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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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スターファイヤーII(SANKYO、ハネモノ)

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今回は、1992年(平成4年)にSANKYOから登場した新要件ハネモノ「スターファイヤーII」を振り返る。


(基本データ)

★賞球…6&13
★最高10ラウンド継続
★ハネ開閉時間…オトシ0.4秒、ヘソ0.5秒×2
★大当り中の最大貯留数…5個
★貯留解除の契機…ハズレ4カウント後、又はハネ10回開閉後
★平均出玉…約600個
★実戦店…新宿・歌舞伎町(中央通り)「パチンコ747」(閉店)


(在りし日の「パチンコ747」)…歌舞伎町・中央通り(現・セントラルロード)沿いの狭い階段を下りた、地下ホール(旧「パチンコ金嶋」)。
立地は良く、ネオンも派手だったが、客付きは正直あまり良くなかった。旧要件時代には、西陣のドッカン島13や、三共のドッキリマンSPといった、香ばしいハネモノを設置。
スターファイヤーIIは、同社のハネモノ「OL娘II」との入替で設置(ココのOL娘は、同年9月に設置されたが、僅か3か月で外された…)
なお、私が知るスロのラインナップ変遷は、バニーガール⇒アラジンII/キューティーフルーツS⇒アラジンII/バニーXO。

(C)Google
1993年に閉店した後、同名のカラオケルームに業態変更、現在に至る。


★兄弟機…スターファイヤーI(1992年)

同時発表の兄弟機「スターファイヤーI」。「II」との主な違いは、賞球と継続ラウンド。
コチラは賞球オール10で、最高15ラウンド継続。ヤクモノの動きは共通。
新宿エリアでは、JR大ガード交差点前の「ニューミヤコセンター」(閉店)に入っていた。


(在りし日のニューミヤコ…入口は狭いが店内は広く、設置機種・台数ともに豊富だった。また、景品コーナーの充実度は、都内でも屈指。右隣はゲーセン「ワールドゲーム・ミヤコ」。
ハネモノも豊富で、スターファイヤーIと同時期には、ニュービッグシューター、カバ丸くんP3、火の玉ボーイ、道路工事GP、ビックリハウス2、いらっしゃい、オロチョンパⅡなど設置。
私の知るスロのラインナップ変遷は、リバティーベルIV⇒アポロン⇒ムサシII。
いわゆる「チューリップ台」(平台)も多く残していて、小銭で遊べる貴重な店だった。
1994年に、ビル再開発の為クローズ。小滝橋通りの仮店舗で、「ニューミヤコP2」として営業。
その後、もとのニューミヤコ跡地に「カレイドビル」が完成。1996年7月にはパチンコ「カレイド新宿店」が新規オープン。現在に至る。


(現在は立派なカレイドビルが建つ)



(ゲーム性、通常時)

センターヤクモノ内で構えるメタリックシルバーの戦闘機は、未来型「宇宙戦争」を彷彿とさせる、斬新なフォルムであった。


     (センターヤクモノの戦闘機)


しかし、その見た目とは裏腹に、ゲーム性は案外オーソドックス。

「ガバッ」と景気よく、水平近くまで開くハネ。ヤクモノ入賞後の玉のルートは、大別して2つ。

即ち、ハネからダイレクトで下段ステージ前方に落ちる「手前ルート」と、(2)ハネから上段奥へと流れ、最奥部の山型ステージに落下後、下段奥から手前へ折り返す「奥ルート」だ。

端的に言えば、ハネの「外側」(先端)で拾われると手前ルートを取り易く、「内側」(根元)だと奥ルートに行き易かった。また、ハネの開閉タイミング(開いた直後に拾うか、閉じる直前で拾うか)も、選択ルートに影響した。

