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90年代パチンコ番組レビュー「安田プロに密着」(1993年)

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90年代パチンコ番組レビュー「パチプロ・安田一彦氏に密着」(1993年放映)



かつて、地上波各局で定期的にオンエアされた「パチンコ特番」の雰囲気を、少しでも味わって頂ければ幸いである。この密着企画は、2時間特番の中の数分という小さなコーナーだったが、今見返しても当時の空気がジンワリ伝わってきて、妙に面白い。すでに放映から「22年」の長い月日が経っており、かつてのパチンコシーンを振り返るには、絶好の資料といえる。



(まずは、初心者向けのパチンコ紹介コーナー)

ナレーター(以下「ナレ」)

「パチンコ」と一口に言っても、様々な機種があります。そこで、初心者に贈る「機種入門編」。」

「ハネモノ」の字幕。三共「OL娘I」の盤面が映る。

ナレ「こちらはハネモノ。ハネのセンターにある入賞口に入れば大当り。」

続いて「デジパチ」の字幕。平和「麻雀物語」の盤面が映る。

ナレ「一番ポピュラーなのが、フィーバー台・セブン機ともいわれる、このデジパチ。とにかく、数字や絵柄が揃えば大当り。」

「権利もの」の字幕。京楽「ピンボール」の盤面が映る。

ナレ「そして、ある一定の条件を満たすと、当りの権利が発生する権利物。なかなか入らないが、入れば大きい。」



「デジパチ人気機種・BEST5(パチンコ必勝ガイド調べ)」の字幕

ナレ「続いては、パチンコファンに贈る、人気デジパチ・ベスト5!」

「5位 麻王(西陣)」の字幕(実機の盤面も映る(以下同じ))

ナレ「第5位、麻王。液晶デジパチ戦争の中、麻雀牌が上下に踊るユニークさが、人気の秘密。」

「4位 アメリカンドリーム(三洋物産)」の字幕

ナレ「第4位、アメリカンドリーム。液晶画面のパフォーマンスがなかなか楽しい。」

「3位 フィーバーキングII(SANKYO)」の字幕

ナレ「第3位、フィーバーキングII。迫力満点の巨大ドラム。上下二段リーチが掛かれば、すぐにフィーバー。」

「2位 ダービー物語(平和)」の字幕

ナレ「第2位、ダービー物語。麻雀物語に続く「物語」シリーズ。一旦連チャンすると、トリプルの可能性が大きい。」

「1位 フィーバーパワフルIII(SANKYO)」の字幕

ナレ「そして、第1位はフィーバーパワフルIII。タテ・ヨコ・ナナメ、どれかが揃えば大当り。喋るキャラクター、夢夢ちゃん。(液晶画面のアップ。夢夢ちゃんの台詞「ラッキー、チャチャチャ、フィーバー!頑張ってね!」)



(ここから、「デジパチ」繋がりで安田プロに密着)

(JR福生駅前のパチンコ店「巨人ホール」(閉店)※。ドアの前で朝の開店を待つ人々。)

※当時のガイド誌連載「パチンコ安田塾」には、しばしば「地元近くのK店」の記載がある。もしかすると、これが「巨人ホール」かも知れない(なお、メインは「N店」となっていた)。

ナレ「人気のデジパチ、その攻略法を知る為、早朝パチンコ店を訪れてみると、パチプロ歴7年の安田さんの姿がありました。」

(タバコ片手に、静かに開店待ちする安田プロ。)




ナレ「まずは、プロのテクニックをじっくり見学させてもらいましょう。」


10時開店。シマを歩いて台のチェックを行う安田プロ。店内には、開店合図の「軍艦マーチ」が鳴り響く。プロは一台に目星を付けると、すかさず着席して台間サンドに千円札投入。玉貸ボタンを押してお釣りが出るタイプ。選んだのは人気の液晶デジパチ「アメリカンドリームII」(三洋)


コチラは元祖「アメリカンドリーム」(1993年、三洋)。これに続いて、液晶モニタのサイズが3.5インチから4インチに拡がった「アメリカンドリームII」が登場した。その他、アタッカー13個戻しの「V」や、低確率タイプの「7」が兄弟機として存在。


安田「朝の釘読みで台を選ぶ段階で、勝負は9割がた決まると言ってよいでしょう。(背後では、店員のマイクパフォーマンスが五月蠅い)」

ナレ「と、さりげなくプロは言い、選んだ台で打ち始めて30分。」

(左「上段7・下段チェリー」⇒右「下段チェリー」のリーチ。中デジの動きにジリジリする「アメドリリーチ」。中デジ下段にチェリーが止まって、待望の大当り。)


(アメドリの場合、「7」や「チェリー」でのリーチは、他図柄よりも信頼度がアップ。両図柄がクロスでテンパイする、激アツのダブルリーチも存在した。)


ナレ「大当りにも顔色を変えず、また静かに打ちだしました。(店員、頭上に「無制限」札を刺す)」



※大当りの瞬間、三共「フィーバーフラッシュI」の大当りBGMが被る。明らかに番組の「演出」で、同社の「パチンコCD」が音源だろう。当時、よくありがちだったパターン。

(大当り終了後、保留玉でリーチが掛かる(左下段ベル⇒右上段ベル)。中デジ中段にもベルが止まって、見事に保4ダブルをゲット。)




