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コチラは、1990年の旧要件ハネモノ「パチンコ大賞13」(西陣)の
左オトシ(1チャッカー)とヘソ(2チャッカー)を接写した画像。
当ブログをご覧の方々であれば、すぐピンとくる「絵面」だろう。
こうしたハネモノを打つ場合、一番の肝となるのが「釘読み」。
なるべく始動チャッカーに入り易く、ハネに拾われ易い台を見抜くのが、
勝つ為には不可欠だった。まぁ、今更、説明するまでもないが。
この「釘読み」に関して、私には、忘れられない思い出がある。
初心者時代の、他愛もない話。サラッと読み流して貰って結構だ。
’90年当時、名機「パチンコ大賞13」をよく打ったのが、
前回も触れた、読売ランド前の「パチンコランド」というホール。
ここは、ハネモノ、デジパチ、権利モノ、一発台、パチスロと、
様々なジャンルの台を置いていたが、資金にあまり余裕のない私が
頻繁に足を踏み入れたのが、低投資で稼げる「ハネモノ」のシマだった。
駅周辺のパチ屋といえば、ここしかなかったので、
幾らでも「殿様商売」で営業できたとは思うが、
自分の記憶では、それ程シブい営業ではなかった。
常連を「活かさず殺さず」遊ばせて、シマを観察すれば、
楽勝で打ち止めになるハネモノも、意外と転がっていた。
で、いつだったか、まだ初心者同然の頃、この店のパチンコ大賞に座り、
スランプに全く捕まらず、あれよあれよという間に、打ち止めした事がある。
このときは、特に左サイドの1チャッカー(左オトシ)の釘が甘く、
これでもかとハネが鳴きまくって、常時「パカパカ」状態だった。
あの釘なら、パチンコ未経験のド素人でも、即座に終了させただろう。
それくらい甘かった。
因みに、この店は終了台に三角プレートが入り、しばらくは誰も座れないが、
夕刻になると、「終了台の開放サービス」という定時イベントをやっていた。
アナウンスを合図に、カウンター前に並んだ客が、先着順で店員の持つカード
(煙草のカートン包装を四角く切った紙の裏に、台番号が書いてある)を引く。
「空クジ」はなく、並んでカードさえ引けば、どこかの終了台に座れる仕組み。
但し、日によって開放台の数は違ったし、並びに遅れたらアウト。また、
台の種類によって、おおむね終了させ易いもの、させづらいものに分かれた。
例の、打ち止めしたパチンコ大賞も、確か、この開放サービスで掴んだ台だった。
おそらくは、「前任者」も楽勝で打ち止めまで持っていったことだろう。
まだ、釘読みもサッパリだった時期、このテの開放サービスは重宝した。
時折、前任者が「運と展開」だけで終了させた、「フロック」に騙されたが…。
その開放台に座り、数百円で食いつくと、今迄にないくらいスムーズに、出玉が増えた。
先述の通り、1チャッカーの鳴きがあまりにも良かったので、ハンドルを握ったまま
ボーっと打っていれば、勝手にハネが開き、そのうちVに飛び込む、という感じだった。
まさに「お宝台」。全くストレス無く出たので、寄りもクセも良かったのは確か。
で、その「大甘」なパチンコ大賞を終了させた後、ふと、こんな考えが頭をよぎった。
「この左オトシの形を頭に叩き込んでおいて、明日も同じ釘だったら楽勝だな。」
それまでは、シマをうろついて、「何となく」釘の甘そうな台を探していたが(横の比較)、
このとき、初めて故・田山幸憲プロが強調した、「タテの比較」を意識したという事になる。
(まだ「パチプロ日記」を読み込んでおらず、「タテの比較」自体知らない)
まぁ、前日に出た台だけチェックするのは、ただの「マーク屋」ともいえるが。
その時は、正直言って、前日の釘を100%正確に記憶できる自信はなかった。
だが、できる事は何でもやろうと、盤面のオヤジや銀玉のイラストを基準に、
左ハカマの形や命釘の開き具合を、穴のあくほど観察して、頭に叩き込んだ。
「ハカマ入口の二本釘は、オヤジの眉毛の、ちょうどこの位置」
「左の命釘は、銀玉のイラストのこの部分。右の命釘は、二つの銀玉のちょうど中間」
といった具合である。
もちろん、今のように、スマホも写真付き携帯もないから、
己の目をカメラ代わりに、つとめて真剣に左オトシを観察した。
かくして、甘い左オトシの形だけピンポイントで覚えた翌日、朝イチでパチンコ大賞のシマに直行。
