データ採り軍団「ショッカー」に密着(1994年)
~当時、地上波にてOAされた、パチンコ特番の一コマを振り返る~
広川太一郎(故人)による、テンポ良いナレ―ション(以下、「ナレ」)
「ところで、攻略法といえば、パチンコ好きなら一度は手に取った事がある、パチンコ攻略本。現在、巷には15種あまりの雑誌が出ています。攻略本が売れるか売れないか、それは優れた攻略法を、どれだけ掲載しているかにあります」。
(当時、出回った雑誌や単行本が映る。銀玉親方(山崎一夫氏)の攻略文庫本の姿も)
ナレ「ここは、「パチンコ必勝ガイド」でお馴染みの、白夜書房。月2回発行される、必勝ガイドのスタッフは約20人。実はこの攻略誌、何と一誌で40万部も売れるという、人気ぶり。どうして、そんなに売れるんですか?」
(スエイさんこと、末井昭・編集局長(当時)にインタビュー)
「(なぜ攻略誌が売れるのか?)やっぱり、負けてる人が多いからって事じゃないかと思いますけどね。何とかして勝ちたいという、その気持ちをみんな持ってますから。攻略誌が出る前は、自分で必勝法なりを発見するしかなかったんですけど、こういう雑誌があって、実際に勝てる「証明」みたいなものが、生まれてきていると思います。」
ナレ「人気台も目まぐるしく変わる今、とにかく雑誌の命は「データ」。このデータ収集をしているのが、通称「ショッカー」と呼ばれる、この面々。平均年齢24歳のショッカー軍団を取り仕切っているのが、この人、大崎さん。彼らは、メーカーや読者からの新台情報をキャッチすると、行動を開始します。一体、その方法とはいかに?」
(ショッカー達と打ち合わせする大崎さん)
(編集部の机に積まれた、読者投稿の封筒やハガキの山)
ナレ「ショッカー軍団がやって来たのは、上野のパチンコ店。客を装って、店内に潜入しました。ただパチンコ台に向かっている姿は、一見楽しんでいる風にも見えます。しかし、彼らの仕事は正確なデータを要求され、負けてもお金は自分の持ち出し。そして、パチンコのハンドルを握りつつ、死ぬくらいの覚悟で挑めという、厳しいもの。」
(ショッカーの心得 三カ条)
一、常に新台を打ち、正確なデータを採るべし。
一、負けても、編集部からは一円もでないので、必ず勝つべし。
一、パチンコ台のハンドルを握りつつ、真っ白い灰になって死すべし。
ナレ「さて、ただ打っているだけに見えたショッカー達。実は、こんなデータを入手しようとしていたんです。」
大崎「個人のデータと、確率変動で当たった台があれば、それが何連チャンしたかも、全部見ていますね、はい。」
(大一「CRビッグソロッター2」を打つ大崎さん)
ナレ「ドラム(註:「デジタル」)が回転すると、1回転も見逃さずメモを取るショッカー達。シマのデータも必要なため、他人の大当りにも注意を払い、素早くメモを取ります。彼らにとって、ここは戦場です。」
(今とは違って、店内でメモを取ったりすると、店員チェックが入る事も多かった当時…)
ナレ「と、そのとき、ショッカーの元に店員が…。一体、何があったのでしょう?店側に不審と気づかれれば、作業は中断します。」
大崎「ちょっと書き物してたんで、(店員に)『何やってるんですか』と言うようなことを、聞かれたんですよ。これは、目立たないようやるのが、一番いいんですけどね、ハイ。」
(確かに、店のチェックが厳しかった当時。しかし、TV撮影と判っている筈なのに、なぜか目を光らせまくりの店員。撮影交渉で、「攻略誌のデータ収集」という話を、通してなかったのか…)
ナレ「ストップウォッチで、慎重にリーチの時間を計るショッカー。この作業は、日夜繰り返されます。デジパチの大当りのデータは、最低でも500件は必要なんです。」
ナレ「まったく当たりの出ない大崎さん、この時点で3万円つぎ込んでいます。大崎さんが向かったのは、ここ(「日本信託銀行、上野支店」ATM)。」
(確率激カラ※のビッグソロッターは、初当りを取るのさえ大変。資金補給に向かう大崎さん。)
※CRビッグソロッター2の大当り確率
設定1:1/400.5、設定2:1/425.5、設定3:1/450.5
大崎「とりあえずは、まぁ、あと二万も入れりゃ、当たると思うんですけど(苦笑い)。ツイてない日はヤメないと…いちおう自腹なんでね、自分の場合。」
ナレ「次なるデータを採るため、作戦会議に入ったショッカーたち。」
(「PIA上野」の休憩スペースで、打ち合わせするショッカー軍団)
大崎「パンク。パンクさせてみようってのを…。」
ナレ「パンクとは、大当りしてもVゾーンに玉が入らず、大当りがストップしてしまう状態の事です。わざわざパンクさせるとは、一体どういう事なんでしょうか?」
江口洋介ばりにロンゲのショッカー、ビッグソロッターで大当り。当然、パンクさせる。
大当り最終ラウンド開始直後、手元のストップボタンで打ち出しを止めれば…
当然「ノーカウントエラー」となり、ピーポーピーポーと、エラー音がシマに響き渡る。
ナレ「みずから大当りの権利を放棄するパンク。これをあえて試みるショッカー。パンクのサインに、店員がやってきました。どうやら、故意にパンクさせたのがバレてしまったようです。」
「偶然エラーになった」と、店員に弁明するショッカー。意図的なのはバレバレだが…
ショッカー(ロン毛)「(店員に)怒られちゃいましたよ…。『エラーは困ります』って。」
「怒られちゃいましたよ…」と、バツ悪げに語る、ロン毛のショッカー
ナレ「彼らがなぜ、これだけパンクに拘るのか。それは、パンク、つまりエラーサインが出る事で、より大当りが期待できる台があるからだといいます。」
(ここで「雀姫物語攻略法」のテロップ⇒但し、内容は、以前に紹介済みなのでコチラを参照)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/b80694fea37d471c3283e43cace12353
ナレ「さて、銀行からお金を下ろし、再び台へ向かった大崎さん。その後は…」
大崎「(幾ら使いました?)78000円で一回も当らなかったです。(こういう事って、やっぱあるんですか?)いや、初めてですね(苦笑)。」
ヒキの強い大崎さんでも、ここまでハマる低確率機、CRビッグソロッター2。恐るべし…。
ナレ「パチンコ店から戻って来たショッカー達は、休む間もなく、データの整理に入ります。お金も時間もタップリ使ったデータ。だから、売れる本が出来るのです。」
(大崎さん、自室にて)
ナレ「ショッカー達の一日は、まだ終わりません。彼らは自宅へ帰っても、パチンコ台に向かいます。もちろん、データを採る為です。彼らにとって、パチンコとは何なんでしょうか?」
大崎「生活の一部、そうですね、食事とか、眠ったりとか、そういうのと同じような、生活の一部、体に溶け込んでいるものですよね。まぁ、なくてはならないもの。でも、逆に、あまり意識しすぎると、つまんなかったりもする…そういうようなものですね。」
自室でデータ採りをしていたこの台は、盤面とサウンドから、三星のデジパチ「ギャルズ13」と思われる。
ナレ「翌朝、編集部を覗くと、徹夜組がこの姿。パチンコ攻略誌、その作り手と新台の戦いに、終りはない。」
(撃沈1号)
(撃沈2号)
(コーナー終了)
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データ採り軍団「ショッカー」に密着(1994年)
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