~プラム間が「5コマ」離れた箇所がある。配列表を参照。)
(BR集)
(c)上段「箱7・7・7」揃い
(BR集)
(d)上段「箱7・7・箱7」揃い
(BR集)
(e)右下がり「箱7・7」テンパイ(二確)
(BR集)
(f)右下がり箱7テンパイ(シングルハズレ目)…中リールが「7付きの箱7」ならシングルハズレで鉄板となるが、「単独の箱7」だとオレンジこぼし目(ガセ)の場合アリ。
(BR集)
(5)左中段に「箱7」が停止した形
(a)中段「箱7・7」テンパイ(二確)
(BR集)
(b)中段箱7テンパイ(二確)…この形からシングルが揃う事はない。
(BR集)
(c)上段BARテンパイ(二確)
(BR集)
(d)右下がりBARテンパイ(二確)…忌わしきREG確定目。出来ればあまり見たくはない。
(R確)
(6)左下段に「箱7」が停止した形
(a)中段BARテンパイ(二確)…スベリの有無に関係なく、左下段箱7からの中段BARテンは二確。一方、左下段が赤7の時は、BARのスベリテンパイがリーチ目の条件。
(BR集)
(b)右上がり「箱7・7・7」揃い
(BR集)
(c)右上がり「箱7・7・箱7」揃い
(BR集)
(d)右上がり「箱7・箱7・7」揃い
(BR集)
(e)下段「箱7・7・7」揃い
(BR集)
(f)下段「箱7・7・箱7」揃い
(BR集)
(g)下段「箱7・箱7・7」揃い…もしREGなら、中リール中段にBARがテンパる。この形はREGを否定。
(B集)
(7)左に「チェリー(2個)・オレンジ・BAR」が停止した形
(a)3連チェリー(15枚)がハズれれば確定。
(BR)
(b)BARの右上がりテンパイ(二確)
(R確)
(8)左に「BAR・チェリー(2個)・オレンジ」が停止した形
(a)上段BARテンパイ(スベリ限定、チェリーハズレ目)
(R確)
(b)上段BARテンパイ(スベリ限定、オレンジハズレ目)…コチラも、チェリーも揃わない事が前提。
(R確)
(10)小役揃いのリーチ目(中段プラム以外は、出現率低し)
(a)左上段7からの中段プラム揃い
(BR)
(b)左上段箱7からの中段プラム揃い
(R確)
(c)左上段7からの右上がりオレンジ揃い
(BR)
(d)左上段7からの下段オレンジ揃い
(R確)
(e)左下段7からの上段オレンジ揃い
(B確)
(f)左下段7からの右下がりオレンジ揃い
(B確)
(g)上段チェリー(2個、単チェの払い出しなし)からの中段オレンジ揃い…左がこの停止形だと、チェリーが揃わないだけでリーチ目だが(BR共通)、中段にオレンジが揃えば「ビッグ確定」となる。
(B確)
(h)左上段チェリー(3個、単チェの払い出し有)からの右上がりBARテンパイ(スベリ限定、二確)
(R確)
※なお、3連チェリー(15枚)はB・R・集中のフラグ成立後に揃い易くなるものの、通常時でも1/205で成立するので、「確実なリーチ目」とはいえない。
セーフティセブン(マルホン、デジパチ)
1992年(平成4年)にマルホンから登場した新要件デジパチ「セーフティセブン」
★賞球…7&15
★大当り確率…1/245
★デジタル停止順…左→右→中
★大当り図柄…0~9、J、A、U、H、L、Pの各3つ揃い(計16通り)
★最高16ラウンド継続
★平均出玉…約2400個
★小デジタルの確変機能搭載…「7」で当るとプラス5回、「3」で当るとプラス2回の確変に突入
★連チャン性…表向きは「なし」といわれた。なお、確変中はメイン確率アップの可能性有(調査中)
★兄弟機…「サイドワインダー」(1992年)
⇒図柄不問の2回ワンセットデジパチ(大当り確率1/247。賞球「6&10」の為、出玉は少なめ)
★当時の実戦店…新宿・歌舞伎町「日拓4号店(日拓IV)」
(現「スロットエスパス日拓歌舞伎町店」)
