今回は、1998年(平成10年)にIGTから登場したAタイプ4号機「ポッパーキング」を振り返る。
IGTの「新基準機」第一弾となったのがコチラ(「マッスルトマト」の後継機としてデビュー)。
「大量獲得タイプ、簡単目押しで600枚オーバーも可能」との触れ込みで話題となったが、実はビッグ中のハズシが不可で、ジャックインのヒキに負けると、400枚以下で終わる事もしばしば。
その為、「ビンビンカミサマ」(サミー)や「ビーマックス」(アルゼ)など、ハズシを使って安定して大量獲得できる機種に比べると、やや食指が動きづらいとする向きもあった。
ただ、個人的には、派手な予告音や台枠ランプのフラッシュ、香ばしいリーチ目など、本機に惹かれる部分も多かった。また、運次第で大量獲得も可能だったので、仕事帰りによく打った。
赤坂見附の「日拓エスパスA館」が「主戦場」だったが、新宿歌舞伎町の「エルニド3」(3Fに本機、1Fにマッスルトマトを設置)や「グリンピースタワー」でも実戦を重ねた。
なお、本機は「ポッパー」のネーミングよろしくルアー釣りがモチーフ。アングリと大口を開けた魚(ブラックバス)に追われるポッパー君が描かれた、下パネルのデザインもコミカルだった。また、ビッグ中に活躍する15枚役にも、赤と白のポッパー図柄を採用。
余談だが、私は小学5~6年の時分、一時期ルアー釣りにハマった事がある。テレ東の釣り番組「とびだせ、つり仲間」なんかが好きだった。地元ダイエーの中にあった釣具コーナーで、少ない小遣いをはたいて「ラパラ」(フィンランド製)のルアーを買ったり、ホームセンターでバルサ材を調達して自作のルアーをこしらえたり、クラスの友人達と相模湖や河口湖(「震生湖」なんて所にも行ったな…)にバス釣りに出かけたりしていた。
そんな「マイブーム」もいつしか去ってしまったが、本機を思い返すたびに、そんな少年時代の淡い思い出も自然と蘇る。買ったばかりのラパラがモーターボートのスクリューに絡まり、たったの2投目くらいで湖底深く沈んでいった事は、今でも忘れられない…。
(ボーナス確率)
Big Bonus
設定1 1/356.17
設定2 1/341.33
設定3 1/327.68
設定4 1/309.13
設定5 1/292.57
設定6 1/240.94
Reg Bonus
設定1 1/585.14
設定2 1/512.00
設定3 1/481.88
設定4 1/481.88
設定5 1/455.11
設定6 1/364.09
機械割
設定1 93.67%
設定2 96.71%
設定3 99.34%
設定4 102.33%
設定5 105.81%
設定6 119.22%
(払い出し表)
・赤7/緑7・・・15枚+ビッグボーナス
・黒BAR・・・15枚+レギュラーボーナス
・ルアー(ポッパー)・・・15枚
・ベル・・・8枚
・チェリー・・・1枚
・プラム・・・リプレイ(ビッグ中は7枚+ジャックイン)
(通常時の演出)
本機の通常時のゲーム性に大きな「幅」を与えたのが、数々の演出機能である。なかでも、(1)レバーオン時に通常よりも大きな高音が鳴る「予告音(スペシャルスタート音)」、(2)ドラムの回転と同時に台枠ランプが光る「スタートフラッシュ」、(3)第3停止後に台枠ランプが光る「ストップフラッシュ」の3つが、特に際立った演出であった。
予告音やスタートフラッシュは、前機「マッスルトマト」の流れを汲む。また、本機は新たにリール停止後の「ストップフラッシュ」を採用。レバーオン時に「予告音+スタートフラッシュ」、第3リール停止後に「ストップフラッシュ」発生といった、二段階演出が特色だった。これらの演出は、主に成立役を示唆するが、演出と停止目の組合せ次第では、ボーナスが確定するケースもあった。また、同じ小役が揃った場合でも、演出との組合せ次第でボーナス期待度は大きく変化した。
(1)レバーON時の予告音 (3パターン)
(a)予告音なし(通常のスタート音)
(b)予告音あり(派手な効果音が発生)
(c)プレミア予告音(けたたましいBGMが鳴り響く)
(2)スタートフラッシュ (4パターン)
(a)フラッシュなし
