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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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フィーバースパークED(三共、デジパチ)

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1991年(平成3年)に三共から登場した、新要件デジパチ「フィーバースパークED」


★ドラム機(5ライン)

★賞球…7&15

★大当り確率…1/210.7

★大当り図柄…3、5、7、9、F、Sの各3つ揃い

★ドラム停止順…左→中→右

★最高16ラウンド継続

★出玉…約2400個

★保留連チャン機(攻略要素のない「たそがれ連チャン機」(無差別連チャン機)

⇒保1での仕込み連チャンあり(保1連チャン率=14.95%)
⇒自力連(保2~保4)込みの、保留連チャン率=約16.15%




1990年(平成2年)10月の「風営法規則改正」を受けて、翌91年になると、「旧要件」から「新要件」の時代に入る。デジパチやハネモノでも、最高ラウンド数や賞球数などの仕様が、大きく変容した。
(ハネモノは8Rから15R、デジパチは10Rから16R、13個戻しから15個戻し、過度な釘曲げの禁止(オマケチャッカーデジパチや一発台がNGに)、電動役物の搭載要件の緩和など)


その「新要件初期」、主力の三共が送り出したドラムデジパチが「フィーバースパーク」シリーズで、スペックの異なる「GP」「ED」「CX」が存在した。
(当時、OEM関係だった大同も、「フィーバースパーク」「フィーバースパークDI」をリリース)



当時の流れを軽く振り返ると、まず1991年初頭、三共・新要件デジパチ第一弾となる「フィーバーチャレンジI」が登場。但し、コチラはドットデジパチで、同社お得意の「ドラム機」ではない。
(兄弟機「FチャレンジII」も、その後リリース)


同年5月には、待望の三共・新要件ドラム機第一弾、「フィーバースパークGP」がデビューを飾る。また、ほぼ同タイミングで、旧要件機「フィーバーフラッシュI」の新要件版、「フィーバーフラッシュSP」も登場。


さらに数ヶ月後の同年秋、「スパークGP」の後を追う形で、「フィーバースパークED」と「フィーバースパークCX」が、同時発表された。いずれも人気があり、91年末の新装でも多くの店が新台導入したから、両機をご記憶の方は多いだろう。


スパークシリーズのうち、三共・新要件ドラム第一弾「GP」と、無制限タイプの「CX」は、当ブログでも既に紹介済み。今回は、主にラッキーナンバーや一回交換向けに出回った、「ED」を取り上げる。兄弟機の中で、もっとも設置率が高かったのがコイツだ。

(無制限主流の地域では、「CX」の方が多く出回ったケースもあるが)





本機の大当り図柄は、「数字」4種(3、5、7、9)と、「アルファベット」2種(F、S)の、計6種類。


旧要件ドラムの「レクサス」シリーズ(特にV、VIIなど)やフラッシュIと比べると、図柄のデザインは随分とシンプルであった。

まぁ、時代をさらに遡れば、「アバンテ」や「ロイヤル」などのシンプルなタイプもあったが、私の世代とは若干ずれる(アバンテは、スエイ編集長のお気に入りだったので、いつか取り上げたい)。

因みに、本機と同時期には、マルホンの新要件ドラム機「ウルトラセブン」も、「数字のみ」というシンプルな大当り図柄を採用。そういえば、旧要件末期の三共からは、「フィーバースピリットS」というのも出たが、アレも、大当り図柄が数字とアルファベットのみでシンプルだったな…。



しかし、「黒い背景に、黄色い縁どりの立体的な図柄デザイン」は、実に洗練された印象を与えた。


ドラム停止順は、左⇒中⇒右。大当り有効ラインは、上・中・下段及びクロスラインの計5本。


左・中が同図柄でリーチとなり、右ドラムは、やや速度を落として回転。さほど「引っ張る」事もなく、数秒回ってピタッと停止。再始動アクションも無く、「ビタ止まりの興奮」を味わえた。


以前も書いたが、一連の「フィーバースパーク」シリーズで、リーチサウンドと大当りファンファーレがもっとも華やかでカッコいいのが、「ED」のサウンドだと思う(あくまで個人的見解)。




配列上、ほとんどがヨコかナナメの「シングルライン」で揃うが、一箇所だけ、上段「3」と下段「F」が平行に揃う、「ダブルライン」の形が存在した。Wリーチ後、2図柄が重複して揃うので、特に期待感が倍増した訳ではない。しかし、見た目のインパクトは、それなりに大きかった。W揃いのせいで、大当りパターンは「6図柄×5ライン―1」で、29通りとなっていた。

(無制限タイプの「CX」はW揃いがなく、5図柄×5ラインで25通り)

では、なぜ「3」と「F」だけが、特別扱いされたのだろうか?特に、深い意味はないかもしれないが、私の考えでは、「三共」の「3=三」と、「FEVER」(三共の冠名)の「F」を強調したのではないか。