(90年代初頭の「日拓IV」)…路地の四つ角に面した店で、当時は1Fがパチンコ、地下がパチスロだった。本機と同時期、この店のパチはアレパチや一般電役も充実しており、アメリカンドリームP1(豊丸)、フルーツパンチ(大一)、エキサイト(藤商事)、アレパッチンDX(太陽電子)などが1Fに並んだ。一方、地下スロットコーナーには、コンチI、コンチIII、アラジンII、スーバニといった定番機種の他に、同チェーンお馴染みの「アポロン」(5〇Ver)も設置。また、少し古めの2号機「スーパーセブン」(パイオニア)も、同時期ここでよく打った事を思い出す。ちなみに、画像の左端には、小さいながらもコンチIのポスターが見える(外国女性がアラブ風の黒装束を着たもので、横に書かれたキャッチフレーズは「誰も観た事のない新大陸へ」)。
マルホンの新要件機というと、ソルジャー(’93年、権利物)やびっくりマン(’93年、権利物)といった「ドットデジタル」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、’91~’92年には、このテのカラー7セグ(LED)を使ったデジパチも多く出ていた(旧要件機「パールセブン」⇒「ロータリーセブン」の流れか)。
同社の新要件デジパチは、「ウルトラセブン」(’91年)のドラムに始まり、「スーパーダイヤ」(’91年)でお馴染みのデカデジ(7セグLED)、「スーパーゴールド」(1992年)等にみられる変則デカデジ(7セグLED)、「スーパービジョン」(’92年)に代表されるカラー液晶、そして本機のような分離型7セグ(LED)と、ドットが定番となるまでに多くの「試行錯誤」を重ねてきた。これを「迷走」と揶揄する向きもあったが、個人的には、むしろ「積極的な挑戦」だったと考えたい。
なお、’92年の段階でマルホンの新要件ドットが皆無という訳ではなく、「ミステリーワールド」「スーパーワールド」といったドットデジパチが、本機と同時期に登場。その他、’92年のマルホンは権利モノでもドット物を多く発売。フォーミュラー、ウィンダムZ、ミラクルショット、レビュー、スーパーライナー、マジカルなど多彩だが、やはりマイナー機で終わったモノが多い。
本機は、左・中・右の各デジタルが、それぞれ透明のケースに入って、分離したような感じだった。これは、マルホンでは先行機の「スーパーズーム」「ハッピーズーム」「アクションズーム」(’92年のデジパチ「ズーム」シリーズ)で初採用※されたものだ(その後、「ピンクレディ」でも採用)。
※個人的な見解では、1991年に出た平和の確変デジパチ「ダイナミック7」が、このタイプの「原型」のような気がする。さらにいえば、同社の旧要件機「グリース」的な要素も感じる(外観的な意味で)。
本機のリーチは、左右デジタルがグルグルうねるように半回転しつつ、中デジタルが前後にピョコピョコと動く、独特のアクションが面白かった。また、大当り中も、V入賞すると中デジが奥に引っ込み、左右デジが扉のように中央に寄ってくる、特徴的な動きを見せた。さらに、マルホンお馴染みの「けたたましいリーチサウンド」も健在だった。
ちなみに、デジタル上部には「SIDE WInDER」の英字ロゴがある。一見すると、兄弟機「サイドワインダー」のものと勘違いしそうだが、これは機種名の表記ではなく、「左右両サイド(SIDE)のデジタルが、うねるようにクルクル動く(WIND、ワインド)」という、本機のデジタルアクションを示唆したものであろう。
さて、本機は「6回ワンセット」の確変機能を搭載したことでも知られる。「確変」とはいっても、メインデジタル確率がアップするという意味ではなく、小デジタル確率が上がって、始動チャッカー用の電チューが開き易くなるという事だ。
6回ワンセットデジパチの元祖は、京楽の「フルーツパラダイス2」(1992年)である。「7で当るとプラス5回の一撃14000発」の謳い文句で話題となり、一躍人気機種となった(釘もシブくなりがちだったが)。このフルパラ人気にあやかって、他メーカーも同タイプの6回ワンセット機を、続々と登場させた。西陣は「プリプリショットP-2」(1992年)、ニューギンは「エキサイトカップ3」(1992年)、そしてマルホンは本機で対抗した訳だ。
この状況に対し、京楽も本家の「意地」を見せて、「宝島」(1992年、京楽)及び「ペットショップ」(1992年、まさむら…当時、京楽とOEM関係)をすかさず送り込んだ。この2機種は、6回目(確変最後)の大当り図柄が「7」の場合、さらにプラス5回の確変が始まる「超爆裂スペック」に改良されており、フルパラ2に追随した他メーカーとの「差別化」を図ったともいえる。