(b)点滅(台枠ランプの左右下部がチカチカッと光る)
(c)走行(左右の台枠ランプが下から上にサッと走る(流れる))
(d)プレミア(プレミア予告音時に必ず発生。但し、第1リールをすぐ止めるとキャンセル)
(3)ストップフラッシュ (3パターン)
(a)フラッシュなし
(b)点滅(動きはスタートフラッシュと同じ)
(c)走行(同)
※基本的には、いずれの場合も(a)<(b)<(c)…の順にボーナス期待度がアップ。
これら通常時の演出パターンには、多くの「組合せ」が存在した。即ち、「予告音=2つ」(無/有)×「スタートフラッシュ=3つ」(無/点滅/走行)×「ストップフラッシュ=3つ」(無/点滅/走行)の18パターンに、「プレミア予告音+プレミアフラッシュ」(組合せは1つ)を加えた「計19通り」。なお、演出のパターンは、以下の「成立役別・演出用テーブル」で決定される。
★★演出テーブルについて★★
本機には、「成立役毎の演出決定用テーブル(振り分けテーブル)」が存在する。つまり、成立した役によって、発生する演出パターン(予告音とフラッシュの組合せ)も、予め決まっているのだ。
テーブルの内訳は、ボーナス非成立時が「8つ」(ハズレ時4つ、小役成立時4つ)、ボーナス成立中が「6つ」(ハズレ時2つ、小役成立時4つ)の、計14個。
このテーブルが、成立役に応じて、予告音やフラッシュの有無などを振り分ける。同じ小役でも、ボーナス非成立時とBR成立中では、選択テーブルが異なる。
なかには、「ボーナス非成立だと絶対選ばれず、成立中のみ発生する」パターンもある。その為、予告音・フラッシュ・成立役の組合せ次第で、「鉄板」ボーナス告知に昇格する事もあった。
※テーブルの見方
太字…成立役(ハズレ含む)毎のテーブル(1~14)
細字(上段)…レバーオン時の演出(予告音及びスタートフラッシュ)
・無・無⇒予告音無し+フラッシュ無し
・無・点⇒予告音無し+点滅フラッシュ
・無・走⇒予告音無し+走行フラッシュ
・有・無⇒予告音有り+フラッシュなし
・有・点⇒予告音有り+点滅フラッシュ
・有・走⇒予告音有り+走行フラッシュ
・P・P⇒プレミア予告音+プレミアフラッシュ
細字(下段)…第3リール停止後の演出(ストップフラッシュ)
・無=フラッシュ無し
・点=点滅フラッシュ
・走=走行フラッシュ
ポッパーキング 成立役別・演出テーブル(1)~(14)
(1)ボーナス非成立・ハズレ1
無・無=128/128
無=128/128
(2)ボーナス非成立・ハズレ2
無・無=118/128、無・点=10/128
無=128/128
(3)ボーナス非成立ハズレ3
無・無=111/128、無・点=17/128
無=128/128
(4)ボーナス非成立ハズレ4
無・無=120/128、有・無=8/128
無=118/128、点=10/128
(5)ボーナス非成立・ベル
無・点=102/128、有・無=16/128、有・点=10/128
無=64/128、点=10/128、走=54/128
(6)ボーナス非成立・チェリー
無・無=125/128、無・点=2/128、有・無=1/128
無=64/128、点=64/128
(7)ボーナス非成立・ルアー
有・無=64/128、有・走=63/128 、P・P=1/128
点=128/128
(8)ボーナス非成立・リプレイ
無・点=64/128、無・走=64/128
走=128/128
(9)両ボーナス成立中・ベル
無・無=40/128、無・点/無・走=各10/128、有・無=22/128、有・点/有・走=各23/128
無=64/128、点=10/128、走=54/128
(10)両ボーナス成立中・チェリー
無・無=86/128、有・走=38/128、無・点/無・走/有・無/有・点=各1/128
無=48/128、点=40/128、走=40/128
(11)両ボーナス成立中・ルアー
無・無/無・点/無・走/有・無=各21/128、有・点/有・走=各22/128
無=68/128、点=20/128、走=40/128
(12)両ボーナス成立中・リプレイ
