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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ブラボークリスタル(平和、デジパチ)

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1991年(平成3年)に平和から登場した、初期・新要件デジパチ「ブラボークリスタル」

(当時、平和の冠名は「ブラボー」) 
 cf. 西陣:ルーキー、三共:フィーバー、ニューギン:エキサイト、三洋:パニック etc

★賞球…7&15
★大当り確率…1/210
★大当り図柄…14種類 A~K(トランプの13図柄)、「h」(平和のマーク)
★最高16ラウンド継続
★出玉…2300個
★意図的な連チャン性…なし


「トランプ」をモチーフにしたデジパチ。大当り図柄は、スペードのA~K(13種類)に加えて、平和のオリジナルマーク「h」を入れた、計14通り。
但し、中デジのみハズレ図柄の「ジョーカー」(ピエロの顔っぽい)が有る。
(⇒左・右は14図柄、中のみ15図柄)。

表面上の大当り確率は「14/(14×15×14)=1/210」。内部確率も同じ(⇒後述)。

なお、4つの保留ランプも、デジタルと同様、液晶画面内で表示(スペードのマーク)。


  ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

トランプがテーマのデジパチというと、本機以前にも「ニュートランプカード2」(旧)「トランプカード」(旧)「トランプエース」(新)(いずれも京楽)、「グランドエキサイトG」(旧)「エキサイトポーカー」(新)(共にニューギン)など、数多くの先行機が存在した。

ただ、デジタル部分に注目すると、粒の大きなドット・液晶で「J」「Q」「K」などの文字を表したり、ドラムに絵柄が貼り付けてあったりと、さほど手の込んだ表示ではなかった。

また、同じ平和の「ブラボーセンチュリー」(旧)は、「ハート(♡)とA」や「スペード(♤)とK」を組み合わた、いかにもトランプ的な図柄を採用していたが、やはりドット独特の「粗さ」があった。


これら先行機に比べると、91年夏に出た新要件機「ブラボークリスタル」のデジタルは、当時としては、かなり斬新な部類に属した。

言い換えれば、単なる数字やアルファベットではなく、「一枚のカード」全体を模した感じの、複雑で細かいデザインだった。また、デジタルの動き方にも、従来にない「躍動感」があった。



また、デジタルの「色合い」も一種独特。基本的には「青背景に白図柄」だが、見る角度によっては、背景がピンクっぽく見えたりもした(西陣「アラシキング」を彷彿とさせた)。



こうした斬新な表示は、粒の細かいブロック液晶(角ドット)のなせる技であった。即ち、本機は、初の液晶デジパチ「ブラボーエクシード」(旧)や、後継「ブラボーエクセディア」(新)と同じく、液晶デジタルを搭載。しかも、目の細かい角ドットである分、よりリアルで繊細な表現が可能となっていた。

とはいっても、本機登場後にセンセーショナルなデビューを飾った「麻雀物語」(平和、1991年)の「カラー液晶モニタ」と比べれば、鮮明度は明らかに劣る。




デジタル停止順は「左⇒右⇒中」。各デジタルは、トランプよろしく回転するようにスクロール。

左右ゾロ目でリーチ。このリーチアクションにも、特筆すべき「個性」があった。

リーチが掛かると、中デジがパラパラと1枚づつめくれていくが(左右はカラー反転で明滅)、最終停止直前に、上部からおもむろに「手」が伸びてくる。そして、中デジのカードを掴んで引っ張り上げて、カードを表にめくると、再び下に戻してデジタルを止めるのだ。この一連の動きが、「勝負!」という感じで新鮮だった。

なお、「手」のイメージは、後に西陣から出た連チャン機「春一番」で、花札をクルッとめくる「手リーチ」を思い浮かべるといいだろう。

因みに、リーチが掛かった瞬間、最終停止6コマ手前の図柄が一瞬見えたので、この特性を利用した「大当り判別」が可能(リーチ後、中デジは必ず6コマ進んで停止)。




上記のような特徴的なデジタルアクションは、各社から初期・新要件機が次々とホールデビューした当時においても、「揃えたい!」と思わせるには十分であった。

西早稲田「みよし」(現「MIYOSHI344」)、新宿西口「ジャンボ」(現存)、百合ヶ丘「パーラー百合ヶ丘」(既に閉店、跡地では「ユアーズ」(スロ専)が営業)が、本機実戦の舞台。