一方の本機は、「7で当るとプラス5回」(14000発、ループなし)というフルパラ2の特徴に加えて、「3で当るとプラス2回」(7000発、ループなし)という特典も付いていた。幾ら大量獲得タイプでも、肝心の「7」が引けないと、その恩恵にあずかる事は出来ない。だが、本機は全16図柄中、3、7の2通りで当れば確変に突入する(1/8)。弱い方の「3」で当っても「3回権利物」並みの大量出玉があった訳だ。しかも、確変突入の期待値が他の6回ワンセット機より高かったので、やはり大きな魅力があった。
なお、確変中は、小デジタル確率が1/16から1/1.6に10倍アップする(止打ちで節玉も可能)。一方、メインデジタル確率は通常時と「不変」との建前だったが、実際に確変に入ると、次回大当りが早め(100回以内)にポンポンと来た印象も残る。即ち、確変中は小デジのみならず、メイン確率もアップさせる「カラクリ」※が、内部的に仕掛けられていたかもしれないのだ。ただ、本機で確変に入った経験が、「3」「7」合わせても計5、6回しかないので、単なる「確率の偏り」だった可能性もある。この辺りは、今後も調査を続けたい。
※同社の確変デジパチ「サイドセブン」(1993年、確率1/515、「3、7」以外は3回セット、「3、7」だと単発)では、確変中にメイン確率もアップする事が、当時の解析によって裏付けられている。サイドセブンでは、確変中「連続回し」をすると、保留1個目が絶えず上書きされて、「1/64」という高確率で抽選を受けられる仕組みだった。一方、節玉の為に確変中「止打ち」すると、「連続回し=保1上書き」の機会が減って、1/515の通常確率で抽選され易くなっていた(⇒確変ハマリの原因)。
もし、本機がこれと同じシステムなら、確変中の止打ちは危険となるが、実戦上、止め打ちして大ハマリした記憶はない。まぁ、元の確率がサイドセブンより遥かに高い「1/245」なので当然かもしれないが、ひょっとすると、止打ちせずに確変時ブン回すと、高確率で抽選された可能性もある(要・継続調査)。
映画「マルサの女」(1987年)、パチンコロケ続報
今から約3年前、当ブログで昭和末期の日本映画「マルサの女」(伊丹十三監督作品。1987年公開。「脱税」がテーマ。)の「パチンコ店ロケ」について取り上げた事がある。
コチラの記事
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/548d9a23aa069d43633e179a2ed2176e
私は学生時代から、本作はじめ「伊丹作品」(お葬式、タンポポ、マルサの女2、ミンボーの女、スーパーの女、あげまん、マルタイの女…etc)のファンであった。
社会の「闇」に鋭く突っ込む追及姿勢、先見の明を感じる斬新なテーマ、事前の綿密な取材活動、ミリ単位の構図にも拘ったという妥協なき撮影姿勢、絶妙なキャスティング、そして「正義と悪」という分かりやすい構図で「カタルシス」を感じる内容…私にとっては、まさに「病み付き」になる作品の連続であった。それだけに、1997年に伊丹監督が亡くなった時のショックはあまりに大きかった。
その伊丹作品の中で、「パチンコ」絡みのロケシーンがあるのは、本作(マルサの女)のみだった。
(なお、続編「マルサの女2」では、主人公の板倉亮子(宮本信子)が、エリート新米査察官の三島(益岡徹)を現地調査に連れていき、「このラブホテル、このナイトクラブ、このソープランドとあちらのパチンコ屋、みんな鬼沢(三國連太郎、宗教法人理事長)が影のオーナーだ」と伝える場面がある)
そこで、3年前の記事では、レトロパチンコ的な観点から、本作で登場したパチンコ店での撮影シーンを、出来る限り詳細に「分析」した(背後に映る台の機種名、店内で聞こえる機種サウンドの正体、亮子が大当りしたデジパチの機種名など。詳細は過去記事参照)。
しかし、ただ一点、「ロケ地となったパチ屋が、どこの何という店か」に関しては、全く分からずじまいだった(エンドロールの「撮影協力」クレジットでも確認できず)。