幸い、例の台の左オトシ部分は、イジられた形跡が無い。「これで、今日も小銭で打ち止めだな!」
もはや勝ったも同然、といった感じで、意気揚々と打ち始める。
だが、前日とは一転、調子は最悪だった。肝心の1チャッカーの鳴きも、サッパリの状態。
どう見ても、楽に打ち止め出来る台ではない。バネは普通で、玉の軌道もおかしくはない。
だが、千円、二千円、三千円と入れても、全く出る気配は無く、結局ギブアップと相成った。
「左オトシは昨日と同じなのに、なぜ鳴かないんだ?」何だか、キツネにつままれた気がした。
今なら「豹変」の原因もそれなりに判るが、この時は、不思議で不思議で仕方なかったのだ。
(左オトシ、ヘソ周辺)
(ハネ周辺)
まぁ、端的に言ってしまえば、台の「変化」を見抜けなかった原因は3つ。
(1)ハカマや命釘の「微妙」な変化を見極める「眼」が、まだ無かった
(2)ハカマ上にある「風車」の存在に、まるで無頓着だった
(3)ハネの周辺、例えば、寄り釘、谷釘、山釘、ブッコミ、谷釘下の風車、風車下の釘、
左肩のヨロイ釘など、「左オトシ以外」の変化が、ナキに影響する事を知らなかった
まぁ、原因が(1)だと、話はサッパリ面白くないので、
左オトシ(ハカマ、命釘)は「前日と変化無し」としよう。
その場合も、(2)や(3)の変化に気づかないと、店の「トラップ」に引っかかる。
まずは(2)。ハカマ上の「風車」の存在である。
機種や位置によっては、調整不能の風車もあったが、「パチンコ大賞13」の
ハカマ上風車は、ある程度、角度調節できた。左右に振ったり、上下に動かしたりと、
釘同様、微妙な調整をする事が可能だった。ただ、釘師の中には、風車をイジるのは
単純すぎて「プロの調整」ではないからといって、あまり手を加えない店もあった。
ここで、左ハカマ上風車の「良い調整」とは、「左向き(外向き)、かつ上向き」となろう。
風車が左向きだと、絡んだ玉が内側に流れ易くなって、オトシやヘソに絡む頻度も上がる。
逆に、右向き(内向き)だと、玉は風車の外側に逃げてしまうから、自ずとナキも悪くなる。
また、上向きの風車は、落下してきた玉の勢いを殺す為、ハカマの入口に絡み易いが、
風車が下向きだと、玉に勢いがついて暴れる分、ハカマ入口への絡みも悪くなるのだ。
こういった「風車の向き」をチェックせず、左ハカマや命釘の形だけ覚えても、
往々にして、釘師にウラをかかれてしまう訳だ(風車をイジらない店は別として)。
次に、(3)について。
この時の私のように、「左オトシだけ覚えておく」というのは、いかにも素人だろう。
やはり、台の「急所」となる数箇所をチェックして、その「変化」を見切る力が必要。
パチンコ大賞の場合、少なくとも、盤面上部、例えば、寄り釘、谷釘、谷釘下の風車、
さらに風車下の二本釘なども、キチンと見ておく必要があった。
さらに、田山プロも日記で言っていたように、店によって、アケ・シメを行う箇所が
ある程度決まっていたから、そこをピンポイントで見るだけで、変化に気づき易かった。
但し、同じ店のハネモノシマに長く通い、店の「クセ」を見抜く必要があるが。
ともかく、私の打った台は、前日に「二度」も打ち止め札が入った為、シメられたのだろう。
ただ、釘師が左オトシに手を付けず、ハカマ上の風車を外向きから「内向き」にイジったか、
寄り釘、谷釘、谷釘下の風車、ブッコミなどをシメて、オトシに絡みづらくしたと思われる。
もちろん、経験不足で「ペーペー」の時期だから、そういう店の思惑に気づくハズもなく、
オトシにさえ変化が無ければ、ナキも前日と全く同じになると思っていたのだ。
実に、素人じみた発想である。
だが、この経験を機に、ハネモノの釘見ポイントも、少しづつ理解するようになった。
「専業」ではないから、正確な「タテの比較」は無理でも、前日の下見で調べた台が、
翌日も同じ釘かどうかを、自然と意識するようになり、打ち止め回数も増えていった。
今回は、この辺で。
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なぜ鳴かぬ・・・(西陣パチンコ大賞、初心者時代の記憶)
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