保留連や数珠連等の爆発力が無かったにも拘らず、図柄が揃った瞬間の快感が病み付きとなって、足繁くシマに足を運んだ。まぁ、元々の大当り確率が高かったので(1/210)、自力の数珠連チャンは、大いに期待できたが。



さて、本機の内部プログラムに目を移すと、当時の新要件機としては非常にシンプルで、かつ「原始的」な抽選方法を採っていた。

この当時、大半のデジパチが「大当り判定」と「出目決定」を別個に抽選していたが、本機の場合、出目がそのまま「当り/ハズレ」も決めていた。これは、かなり「古い」抽選方式だ。

中出目カウンターは「0~14」の15通りで、右出目カウンターは1つ少ない「0~13」の14通り。いずれも、カウンター値がデジタル図柄に直接対応。カウンターは、右が一周すると中が1進む「ケタ上がり」の関係。カウンター値を拾うタイミングは、中・右共に、始動チャッカー入賞時。


但し、左出目だけは独特で、カウンター値がそのまま出目には対応していない。カウンター値を「加工」した値を前回左出目にプラスして、次回左出目を決定する、いわゆる「係数加算方式」である(左出目のみの特徴)。カウンター値を「加工」する方法は、以下の通り。

左出目カウンターは「0~255」の計256通り。まず、左デジタルがスローに切り替わる直前に、任意の値(256通り)を拾う。次に、その値を「16」で割り、割った「余り」を算出(例:カウンター値「33」の場合、33÷16=2余り1で、「1」を算出)。さらに、その余りに「8」を加えた値を「係数」として、前回左出目に加算する。

(ex)左カウンター値「33」⇒係数は「1」+「8」=「9」。前回左出目が「2」の場合、9を加えた「11」即ちJ(ジャック)が、次回左出目となる。


こうして決まった左・中・右の各出目が「三つ揃い」だった場合、自動的に「大当り」と判定される仕組み。先述の通り、出目作成用のカウンター値がそのまま当否に直結する、旧要件以前に多く見られた、古い判定方式を採っていた。よって、リーチが掛かって外れれば、素直に「惜しい」と口惜しがってよかった訳だ。

上記の方式によれば、左14図柄、中15図柄、右14図柄による組合せのうち、特定の14パターンのみ大当りとなるから、表面上も内部プログラム上も、大当り確率は14/(14×15×14)=1/210となる(⇒この点、下記の「追記」を参照)。

※※追記※※(2015.8.21)
あらためて抽選方法を見直した所、補足すべき重要事項があるのに気づいた。

上述の通り、左デジのみ「係数加算方式」を採るが、「0~255」(256通り)の数値を16で割った余りに、8を加えたものが「係数」となるから、加算係数は「8~23」の「計16通り」となる。

一方、左デジタルには図柄が14個しかないから、
(1)係数が「8」(前回図柄に「プラス8」)と「22」(前回図柄に「1周プラス8」)
(2)係数が「9」(前回図柄に「プラス9」)と「23」(前回図柄に「1周プラス9」)
の2パターンに関しては、結果的に左に同じ図柄が出る。

つまり、左デジタルは、「前回出目プラス8or9」となる図柄が、他の図柄よりも出易い仕様。但し、そのぶん大当りパターンも増えるから、大当り確率自体は変わらない。
以上の事から、本機の大当り確率は、左16通り、中15通り、右14通りの組合せのうち、特定の16通りが大当りで、16/(16×15×14)=1/210が正確な計算方法となる。
但し、左の図柄は一部重複する為、見た目は左が14通りで、大当りパターンも14通り。
(追記、ここまで)


なお、大当り後、特定の保留玉で当り易いとか、50回転以内に来やすいといった仕込まれた連チャン性は、当時の解析でも発見されていない(ノーマルデジパチ)。


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