ナレ「連続での大当り!台選び以外にも、この人気のアメリカンドリームを攻略する方法なんぞ、あるんでしょうか?」

(「アメリカンドリーム攻略法」の字幕)」

安田「(台に座って)えー、このアメリカンドリームの攻略法として、現在発見されているのは、連チャンを取る打法ですね。この機種の連チャンは、保留玉の4つ目です。大当りした後、デジタルが4回まわりますけれど、その最後の回転でダブルが来易くなっているのが、この台の特徴な訳ですね。その連チャンを効果的に取る為には、大当りした段階で4つ目のランプをつけない。そうする事によって、大当り終了後4周目に、ダブルが来る確率が高くなるという事ですね。
普段からぼーっと打っていて、デジタル回転中に次々(チャッカーに)玉を入れていては、メモリーランプが一杯になってしまいます。こうなると、連チャンは期待できなくなってしまうので、普段からメモリーランプは3つまで点けると。」


(アメドリ・保4空け攻略のポイントを解説する安田プロ(福生「巨人ホール」にて))


ナレ「では、もう一度おさらいをしましょう。保留玉を4つ入れてはダメ(「保留玉を4つ入れない」の字幕)。その為には、手元のハンドルのそばにある、ストップボタンをうまく利用すること(「ストップボタンを利用する」の字幕)。これがマスターできれば、連続の大当りがやってきます。」

※解析的には、保4空けの状態で大当りさせ、V入賞(ラウンド最初のV入賞に限られないので、ラウンド中は何度もチャンスあり)から2秒以内の「チャンスタイム」に保4を点灯させると、スタックオーバーフロー発生によって、保4エリアに大当り乱数「170」が強制上書きされる仕組み。



(所変わって、安田プロの自室。本棚には、自身が連載を持つ「パチンコ必勝ガイド」誌も並ぶ。)

ナレ「こちらは、安田プロの自宅。(小さな手帳を真剣に見ながら、電卓を叩くプロ)一体、何をしているんでしょう?」





(「公開!パチンコ手帳」の字幕)



安田「(手帳のカレンダーに書かれた数字を指差して)パチンコの収支を記録する、と。
例えば、ここの『+776』というのは、下から百円の単位、千円の単位、一万円の単位で、この日は77600円儲かったと。(別の数字を指して)或いは、プラス7万、マイナス、プラス、プラス…(好調な成績が続く)。今年は、良い時は50(万)弱ですか。悪い時は5月が一番悪くて、日当で1万位ですね。15,6日打ってプラス16万。」

(手帳に書かれた別のデータを見せる)
安田「その日打った台のクオリティを調べる為に、1回1回大当りするたびに、使った金額とそれに応じた回転数を、メモしてある訳ですね。(台番号、回転数、投資金額の詳細なデータ)」


ナレ「プロも努力しているんですねぇ。悩みは「腰痛」と「耳鳴り」。座っているだけで、日給一万円(註:あくまでも「調子が悪い月」の数字。平均日給はもっと上だろう)。楽な仕事と思うのは、シロウト考えでした。とはいっても、やめられないパチンコ稼業。本日は7箱出て、大満足の安田プロでした(足下に積み上げたドル箱をジェットカウンターまで運ぶと、ザンザカと玉を流す。)」






※画面に映った「パチンコ手帳」には、稼働日には収支金額が、休養日には「休」の文字が書かれていた。また、収支の数字に混じって、「速攻診断・〆切」「安田塾・〆切」といった書き込みもあった。

実は、番組放映当時(’93年)、安田プロは「パチンコ必勝ガイド」誌にて、「パチンコ安田塾」と「デジパチ速攻診断」の連載二本を抱えていた。それらの締切日も、同じ手帳に書き込んでいたのだろう。

ちなみに、安田プロのガイド初連載は、‘91年春にスタートした「男がパチプロになる瞬(とき)」という自叙伝的なコラム(それ以前にも、何度も単発的に登場。’90年からはパチンコ漫画「ストレートライフ」の原作も担当)。この「男が~」を引き継ぐ形で、’91年末に「パチンコ安田塾」が連載を開始した。以後、安田プロの連載は、故・田山幸憲プロの「パチプロ日誌」や、石橋達也プロの「13時間デスマッチ」「サバイバル旅打ち」「一杯の$箱」「食えるパチンコ実践編」と並ぶ、ガイド誌目玉企画の1つとなった(なお、石橋氏は’93年8月よりライバル誌の「パチンコ攻略マガジン」に移籍。「パチンコPKO」「新・パチンコ概論」などの連載を担当した)。

さらに、’93年には新台検証コーナー「デジパチ速攻診断」が、「安田塾」と並行して連載開始。その後も、「安田一彦の強者に学べ(後に「勝者に学べ」へ改題)」「パチプロ必勝ディベート」「パチプロ開発セミナー」「オールマイティ宣言」といった新コーナーが、90年代のガイド誌で続々誕生した。なお、安田プロは今もご活躍との事だが、近年のガイド等での連載については、既にパチンコを引退した自分には、全く知る由もない。



(90年代パチンコ番組レビュー「パチプロ安田一彦に密着(1993年)」の項、了)


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