無・無/無・点/無・走=各10/128、有・無=32/128、有・点/有・走=33/128
無=68/128、点=20/128、走=40/128
(13)BIG成立中・ハズレ
無・無/無・点/無・走=各28/128、有・無/有・点/有・走=各14/128、P・P=2/128
無=60/128、点=28/128、走=40/128
(14)REG成立中・ハズレ
無・無=40/128、無・点/無・走=各10/128、有・無=22/128、有・点/有・走=各23/128
無=64/128、点=10/128、走=54/128
細かな数字が並ぶが…例えば「(小役)ハズレ」のテーブルでは、ボーナス非成立時(1~4)に選択されるスタートフラッシュは「無し」か「点滅」。一方、ボーナス成立中(13、14)のハズレは「走行」も選択する。よって、スタートフラッシュが「走行」の場合、小役ハズレでボーナス確定。
特に、「予告音無し+走行」(=無・走)は、ボーナス非成立ならリプレイ時しか選択しないので、リプレイ以外の小役が揃ってもボーナス。
因みに、ビッグ成立中のハズレ時に「2/128」の抽選に当ると、幻の「プレミア予告音」+「プレミアフラッシュ」が出現。但し、予告音発生後、すぐ第1リールを止めると、フラッシュはキャンセルされてしまう。貴重なプレミアフラッシュを見届けるには、けたたましいプレミア予告音を確認したら、ストップボタンからすぐ手を離して、暫くリールを回しておく必要があった。
次に、リプレイのテーブルを見ると、ボーナス非成立時(8)は、「予告音無し+点滅」か「予告音無し+走行」のどちらかを選択。一方、ボーナス成立中(12)は、「予告音有り」の演出も選択する。よって、予告音発生+リプレイ揃いは、鉄板でボーナス。
また、ルアー成立時のテーブルでは、ボーナス非成立(7)だと「予告音有り」しか選ばれない為、「予告音無し」でルアーが揃えばボーナス。なお、ボーナス非成立のルアー成立時に「1/128」で「プレミア予告+プレミアフラッシュ」を選択する為、これを引いてしまうと「ガセプレミア」が発生(ハズレ目ならルアーこぼし確定)。一方、プレミア発生時、ルアーを狙って外れれば、ビッグ確定。
このように、同じ小役(或いはハズレ)の「ボーナス非成立時」と「ボーナス成立時」のテーブルを比較するだけで、鉄板パターンも多く見えてくる。成立時のテーブルのみにあって、非成立のテーブルにないものは、全て小役揃い時の「鉄板演出」となる。
他にも鉄板パターンとなる組合せは幾つもあるので、実機をお持ちなど興味ある方は、テーブルとにらめっこしながら検証して頂きたい。
~その他の鉄板パターン~(抜粋)
・「予告音有+スタートフラッシュ点滅」⇒ベルハズレで鉄板
・「スタートフラッシュ点滅or走行」⇒チェリー揃いで鉄板
・「予告音無+スタートフラッシュ走行」⇒リプレイハズレで鉄板
・「予告音有+スタートフラッシュ点滅」⇒リプレイ揃いで鉄板
・チェリー揃いで「ストップフラッシュ走行」⇒鉄板
などなど
(主なリーチ目)
今回は、順押し時のリーチ目が中心。この他、予告発生時に「中押し」で中段緑7を狙ったり(止まればビッ確)、「逆押し」で枠上に赤7を狙う方法(右下段までスベればビッグ)などがあった。
「★」⇒赤7or緑7orBAR
(1)
赤7or緑7の一直線は、どの組合せでも全ライン有効
(2)
左BAR頭から中段に7図柄が並んだ形
(3)
左「BAR・ルアー・BAR」は一確目
(4)
ボーナス図柄の小V型。右上段は7図柄が条件。
(5)
左下段BARから、ボーナスが右上がりに揃った形。右は7図柄が条件。
(6)
ボーナス図柄の小山型も高確率で入りだが、中リールが右の形だとNG
(7)
左中段チェリー(上下どちらかに7図柄)は、ボーナス図柄が対角で挟めばリーチ目
(8)
この場合、右はルアーでも代用図柄となるが、ルアーの下に「BAR」がある事が条件
(9)
左上(下)段チェリーの場合は、右リールの中段にボーナス図柄があればOK
(10)
ルアーの小V字(鉄板)。同時にリプレイが揃ってもOK
(11)
中段赤7テンパイは、中リールの7の下がベルなら二確目
(12)