一方、Vゾーンは下段ステージの手前中央にあるが、手前・奥いずれのルートからでも、大当りする可能性があった。

手前ルートの大当りパターンには、(A)下段ステージ上でバウンドしてからVに入るものと、(B)ハネからダイレクトでVにスポッと飛びこむものがあった。いずれもシンプルな入賞パターンだが、その単純明快さが、旧要件時代のヒコーキ台のV入賞シーンを彷彿とさせて、却って楽しく感じられた。また、本機のメインとなる大当り獲得パターンが、この手前ルートであった。


次に、奥ルートだが、ハネの付け根から上段左右奥を通って、ヤクモノ最奥部に設けられた、左右に小さな傾斜の付いた山型ステージ(「滑走路」と呼ばれる。ヤクモノ内で重要な役割)に落下した後、手前に折り返す形で、戦闘機の下をくぐって下段ステージを転がる。


楕円で囲った部分(ヤクモノ奥)が山型ステージ。戦闘機にちなんで「滑走路」と呼ばれた。


ハネからダイレクトに落ちる「手前ルート」と比べれば、ハズレ易い「奥ルート」。しかし、手前に戻って来た時、中央に向かえばチャンスとなった。特に、折り返し後、ヤクモノ両サイドの壁に当たった玉が角度良く斜めに転がり、手前中央に向かってVを射止めるケースが多かった。


さらに、奥ルートの場合だと、ヤクモノの「戦闘機」も、玉の動きに影響を与えた。

通常時、戦闘機は空中で静止しているが、ヘソ又はオトシに入ると、「上昇⇒下降」の動作を、計二回繰り返す。

滑走路から手前に折り返す際、戦闘機が「下降」していると、その胴体が滑走路に乗った玉をブロックして、滑走路上に「一時貯留」する。その後、機体が上昇すると、胴体のストッパーが外れるので、滑走路から落ちてコロンと手前に転がる。こうなれば、手前に戻って来る玉の動きは普段よりも安定して、スムーズにVを射止めるケースも増えた。その意味で、一旦貯留は大当りのチャンスといえた(必ず当たる訳ではないが)。

但し、一時貯留され易いのは、そのタイミング上、「2チャッカー(ヘソ)入賞時」となっていた。
それは、チャッカー入賞から戦闘機が上昇を開始するまでに、「タイムラグ」があった為である。
このラグのせいで、左右オトシ(1チャッカー)に入っても、滑走路上に玉が来た時、戦闘機は「上昇」している事が多く、一時貯留されるケースは少ない。

一方、ヘソ入賞時は、2回目のハネ開閉で玉を拾えば、奥ルートを通って滑走路に乗った玉が、下降していた戦闘機に動きを止められ、一旦貯留されるパターンが増えたのだ。

但し、一時貯留がなくても、大当りするチャンスは十分あった。滑走路への落下位置や、落下時の玉の方向や勢いによっては、むしろ戦闘機の影響を受けないほうが、ヤクモノの壁に勢いよくクッションして、Vに転がる事もあったからだ。

いずれにしても、2チャッカー入賞の際は、ヤクモノ内の玉の挙動が、1チャッカー入賞と異なるケースが目立った。




(ゲーム性、大当り中)

首尾よく大当りすると、ヤクモノ奥にある「滑走路」の狭いステージが下がって、横一列に玉が入り込む、狭い「隙間」ができる。

大当り中は、この隙間一列に、玉を貯留する事が可能。貯留は最大5個。滑走路は左右が傾斜しているので、左右両端から中心に向かって貯留数が増える。

但し、貯留するには、「奥ルート」でのヤクモノ入賞が必要な為、ハネの根元で拾わせた方がよい(ストローク調節も重要)。

戦闘機は、初当りの瞬間に上下動を行うが、大当り開始後は下降して停止。ハネ4回開閉後に上下動を再開するが、この戦闘機の挙動が、貯留に影響を与える事は、ほとんどない。


ハズレ4カウント又はハネ10回開閉で、沈んでいた滑走路の床がグーンとせり上がり、貯留は全て解除される。満タンの5個貯留があれば、V方向に一気に転がって継続し易い。