最高継続ラウンド数は16回。出玉も2400個程度が期待できた。初当りが「1/210.7」と高く、出玉もそれなりに稼げて、約16%の保留連チャン(自力連含む)まで付いてきた。今思えば、非常に「打ち手に優しい」スペックではなかったか。


私自身も、本機に惹かれて積極的に追っていた時期がある。向ヶ丘遊園・北口の「ニューギンザ」(現「GINZA P-style」)、新宿・西口ガード「ニューミヤコ」(閉店、跡地は「カレイド新宿」)、歌舞伎町・コマ劇前「オデヲン」(閉店、跡地は「オリエンタルパサージュ」⇒「マルハン」)、歌舞伎町あずま通り「ニューメトロ」(閉店、跡地は岩盤浴「OSSO」)、新宿・東南口「トーオー」(閉店、跡地はパチンコ「ニューアサヒ」⇒現「ムラサキスポーツ」)など、対峙したホールは数多い。

ただ、確率の甘さと連チャン率の高さが、ホールで「シブ釘化」を招いたのも事実だ(特に、繁華街で「回収」傾向にあった新宿は…)。





さて、ここからは、本機の「大当り判定」や、「連チャンシステム」について、少々説明を加えたい。


なお、同時発表された無制限用の「CX」も、ほぼ同一の仕組みだったが、大当り確率が異なる。


本機は、兄弟機「CX」と同様、大当り判定に「二段階抽選方式」を採用。

なお、シリーズで最初に出た「スパークGP」は、二段階抽選でなく「一発判定方式」を採っており、後発の二機種とは、「毛色」が異なる。登場時期の違いが、判定方式にも如実に表れている。


一次当選率は、「4/126」(=1/31.5)。二次当選率は「29/194」(≒1/6.7)。

よって、トータルの大当り確率は、4/126×29/194≒1/210.724(約1/211)となる。

(「CX」は、一次が「4/205」(=1/51.25)、二次が「25/125」(=1/5)で、大当り確率は「1/256.25」(約1/256)と低め)



次に、本機の大きな特徴だった、「保留玉連チャン」のカラクリについて。

やはり、本機で大当りが来た後は、毎回、連チャンを期待できるのが楽しかった。

連チャン方式は、大当り終了後の保留1個目が、一次抽選「フリーパス」となり、二次抽選の「29/194(14.95%)」さえ当選すれば、大当り(連チャン)となる仕組み。

よって、保1連チャン率は、二次抽選率と同じで、約15%となる。

(「CX」は、二次当選率が「25/125(1/5=20%)」なので、保1連チャン率20%)

なお、保2~保4に関しては、意図的なカラクリはなく、「自力連チャン」しか起こらない。


それでは、どうして大当り後の保1は、必ず一次抽選をフリーパスしたのだろうか?


以下は、かなり専門的な内容を、「文系人間」の私なりに咀嚼(そしゃく)して、解釈したもの。

その為、言葉足らずで、不正確な表現も含まれると思う。その点は、どうかご了承願いたい。



まず「前提」として、本機は、「連チャン機」と「非連チャン機」にいう風に、性格がハッキリ分かれる。

これは、電源を入れた瞬間に台の性格が決まり、一旦決まると、電源を切るまで変わらない。また、何度電源を入れ直しても、「連チャン機は連チャン機のまま」「非連チャン機は非連チャン機のまま」になる、という特徴がある。


この前提のもと、本機の保1連チャンには、「大当りフラグ」と呼ばれる、プログラム内の状態コードが絡んでいた。


大当りフラグは、二次抽選に進むか否かを判断する「一次通過フラグ」と、最終的な大当りか否かを判断する「ハズレフラグ」の2つを含む。

「ハズレフラグ」で当否を判断するのは、妙に思えるかもしれないが、本機は「ハズレフラグが「オフ」なら大当り、「オン」ならハズレ」という仕組みになっている。


大当りフラグが「オン」か「オフ」かによって、内部状態は以下のようになる。

・大当りフラグ「オン」…一次通過フラグ「オン」、ハズレフラグ「オフ」(大当り状態)
・大当りフラグ「オフ」…一次通過フラグ「オフ」、ハズレフラグ「オン」(ハズレ状態)



一次抽選に当選すると、大当りフラグ「オン」となり、大当りの条件がいったん整う。

一次抽選でハズれると、大当りフラグは、現状のまま変更されない。通常は「オフ」の状態。

一次抽選が終わると、再び一次抽選の結果を参照。但し、参照するのは「一次通過フラグ」だけで、「ハズレフラグ」はチェックしない。

つまり、一次通過フラグが「オン」ならば、自動的に二次抽選へ行き、「オフ」ならハズレ処理に行く。


二次抽選に当選すると、大当りフラグは「オン」のまま変わらず、大当りセットの処理に行く。

二次抽選でハズれると、大当りフラグが「オフ」に切り替わり、ハズレ処理に向かう。


大当り消化中は、大当りフラグ「オン」のまま、変わらない。


大当たり終了時(パンク含)、大当りフラグを「オフ」に戻す、事後処理が行われる。
(そうしないと、保1消化時に、大当りフラグが「オン」のまま残ってしまうから)

