1996年(平成8年)にニューギンから登場した
現金機デジパチ「エキサイトバーンA」
★デジタルにニューギンお得意の「ベルト」を採用
★5ライン機(上・中・下段とクロス)
★賞球:7&9&15
★大当り確率:1/217
★デジタル停止順:左⇒右⇒中
★大当り図柄:赤7、青7、BAR、Liberty、プラム(JAC)、オレンジ、
ベル、レモン、チェリーの計9種類。(パチスロの図柄を意識)
★最高16ラウンド継続
★出玉:約2350個
★ノーマル機
★ワープゾーンと大型ステージを搭載(セブンショックを踏襲)
デジタル両サイドを転がった玉は、左右ワープ入口を経由して
中央のステージに乗ってから、手前のヘソにアプローチする。
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一撃の爆発力がある「CR機」でも無ければ、当時流行りの「時短付き現金機」でも無い。
ニューギンお得意のベルトが特徴だが、それ以外はごくありふれたノーマル現金機。
これといって特徴的な部分は無かった感じもするが、一時期、本機の独特な
「引力」に引き寄せられて、しばしば対峙した。記憶に「刺さる」一台だ。
1996年初夏、当時足繁く通った、新百合ヶ丘「Z店」(現存)でのこと。
この時期の同店は、1FがCR機の新台や人気台(大工の源さん、黄門ちゃまなど)、
大量獲得の権利モノ(ミルキーバー、エキサイトコンバット、カーニバルなど)、
ハネモノ(たぬ吉、ファインプレーなど)、さらに現金機デジパチを設置。一方、
2Fはパチ・スロ併設。パチがマルホンのジャングルハウス、三星トリプルキング、
大一のCRバトルヒーローVと、やはり現金機とCR機双方が並んでいた。一方、
スロは定番のクランキーコンドルやニューパルサーに加えて、「ガセ目」が
悩ましいオリンピアのジョーカーとブルーマリーンIIなど設置。パチは基本
「ラッキーナンバー制」だが、一部に無制限のシマもあって、また午前中の
「前台無制限タイムサービス」なんかもあった。
で、その日は2Fのスロで結構ヤラれてしまって、財布の中身をウンと軽くして
1Fに降りてから、往生際悪く、安ゼニでの逆転を狙ってシマをウロついていた。
すると、現金機のシマの一角で、以前どこかで見たような「顔」が目に入った。
近づいてみると、少し前に好んで打ったニューギン「フルーツマシーン2A」や
「セブンショック」を思わせるベルト台である。機種自体は初見だが、いかにも
ニューギンチックな面構えが面白そうにみえた。頭上には「新台」の張紙。
さらに、メーカー製と思しき「遊戯説明プレート」(ガラス枠に入っていた
ヤツ。LNのルールなども表示してあった。)には、こんな「怪しい文言」が。
「甘い確率だから、よく当るよ! 感動・涙の大当りリーチ!?」
実際、その時は、大当り確率など詳しいスペックも知らなかったが、露骨に
ニューギン公式(?)のプレートにこう書かれては、「ひょっとして、この
新台は、規制をものともせず数珠連でバシバシ当る仕様で、あっという間に
ドル箱の山を築いて、打ち手は感動の涙を流すのではあるまいか」と期待を
抱き、即座に腰を下ろす他はなかった。
ただ、結果的には、この時も次の実戦もその後も、特段「よく当る」とは
思えず、ひたすらノーマル然とした、ダラダラした出方をするのみだった。
箱は積めても、せいぜい3箱がいいところ。釘もさほど甘い感じはしない。
(但し、構造上、必ず左右ワープを経由してデジタル手前のステージに
乗ってからヘソに向う為、台毎のネカセやステージのデキで回りも変化)
それでも、遊技説明プレートに書かれた「よく当るよ!」の謳い文句が
目に入るたびに、「コイツは、他機種よりも大当りし易いんだ」という
意識が芽生えてしまって、まるで「暗示」にかかったかの如く、何度も
本機のシマに通うことになった。他で負けても、この台を打てば損失を
