この歳になると、幼少時や学生時分、或いは20代の若い頃に見た
テレビ番組(ドラマ、バラエティ、お笑い、クイズ、アニメなど)
に、少なからず愛着、郷愁、ノスタルジーを感じたりする。そう、
90年代パチ・スロと同様に…。
幸いなことに、現在では地上波は勿論の事、BSやCSにおいても、
過去の番組が再放送される機会が、非常に多い。また、Youtube、
ニコ動、FC2動画といったネット動画サイトでも、そういう類の
レトロな番組をアップして下さる投稿主は、少なからず存在する。
なので、コチラが番組のタイトルさえ記憶していれば、たとえ
ン十年前のものであっても、意外と再視聴の機会には恵まれる。
何とも、便利な世の中になったものである。
ただ、そういう中にあって、何年、何十年待っても再放送の兆し
すらない、「お蔵入り」状態の番組も少なくない。こちらが幾ら
渇望して、時にはTV局に要望メールを送ってみても、全く以て
効果がなかったりする。例えば、日テレにて1996年(平成8年)
水曜22時から放映されていたパチンコドラマ、「グッドラック」
(主演:松本明子)などがそうだ(2000年代初頭にBSで再放送
されたようだが…)。今まで、同局は勿論、90年代国内ドラマを
取り扱うBSやCSの各チャンネル宛に、同作の再放映を要望する
リクエストメールを何度も送っているが、成果はないままだ。
まぁ、私自身であれば、当時ドラマを見ていた記憶に加えて、
VHS版のビデオも全巻所持しているので、ストーリーは全編
押さえている。しかし、再放送を切望する方が多いことは当然
知っているし、今の若い人も含めて大勢の方に視聴して欲しい
「隠れた名作」と思っていて、今後もリクエストは続ける所存だ。
まぁ、それはともかく、今回は「今まで再放映の機会が無いが、
個人的にもう一度再会したいレトロ番組」を、ベスト5形式で
紹介したい。この記事をきっかけに、地上波、BS、CS等での
再放映が実現したり、ネットで動画が上がったりする展開を、
密かに期待して…(映像自体を局も個人も持っていなければ、
もはや叶わぬ夢だが)。
第5位
「人生ゲーム ハイ&ロー」
(1979年10月~1982年9月、TBS)
視聴者代表参加のクイズ(双六)番組。司会は、キンキンこと故・愛川欽也。
パネルボードを使った出世型の双六ゲームだった。毎回複数のチームが出場、
全チームが「ヒラ社員」のポジションからスタートする。双六でコマが進むと
役職も徐々に昇進し、最終マスの「社長」の座を目指して対戦する形式だった。
各チームは自分のターンになると、ズラッと並ぶ「トランプ」型パネルボード
(裏向き)から一枚指定する。それをめくると、描かれているカードの数字分
(1~13)だけ、コマを進める。但し、各マスにはハート、ダイヤ、クラブ、
スペードの各マークがあって、止まったマスのマークに応じてイベント発生。
ハートやダイヤなら、賞品ゲット可能なチャンスイベントだが、スペードは
降格や商品没収など、不利なアクシデントが起こった。また、途中にあった
「ゴールデンクラブ」(金色のクラブマークが描かれた、豪華なマス)に
止まれば、嬉しい「二階級特進」で一気にジャンプアップする。キンキンが、
事あるごとに「上か、下か?」と解答チームに問いかけるシーンも懐かしい。
上下二段ボックスの何れかに豪華な賞品、他方には安い商品が入っていて、
回答者は二択でどちらかを選ぶ。また、ある数字に関する問題が出されて、
「(答えは)〇〇(数字)より上か下か?」の二択で答えるクイズが定番。
さらには、ポーカーの「ダブルアップ」的なパネルイベント(パネルの
カードをめくって、次に出るカードの数字がそれより上か下かを当てる)
も存在した。
第4位
「追跡(テーマ:パチンコ)」
(1990年12月21日OA、日本テレビ)
司会が(故)青島幸男と高見千佳、ナレーションが小林完吾アナによる、
情報バラエティ。毎回、様々な流行や事象について特集を組んでいた。
パチンコがテーマとなったこの回は、当時の「パチンコ攻略マガジン」
