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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ジャーニー(大一、一般電役)の連チャンシステムについて

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1992年(平成4年)に大一商会から登場した、新要件・一般電役の「ジャーニー」


★賞球…6&13
★大当り確率…1/232
★図柄…0~9の数字、A、F、H、J、Lの計15種類
★出玉…2200~2700個(電チュー連動型の為、釘調整や小デジハズレ回数でバラつく)
★大当り中のメロディ…「ハイ・ホー」(「白雪姫」)
★メインデジタル上部に、ラッキーナンバー用デジタル搭載
★連チャン性…あり(⇒後述)


平成4年末に大一が送り出した、3桁ドットデジタル※を使った一般電役。7セグではないが、名機「フルーツパンチ」の後継機として登場。ゲーム性や連チャンなど、フルパンを彷彿とさせる部分も確かにあって、一時期注目を浴びた。同じ一般電役の兄弟機は「ミリオンパンチ」(1993年)。

※この時代の大一は、本機やミリオンパンチの他、ランバダ、ムーンライト2、エスケープ2、グレイスなど、メインデジタルに「大粒のドットマトリクス」を採用するのが「流行り」だった。
特に、ランバダ(1991年)は、「3×3=計9個」の粒ドットが横一列でスクロールする為、見た目は非常に壮観だった(但し、各デジタルは3つ揃いのまま一緒に動くので、実質3ケタデジタルと同じ)。



現役時に本機とよく対峙したのが、小田急線・向ヶ丘遊園駅北口の「ニューギンザ」(名称は変わったが現存)というホールだ。ここは、先行機「フルーツパンチ」のメイン実戦店でもあった。

本機が新台で入った頃、旧台のフルパンも依然として人気があり、しぶとく現役稼働していた。

しかし、いかんせんヘソが激シブで、まともに勝負できる状態ではなかった(ほぼ一発台感覚)。

そんな折、ニューギンザが新規導入した「ジャーニー」は、当然だがフルパンよりも回りが良く、さらに連チャンがくっついて来ることもあり、一時期、かなり重宝した事を思い出す。

但し、この店での寿命はあまり長くなく、半年程度で入れ替えられてしまった(次いでフルパンも撤去されたが、三洋の権利物「マンハッタン」は生き残った)。




デジタル停止順は、「左⇒右⇒中」。リーチアクションはノーマルのみだが、中デジの周回数にバリエーションがあって、短い周回で止まる「ショート」と、周回数の長い「ロング」に分かれる。

ロングの場合、最終停止の2コマ手前で、中デジが超スローに切り替わる(ショートはいきなり止まる)。

ショート、ロングいずれも大当りするが、ロングの方が高信頼度。同一図柄の三つ揃いで大当りとなる。


※なお、本機を撮影した貴重な実機動画が、現在Youtube上で公開されている。
盤面の細かい動きについては、是非そちらを参考にして欲しい。
以前、転載許可を頂いたので、今回は動画リンクを貼らせて頂いた(golgoさん、thanks!)。

https://www.youtube.com/watch?v=LbHp0jw8vno




大当り中の動きについては、動画を見れば一目瞭然だが、一応、説明を加える。

フルパン同様、複数の電チューの連動で出玉を増やす。以下は、その概要。



メインデジタル三つ揃いで、盤面右上の電チューが約3.6秒開放。

右打ちで、この電チューに5個入賞させると、ヘソ下のミニデジタル(3ケタ)が変動を開始。

さらに、ミニデジの保留ランプも4つ点灯する(ここで保留満タンにしないと、出玉が減る)。


ミニデジが当選※すると、下段センターの電チューが約1秒開放(連動1回目が開始)。

続いて、中段にある左右の電チューが約5秒開放。

以後は、下段⇒中段の交互開放を、計4回繰り返す(1回目の連動終了)。

※ミニデジは左・中・右ともに「0~9」の数字のみ(10×10×10)。
「000」以外で止まれば当選。表面上の当選率は999/1000で、解析上もまったく同じ
(⇒ハズレ確率は1/1000)。


1回目の連動が終わると、再びミニデジが変動を開始。やはりミニデジ当選で、下段・中段の電チューが、交互に4回づつ開放。以後、ミニデジの保留(4つ)を消化する毎に、これを繰り返す。

つまり、電チューの連動回数は、最大5回。これが、大当り中の出玉の増やし方だ。

但し、右上の電チュー入賞が「4個以下」だと、小デジの変動回数が減って出玉も減る。キッチリ出玉を取るには、右上の電チューに必ず5個入れる事が肝要。
さらに、本機の場合、「連チャン」を奪取する為にも、5個入賞は必須だった(⇒後述)。