但し、これは「非連チャン機」に限った事で、「連チャン機」の性格を持つ台では、この事後処理が有効に行われず、大当りフラグ「オン」の状態のまま、保留消化に移る。


保1消化時は、まず、普通に一次抽選が行われる。ここで当れば何の問題もないが、一次でハズれてしまっても、無条件でフリーパスとなり、二次抽選に行くという「怪現象」が疑問となる。

先述の通り、「連チャン機」の場合、大当り終了時の事後処理に失敗する為、大当りフラグは「オン」のままだ。その状態で一次抽選に外れても、「一次通過フラグ」はまだ「オン」になっている。したがって、保1の一次抽選の結果がどうであれ、二次抽選に行く事ができるのだ。

もし、一次抽選に外れた時、一次通過フラグを「オフ」にする積極的な処理があれば、こういう事は起こらない。しかし、そういった処理はなく、現在の一次通過フラグを参照するに過ぎない。その為、「連チャン機」で大当りフラグが残った状態では、保1消化時だけ、一次通過フラグが生き残るのだ。


そして、フリーパスで到達した二次抽選で、「29/194」の振り分けにさえ合格すれば、めでたく「保1連チャン」が発生する。

だから、保1連チャン率は、二次当選率と同じで、「29/194=14.95%」となる訳だ。


一方、保1で二次抽選に外れた場合、大当りフラグを「オフ」にする積極的な処理が、今度は間違いなく実行される。

いったん「オフ」になってしまえば、再び一次抽選に当選しない限り、大当りフラグが「オン」に切り替わる事はない。

よって、大当り後の保2以降については、常に通常確率の「1/210.7」(二段階抽選)で、大当りの判定が行われる。





それでは、なぜ、同じ機種にも拘らず、「連チャン機」と「非連チャン機」に分かれたのだろうか?


本機は、電源オンにした直後、「RAMクリア」と呼ばれる初期化作業が行われる。

本来なら、この時、大当りフラグが書かれた領域(2進数で「8ケタ」の数列)も、綺麗サッパリと初期化、つまり「ゼロクリア」されてしまう。

ところが、大当りフラグが書かれた領域は、プログラムの「後方」に位置するから、初期化の順番が「後回し」になる。その為、RAMクリアの完了前にリセット信号が入ってしまうと、その領域の初期化に失敗して、大当りフラグの部分に、初期化前の古い数値、いわゆる「キズ」が残る。具体的には、8ケタ(2進数)の数列のうち、一番上と一番下の各ケタに、計2つの「キズ」がつく。一旦ついたキズは、電源を落さない限り、永遠に残りつづける。したがって、この台の大当りフラグは、常に「キズ」の付いたフラグとなる。

要は、初期化失敗によって出来た大当りフラグの「キズ」が、大当たりが終了してフラグを「オフ」に戻す大切な「事後処理」を、思いっきり妨げていた訳だ。

しかも、本機の場合、高確率で電源オン時の初期化に失敗するので、ホールにある大半の台は、「連チャン機」の性格を持っていた。


だが、中には、電源を入れれば、必ずRAMクリア、つまり初期化に成功する、「優等生」の台も含まれた。こういう台は、大当りフラグに「キズ」が残らず、大当り終了後も、フラグを「オフ」に戻す事後処理が正常に行われる。よって、保1消化時も「一次フリーパス」とはならず、通常通り、一次と二次の双方に当選しなければ、大当りとならない。


したがって、「ホールで幾ら打っても連チャンしない台」は、その性格が「非連チャン機」だった可能性が高く、「初当り確率1/210.7のノーマル機」となる。一方の「連チャン機」は、初当り確率が同じで保1連チャンも付いて来たから、非連チャン機より圧倒的に甘かった訳だ。また、ホールで一度保1連が出れば、それ即ち「連チャン機の証」となったので、そちらを追えば、常に連チャンの期待が持てた。



なお、ここまで書いた保1連チャンの特徴は、兄弟機の「CX」も全く同じである(大当り確率を除き)。また、同時期に「二段階抽選」を採用した「三共・保1連チャン機」の多くに、この事は当てはまる。

実は、この保1連、旧要件デジパチの名機「舞羅望極II」(1990年、平和)の連チャンシステムを、見事に「踏襲」している。当時の三共・開発陣が、「極II」の保1連の「カラクリ」に影響を受けていたであろう事は、想像に難くない。特に、「万人が平等に連チャンして、攻略が効かない」という点が、メーカー側にとって大きな魅力だったと思う。



まぁ、文系人間の私が、あまり深く突っ込むのもアレだから、今回は、この辺りで終わりたい。



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