誌の人気連載企画、「3時間1万円一本勝負」(読者代表の出玉対決)に
番組の取材カメラが密着。その一部始終がお茶の間に流れる事となった。
勝負の様子は同誌にも掲載されたので、大まかな流れなら今でも確認は
可能だが、やはり肝心の映像シーンを忘れかけていて、もう一度見たい。
当時はパチに接して1年目、何を打っても面白く、パチに関する番組は
何でも満足だった。一発台「フェアリー」(京楽)や「ビッグポーター」
(マルホン)、デジパチ「ダービー」(京楽)や「エキサイトマジック」
(ニューギン)、ハネモノ「パチンコ大賞13」(西陣)が対戦台として
映った。途中、出場者が特殊景品を手に、店外路地裏の換金所に向かう
場面も流れて、「こんなシーンを映して大丈夫か?」と不安に思ったり。
結局、ロケ地となったホール(都営新宿線・瑞江駅の「ニュースター」)
の常連だった、スナックママの樋口さんが優勝。常連は有利だよな…。
第3位
「すりかわった恋人 獄中のペンフレンド 私はニセモノに抱かれた!」
(1985年5月13日初回放映、テレビ朝日(「月曜ワイド劇場」枠))
罪を犯して服役中の囚人(江藤潤)は、ひょんなきっかけで一人の女性
(大谷直子)と文通を開始。お互い、顔も形も知らない同士だが、その
ピュアな文面から人柄を推しはかり、自然と惹かれ合って健全な交流を
続けていた。そんな彼が、もう少しで懲役を終えて出所するという時に、
同じ房にいた服役囚(地井武男)が文通の事を知り、ある悪事を企む。
それは、一足先に出所する立場にあった自分が、先に女性と会って
「文通の相手だ」と偽り、彼女に近づこうというものであった。
「お前の近況を彼女に伝えてやるよ」と嘘をつき、女性の住所を
聞き出すと、文通の相手に成りすまして接触に成功。そのまま、
彼女を騙して交際を始める。最初こそ、真面目で誠実なフリを
していた男だが、次第に「強姦犯」の卑劣な本性を現していく。
そして、彼女も騙されていることに、段々と気付いていくが…
(この後の展開がかなりうろ覚えなので、もう一度見たい)。
初回放送はテレ朝月9の「月曜ワイド劇場」だったが、自分が
見たのは別の日の昼過ぎにやっていた再放送。丁度、中学の
部活から帰宅すると、家には誰もいない。居間に唯一あった
テレビをつけたら、このドラマを放映していた。意外にも、
スリリングな展開の連続で面白く、ついTV画面に見入って
しまった(地井武男のワルっぷりが、とりわけ記憶に刺さる)。
途中、主演の大谷や、共演の小田かおる(80年代ドラマで、お色気
担当女優といえば大谷とこの人だろう。早乙女愛も好きだったな…)
のベッドシーンが何度も出てきたりして、「ここで親が帰ってきたら
ヤバイ」とドキドキしながら見ていたのも思い出す。あと、ロケ地が
小田急沿線ぽかった(大谷と地井がアパートに仲良く向かう場面が、
豪徳寺や成城学園辺りの風景に見えた)。
第2位
「人工衛星クイズ」
(1984年3月22日、同29日、日本テレビ(木曜スペシャル枠))
コチラも視聴者代表参加型のクイズ。当時、大人気だった「アメリカ
横断ウルトラクイズ」のスタッフが制作。司会は故・児玉清。全2回
放映だったらしいが、自分は1回分(スイスの時)しか覚えていない。
各参加チームは、最初に勝ち抜き式の予選クイズをクリアしてから
「本戦」に挑む。「人工衛星クイズ」の名の通り、収録スタジオと
ロケ地の海外とを、衛星回線で繋いで中継していた。本戦では、謎の
「ヒント」が幾つか書かれた「指令書」が最初に提示され、参加者が
その謎をスタジオで順次解き、ロケ地のリポーターに「〇〇に向え」
「〇〇の部屋を探せ」等と行動を指示。出されたヒントを全て解けば、
任務完了で成功となる。但し、制限時間オーバーなら失敗。特に記憶に
残るのが、中世の雰囲気溢れるヨーロッパの古城の中をリポーターが
駆け回り、指示に応じて各部屋でアイテムを見つけていくシーンだ。
そのヒントの中に、「女性が花を摘む場所には…」と出た時、一緒に
見ていた母親が、「山登りではトイレの隠語が『花を摘む』だから、
多分トイレね」と即座に言ったのを覚えている(実際、正解だった)。
