俳優の松方弘樹(まつかた ひろき)さんが、今月21日に
脳リンパ腫のため死去。享年74歳。昨年より闘病中だった。
「名優」と称される個性的な役者さんが、また一人この世を去った。
豪快さと人情を併せ持つ親しみ易いキャラは、「昭和のスター」の表現がピッタリ。
まぁ、私の中では「バブルスター」のCMに出ている時点で、ある意味別格扱いだが。
東映の任侠映画「仁義なき戦い」シリーズが代表作。ただ、私自身は血生臭い作品が
少々苦手で(昔、教習所の学科教習で事故の映像を見た時、出血シーンで貧血になり、
教室でぶっ倒れたエピソードを持つ)、あのテのヤクザ映画よりは穏やかで人情的な、
「時代劇」の方が記憶に残る。「大江戸捜査網」(死して屍、拾う者なし)の左文字右京
なんかが好きだった(本放送よりも、再放送を何度も見たクチ)。しかし、何といっても
「名奉行・遠山の金さん」だろう。遊び人・金さんと町奉行・遠山金四郎とのギャップが
大きな魅力で、迫力満点の演技は、正に「ハマリ役」だった。お白州に奉行として現れた
金さんが、シラを切る相手に「おうおうおう、あの晩、見事に咲いたお目付桜・夜桜を、
まさかお前ら、見忘れたとは言わせねえぞ!」と豪快に啖呵を切ってバッと肩をまくり、
桜吹雪の入墨を披露するのが見せ場。シメのセリフは「これにて、一件落着!」である。
(ラクチャクの「ラ」は、巻き舌で重々しく「ルァ」)
それと松方さんといえば、何といっても「釣り」であろう。豪放な性格を表すかの如く、
ハワイやオーストラリア辺りに幾度も出向いては、トローリングで巨大カジキと格闘を
繰り広げた。80~90年代の「松方弘樹・世界を釣る」シリーズでもお馴染みだ。確か、
土曜か日曜の昼下がりに日テレで定期的にやっていて、マーリンを相手にヘトヘトに
なりながらも、必死の形相でリールを巻き上げる松方さんの姿を、茶の間で食い入る
ように見たものだ。ただ、一匹も釣れない回も何度かあったりして、家族で「これじゃ、
『世界を釣れない』だよね」なんて笑ったりもしたが…松方さん、御免なさい。なお、
その後は「マグロ」にシフトしていた(特大サイズを釣ってニュースにもなった)。
時代劇以外にも、数多くのドラマに出演。特に印象的なのは、高嶋政伸主演「HOTEL」
(「姉さん、事件です」でお馴染み)で演じた、「東京プラトン」の東堂マネージャー。
優秀で懐広く温厚だが、時に厳しさも見せる、本作に不可欠なキーパーソンを好演した。
一方で、バラエティにもたびたび顔を出して、「天才たけしの元気が出るテレビ」では、
感動的場面が映る度にウルウルしてしまう、極度の涙もろさでスタジオの笑いを誘った。
当ブログ的観点からは、平成4年にOAされたアサヒ缶コーヒー「J.O」のCMも挙げねば
なるまい(少し前に紹介した事がある)。スロ屋にてコンチIIIを打つ松方さん。調子は
イマイチだが、背後の通路を通った美女の「ヒップアタック」でバランスを崩して倒れ、
思わずストップボタンを押すと「777」が揃って大逆転…というコミカルな内容だった。
また、4号機後期には、公私ともに仲の良い相棒、梅宮辰夫(「世界を釣る」でも
よく共演した)とのコンビで、「梅松ダイナマイトウェーブ」という大量獲得型
ストック機(タイアップ、液晶画面付)がロデオから登場。楽に711枚取れる上、
モード移行方式で連チャンループも期待できた。新百合ヶ丘のZ店で打ったっけ。
なお、パチでも、松方さんタイアップで「金さん」絡みの台がサンセイから
出た(2009年)という話だが、著作権でモメて「販売中止」になったとか。
まぁ、時期的にあまり詳しくないので、多くは語らない。
それにしても、74歳で逝去とは、あまりにも早すぎる。何とか病を克服して、
芸能界の大御所として末長く活躍して頂きたかったが、残念という他はない。
あらためて、松方弘樹さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
今日は松方さんを偲んで、久々に、このゲームでもやろうかな…。
初代プレステ「松方弘樹のワールドフィッシング」(1996、BPS)。
無論、巨大カジキに挑戦するゲームだ。トーナメントに出場して
釣果を競ったりもできる。ブラックマーリン、ブルーマーリン、
セイルフィッシュ、ストライプマーリンの計4種類が獲物だが、
バラクーダやシイラなど、「外道」もバンバン釣れてしまう。
カジキ以外では、淡水で釣るブラックバスモードもあった。
因みに、右画像の松方さんの隣にいる若い女性は、ゲームで
アシスタントだった、グラビアアイドル(当時)の森本智恵子。