但し、貯留同士が「玉突き」したり、後続の玉が解除した貯留玉にぶつかったりして、Vを逃す不運なパターンが結構あった。なお、後続による玉突きを防ぐには、貯留解除時に打ち出しを停止する「止め打ち」が有効とされた。

貯留4個以下の場合でも、滑走路の左右の端に貯留があれば、左の貯留なら右斜めに、右の貯留なら左斜めに転がって、センターのVに向かうケースが意外に多かった。しかし、出玉面や確実性で見れば、やはり、早めに5個貯留を完了出来るかが、ポイントとなる。
(実際は、4個以下となるケースが目立った)

貯留解除時にVを逃すと、当然パンクの危険が高まる。但し、戦闘機は上下動を続けるので、「奥ルート」からのV入賞チャンスは、通常時より若干アップ。もちろん、「手前ルート」からVに直接ねじ込んだりして、「命拾い」するケースもあった。



継続率は概ね良かった印象だが、最高10ラウンド継続だった為、出玉自体は抑えめ(賞球は、ヤクモノ13個、その他が6個)。


なお、通常時、大当り中共に、ハネへの拾わせ方次第で、ゲーム展開が大きく変わった事も、ここで触れておきたい。

ハネの拾いが悪い(寄り悪の)台は、もちろん論外だ。但し、拾いが良くても、ハネ周辺の調整によって、ハネの「先端」で拾い易かったり、逆に「根元」で拾ってばかりというように、ハネの拾い方に変化が生じた。

ハネの先端に引っかかり易いと、通常時はダイレクトで下段に向かう「手前ルート」のヤクモノ入賞が多くなり、初当りを取り易い。だが、大当り中は逆に貯留しづらくなり、ラウンド序盤でのV継続やパンクが多発して、出玉も減ってしまう。まぁ、チマチマ当てて、チマチマ増やす…というタイプだ。

一方、ハネの根元で拾い易い場合は、通常時「奥ルート」がメインとなって、必然的に初当りがキツくなる。しかし、一旦当たれば安定して多数貯留するので、継続率も出玉もアップした。
まさに、「一発逆転型」である。

始動チャッカー入賞率が同じ台でも、ハネへのアプローチ一つで、ガラッと性格が変わる。これも、ハネモノならではの面白さだったといえよう。

この特徴を生かして、通常時と大当り中で、ストロークを微妙に変える方法が、有効だった。

もちろん、普段はなるべくハネの先端で拾わせ、大当り中は逆に根元で拾わせる、という具合である。発想は単純でも、その効果は意外に高かった(ストロークの合わせ方がけっこう難しいが)。

本機を打った新宿「747」は、ハッキリ言って、ハネモノもデジパチも、クギはシブかった。だが、意識してストロークを変えるだけで、勝率も上がったのだ(兄弟機「I」を打った「ニューミヤコ」でも、スターファイヤーは『勝ち易い』ハネモノの1つであった)。


その後、程なくして「747」はクローズと相成ったが、店の末期に香ばしい思い出を作った意味でも、私にとって本機の存在意義は大きい。


なお、1992年11月にリリースされたCD「ザ・パチンコ・ミュージック・フロム・SANKYO III」に、スターファイヤーのBGMが収録されている(サンダードラゴンGPや、FパワフルIIIのアレンジバージョンなどもあって、楽しめる内容に仕上がっている)。




また、現在Youtube上で、本機の実機動画がアップされている。大変貴重な映像を公開して下さった、動画投稿主の方に感謝したい(リンクは自重)。


★追記(2015.10.7、ももんがさん)

コメント、有難うございます。はい、ももんがさんの動画のお蔭で、記事作成が大変スムーズに進みました。やはり、古い記憶と文献のみでは、どうしても曖昧な部分が残りますが、実際の動画と照らし合わせる事で、より確信を持ってお伝えする事が出来ます。ヤクモノ内を接写した箇所などは、特に参考になりますね。貴重な実機動画のアップに、重ねて感謝申し上げます。
(追記、ここまで)


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