また、リポーターは音声指示しか聞こえない為、スタジオと現地では
微妙な「タイムラグ」も発生。制限時間が超過して任務が失敗となり、
スタジオで回答者らがガックリと肩を落としているのに、その様子を
知らないリポーターが、必死に現地を駆けずり回る「空回り」ぶりも、
何気に印象的だった。なお、現地リポーターを務めたのは、若き日の
山下真司。インカムを通じてスタジオの指示が入ると、ヘリコプター、
車、徒歩などで目まぐるしく移動。当時の山下は、人気の刑事ドラマ
「太陽にほえろ」でのスニーカー刑事役が当たり、既に人気者だった。
なお、このクイズの半年後、伝説の学園ドラマ「スクールウォーズ」が
TBSで放映開始され、山下は熱血教師、滝沢賢治役でさらにお茶の間の
人気者となった格好だ。そういえば、少し前に地上波の「マツコ有吉の
怒り新党」という番組の中で、このクイズが取り上げられて、当時の
貴重な映像も流れたという。その時の動画でもいいから、誰かアップ
してくれないかな…(静止画像は、既に複数アップされているが)。
第1位
「宣伝屋マリちゃん」
(1992年10月放映、テレビ朝日(「ネオドラマ」枠、月~木4話連続))
映画「櫻の園」で脚光を浴びた女優、白島靖代が主演。初回放映は
92年10月の深夜枠だったが、自分は94年の夏休みに再放送を視聴。
当時、大学図書館で「櫻の園」のレーザーディスクを偶然視聴して
白島さんの大ファンになっていた私は、テレビ雑誌を毎度買い込み、
彼女が出演するドラマや映画が無いか、くまなくチェックしていた。
そんな時に見つけたのが本作だ。以前はビデオに録画してあったが、
確か、運悪くテープがデッキに切断されてしまい、もう20年近く
見られないままである。ストーリーは、白島さんがデパートや
スーパーなどで新製品やアイディア商品などを宣伝する「実演
販売人」マリの役を演じていた。櫻の園では寡黙なイメージが
強かった彼女だが、本作では実演販売お馴染みの「売り口上」を、
主婦を相手に元気にやってのけた。キャベツを千切りする為の
「スライサー」とか(「切ったキャベツは、冷たい水につけて
おけば、パリッとケンが取れて甘くなる!」なんて台詞もあった)、
玉ねぎを切る際に付ける「安全器」とか(アップで商品片手に
「安全器~!」なんて叫んでいた)、そういった類の商品を、
デパートの一角を使って大声で実演販売していたのだ(或いは、
かの「マーフィー岡田」が監修していた?)。それと、石倉三郎が
実演販売会社の優しい社長役を演じていた。マリは超売れっ子の
販売人だが、同時に貧乏劇団の座長も務めていて、実演で稼いでも
稼いでも、赤字劇団の維持で吸い取られてしまいピーピー状態。
社長の石倉から何度も給料を前借したり、その美貌を生かして
銀座辺りの高級クラブで派手に化粧して、酔客の相手をしたりと、
いつも金の工面に四苦八苦していた。その劇団員役を、宮川一朗太や
奥貫薫などが演じた。マリの恋人役は豊原功補だったかな。あと、
宮川だか豊原を誘惑するセクシーな女性(或いは銀座のクラブで
マリのライバルだったかも)を、東レのキャンペーンガールだった
杜川真季が演じていた。ラストシーンでは、マリの劇団の公演が
無事成功するのだが、そのロケ地となったのが、今はなき小劇場
「シアターV赤坂」だった事も思い出す。
本作以外にも、このテレ朝深夜枠「ネオドラマ」は、名作佳作が
山ほどあった。初回放映から24年、現在のところ、全く再放送の
兆しすら見られないが、ぜひとも再会を果たしたいものである。
まぁ、この他にも再放映して貰いたい番組は、数多くあるのだが…
(スエイ編集長がパチンコ情報コーナーで出演した、テレ朝深夜の
「プレステージ」とか、故・逸見政孝がMCだった、テレ朝「素敵に
ドキュメント」のパチンコ特集とか、70年代辺りによくやっていた、
制限時間内に母親が子供に服を何枚も重ね着させて、着せた分だけ
賞品が貰えるチャレンジ企画など)、今回はこの辺にしておこう。
(もう一度見たい、懐かしのテレビ番組Best5の項、了)