補てんできる…というような、極めて安易な発想である。
実際、本機の大当り確率は「1/217」。時短などの「付加価値」の無い
ノーマルデジパチとしては、別段驚く程の高確率ではなかった。一年前
同社から登場したノーマルドラム機「エキサイトドラゴン2」(1/224)
よりは当り易かったものの、ノーマル機で「1/200」程度の高確率台は、
ちょっと前までゴロゴロしていた。本機の1/217が、果たして堂々と
「甘い確率」といえるかは、正直微妙なところであった。
因みに、私は隣駅の「J」(現存)という店で、確率1/201のノーマル機
「フィーバールーセントDI」(大同)を打った際、数珠連がガンガン続き、
あれよあれよという間に10数箱積んでしまった経験を持つ(これぞまさに
「甘い確率だからよく当たる」の展開)。そういった「高確率故の偶然の
爆裂」は、本機では一度も体験しなかった。とにかく「ダラダラ」の展開。
但し、不満ばかりという訳ではなく、ベルト独特のデジタルの動きも堪能。
本機のリーチアクションは、さほど凝った感じはなく、非常にシンプルな
部類に属した(それ故に、楽しめたのも事実)。
「フルーツマシーン2Aの後続機」というポジションだったが、リーチ時の
ベルトの動きは、寧ろセブンショックに近かった。左右でテンパイすると
(上中下段とクロスの5ライン)、中デジが高速気味にスクロールした後、
大当り4コマ手前の地点で、カクカクとリズミカルに動く「コマ送り」か、
ジリジリと気を揉むようにゆっくり進む「スロー」の何れかに分岐する。
セブンショックなら、これらの他にノーマルリーチもあったが、本機は
基本この2パターンのみ。信頼度のより低い「スロー」が、ノーマル的
扱いだった。コマ送りの方が信頼度は上な訳だが、それでもごく普通に
ハズれたし、スローからでもアッサリと揃ったりした。なお、いずれの
リーチも最大2周+1コマまで進むが、1周目、2周目のどちらでも当った。
また、いずれも1コマ下で一旦止まってハズレと思わせて、サッと戻って
当る再始動(二段階)アクションが存在(⇒鉄板)。
なお、リーチを「基本この2パターン」と書いたのは、左⇒右とテンパイ
した直後、いきなり中デジも揃う、不意を突かれる「ノーアクション」の
当り方もあったからだ。当時のニューギン・ベルト機ではお馴染みだった。
(ノーアクションでハズれた後、即・再始動して揃うパターンもアリ)
それと、配列上、ダブルリーチ(2通り)、トリプルリーチ(1通り)が存在。
(リーチとなるパターン数は違うが、やはりセブンショックを踏襲)。特に、
トリプルリーチ(BAR・赤7・Liberty)がコマ送りリーチに発展した時は、
大当り図柄付近に中デジが来た時、「当り⇒ハズレ⇒当り⇒ハズレ⇒当り⇒
ハズレ」とコマ送りで交互に進んだから、2周目の大当り近辺までリーチが
伸びれば、かなりアツくなれた。
余談だが、1997年5月OA、日本テレビ深夜バラエティ「DAISUKI」の
パチンコ対決で、本機が対戦台になった事がある。ゲストは千堂あきほ。
ロケ地は門前仲町「パーラーミナミ」。出玉結果は、本機と「レモン牌」
(平和)で当てた松本が、計4474発でトップ(前年のパチンコドラマ
「グッドラック」で主役を張って以降、どこかヒキが強くなった印象)。
2位は、本機で1回大当りさせた千堂(2237発)、中山と飯島の両名は、
惜しくも出玉0に終わった。
(1回戦:三洋「スクランブルエッグV」、2回戦:平和「レモン牌」
3回戦:ニューギン「エキサイトバーンA」)
(C)日本テレビ
(ニューギン「エキサイトバーンA」の項、了)
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エキサイトバーンA(ニューギン、デジパチ)
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