また、ミニデジに「000」が出ると、電チュー空振り(ハズレ)となり、まるまる連動1回分の出玉ロスとなる(ミニデジのハズレ確率は1/1000と低い)。

なお、電チュー周りのクギ次第で、玉の拾いに差が出た為、台や店毎に出玉のバラつきが生じた事は、言うまでもない(平均出玉は、約2400個)。




ここまでは、主に「電チュー」の動きに着目したが、本機でそれ以上の大きな特色だったのが、「大当り中も、メインデジタルが回った」事であろう。これも、「一般電役」ゆえの顕著な特徴だ。

しかも、本機は他の一般電役と異なり、デジタルの始動タイミングが、かなり「遅め」であった。

当時の(新要件)一般電役は、大当りが始まると、早い段階でデジタルが再び回り出すタイプが主流だった。それゆえ、連チャンしても序盤でデジタルが揃ってしまうと、あまり出玉が増えずに、「無駄引き」となるケースがあった。ただ、その分、デジタルを多く回す事ができた。

一方の本機は、大当り開始から約2分30秒の間、デジタルは停止したまま動かない。デジタルが再び動き始めるのは、ミニデジが最後(5回目)の変動を終えて当選後、下段の電チューが「2回目の開放」を始めた時である。タイミングとしては非常に遅い。

この時、既に大当りは「終盤」に差しかかっており、連チャンすれば、ほぼ大当り2回分の出玉(約5000発)が約束された(トリプルなら7500発)。

こうした連チャン時の出玉ボリューム感も、先行機である(旧要件)一般電役「フルーツパンチ」を彷彿とさせた。但し、大当り中にデジタルを回せる回数は、必然的に少なくなる。



ところで、本機の始動チャッカーは、「ヘソ」(賞球有り)と「右肩」(スルー、賞球なし)の2ヶ所。
大当り中に右打ちした場合でも、スルーがよほどシマっていない限り、保留は多く点灯する。

つまり、デジタル始動前に、保留が「満タン」となるケースが大半だった。

既に点灯中の保留4個か、その後に追加点灯した保留で当れば、連チャンゲットとなる訳だ。

但し、内部的に見れば、既に点灯中の保留4つで当る可能性は少なかった(⇒後述)。




さらに言えば、この保留消化時には、「意図的な連チャンシステム」まで組み込まれていた。

ここが、まさに本記事の「核心」部分となるが、その前に、大当り判定方法を簡単に紹介。

大当り判定カウンターは「0~463」の464コマ。そのうち「8」と「24」が大当り値。

よって、大当り確率は2/464=1/232となる。


通常時は、Rレジスタを用いて乱数を生成(詳細な生成方法は割愛)。即ち、始動チャッカー入賞時には、464通りのランダムな値を拾う為、意図的な乱数の偏り(高確/低確)は無い。

ところが、大当り中になると、この状況が「一変」する。

大当り動作が行われる間は、やはりRレジスタを使うにも拘らず、464通りの乱数が極端に偏るようになり、乱数の「グループ化」が起こるのだ。

しかも、乱数グループは、下段センターの電チューと密接にリンクしていた。

具体的には、下段の電チューが「1秒×4回」(ワンセット)の開放を行う「約20秒」を1つの区切りとして、複数の乱数グループに分かれた。つまり、「5回の電チュー連動」に対して、「5つの乱数グループ」があったという事だ。

そして、同じ20秒間以内にチャッカー入賞した場合、必ず同じグループの乱数を拾う。これが、非常に不思議な特性であった。

この時、グループ化の「サイン」となったのが、下段電チューの「飾りランプ」だ。ここがピカピカと光っている時には、乱数が必ず「グループ分け」される。

逆に言えば、大当り中であっても、下段ランプが消えている間は、通常と同じ乱数の拾い方をする。例えば、中段の電チューが4回目の開放を行う間や、ミニデジが回転している間は、下段の飾りランプが消灯しており、乱数のグループ化は起こらない。


以下、「乱数グループ」について説明。16進数が絡む為、少々ややこしいが…お付き合いを。

(電チュー)連動1回目は、全464通りの乱数のうち、(16進数でいうと)下一ケタが「4」の値しか拾わない。これが、連動1回目(ミニデジ全灯時)の乱数グループとなる。

そして、連動2回目は下一ケタが「5」、3回目は「6」、4回目は「7」の値を取得する仕組み。
(ミニデジ保3~保1点灯時のグループ)。4,5,6,7と、下1ケタの値が1づつ増えている。