左⇒中とベルがテンパった場合も、形次第では二確となる
(13)
左「BAR・リプ・ベル」は小役ハズレ目。
また、演出との絡みでは、レバーオンで「予告音有り+走行」なら一確(小役揃いでも入り)。
(14)
左「ルアー・ベル・リプ」も、小役ハズレで入り
(15)
左ベル・リプ・ベル(サンド目)。但し、左枠上に赤7があるのでバケ濃厚。
やはり、レバーオン時に「予告音有り+走行」なら一確。
(16)
左リプ・ベル・リプ(サンド目)。但し、左枠上に緑7があるのでバケが濃厚。
こちらもレバーオン時に「予告音有り+走行」なら一確。
(17)
小役揃いのリーチ目(左下段緑7からのベル揃い)。ベルは上段(平行)に揃っても可。
(18)
左下段赤7からの中段ベル揃いも入りとなる
(19)
リプレイが上段or下段に揃った形もリーチ目
(20)
やはり下段リプレイ絡みだが、中リール枠下がチェリーなら、テンパイした時点で二確
(21)
左上段赤7からの下段リプテン。右枠内にベルが無ければ鉄板。ベルがあればチャンス目
(ボーナスor小役取りこぼし)。
(22)
左・下段7⇒中・上段ベルの形は、右の枠内にルアーが無ければ鉄板、あればチャンス目。
(23)
左・上段緑7⇒中・上段ベルでも、(22)と同じ扱い
(24)
左リールの上or下段に7図柄⇒中・上段ベルは、ベルの上がチェリーで二確
※通常時の小役確率
(高確時)
1枚チェリー:1/2.73
2枚チェリー:1/4.10
ベル(8枚):1/10.23
リプレイ1/7.30
ルアー(15枚):1/29.79~1/32.77(設定差あり)
(低確時)
1枚チェリー:1/32.77
2枚チェリー:1/23.41
ベル(8枚):1/10.38
リプレイ:1/7.30
ルアー(15枚) 1/131.07~1/136.53(設定差あり)
※減算値…99(全設定共通)
(ビッグボーナス中)
ビッグ中の小役ゲームは、毎回左リール枠内に「BAR・ルアー・BAR」を狙うだけでOK(中・右は適当でも15枚のルアーが揃う)。多少早めでも引き込み制御が働き、遅めに押しても上のBARの3コマ上にルアーがあるので、目押しは楽だった。
当時、技術介入機ももちろん好きだったが、昼間の仕事がキツつく目が疲れた時など、このテの簡易なタイプも好んで打っていた。ネットの「サハラ」(業界初の新基準機)なんかも、やはり同じ理由で打ちこんだ(四ツ谷のスロ専「エース」にて)。
但し、冒頭でも書いたが、配列及び制御上、リプレイハズシは「不可」。変則押しすると、中段にリプレイがテンパイしてしまい、ハズせない上に小役をこぼす。よって、ビッグ中は「3枚掛け・順押し」が必須。
なお、ビッグ中のメイン小役であるルアーには、設定差が存在した。高設定ほど15枚役の確率が高く、ビッグ平均枚数もアップ。ある程度の試行回数を増やせば、15枚役確率とハズレ確率をチェックして、設定判別の材料にもなった。
ハズシ不可の為、ジャックのヒキ次第で獲得枚数は大きく変化する。ただ、いつもいつも速攻でジャックインしてしまった訳ではない。好調が続いて500枚越えが連続することもあり、トータルでは下記の平均枚数に落ち着いていた感じだ。ただ、ハマリ明けでやっと引いたビッグが速攻ジャックイン⇒350枚とかだと、心理的なダメージが大きかったのは事実。
★ビッグ中のJACイン確率:1/5.65(全設定共通)
★ビッグ中の15枚役確率
設定1:1/1.66
設定2:1/1.59
設定3:1/1.53
設定4:1/1.49
設定5:1/1.45
設定6:1/1.40
★ビッグ平均獲得枚数
設定1:430.39枚
設定2:434.31枚
設定3:438.29枚
設定4:441.27枚
設定5:444.19枚
設定6:448.09枚
★パンク時の平均獲得枚数(全設定の平均値)
0パン時…237.46枚、1パン時…344.50枚、2パン時…451.53枚
※本機では、ビッグ終了後、台枠ランプの点灯個数で獲得枚数を概算で表示。
・ランプが4つ点灯…399枚以下
・ランプが6つ点灯…499枚以下
・ランプが全点灯…599枚以下
・ランプがグルグル回転(トルネードフラッシュ)…600枚以上