私が一番知りたいのが、まさに、その部分だったのだが…。
その時は、映像の様子や本作ロケ地の「傾向」から、小田急線・経堂駅南口商店街の「ミナミ」が怪しいと睨んだのだが、その後の「追跡調査」で、かなり有力と思われる情報を掴んだので、報告したい。
先日、たまたま同作の「メイキング」映像を見る機会があった。このメイキング作品は、本作公開と同年にリリースされたもので、私自身、’90年代に地元のレンタルビデオ屋で、2,3回ほど借りた記憶があるが、その時は、特にパチ屋の「正体」に注目することなく、ごく普通に視聴したのみだった。
だが今回は、パチ屋絡みの情報はどんな細かな物も見逃すまいと、かなり綿密にチェックした。
その結果、メイキング映像の中に、以下のような場面があるのを確認する事が出来た。
ロケ地となったパチンコ店の入口で、主役の宮本信子(税務調査官、板倉亮子)が、共演者(故・小沢栄太郎、パチ屋の顧問税理士)と撮影前に談笑するメイキングの場面だが、入口前に置かれた花輪に、「シルクロード」と書いてあるのを偶然見つけたのだ。
メイキングでこのシーンが映るのは一瞬で、しかも本編では映らない為、今まで全く気づかなかった。
もちろん、「花輪」といっても、撮影用に作られた「架空」のものである可能性は否定できない。
しかし、「シルクロード」というパチ屋は当時現存しており、本作のロケ地を突き止める上で、大きなヒントとなる事は間違いない。
次に、当時「シルクロード」という名のパチ屋があった、首都圏の各エリア(淵野辺、鴨居、千歳烏山、etc)と、映画本編のシーンを結びつける「手がかり」はないかと、本編映像を繰り返し確認した。
すると、伊東四朗演ずるパチ屋(大幸商事)の社長(大嶋幸蔵、赤ジャージ姿)が、脱税を疑う調査官・亮子(宮本)の厳しい追及を受けて、ついに「逆ギレ」して店を飛び出した後、電柱にしがみついて泣きわめくシーンの中で、その「手がかり」らしきものを見つけた。
赤い矢印で示した、画像奥・上部に注目して欲しい(人物は、右から伊東、小沢、宮本)。
残念ながら、手前の人物側に照準が合っている為に、奥は「ピンボケ」状態で確認しづらい。
だが、よく見ると、矢印の部分は小さな「看板」で、青地に白で「6〇〇」と思しき文字が書いてある。
そこで、「シルクロード」があった各エリアの画像をストリートビューで調べたところ、これまた偶然にも、京王線・千歳烏山駅の商店街の一角に、こんな看板があるのを発見した。
(C)Google
「6番街」と書かれた、小さなブルーの看板。
これは、京王・千歳烏山駅北口(西口)「6番街商店街」という、昔ながらの商店街の路地にある。
そして、実はこの「6番街」沿いで、かつて「シルクロード」という名のパチ屋が営業していたのだ。
(既に閉店。現在はマンション)。すぐ近くには「サンシャイン」というホールもあった(現「Mr.D」)。
(参考)京王線・千歳烏山駅周辺のパチンコ店マップ(1990年)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/4e6e11fa71beb0703224c2e81c3c6db1
元の映像がハッキリしないので「断言」は出来ないが、看板の色が青で、数字の「6」の字体も似ている。その後ろに続く「〇〇」の不鮮明な文字も、こうなると「番街」に見えてくるから面白い。
この事から、本編でボンヤリ映っていた青い看板は、恐らくこれと同じタイプ(看板の設置場所は違うかもしれない)と思われる。
これらの情報を勘案した結果、本作のパチンコ店ロケは、千歳烏山駅北口「シルクロード」で撮影された可能性が高い、との結論に達した。
長らく不明だったロケ地が判明して、やっとスッキリした気分だ(少々「見切り発車」的な感じもするが…)。
今後も、情報の精度をより高めるべく、引き続き調査を行い、新たな情報を掴み次第報告したい。
まぁ、「こんな古い情報を発掘して、今さら何の意味があるのか」というツッコミもあろうが、ご存知の通りの完全な「自己満足ブログ」なので、聞く耳は持たない。この記事も、一部の「少数派」に届けばOKである。