そして、連動5回目(ミニデジ全消灯)は、(16進数で)下一ケタが「8」の乱数を必ず取得する。

ここで、全464通り中、16進数で下一ケタ「8」の値を10進数に直すと、以下の29通りとなる。

8,24,40,56,72,88,104,120,136,152,168,184,200,216,232,248,
264,280,296,312,328,344,360,376,392,408,424,440,456

先頭の「8」を起点として、「16」づつ綺麗に加算されているのが、お判りだろうか。実際は、「16」が加算される場合と、倍の「32」が加算される場合の2通りある(Rレジスタの偏り)。

最終の連動5回目(「チャンスタイム」)に保留が点いた場合、上記29通りの値のいずれかを、必ず拾う。

一方の大当り乱数は、先述した通り、「8」と「24」の2つ。この当選値は、上の乱数グループの中に、両方ともしっかり含まれている。もう、お察しだろう。

上述した「乱数のグループ化」が起こる事で、チャンスタイム中に点灯した保留の大当り確率は、破格の2/29となり、大幅にチャンスアップする。これが、連チャン発生の「カラクリ」だ。

但し、大当り乱数を含むグループに滞在するのは、連動5回目のみ。つまり、右上の電チューに4個しか入らなかった場合は、5回目の連動がないから、連チャンも「フイ」にとなる。5個入賞の重要性がお判りだろう。

なお、大当り動作が終了すると、乱数のグループ化も同時に解消されて、元のランダムな乱数取得に戻る。



以上が、本機における「乱数のグループ化」による連チャンの仕組みだ。これが、大一お得意の「タイマー管理」、或いは電チューと大当り周期の「同調」による、乱数の偏りだったかどうかは不明。乱数偏りの原因を詳説した資料は所持していないが、大当り中の乱数グループ化そのものは、ICEをを使った実験によって証明されている。

まぁ、本機はフルパンと同じく、電チュー搭載の一般電役。つまり、大当り開始~終了までが、電チューの開放タイミングも含めて、巧みに時間計算された設計。フルパン同様、こうした時間的タイミングの一定性を利用して、乱数グループ化を「意図的」に起こしていた可能性がある。



しかしながら、右肩の釘調整がまともな場合は、連動5回目(チャンスタイム)が始まる前に、「保留満タン」となっている場合が大半だった。ボッタクリ店などで、右スルーを鬼シメしていれば話は別だが。

加えて、1~4回目の連動中は、先述した通り、(16進数で)下1ケタ「8」の乱数を拾うケースがほとんどない(大当り値は16進数で「08」と「18」)。よって、チャンスタイム前に点灯した保留玉では、滅多に連チャンしない。但し、下段電チューの飾りランプ消灯時は、通常時と同じランダムな乱数取得になっている為、大当り値を拾う事はある。

一方、連チャンが大きく期待できるのは、チャンスタイム中にデジタルが回って、保留に空きが出来た状態で、保留を追加点灯させた場合だ。但し、時間の制約上、せいぜい「3回転」程度。

この場合、保留1個につき「2/29」(≒6.9%)の連チャン率だから、保留を2個追加できれば約13.8%、運良く3個点灯なら約20%の確率で、連チャンが期待できる。



しかも、クギの状態によっては、この連チャン率を、さらにアップさせる「技」があった。

例えば、「ヘソはよく回るが、右肩スルーが激シブ」の台は、以下の方法で連チャン率を上げる事が可能だ。

(1)通常時は保留を点けずに「単発打ち」を行い、保留4つを空けた状態で大当りさせる。

(2)連動1~4回目は、普通に右打ちで消化(右肩がシブく、保留が埋まりにくい)。

(3)連動5回目(チャンスタイム)と同時に通常打ちに戻し、ヘソを狙って、できるだけ多く保留を点灯させる。


こうすれば、チャンスタイム中に保留点灯の機会が増え、連チャン率もアップした訳だ。

但し、通常打ちだと電チューの拾いが極端に悪くなって、出玉が大幅に減る場合もあった。


一方、「右肩が甘く、大当り中に保留が点き易い」台は、こうした技を使う余地がほとんどない。普通に右打ちで消化して、チャンスタイム内の保留点灯に期待するのみ。


なお、チャンスタイム前に点灯した保留玉で「ハズレリーチ」が掛かってしまうと、保留の消化が遅れて、保留追加点灯のチャンスが減る為、連チャンにとって不利となる。

つまり、効率的に連チャンさせるには、「いかにハズレリーチを避けるか」という、純粋なヒキの強さも求められた訳だ。

これは、ある意味で、「ブラボーキングダム」(平和)のゲーム性にも通じた、といえよう。


まぁ、これ以上深く突っ込むのもアレなので、今回はこの辺で終わりたい。


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