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Channel: まにあっく懐パチ・懐スロ
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ザ・ボート(まさむら、デジパチ)

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新シリーズ(?)

「にっぽんレトロばなし」


(以下、市原悦子or常田富士男っぽい語りで)



むかーし昔、平成5年(1993年)の初め頃、まさむら遊機から、「ザ・ボート」という名の、一風変わった新要件デジパチが出た事があるんじゃ。



(まさむら「ザ・ボート」 賞球7&15、大当り確率1/235、16ラウンド継続、出玉2400個)



「ザ・ボート」という位じゃから、その名の通り「ボート」がモチーフじゃった。何ともストレートなネーミングじゃのう。

とはいっても、早・慶が隅田川でしのぎを削るあのボートとは違ってな、公営ギャンブルでお馴染みの「競艇」がテーマになっておった。

パチンコ以外のギャンブルをお題にした台は、以前から「競馬」だの「麻雀」だの「ポーカー」だの「花札」だのと、多種多様な機種が各メーカーから出ておったんじゃ。

じゃが、こと「競艇」がテーマとなると、まだ、どのメーカーも作っておらんかった。

そんな折、意外にも京楽系のマイナーメーカー「まさむら」が、初の「競艇モノ」を送り出してきた訳じゃ。

まさに「目の付けどころがシャープ」じゃった。もう少し、この台が歴史に名を残しても良かったと思うが…最初こそ注目されたんじゃが、結局マイナーなまま姿を消してしもうた。


荒めのブロック液晶デジタルは、本家・京楽の6回ワンセット機「宝島」(1992年)を彷彿とさせおった。いや、まさむらの台じゃから、同じ6回ワンセットでも「ペットショップ」の方が適切かのう。

また、「競艇」がテーマという事で、0~9の数字は、五角形の「小型ボート」の中に収まっておった。


(独特な形状のデジタルは、後に、京楽のデジパチ「モンスター」でも再利用されたんじゃ。)



大当り図柄は「0~9」の数字の他、4図柄(「旗」、「ハンドルボート」、「的中」、「顔」)の、計14通り。


「0~9」の数字図柄は、確かにボートを象っていたんじゃが、ブロック液晶には表現の限界もあり、デジタルが止まったままだと、何だか「将棋の駒」っぽくも見えたのう。

中に数字が書いてあって、船尾の出っぱりもボートのエンジンを思わせたから、これは駒などではなく「ボート」だと言われれば、確かにその通りじゃった。

ただ、いかんせん、デジタルの形状が、同時期に人気のあった連チャン機「王将百番」(豊丸、1992年)などを、うっすら連想させたんじゃ。まぁ、これはあくまで「個人的な印象」じゃが…。


しかし、デジタルがひとたび回転を始めた途端、そんな雰囲気はガラリと一変したんじゃ。

なぜなら、このデジタル、通常の「上から下」に流れるのではなく、「下から上」にスクロールしたんじゃよ。

まさに、「鯉の滝登り」を思わせる、個性的なデジタルアクションじゃった。「上から下」の動きがデフォの時代に、これは非常に珍しく思えたのう。

あたかも、「ボートが3台並走して、水を切って直進」という雰囲気を醸し出して、何とも面白かった。

ただ、慣れぬうちは、普段と逆のデジタルの動きに違和感を覚え、軽い「デジタル酔い」を起こしたぞい。



さて、左⇒中と同じ図柄が止まれば、「リーチ」到来じゃ。右デジタルは、やや速度を落としつつ下から上へと登っていく。

通常のノーマルリーチに加えて、周回が進んでサウンドが変われば、京楽系お馴染み「スーパーリーチ」に突入じゃ。スーパーリーチは、大当りか1コマ先でしか止まらないので、アツい事この上なしじゃった。

実は、スーパーリーチには、大当りするパターンが2通りあってな。直接大当り図柄で止まる場合と、半コマ進んでハズレと思わせて、クルッと反転する「戻り」のパターンがあったんじゃ。リーチアクションは至ってシンプルでも、何とも心憎い演出じゃったのう…。

因みに、コチラも京楽系お馴染みの、「デジタル移行法則」も存在したんじゃ。連続回転中に限り、右デジタルは、前回の右出目に対して「+5~+8」の位置で止まるようになっておった。これを否定する目でスーパーリーチが掛かれば、大当りの判別も出来たという訳じゃ。



そうそう、肝心の大当り確率は「1/235」で、当時としては「良くも悪くもない」普通の数値じゃった。

ただ、この時代は「連チャンしてナンボ」じゃから、この数字でノーマルだと、やや「辛い」部類に入ったな。

しかし、この台には、ご多分にもれず、強力な「保留連チャン」が仕込まれておったんじゃ。

初当り確率に連チャン分を上乗せすれば、「1/200」の甘いノーマル機と大差なかったのう。


「ご多分にもれず」とはいったが、従来の京楽系デジパチは、意図的な連チャン性を持たない、正統な「ノーマルデジパチ」ばかり出ておった。

シンプルだが味のあるデジタルや、定番のSPリーチをこよなく愛する「京楽フリーク」が、連チャンの有無など関係なしに、あのマッタリとした京楽デジパチを支えてきた、といってよい。

しかし、この「ザ・ボート」こそ、まさに京楽系・初の「保連デジパチ」として先陣を切ったんじゃ。

京楽としては、記念すべき「連チャンデジパチ1号機」を、提携関係にあった「まさむら」に譲った形じゃが…

これとて、京楽サイドのおっかなびっくりな「お試し感」が、何となく伝わってくるのう。

実際、本機デビューから半年以上経ってから、京楽自身、初の連チャンデジパチ「遊ぶんジャー」を販売しているのじゃ。

「偵察隊を送り出してから、本隊が出向く」といった、ありがちな「戦略」じゃったかもしれんな。



さてさて、この「ザ・ボート」には、さっきも言った通り、強力な「保留連チャン」(実戦上約20%)があった。

しかも、保留1~4個目のどこでもダブったから、大当り後も最後まで目を離せんかった。

ただ、この台に関する連チャンの仕組み(カラクリ)が、なかなか表には出てこなかったんじゃ…。

一応、実戦で判っていた特徴を挙げると、「保1~保4で均等にダブる」事と、時折「数珠っぽく当る」事。

しかも、ダブルが来やすい割には、トリプルまで繋がりにくく、大半が「ダブル止まり」だったんじゃな。

この連チャンパターンが一種謎めいていて、どういう「カラクリ」だったのか、いまだに良く判らんのじゃ。


因みに、京楽「遊ぶんジャー」は、最終ラウンドのV入賞が4~7個だった時、保1~保4の一次抽選(1/10)がフリーパスになって、二次抽選の1/24に当選すれば、見事連チャンする仕組みじゃった。
(連チャン率=15.7%)

同じ京楽系の先行機「ザ・ボート」が、これと同じカラクリで連チャンしていたかは判らん。じゃが、「遊ぶんジャー」の「プロトタイプ」として製造されたとすれば、その可能性も大いにあろうて。

仮に、特定のラウンドで、特定個数のV入賞を条件に、二段階判定の一次がフリーパス…という連チャンシステムなら、「ザ・ボート」は、まさに遊ぶんジャーの「先行隊」的存在といえるじゃろう。

しかも、大当り確率は遊ぶんジャー(1/240)より少しだけ甘い(1/235)。もし、ザ・ボートも二段階抽選方式で、しかも二次抽選確率が遊ぶんジャーより高ければ、保連率も15.7%より高くなる。実戦値の「連チャン率=約20%」という数値も、かなり妥当な線となる筈じゃ。但し、トリプルになりにくい「特別な要因」があった事も疑いないじゃろう。


さらに、「ザ・ボート」の10通りの数字図柄に着目すると、「0~9」のうち「3」と「7」を除く全数字は、普通に白文字をボートが囲むデザインじゃったが、3と7だけは、なぜか「白抜きの反転表示」になっておった。

確変デジパチでもないのに、あえて3・7図柄のみ特別扱いするなど、何だか怪しい感じがしたのう…。

そういえば、遊ぶんジャーは「3・7が確変図柄」じゃったから、「ザ・ボート」との共通点も、この辺りにあるかも判らんな。「ザ・ボート」の場合、3・7で当ると「隠れ数珠連モード」に入る…とか。



ともかく、この機種に関しては、個人的にも謎が多いままじゃ…。物好きな方が、詳細な解析情報でも下さったりすると、実にありがたいが…・まぁ、気長に待つとするかの。



とっぴんぱらりのぷう


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